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「ウルトラマンA」 第33話「あの気球船を撃て!」


 第33話「あの気球船を撃て!」(1972年11月17日)

 とほほ、レビューの書き過ぎで、腱鞘炎になったでやんす……

 それはともかく、冒頭、ダンが神社に遊びに行くと、図体の大きな男の子が、小さな子供たちからお菓子を取り上げていた。

 
 ダン「あいつ、また小さい子をいじめてる、僕は正義の味方、ウルトラ6番目の弟だーっ!!」

 「ウルトラ6番目の弟」と言う、いまひとつ意味不明の称号をよりどころにしているダン、迷わずいじめっ子に向かって行こうとするが、

 
 大介「ウルトラキーック!! ウルトラチョーップ!!」

 横から飛び込んできたウルトラマンAのお面をつけた子供がダンより先にいじめっ子を蹴飛ばし、尻餅をつかせる。

 いじめっ子も意外とだらしない奴で、それだけでメソメソと泣き出してしまう。

 勇ましい少年は、いじめっ子の手からお菓子を奪い、子供たちに返してやる。

 
 子供「ありがとうお兄ちゃん」
 大介「いや、いいのです、僕はウルトラマンA、正義の味方だから」
 子供「わー、かっこいいーっ」

 少年の頼もしい言葉に飛び跳ねて喜ぶ子供たち。

 ちなみに左から二番目の子は、「01」のアキラですね。

 だが、美味しいところを持っていかれたダンは心穏やかならず、少年の目の前に立つと、喧嘩腰で尋ねる。

 ダン「君は誰だ?」
 大介「ウルトラマンA」
 ダン「僕はウルトラ6番目の弟だぞ」
 大介「はっはっはっはっ、知っている」
 ダン「えっ?」

 驚くダンに、少年はお面を外してその素顔を見せる。

 
 ダン「なんだ、大介ちゃんかー」

 それはダンの友人の大介と言う男の子だった。

 大介「僕は君の同級生の大介だ。しかし本当は……遠い宇宙の彼方、ウルトラの星からやって来たウルトラマンAなのだ、しゅわーっ!!」
 ダン「待てよー、大介ちゃーん」

 大介は、もう一度お面を被って、ウルトラマンAの真似をしながら走り出す。

 ダンもその後に続くが、

 
 いじめっ子「ママ、あの子だよ」
 母親「あんたなの、うちのユキオちゃんに乱暴したのは?」

 二人の前にあらわれたのが、情けないにも程があるが、母親同伴で仕返しにやって来たいじめっ子であった。

 大介「おっ、超獣ママゴン出現!!」
 母親「なんですって」
 ダン「おばさん、ほんとはその子が悪いんだよ」
 母親「まあ、なんて図々しい」

 母親は問答無用で懲らしめようとするが、二人はさっさと逃亡する。

 ちなみにこの母親を演じているのが、あの塩沢ときさんで、ダンの梅津さんとは数年後の「円盤戦争バンキッド」でも共演することになる。

 二人はその後、空に浮かんでいる気球を超獣に見立てて追いかけるが、

 
 気球が近くの原っぱに着陸する頃には、他の子供たちも大勢集まっていた。

 ゴンドラは黄色と赤でサイケデリックに塗り立てられ、

 
 それに乗って気球を操っていたのも、およそ操縦士らしくない、いかにもヒッピー風の、なんとなく覇気の感じられない若者二人であった。

 若者「今からこの気球にみんなを乗せてあげるよ」
 若者「素晴らしい空中旅行をしたい子は、さあ、みんな順番に並ぶんだ」

 若者の言葉にたちまちゴンドラの前に長蛇の列が出来るが、

 大介「ようし、一番乗りだ」

 
