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「ウルトラマンA」 第32話「ウルトラの星に祈りを込めて」


 第32話「ウルトラの星に祈りを込めて」(1972年11月10日)

 冒頭から、宇宙ステーションナンバー5が正体不明の宇宙船に攻撃されて破壊されたとの知らせが入り、緊張に包まれるTAC本部。

 竜隊長は、直ちに出撃を命じる。

 
 東京上空に出現したのは、いかにも宇宙船らしい、分かりやすいデザインをした宇宙船だった。

 
 竜「攻撃準備!!」

 美川隊員を隣に乗せないと、仕事をする気が出ない竜隊長。

 美川隊員の画像を貼らないと、レビューする気が起きない管理人。

 何気に、二人は似たもの同士だったんだね。

 それはともかく、TACの各機が一斉射撃を開始すると、宇宙船もそれを回避しつつ反撃に応じる。明確な意思を持って侵略行為を働いているのは明らかであった。

 と、TACアローに乗った北斗が正面から突っ込んでいくが、

 
 ここで宇宙船が不思議な閃光を放ち、それをまともに浴びた北斗の体に異変が起こる。

 目がぼやけて宇宙船がいくつにも見えたり、

 
 北斗「体に力が入らない……」
 竜「北斗、どうしたんだ?」
 北斗「うわーーーっ!!」

 催眠術にでも掛けられたように意識朦朧となって体の自由を失い、アローは錐揉み回転しながら宇宙船の脇をすり抜けて、地面目掛けて急降下する。

 さいわい、正気に戻った北斗が寸前で機体を立て直したので、実害はなかったが、他の隊員たち……厳密には山中隊員の不興を買ってしまう。

 山中「何やってんだ、あの野郎」

 なんか最近、山中隊員が北斗のことを叱るシーンが増えたような気がする。

 
 その山中隊員の乗るスペースが対空ミサイルを発射するが、この映像だとミサイルが宇宙船を追い越しているように見えて、ちょっと失敗。

 
 それでも攻撃自体はTACにしては滅多にないことだが成功し、その一撃で宇宙船はあっけなく砕け散る。

 TACにとっては大殊勲であったが、その分だけ、北斗のやらずもがなのヘマが目立つ結果になってしまう。

 なお、超獣コオクスも、その宇宙船に乗ってやって来たと思われるのだが、この爆発を生き延びて地上に落ちたのであろう。

 つまり、コオクスを使役する宇宙人が別にいた訳だが、その正体については最後まで不明のままである。

 本部に帰還した北斗を待っていたのは、案の定、山中隊員の怒声だった。

 
 山中「何てことだ、北斗は? 事故調査の結果、操縦ミスだという結果が出てるんだ、お前は何のために飛行訓練を受けたんだ?」
 北斗「はぁ、それが……突然変な音がしてグルグルとたくさんの宇宙船が見えて全身の力が抜けてしまったんです」

 北斗、正直にありのままを話して弁解するが、山中隊員は取り合ってくれず、

 
 山中「誰もそんな変な音は聞いてないんだぞ、お前の耳だけが特別に感度がいいのか?」
 北斗「しかし!!」
 山中「しかしもへったくれもあるか、あの宇宙船は攻撃ミサイル一発で仕留められたんだ、完璧なTACの勝利に対してお前は詰まらんミスをしてくれたもんだ」
 北斗「すいません」

