第2話「人喰いシャボン玉」(1980年2月9日)
冒頭、ベーダー城にて、ヘドリアンたちが前回のムササビラーとデンジマンとの戦闘記録映像を見ている。
ヘドリアン「もうよい、見とうない、消せ!!」

ヘドリアン「まさか、この地球にまで電子戦隊がいようとは、あの忌まわしいロボットがいようとは……デンジ星人が送り込んだに違いない、おのれ、おのれーっ!!」
地球侵略の第一歩から躓き、地団駄踏んで悔しがるヘドリアン。
ヘドリアンの言葉で、デンジ星にも原住民による電子戦隊デンジマンが活動していたことが分かる。
また、ダイデンジンとも戦い、苦しめられたことが分かる。
……
くどいようですが、なんでデンジ星、負けちゃったの?
よほど元祖デンジマンの戦術が未熟だったのだろうか?
ただ、それにしては、ダイデンジンもデンジタイガーも無傷で地球に送られてるんだよね。
何処をどう見ても、ベーダーが勝ったようには見えないのである。
ヘドラー将軍も、「正面攻撃すれば、必ず電子戦隊が……」と、あたかも、まともに戦ってはデンジマンに勝つのは不可能とも取れる発言をしてるからね。
なので、元々デンジ星は滅ぼされたのではなく、ベーダーの侵略を見事撃退し、それとは別に地球に入植していたデンジ姫を守る為に、デンジ星の人たちが将来のベーダーの侵攻を見越して送り込んだことにしておけば、それらの疑問も解消できたのではあるまいか。
追記 第7話では、ダイデンジンはベーダーとの戦いには間に合わず、電子戦隊も存在しなかったことになっている。
それはともかく、ヘドリアンはシャボンラーと言うベーダー怪人を誕生させ、新たな作戦を開始させる。
一方、そのデンジマンのいるデンジランドでは、赤城たちが、デンジ星人の遺してくれたハイテクメカの凄さに改めて目を見張っていた。

黄山「信じられないよ、こんな凄い超兵器が3000年も昔に飛来してたなんて」
その場にはあきらの姿が見えなかったが、彼女は以前と同じく、テニスの練習に打ち込んでいたのだ。
続いて、シャボンラー、ケラー、ミラーの三人が地上に舞い降りるのだが、

初期の「デンジマン」と聞くと、ついこれを連想してしまうほど印象深い、スチール写真を使った原始的な「特撮」が使われる。
キャプでは分かりにくいが、ケラーの写真をいくつかに分解し、それを背景となる写真の上に少しずつ乗せていき、それをコマ撮りすることで、あたかも空中にケラーが出現したように見せているのだ。
三人はまず、色とりどりの花が咲く温室を見つけ、

ミラー「花よ、人間どもは花を見て心を和ませているわ」
シャボンラーが口から大量のシャボン玉を吐き出し、温室の花に浴びせると、それらはたちまち萎んで枯れてしまう。
正直、それが地球侵略と何の関係があるのかと思うが、これは、美しいものを憎むヘドリアンの個人的欲望を満たす為に行っているのである。

ミラー「シャボンラー、どうしました?」
シャボンラー「うう、嫌な音だーっ!!」
頭部だけになった三人が歩道を歩いていると、シャボンラーが不快感もあらわに呻き出す。
ちなみに予告編では、

この、いささかトホホな合成シーンの素材となる映像が見える。
つまり、暗幕の前で、三人の体の一部を撮影し、それを歩道の映像に重ねているのである。

それはともかく、シャボンラーを苛立たせる音は、人間の耳には心地よい、佐藤いずみと言うバイオリニストの出している妙なる調べだった。
なお、以前は見逃してしまったが、

今回、二人が建物に近付くカットで、ミラーのホットパンツから、尻肉がかなりの分量はみ出ていることが分かり、嬉しさのあまり似たような画像を二枚も貼ってしまった管理人であった。
く~、これだからリテイクはやめられねえぜっ!!
シャボンラー、自らの体を透明にして会場に入り込み、

ステージで演奏しているいずみちゃんに、大量のシャボン玉を吹き付ける。

で、このいずみちゃんがなかなか可愛いのである!!
だが、シャボン玉を浴びたいずみは、

顔面蒼白となり、マネキン人形のように固まってしまう。
「ゴーグルファイブ」以降の戦隊シリーズなら、固まるだけで、事件解決後に元に戻ってるところだが、初期の戦隊シリーズは人間爆弾でお馴染みの上原さんが書いてるので容赦がなく、

いずみちゃんはそのまま後ろに倒れ、復元不能なまでに粉々になってしまう。
グロいわー。

事件を聞いた赤城たちはすぐにデンジマンに変身してデンジランドからデンジバギーなどで出撃する。
第1話で「半島」と言っていたように、初期設定ではデンジランドは孤島ではなく、半島に着陸したことになっていて、陸路で出撃することも可能なのだ。
ただ、その映像につなげて、