 列の先頭に割り込もうとした大介が、セーラー服の女の子を突き飛ばし、図らずもパンツ丸出しの刑に処してしまう。

 女の子は倒れたまま泣き出すが、大介は見向きもしない。

 代わりにダンが彼女を助け起こし、

 
 ダン「だいじょうぶ?」
 女の子「うー、うー、ううーっ」
 ダン「あーあー、女の子を転がして知らん顔で、何がウルトラマンAだ。行こう」

 ダンは見損なったとも言いたげに吐き捨てると、女の子を家まで連れて行ってやる。

 人目も憚らずAの真似をするイタい大介を見て、

 
 若者「坊や、元気が良いな」
 大介「当たり前だ、僕はウルトラマンAなんだから、さあ、乗せとくれよ」

 
 若者「ウルトラマンAか……」
 若者「じゃあ一番に乗せてあげるよ」

 
 ウルトラマンAと聞いて、二人は意味ありげに目を見交わすが、大介を含む数人の子供たちを最初にゴンドラに乗せてやる。

 
 大介「一番乗りだ、シュワーッ!!」

 で、実際にゴンドラが浮上していくのだが、無論、本物の気球を上げているわけではなく、ゴンドラだけをクレーンか人力で持ち上げているのだろう。

 気球は無事に遊覧飛行を開始するが、同じ頃、TACでは、

 
 美川「隊長、何か異様なものが激しいエネルギーを発しながらZ地点上空に上昇中です」

 いつもお美しい美川お姉さまが、レーダーに異変をキャッチして緊迫した声を上げていた。

 竜「何か異様なもの?」
 美川「はい」
 竜「美川隊員、TACの計器類はそんな曖昧な報告しか出来ないような設備ではない筈だぞ」

 竜隊長、穏やかな口調で美川隊員をたしなめるが、

 美川「はい、でも、ほんとうに異様なものとしか言いようがないんです」

 美川隊員も負けずに言い返す。

 むさくるしい男社会の中で、セクハラにも上司のイヤミにも挫けず、孤軍奮闘しつつも凛とした美しさを保っている美川隊員、あたかも、戦場に咲いた一輪の白薔薇と言う感じです。

 それはともかく、他の隊員たちもぞろぞろと美川隊員の周りに集まってくる。

 
 美川「動物なのか植物なのかそれさえ分かりません」
 北斗「Z地点? 僕のアパートの近くです」
 竜「吉村、宇宙生物の権威としてどう思う?」
 吉村「宇宙生物の権威として、どうも思いません」

 じゃなくて、

 吉村「この計器の示す限りでは確かに超獣です」
 竜「よし、北斗と吉村はスペースで現地へ飛べ」

 慎重な竜隊長は、ともかく北斗たちに現地調査を命じる。

 
 のんびりと、北斗のアパート上空を飛んでいく気球。

 北斗たちの乗るスペースが気球の周囲を旋回するが、ゴンドラの中から楽しそうに手を振る子供たちの無邪気な姿は、およそ超獣とは結びつかないものだった。

 
 北斗「楽しそうだなぁ。子供の頃、村祭りで風船を買うと、それにつかまって空に昇っていく夢を見たものだったな」
 吉村「しかし、この物凄いエネルギーは一体なんだ?」
 北斗「はじめて空を飛んだ時、吉村隊員はコーフンしなかったですか?」
 吉村「子供たちの発散するものは計器にも感じられるということか」
 北斗「見ろよ、あの子たち、まるで鳥にでもなったつもりでいるんだ」
 吉村「気球自体がこれほどのエネルギーを発散するわけがないとすれば……しかし、小型の超獣が出すぐらいのエネルギー量だ」
 北斗「言ってみりゃあ、子供なんて米粒超獣だからな」

 互いの言いたいことだけを言い合って、ほとんど噛み合ってない二人の会話だが、ある意味、とてもリアルで、こういうやりとりは、ウルトラシリーズと言うか、特撮では珍しいのではないかと思う。