 ガミガミと山中に怒鳴られても、自分の言葉を裏付ける物証が何もない以上、北斗はひたすら詫びるしかない。

 山中は小言だけでは済まさず、しばらく北斗を地上勤務に回すべきだと進言する。

 これには北斗も強く反発し、進んで飛行訓練を受けたいと申し出て、竜隊長もそれを許す。

 山中「俺が地上から指導してやる。明日の朝、日の出と共に訓練開始だ」
 北斗「ありがとうございます!!」

 その教官が山中と言うのがウツであったが、地上勤務にまわされるよりはマシだと、北斗は欣然と礼を言う。

 そこへ今野が来て、

 
 今野「山中隊員、準備が出来ました」
 竜「何の準備だ?」
 山中「今日の勝利を祝って乾杯の用意をさせてあるんです」
 竜「ほぉ」

 背後のシャッターが開くと、テーブルの上に飲み物やケーキ、花などが置かれ、その向こうに美川隊員と吉村隊員が立っていた。

 竜「こりゃ結構だな、早速はじめようじゃないか」

 笑顔でそう答えつつ、内心では「いっぺんで良いから全裸の美川隊員の体に生クリームを塗りたくって舐め舐めしたいなぁ」と、最低の妄想を描いたのは竜隊長では断じてなく、ド変態の管理人です。

 
 ま、祝勝会を開くのは良いのだが、そこに出て来たケーキが、かなり気合の入った特製ケーキなのが、いかに普段、A抜きの勝利から遠ざかっていたかと言うことをあらわしているようで、ちょっくら悲しい。

 
 美川「ケーキいただきましょうか?」

 正直、ケーキなんかどうでもいいという役者さんが多かったのではないかと思うが、あくまでこれはちびっ子向けドラマだから、いかにも子供が喜びそうなものが並ぶのは仕方ない。

 と、何の前振りもなく、吉村隊員が生ギターを取り出して首にかけ、

 
 吉村「牧場の緑が左右に別れ~♪」

 いきなり「TACの歌」を歌い出す。

 これだけ見ると、吉村隊員が発狂したのかと思うところだが、

 
 それに対して他の隊員たちが別に驚いた風も見せず、気持ち良さそうに吉村隊員と一緒に合唱を始めるのは、ほとんどどっかの宗教団体かと思うほどコワい。

 
 美川「スペースマシンが~♪」

 で、当然美川隊員も歌っているのだが、大人の女性である西さんにとって、こんな特ソンを本気で歌ったのは、これが生涯唯一の経験だったのではあるまいか。

 あ、まあ、後年、イベントとかで歌う機会があった……のかなぁ?

 だが、落ち込んでいる北斗だけは、合唱に加わらず、少し寂しそうな顔でみんなの楽しそうな様子を眺めているのだった。

 勤務からの帰り、水門前の堤防に座り込んでつまらなそうに小石を投げて黄昏ていた北斗であったが、

 北斗「ようし、明日からもう一度やり直しだ!!」

 そこは若さの強みで、急に気持ちを切り替えると、自分に言い聞かせるように叫ぶのだった。

 一方、

 
 白いセーターに赤いミニのジャンパースカート、その上にエプロンをつけた、まるっきり新婚スタイルの香代子が、買い物籠をぶら下げてダンと一緒に歩いていると、

 

 
 ダン「危ない!!」

 向こうから歩いて来た子供の後ろからトラックが突っ込んで来たので、ダンはその子供に抱きつくようにしてどかし、なんとか助ける。

 いやぁ、それにしても、白いハイソックスを履いた香代子さんの足、細くて綺麗ですね~。

 白いハイソックス(ブーツでも可)にミニスカの組み合わせって、何気に地上最強ではないかと思う。

 それはさておき、もう少しで人身事故を起こして人生詰むところだったトラックの運ちゃんは、少年の身を気遣うでも、ダンに礼を言うでもなく、

 運転手「ばかやろう、何処見てほっつき歩いてんだい!!」

 運転席に座ったまま、怒鳴り散らす。

 
 ダン「おじさんだって、スピードの出し過ぎだよ」
 運転手「なんだとぉ、てめえ、俺に文句あるのか」
 ダン「だってこの裏道は徐行だもん、ゆっくり走らなきゃいけないんだよ」