ヘドラー「出ました、電子戦隊です」
ヘドリアン「ムササビラーの仇を討て」
その映像をベーダー一族がモニターで見ているところが映し出されるのだが、これでは、早くもベーダーがデンジランドの位置を把握しているようにも見えてしまう。
少なくとも、ある程度の位置は特定できないとおかしいだろう。
この後、4人とシャボンラーたちのバトルとなるが、5人揃わないデンジマンは決め手を欠き、あっさり逃げられてしまう。
4人はすぐあきらに会いに行き、デンジマン復帰をお願いするが、

あきら「悪いけど、私は一緒に戦えないわ」
赤城「5人揃って、はじめて電子戦隊としての力を発揮できるんだ」
緑川はずいと前に出ると、

緑川「ベーダーをこのままのさばらせておいても良いと言うのか」
あきら「私の夢はテニス世界一よ」
緑川「自分さえ良ければ、他人はどうなっても良いって言うのか?」 父親をベーダーに殺され、人一倍ベーダーへ闘志を燃やす緑川がなじるように問い掛けるが、あきらはくるっと背中を向けて、何かを思い出すような目をしながら、
あきら「高山コーチは私を世界一にしようとして病気を押してコーチしてくれたわ、私はテニスを続けたい、続けるしかないのよ」
ひとりの女性としては当然でも、戦隊ヒロインとしては言語道断の身勝手な台詞を口にするあきらに、緑川は思わず駆け寄り、その腕を掴み、

緑川「待てよ、一緒に戦ってくれ、このとおりだ、頼む!!」
あきら「放して!!」
手を合わさんばかりに懇願するが、あきらはすげなく振り解く。
どうでもいいが、演技力では、緑川の内田さんがトップだろうなぁ。
もっとも、後の戦隊シリーズのように新人ばっかりと言うことはなく、モデル出身のあきら以外は演技経験のある俳優ばかりなので、全体的に演技力は高めである。
緑川はなおも食い下がるが、赤城が間に入り、

赤城「やめろ」
あきら「……」
赤城「行きなさい」
あきらは緑川の横をすり抜けて去って行く。

それはそれとして、あきらの、とてもテニスをやってるようには見えない丸太ん棒のような足がとても素敵だと思いました。
緑川「おいっ、放せ、放せ!!」
赤城「落ち着け、彼女の意志は固い、時間を掛けて説得する必要があるんだ」
諦め切れずに追いかけようとする緑川を、赤城が力尽くで引き止める。

あきら、自宅マンションに戻ると、気持ちを落ち着かせるためにピアノを弾く。
緑川「自分さえよければ他人はどうなっても良いって言うのか?」 だが、演奏中も、その脳裏では、さっきの緑川の痛烈な言葉がリフレインされていた。

ふと気付けば、部屋の中を無数のシャボン玉が舞っている。

あきら「わあ……まあ、綺麗」
非現実的な出来事であったが、何しろ飛んでいるのがシャボン玉なので、あきらは不審に思うどころか、子供のように目を輝かせてその光景を楽しむ。

だが、手にしたシャボン玉が弾けず、いくら手で擦っても水で洗っても、後から後から無限にシャボン玉が出現するという怪奇現象が発生する。
やがてはその頭にもシャボン玉がくっつき、当人には大事(おおごと)でも、周りから見ると笑ってしまう状態となる。
あきら「助けてーっ!!」
あきらの悲鳴は、マンションの下までやってきていた赤城たちの耳にも届く。
4人はすぐあきらの部屋の前まで行くが、ドアに鍵がかかっている。
青梅「よし、俺に任せろ」

そう言うと、青梅は屋上からロープを垂らしてあきらの部屋まで降りて行き、窓から飛び込むと言う離れ業を演じる。
ま、大葉さんのアクションを見せたかったのだろうが、いかにもまだるっこしく、普通にドアを蹴破るのがモアベター。

青梅「ひでえなぁ、こりゃ」
4人が部屋に入ったときには、既にあきらの体は佐藤いずみと同じく、陶器のように硬質化していたが、不幸中の幸い、倒れたのが絨毯の上だったので、あきらの体は無傷だった。

黄山「心臓は動いてるぞ」
青梅「病院へ運ぼう」
緑川「待て、触らない方がいい、ちょっとした衝撃でバラバラになってしまうぞ」
助け起こそうとする青梅を、緑川が慌てて止める。
黄山「じゃ、このまま放っておけって言うのか?」
赤城「方法を考えるんだ」
青梅「どんな方法があるんだ? どうすれば助かるんだ?」
なにしろ、まだデンジマンに成り立ての5人である。
気ばかり焦るだけで、一向に解決策が思い浮かばない。
黄山「心臓の動きがだいぶ弱ってる」
青梅「仕方ない、病院へ運ぼう」
緑川「マンションの4階だぜ、ここは」
赤城「おかしい、何かある……そうだ!!」
ひとり、何事か考え込んでいた赤城、不意に何かを思いつくと、デンジレッドに変身する。
そして、デンジスコープであきらの体を仔細に観察する。
ナレ「デンジスコープは、デンジ赤外線の作用で物体を透視することが出来るのである」
そこにこんな解説が加わるので、この際だからあきらのヌードでも拝もうというのかと思いきや、そうではなかった(当たり前だ)