 北斗「だいたい俺たちはね、ちょっとでも変なことがあるとすぐに超獣と結び付けて考えちまう。反省しなきゃいかんよ」
 吉村「そうかなぁ」
 北斗「そうですよ」

 子羊のように温厚な吉村隊員は、後輩の北斗から説教じみたことを言われても腹を立てず、強引に納得させられて何もせずに帰還する。

 だが、スペースが帰るのを待っていたように、気球の空気を入れる穴から奇妙な閃光が発せられたかと思うと、急に子供たちが元気をなくし、おとなしくなる。

 若者「ふっふっふっふっ」

 気球はほどなく元の場所に戻ってくるが、ゴンドラから降りてくる子供たちは、依然として元気がなく、まるで船酔いにでもやられたように冴えない顔色をしていた。

 それはあの元気過ぎるほど元気だった大介とて例外ではなく、

 
 ダン「大介ちゃん、面白かったかい?」
 大介「……うん」

 ダンに話しかけられても、大介はぼんやりと頷くだけで、さっさと帰ってしまう。

 しかもあれだけ好きだったウルトラマンAのお面をその場に落としたまま……

 だが、異変に気付いたのはダンだけで、他の子供たちはまったく気にせず、次々とゴンドラに乗せてもらっては空中散歩を楽しむのだった。

 そして、帰ってきた子供たちは判で押したように活気がなくなっていた。

 これを何度か繰り返したところで若者たちは「今日はこれまで」と打ち切りを宣言する。

 当然、乗れなかった子供たちは抗議するが、若者は代わりに色とりどりの風船をプレゼントする。

 
 ダン「……」

 ビンボーでビンボーで仕方のない子供たちは、風船を貰うと満足して帰っていくが、何か胡散臭いものを感じたダンだけは風船を受け取らず、若者たちに疑惑の目を向けていた。

 
 と、走っていた子供たちの頭上で風船が光ると、ゴンドラの子供たち同様、彼らも急に走るのをやめてしまい、せっかくの風船も手放して、とぼとぼと歩いて帰っていく。

 
 そして、宙に放たれた風船は誰かに操られているかのように気球の下に集まり、

 
 最後は、まるで蛸の口のように開いている気球の穴の中に吸い込まれていくのだった。

 それにしても、この一連の映像表現、実に見事である。

 その後、ダンは帰宅中の北斗をつかまえ、

 
 ダン「出たんだ、超獣が出たんだ、気球、気球超獣なんだ」
 北斗「ああ、あれなら僕も調べに行ったけど、異常はなかったぜ、ただの気球だよ」
 ダン「超獣だったら。超獣バッドバアロンだよ」
 北斗「勝手に名前付けるなっ!!」
 ダン「へぶっ」
 北斗「語呂も悪いっ!!」
 ダン「へぶっ」

 じゃなくて、

 北斗「超獣バッドバアロン? ふっ、で、そいつは何をしたんだい?」
 ダン「うーん、みんな大人しくなっちまうんだ、あいつにやられると」
 北斗「大人しく? はっはっはっ、ダンも少しそのバッドバアロンにやられたほうが良いんじゃないのか」

 何故かこういう時に限って超獣の存在を信じない北斗、ダンの懸命の訴えを聞き流して自分の部屋に引っ込んでしまう。

 まあ、北斗が超獣いない説に傾くのは、いい加減、Aになるのが面倒になっていて、自分でも知らず知らずのうちに認知バイアスがかかっているのだと解釈できなくもない。

 一方で、ダンが、あれだけのデータから気球が超獣だと見抜いてしまうというのは、いささか出来過ぎた話のようにも思えるのである。

 今までの状況では、あの若者たちが悪人で、子供たちに何か変なこと(註・性的な意味ではない)をしているのではないかと疑うのが普通だと思うんだけどね。

 
 続いて、夕暮れの空を飛んでいく気球のイメージが映し出されるが、これなどは、マグリットの絵として通用しそうなほどの幻想的な美しさを湛えている。

 ま、空は実際に描いてあるんだけど……

 
 一方で、気球に乗ると子供たちがおとなしくなると言う噂を聞きつけた各地の教育ママたちが、自分たちの子供も気球に乗せろとプラカードを掲げてデモ行進をしているという、当時の世相・風俗を鋭く反映した戯画的なシーンとなる。