 だが、負けん気が強く、曲がったことの嫌いなダンは怖じず臆せず堂々と反論する。

 運転手「けっ、ろくでもねえこと言いやがる、おい、姉ちゃん、この子と知りあいかい?」
 香代子「いいえ」
 ダン「ぎぃやああああああーっ!!」

 姉のまさかの裏切りに、思わず絶叫するダンであったが、嘘である。

 ま、実際に「いいえ」と答えているのだが、運転手はその少年について聞いたので、香代子も知らないと答えたまでのことなのである。

 ただ、運ちゃんが直前までダンと言い争っていたので、ダンのことを聞いたと思うのが自然なので、このシーンはちょっと紛らわしいと思う。

 運転手「坊や、これからは気をつけて歩くんだぞ」

 運ちゃん、結局最後まで反省の色を見せず、さっさと走り去ってしまう。

 その途端、少年がその場にペタンと尻餅をつく。

 香代子「ひどい熱、まるで火のようだわ。すぐ救急車呼ばなくちゃ」
 ダン「俺、電話してくる」

 すぐ駆け出そうとしたダンを、その少年が止める。

 アキラ「待って下さい、もうしばらくすれば治ります」
 香代子「無理よ、そんなぁ」
 アキラ「時々こうなるんです、生まれつきなんです」

 少年は、二人を納得させるように自力で立ち上がって見せる。

 ダン「それじゃ俺んちで休めばいいや」
 香代子「そうね、それがいいわ」
 ダン「俺、ダンてんだ、君は?」
 アキラ「僕は……そう、星野アキラです」

 ダンに名前を聞かれて、いかにも今考えましたという風に名乗る少年。

 
 ダン「アキラ君かぁ」
 香代子「さ、行きましょう」

 だが、そんな美少年が超獣の仮の姿とは夢にも思わない二人は、何の疑いも持たずにアキラを促して歩き出す。

 ……

 いやぁ、エロい!!

 正直、レビューするまでノーマークと言うより、その存在すら忘れていた香代子さんだが、こんなにエロい体をしていたとは、予想外の収穫であった。

 深夜、寝ていた北斗は隣に住むダンに叩き起こされる。

 あのまま家に泊めたアキラ少年がひどい熱を出しているというのである。

 
 北斗「凄い熱だ、お医者さんを呼んでこなきゃ」
 ダン「駄目なんだよ、アキラ君はお医者が一番嫌いなんだってさ」
 北斗「何を言ってるんだい、注射の一本や二本がなんだ、男の子なんだろう? 僕が呼んできてあげるよ」

 少年には、どうしても医者に診てもらえない理由があったのだが、北斗は単に注射が怖いのだろうと勝手に決め付け、なんとしても医者を呼ぼうとするが、

 アキラ「この人、誰?」
 ダン「TACの北斗さんだよ」

 TACと聞いた途端、

 
 少年の目が異様な光を帯び、北斗の顔をまじろぎもせず見詰める。

 と、再びあの時の現象が北斗を襲い、北斗は激しいめまいと耳鳴りを感じ、両手で耳を塞いで苦悶の表情を浮かべる。

 ダン「どうしたのー?」
 北斗「気分が悪い……帰る」

 よほどつらかったのか、北斗は無責任にもさっさと自室に引き揚げてしまう。

 で、この少年こそ超獣コオクスの仮の姿なのだが、3話でも似たような役をやった高橋仁さんを起用しているのは、いささか芸がない。

 翌朝、ベッドの上に倒れるようにして眠りこけていた北斗、通信機のけたたましい呼び出し音で起こされる。

 北斗「はい、こちら北斗」
 山中「バカヤローッ!! まだ寝惚けてんのか、飛行訓練をやるといったのはお前なんだ」

 訓練をすっぽかされて怒り心頭の山中隊員の怒鳴り声で、北斗は漸く目を覚ます。

 北斗「すいません、今すぐ家を出ます」
 山中「しょうがないやつだな、早く来るんだ」

 
 北斗「あれえ、不思議だ、僕は一体どうしたんだろう? そうだ、ダンの部屋へ行って……待てよ、あそこで不思議な鐘の音を聞いたんだ」

 前後不覚で寝ていた北斗、やっと昨夜のことを思い出し、改めてアキラ少年に対する疑惑を認識する。

 正直、北斗が熟睡している間にアキラ少年が超獣になっていれば、確実に北斗を押し潰すことができていたであろうに、せっかくのチャンスを棒に振ってしまったように見えるが、コオクスはTAC壊滅と言う使命を受けているが、北斗の正体がAであることまでは知らないのだろう。