デンジスコープによって、あきらの体にシャボンラーが覆い被さり、腰をカクカクさせているのが見えた。
以前も書いたが、なんかヒワイだ……
それを見ていたレッドは、
レッド「勃っちゃった……」 緑川「デンジマンやめちまえっ!!」 じゃなくて、
シャボンラー「私を攻撃すればこの娘は砕けて死ぬ。お前たちは指一本触れることが出来ない」
レッド「なにっ」
青梅「おい、どうした」
レッド「ベーダー怪物が取り憑いてる」
緑川「ようし」
緑川、手近にあったラケットを振り下ろそうとするが、
レッド「待て、ちょっとしたショックでもバラバラになるぞ」
レッドに止められる。
……
ついさっき、「待て、触らない方がいい、ちょっとした衝撃でバラバラになってしまうぞ」って言ってた人が同じことをしようとして注意されるのは、いかにも間が抜けてるなぁ。
あと、別にシャボンラーがあきらの体に張り付いている必要はないのでは?
あきらの体がこんなになってしまったのは、あくまでシャボン玉のせいなんだから。
つーか、そんなセクハラを楽しんでないで、さっさとあきらの体に衝撃を与えて砕いてしまえば良いのである!!
さすれば、第2話にして早くもベーダーの大勝利だったろうに……
なのでこのシーン、無理にシャボンラーを出す必要はなかったように思う。
CM後、どうやってあきらを助ければ良いのか分からず、苦悩しているレッドたち。
と、レッドの強化スーツに内蔵されている電子頭脳がその答えをはじき出す。

レッド「デンジシャワーだ、みんな、デンジスパークしろ!!」
そう、困ったときのデンジシャワーと言うことで、病気の治療から相続問題まで、ありとあらゆる問題を解決してしまう万能光線デンジシャワーを浴びせろというものだった。
レッドの掛け声に青梅たちも変身し、

身動きできないあきらの顔面に、よってたかってデンジシャワーをぶっかけるのだった。
シャボンラーは実体化して部屋の隅に投げ飛ばされ、同時にあきらの体も元通りになる。

レッド「しっかりしろ、あきら」

頼もしい男子たちに取り囲まれ、「眠れる森の美女」よろしく、ぱっちり目を開くあきら。
部屋の隅にシャボンラーがいるのを見て、パッと身構える。

グリーン「こいつが君に取り憑いていた、君の命を奪おうとしたんだぞ」
あきら「えっ」
レッド「力を貸してくれ、こいつを倒さねば」
自分を守ろうと必死に戦っているレッドたちの姿に、遂にあきらも覚悟を決めてデンジスパークする。
ちなみにこのシーンのシャボンラー、妙に強くて4人を次々と投げ飛ばしているのだが、変身せざるを得ないような状況にあきらを追い込むための芝居だった可能性が無きにしも非ず。
さて、ここまで来れば詳述の必要はあるまい。
やっと5人揃ったデンジマンが、サクッとシャボンラーを倒し、事件解決。
終わってみれば、何がしたいのか良く分からない作戦であった。
こんな作戦で若い命を散らしたハートキャッチいずみちゃんが不愍でならない。
エピローグ。

赤城が、後楽園球場で子供たちに空手を教えていると、職員が来て「出てけ!!」と叫ぶ。
じゃなくて、青梅たちが来てスタンドに腰掛ける。
だが、相変わらずあきらの姿はない。

緑川「彼女さえいればなぁ……」
青梅「5人揃って力を出せるんだからなぁ」
と、稽古を終えた赤城も上がってきて、
赤城「テニスは彼女の人生なんだ。仕方がないさ」
青梅「おっ」
青梅の声に、みんながそちらを見ると、そこに、あの恥ずかしいホットパンツ姿のあきらがラケットを手に立っていた。
赤城「来てくれたのか」
4人は喜色を浮かべてあきらに駆け寄る。

あきら「ごめんなさいね、ワガママ言って」
赤城「来てくれて嬉しいよ」
あきら「世界チャンピオンを育てます、子供たちをコーチして……高山コーチもきっと喜んでくれると思います」
あきら、世界平和のために敢えて自分の夢を捨て、代わりに未来のテニスチャンピオンを育成することにしたのである。
改めて手を重ね合う5人。

青梅「これで揃ったな」
赤城「うん、苦しい戦いだけど、頑張ろう!!」
こうして戦隊シリーズ初(?)の、メンバーのボイコットも回避され、デンジマンは漸く本当のスタートラインに立ったのだった。

と、それに続けて、トコトコ走り去ろうとしているアイシーのケツの穴が映し出され、一瞬、スタッフの意図を量りかねたが、

カメラが引くことで、それが、あきらのヒップをより美しく見せるための引き立て役であったことが判明する。
ラスト、球場の中を逃げ回るアイシーを追いかけている5人の姿を映しつつ、幕となる。
ヒーローをやめたいとごねるヒロインと、それを翻意させようとするメンバーたちと言う、前代未聞の事態を描いたドラマ重視の作品ではあるが、あきらの葛藤や心変わりがろくに描かれていないのが残念であった。
ま、小泉さんの演技力不足も考慮しての演出だろうが……
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