 こういうところは、いかにも石堂さんらしい発想である。

 そして、ナレーションとイメージ映像によって、日本全国に気球が出没し、親に連れられた子供たちがそれに乗り、次々とおとなしくなっていくことが示されるが、この辺は、23話で変な踊りが流行って子供たちが消えていったくだりと、同工異曲の感がある。

 シナリオは別の人が書いてるんだけどね。

 CM後、ダンが大介の家に遊びに行くが、

 
 母親「大介ちゃん」
 大介「はーい、お母さん、何か御用ですか」
 母親「ダンちゃんが遊ぼうって……行ってらっしゃい」
 大介「はい、では今着替えてきます」

 久しぶりに会った大介は異様なほど礼儀正しく従順で、聞き分けの良い子……と言うより、ほとんど忠実な下僕or奴隷のようで、腕白で鳴らした大介とはまるで別人のようであった。

 ダン「どうなっちゃってるんだぁ?」

 気になったダンは、母親に無断で大介をTACの病院に連れて行き、医者に脳波を調べてもらう。

 
 医者「どうしたんだ、この子は、脳波が全然ないぞ」

 大介の脳を調べた医者は、とんでもないことを口走る。

 いや、脳波がなかったら死んでると思うんですが……

 ダン「あの気球に乗ったからです、そのことをすぐTACに知らせてください」
 医者「えらそうに指図するなっ!!」
 ダン「へぶっ」

 途中から嘘だが、医者の知らせで、やっとTACも気球が超獣であると断定する。

 
 北斗「しかし、あんなに大人しく、子供たちと遊ぶ超獣がいますかね」
 吉村「一見味方のような顔をした敵だって一杯いるからな」
 今野「……」

 吉村隊員の警句に何度も頷く今野隊員であったが、みんなの目が自分に注がれていることには全然気付かないのであった。

 ま、吉村隊員の台詞はまだ許容範囲だが、

 北斗「もしあれが超獣だとしたら、子供たちは何も信用できないと言い出すぞ」
 山中「データはデータだ、子供の気持ちを尊重し過ぎても失敗するぞ」

 それに続く北斗の危惧は、思いっきり明後日の方角へスピンしている。

 今、そんなこと言ってる場合じゃないし、子供たちはほぼ正気を失ってるんだから、信用もへったくれもあるまい。

 そこへメディカルセンターから知らせが入る。

 
 竜「はい、わかりました……あの超獣は子供の瑞々しい魂、子供の成長力の原動力になる筈のものを餌食にしていたんだ」
 今野「じゃあ、子供たちがおとなしくなると言うのは?」
 竜「良い子になってるわけじゃない、老人になってしまっただけなんだ」

 竜隊長はそう表現するのだが、実際は、ジジイにも、うるっさいのとか、態度がでかいのとかたくさんいますけどね……

 竜隊長は直ちに出撃を命じるが、現地に着いてから、

 竜「子供たちを乗せたままでは攻撃できん」

 と言うことに気付くのだった。チーン。

 出掛ける前に気付け。

 やむなく、ゴンドラから子供が降りた瞬間をピンポイントで攻撃するしかないということになるが、順番を待つ子供たちの親が全く言うことを聞かず、気球の周りから離れようとしない。

 
 主婦「TACなんか帰ってください」
 主婦「余計なお節介焼かないでください」
 美川「……」

 管理人、この美川隊員の、汚物でも見るような険しい目付きを見て、彼女がいきなり銃を抜いて、主婦たちを皆殺しにするのではないかとハラハラしたものだが、幸い、そんなことにはならなかった(当たり前だ)