 もっとも、北斗がダンの部屋に入ろうとすると、部屋に入らないうちからあの音が聞こえて来たので、少年が北斗に向かって発射しているというより、その体から自然とその音波なり電波なりが放射されているようにも見え、だったらそばにいるダンや香代子にだって影響がありそうなものだけどね。

 現に、北斗自身も「どうして僕にだけ?」と、不思議がってるくらいだから。

 この少年の眼力については、いまひとつ分からない点が多い。

 ウルトラ戦士にだけ効果があるのなら今までの描写にも矛盾はなくなるが、後に山中隊員も被害を受けているからね。

 と、北斗がアパートの廊下でグズグズしていると、再び通信機が鳴り、

 山中「おいっ、もう、いい加減にしろお前、まだいるのか?」

 怒りで発狂寸前の山中隊員の叫びが爆発する。

 でも、いくら北斗が急いだって、その僅かな時間のうちにTACに着ける筈がないのだから、山中隊員もあまりに短気のように見える。

 それでも少年のことが気になって仕方のない北斗、やむなく、ダンへの置き手紙を書いてから、急いでTACへ向かう。

 漸く現れた北斗を、山中はガミガミと叱りつける。

 山中「何時だと思ってんだ? もう太陽はとっくに昇ってんだぞ」
 北斗「すいません」
 山中「そんなぶったるんだ気持ちで訓練になるか!!」
 北斗「……」
 山中「何をボサッとしてんだ、早くアローに乗れ、俺はここで指示を与える」
 北斗「はいっ」

 訓練まで中止しそうな剣幕だったが、それでも北斗にチャンスを与えてくれる山中であった。

 一方、牛乳を取りに出たダンは、牛乳瓶の間にメモが挟まっているのに気付く。

 ダン「……わけは後から説明します、アキラ君に注意してください、どこか人と変わったところがあったら大至急TACに連絡してください。ウルトラ5番目の兄からウルトラ6番目の弟へ……ウルトラサインだ!! これは本物だぞーっ!!」

 手紙の最後に添えてあるウルトラサインを見て、ウルトラ兄弟マニアのダンが、本物のAからの手紙だと信じて興奮したのは言うまでもない。

 さて、北斗、早速訓練を始めるが、アキラ少年のことが気になって身が入らず、何度も教官役の山中に怒鳴られる。

 ダンとアキラは屋上に上がってその訓練の模様を見物するが、

 
 ダン「下手糞な飛び方だなぁ」
 アキラ「あの飛行機、もうすぐ墜落するよ」
 ダン「ええっ?」
 アキラ「だってあんなにヘタなんだもん」
 ダン「そうかもしれないね」

 続いて北斗が急降下訓練をしようとすると、

 
 アキラ「……」

 アキラ少年はいかにも邪悪そうな目でその動きを追っていたが、やおら右手を突き出し、その赤く光る指先から北斗に例の怪音波(?)を発射する。

 赤い光に包まれ、再び体の自由を失う北斗。

 ダン「変だ、墜落しそうだ」

 
 少年の指の動きに操られるように、空中を何度も旋回するアロー。

 ダン「やめろ、変なことをすんな!!」

 あの手紙でそれとなくアキラのことを観察していたのだろう、ダンがその手を掴んで振り払う。

 ネタばらしが早過ぎる気もするが、

 
 ダン「君は?」
 アキラ「そうだ、超獣人間コオクスだ、TACを全滅させてやる、その為にまず北斗の頭を混乱させるのだ」

 アキラ、悪人メイクになって自ら正体と目的を明かすと、ダンに向かってくる。

 その口ぶりでは、北斗の正体がAであることを知っているようである。

 と、すれば、部屋に入る前にあの現象が起きたのは、北斗の気配に気付いて先手を打ったということか。

 うーん、でも、だったらさっきも言ったように、北斗が寝ている隙に何故一気に襲おうとしなかったのかと言う疑問が残る。一晩何もしないで過ごすとは、侵略者にしてはあまりに怠慢ではないか。

 また、せっかく北斗を墜落死させるチャンスだったのに、ダンに少し邪魔されただけで、さっさと姿を消してしまったのも解せない態度である。

 まあ、人間の姿はしていても所詮は超獣であり、命令者である宇宙人(?)が先に死んでしまったため、とかくその行動に合理性が欠けて見えるのも当然かもしれない。

 CM後、いい加減うんざりだが、またしても山中からダメ出しを食らっている北斗。

 
 山中「何度やっても全く駄目です、水平飛行すら満足に出来ないし、北斗は狂ってるとしか言いようがありませんね」
 竜「一体どうしたというんだ?」
 北斗「また変な音がすると、目の前が回転して体の力が抜けてしまうんです」
 竜「疲れで神経がやられてるんじゃないかな」

 今回は既に侵略者を撃滅したと信じ込んでいるので、竜隊長も超獣の関与を露ほども考慮せず、常識的な解釈をするだけだった。

 結局、北斗には、当分の間地上勤務と言う、ある意味穏当な処分が下される。

 同じ頃、

 
 香代子「ね、やめなさい、北斗さんお仕事してるのよ」
 ダン「姉ちゃん、俺を信用してよ、本当にアキラ君は超獣人間だったんだぜ」

 ダンは、姉の諌めも聞かず、花屋の店先の赤電話から北斗にさっきのことを伝えようとしていた。

 それはさておき、管理人、このシーンを見て、前屈みになった香代子さんの真後ろに体育座りして、思いっきりミニスカの中を仰ぎ見たいという衝動を覚えました。

 ちなみに香代子がサンダル履きであることから、香代子はこの花屋で働いているようだ。

 ダンの電話はTAC本部に繋がるが、応対したのは山中隊員で、ダンの話を適当に聞き流してガチャッと受話器を置く。

 
 北斗「ダンからですねっ」
 山中「そーっだ、お前の友人もだいぶ参ってるようだな」
 北斗「そんなことありません、彼は正常です」
 山中「友人が超獣人間なんて言う子のことが信じられるか」
 北斗「ほんとなんです!!」

 山中隊員、相手にするのも馬鹿らしいとばかりその場を離れるが、北斗は粘り強く隊長に訴える。

 北斗「事故のときと同じことが少年の近くに行くと起こるんです」
 竜「うんー」
 北斗「本当です、信じてください」

 竜隊長、北斗の発言を吟味するように考え込んでいたが、やおら顔を上げると、

 
 竜「北斗、君はやっぱり当分の間、地上勤務だ。ゆっくり休養を取りたまえ」

 結局、山中隊員と五十歩百歩の結論に落ち着くのだった。

 使えねーなー、隊長!!

 今までだって、超獣が人間に化けてTACに侵入したことが何度もあったのだから、北斗の言うことを頭から否定する竜が、まるっきり見掛け倒しのボンクラに見えてしまう。

 その後、北斗は目隠しをして木に吊るしたロープを掴み、体をグルグル回転させて平衡感覚を鍛えるという、後の「レオ」の特訓の走りみたいなことをする。

 周りのサポートを期待できない以上、自力であの技を打ち破るしかないと考えたのだろう。

 一方、ダンは、

 ダン「Aにコオクスの弱点を教えてあげてください、指の先から変な光を出しているのです」

 夕空に輝くウルトラの星に向かって、一心にお願いするのだった。

 まあ、指の先から光を出すからって、それが弱点とは限らないんだけどね。

 
 翌日、アキラ少年はTAC基地付近で超獣に変身する。

 直ちにTACが迎撃に出るが、当然、北斗だけは本部に残される。

 だが、超獣相手では相変わらずクソの役にも立たないTAC、散発的に攻撃を加えるだけで、コオクスの進撃を止めることさえ出来ない。

 
 美川「大変です、隊長、レーダーに向かっています」

 と言う訳で、とりあえず美川隊員の美しいお顔を貼っておく管理人であった。

 北斗、本部で文字通り居ても立ってもいられない様子であったが、

 
 竜「山中、機首を起こせ」
 山中「駄目です、体に力が入りません、あ゛あ゛ーっ!!」
 北斗「……」

 彼らの通信で、山中もあの怪光線を浴びてピンチに陥っているのを知り、「よっしゃあああーっ!!」と、心の中でガッツポーズ……じゃなく、ヘルメットを掴んで飛び出すのだった。

 その後、竜も同じ光線を浴びるが、ファルコンもスペースも、それぞれ不時着して事なきを得る。

 
 代わりに北斗のアローがコオクスに猛撃を加え、それなりのダメージを与えるが、結局撃墜されてしまう。

 ここからいつものラス殺陣となるが、Aに対してもあの怪光線は有効で、Aは体の平衡感覚を失い、真っ赤な血の色のような空間で、コオクスに良い様にいたぶられる。

 要するに、あの特訓は全く意味がなかったんですね。

 ま、人生なんてそんなもんである。

 
 と、ここでウルトラの星からウルトラサインが出され、コオクスの指先が弱点だと教えてくれる。

 A(そう言うことはもっと早く教えてぇええーーーっ!!)

 と、Aが心の中で絶叫したかどうかは不明だが、

 
 たちまち元気を取り戻したAは、両手から菊の花のような光輪を生成し、

 
 それを回転ノコギリのように投射して、

 

 
 コオクスの両腕を切り飛ばすのだった。

 ……

 いや、そう言うことが出来るのなら、アドバイスを受ける前にやれば良かったのでは?

 弱点であろうとなかろうと、両腕を切り落としたらほぼ勝ちなんだから。

 ともあれ、ダルマさん状態になったコオクスを情け容赦なくボコると、

 
 最後は必殺メタリウム光線を放ち、

 
 その息の根を止めるのだった。

 この、頭部から弾ける火薬の量も半端なく、実に派手で見栄えがする。

 
 山中「北斗、ほんとにすまなかった、悪かった、俺も錐揉みをやってしまった。あの少年の言ったことを、信ずるべきだったなぁ」

 本部に引き揚げるや否や、快男児・山中は北斗に心から謝罪する。

 キチガイ扱いまでしといてその一言で済まそうというのは、あまりに虫が良過ぎる気もするが、無論、主人公である北斗は、笑ってそれを水に流すのだった。

 竜「いやぁ、私も謝る、もっと慎重になるべきだった」
 北斗「いえ、僕も隊長に謝らなきゃなりません、命令違反してアローに乗ったんですから」
 竜「その罰は重いぞ」
 北斗「……」

 生真面目な北斗、竜の言葉に固くなるが、

 竜「はっはっはっ、いやぁ、冗談だ。緊急中の緊急事態だったからな、みんな君のお陰で命拾いをしたんだ、礼を言うのはむしろ私のほうだ、あ、それから、あの少年にも礼を言わなければならない」
 北斗「早速彼に伝えてやります」

 無論、ボンクラでもそこまで話の分からない隊長ではない竜は、笑って不問に付し、ついでにダンのことにも言及し、北斗を喜ばしてやるのだった。

 ラスト、北斗とダンが仲良く歩行者天国を歩いているシーンで幕となるが、肝心の香代子さんがいないので、画像は貼りません。誰が貼ってやるものか。

 以上、主人公がTACの中で孤立するという、「新マン」でお馴染みのプロットだったが、ストーリーに捻りがなく、少年の正体も早い段階で分かってしまうので、深刻なドラマが展開する割りにはいまひとつ爽快感のない凡作であった。

 香代子さんのミニスカハイソックス姿が最大の収穫だったと言えるだろう。
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コメント

(好きな隊員の名前を入れてください)を乗せて~

よく劇中で北斗と南の二人の名前だけが歌詞に入ってる「TACの歌」を歌う事についてツッコミが入ったりしますが、これについて「北斗」「南」の部分は隊員の名前を好きなように入れる方式なんじゃないかという説があったりします、(つまり画面に映っていないところで「行け 行け TAC 美川を乗せて~」と歌ってる時もあるんじゃないかという事です)

そしてこんな事もあるんじゃないでしょうか
山中「おいちょっと待て、さっきから聞いてりゃ俺と吉村が出て来てないじゃないか」
北斗「だって歌いづらいですよ、山中を乗せて~って」
実際やってみた所すっごく歌いづらいです、四音節になる苗字だと(竜隊長については「隊長」が三音節なので意外といけました)

No title

第二期ウルトラ民間人アシスタント女性は完投できない法則。(わかりずらくてすみません)

似た展開

今回はジャックの第33話と似た展開ですね😅あの時は少年に化けた星人が郷の心にテレパシーで呼びかけていましたがね

コオクス雑記

なお、裏設定ではコオクスはヤプール傘下の超獣の生き残りだそうです。

また、放送当時の「小学2年生」に連載されたコミカライズ版では、ダンの父親を殺害するのがこのコオクスとなっており、TV版のアングラモン&ギタギタンガの役回りを一部担当する形となっておりました。なお、ラストはダンが直接Aにコオクスの弱点を教えて勝利に貢献する展開でした。

Re: (好きな隊員の名前を入れてください)を乗せて~

面白い考察ですね。

確かに4文字は歌いにくそうですね。

香代子姉さん

どうも香代子姉さんとダンが姉第とは思えないのですがね。何気にミニスカとハイソックスの組み合わせはエロいですね😅

Re: No title

そう、途中でいなくなっちゃうんですよね。ダンはいなくてもいいから、香代子さんには最後まで出て欲しかった。

Re: 似た展開

こっちは全然面白くないですけどね。

Re: コオクス雑記

> なお、裏設定ではコオクスはヤプール傘下の超獣の生き残りだそうです。

情報ありがとうございます。

> また、放送当時の「小学2年生」に連載されたコミカライズ版では、ダンの父親を殺害するのがこのコオクスとなっており、TV版のアングラモン&ギタギタンガの役回りを一部担当する形となっておりました。なお、ラストはダンが直接Aにコオクスの弱点を教えて勝利に貢献する展開でした。

そうなんですか。しかし、覚えにくい名前です。

高橋仁さん

2回目の登場。最終回にも登場しますが、いずれも北斗を追い詰める役どころです。
これ、別の子役だったら評価がさらに下がるところです。

Re: 高橋仁さん

と言うことは3回も出てるんですか。さすがに多過ぎるような。

No title

2枚目の写真の美川隊員の横顔、すごく美しいですね。こちらの記事を拝見していて、あらためて「美川さんいいな」と思いました。同じことを前にもコメントしましたが、やはりこれは外せませんね。

>本部に帰還した北斗を待っていたのは、案の定、山中隊員の怒声だった。

まあこれは山中隊員にかぎりませんが、こういう(わざとではないにしても)主人公を理不尽に怒ったりする役って、特に子ども向けの番組では、沖田氏も嫌だったでしょうねえ。当時は今よりキャラクターと実際の人物を混同したでしょうし、ましてや子どもはですよね。前にこんな記事を書いたことがあります。

https://blog.goo.ne.jp/mccreary/e/b24da4fd9f5e3638b84d34f61eec7a9e

>白いセーターに赤いミニのジャンパースカート、その上にエプロンをつけた、まるっきり新婚スタイルの香代子

さすがに今時彼女くらいの年齢(設定18歳)で、こんな格好で買い物かなんかに行く人もいないでしょうが、やはりこういうレトロな雰囲気も悪くないですね。しかもハイソックスなのがすごい。

>それはさておき、管理人、このシーンを見て、前屈みになった香代子さんの真後ろに体育座りして、思いっきりミニスカの中を仰ぎ見たいという衝動を覚えました。

それ、口にするかはどうかはともかく、みんなそう思いますよね(苦笑)。東映だったら、彼女のパンチラもありだったのでしょうが・・・。

>ダンはいなくてもいいから、香代子さんには最後まで出て欲しかった。

ですよねえ。そんなすごい美人とは言いませんが、やはりこの種のドラマでは、彼女のようなポジションの役どころ(視聴者にとってのお姉さん格)は必要です。美川隊員だけでは足りません。やっぱり演技力や視聴者へのアピールに難があったんですかね。

それで私も、宮野さんについてちょっと調べているのですが、ろくな情報がないですね。短期間とはいえウルトラシリーズでレギュラー張ったんですから、それなりの情報はあってもいいような気もするのですが、Wikipediaにも記載がないし、よっぽど無名なんですね。1回こっきりの役の人が情報なしなのは仕方ありませんがね。

Re: 香代子姉さん

似てないですよね。

Re: No title

> 2枚目の写真の美川隊員の横顔、すごく美しいですね。こちらの記事を拝見していて、あらためて「美川さんいいな」と思いました。同じことを前にもコメントしましたが、やはりこれは外せませんね。

自分もレビューを始めてやっと彼女の魅力が理解できるようになりました。

> 前にこんな記事を書いたことがあります。

拝読させて頂きました。

「赤い運命」は私も最近見ましたが、秋野さんは色んな意味で損な役回りでしたね。

ドラマ自体もあまりに辛気臭くて最後まで見るのがつらかったです。

> それ、口にするかはどうかはともかく、みんなそう思いますよね(苦笑)。

それを堂々と書いちゃう自分を褒めてやりたいと思います。

> ですよねえ。そんなすごい美人とは言いませんが、やはりこの種のドラマでは、彼女のようなポジションの役どころ(視聴者にとってのお姉さん格)は必要です。美川隊員だけでは足りません。やっぱり演技力や視聴者へのアピールに難があったんですかね。

何の説明もなしにフェードアウトはひどいですよね。

> それで私も、宮野さんについてちょっと調べているのですが、ろくな情報がないですね。短期間とはいえウルトラシリーズでレギュラー張ったんですから、それなりの情報はあってもいいような気もするのですが、Wikipediaにも記載がないし、よっぽど無名なんですね。1回こっきりの役の人が情報なしなのは仕方ありませんがね。

ウルトラヒロインの中でも一番マイナーな人かもしれませんね。

弱点は

弱点は指先と言われて腕ごと切り落とすって容赦無いですね。

優秀な隊長は?

宇宙船から明らかに光線が放たれているのに誰も庇ってくれないとは北斗は本当に人望がないですね。普通なら1、2人は庇ってくれるものですが。
管理人さんは竜隊長に手厳しい評価をしていますが、逆に優秀な隊長はいるんでしょうか?個人的には非情な決断を下せるキリヤマ隊長や上層部からの解散要求を止めさせたイブキ隊長あたりです(地球を人間の手で守り抜く決意をしたオオヤマキャップも捨てがたいですが)。
最後にふて猫さんのコメントですが、33話ではなく31話じゃないでしょうか?

バキシム少年(コオクス少年)

コオクス少年、偽郷さんのメイクはわかりやすくするために仕方がなかったとは言うもののなんとかならなかったのかと思いました。

Re: 弱点は

> 弱点は指先と言われて腕ごと切り落とすって容赦無いですね。

そもそもなんで指先が弱点だと考えたのか、分かりにくいです。

Re: 優秀な隊長は?

伊吹隊長はバランス感覚が優れていた印象ですね。

キリヤマは、「ノンマルト」のアレがあるからなぁ……

Re: バキシム少年(コオクス少年)

子供にああいうメイクやると、なんか白けますよね。

訂正します

式部省さんへ確かに帰マンの話しは31話でしたね😅訂正致します

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Author:zura1980
70~80年代の特撮、80年代のドラマを中心に紹介しています。

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