 教育ママの大群を前にしては、コワモテの山中隊員もお手上げといった様子で、

 山中「いくら言ってもダメですね」
 竜「ああ」

 
 竜「吉村、気球船を操縦してる若者も超獣の一部なのか」
 吉村「いえ、彼らは人間です、催眠術に掛けられたような状態なのです」
 今野「空中ではゴンドラに子供たちがいて攻撃できん、地上では母親たちに保護されている。どうすればいいんだっ?」

 遠巻きに見ているしかない隊員たちの焦慮に、思わず「A、早く来てくれーっ!!」と叫びたくなった竜隊長であったが、何とか自制する。

 北斗「隊長、ゴンドラを吊り下げているロープを切りましょう」
 吉村「そうだ、それしかありません」

 
 美川「でも、それじゃ、あの中に乗ってる子供たちは?」

 意味もなく貼らざるをえない、美川お姉さまの照り輝くばかりの美貌。

 正直なところ、管理人、レビューを始めるまでは夕子タンのことしか頭になく、美川隊員については「そんなのもいたなー」程度の認識だったのだが、レビューを書き進めるに連れて、徐々に美川隊員の真価に気付き始め、いつの間にか、自分の中での二人の地位が完全に入れ替わっていたことを認めねばなるまい。

 前にも書いたと思うが、夕子タンは夕子タンで可愛いのだが、美川隊員の成熟した大人の色気の前では、綺麗だが表情に乏しいお人形さんのようにしか見えないのである。

 北斗「網だよ、大きなネットを張っておいてその上にゴンドラが落ちるように」

 竜隊長は即座に北斗の案を採用し、TAC本部の上空に巨大なネットを張るよう無線で指示する。

 だが、問題はどうやって気球をその上まで持ってくるかと言うことである。

 山中「綱をつけて引きずり込んでやりてえんだが、あれに近づけるのは子供だけなんだからなぁ」
 北斗「子供?」

 山中隊員の言葉にヒントを得た北斗は、一歩進み出て、

 
 北斗「ダンに頼みましょう」
 美川「ダメよ、危険すぎるわ」
 北斗「操縦している青年を倒してもらい、そのままTAC本部の上空へ」
 竜「……」

 熟慮の末、竜隊長はその案を受け入れる。

 ……

 なんか、竜隊長、部下の言いなりになってるように見えて、ちょっと情けない。

 まあ、部下の進言をよく聞いてくれるとも言えるのだが。

 時を移さず、ダンが香代子に連れられてやってくる。

 
 北斗「ダン、これが麻酔銃だ。これで操縦の青年を眠らせると超獣はきっと例の光線を出して君を老人みたいにさせるだろう、そのときは、このV09だ」
 香代子「ダン、頑張ってね」

 普段は揉め事に首を突っ込みたがるダンであったが、

 
 ダン「どうしても僕が行くのかい?」
 北斗「そうだ」
 ダン「怖いよー」
 北斗(絞め○したろか……)

 こういうときに限って尻込みするダンに、思わず殺意を覚える北斗であったが、嘘である。

 ま、さっき、超獣のことを信じてくれなかった北斗に対する意趣返しで、わざと怖がって見せているのかもしれないが。

 北斗「ダン、良く聞け、君の友達が次々と魂を抜かれて行ってるんだ、このままでは日本中の子供たちがみんなダメになってしまうかもしれないんだ。ウルトラ兄弟たちは君の活躍を見てる」
 ダン「本当かい」
 北斗「君はなんといっても6番目の弟だろう、もし行かなければ兄さんたちが恥ずかしい弟だというよ。いいのか?」
 ダン「ようし」

 北斗に、「ウルトラ6番目の弟」と言う殺し文句をぶっこまれると、たちまちその気になって走り出すダンであった。

 その後ろ姿を見ながら、

 
 北斗「良かったぁ、バカで」
 香代子「えっ?」
 北斗「えっ?」

 じゃなくて、

 北斗「隊長、ウルトラ6番目の弟は今出動して行きました」

 んで、首尾よくゴンドラに乗り込むことが出来たダンは、青年の動きを見て気球の操作方法を学ぶと、すかさず麻酔銃で昏倒させ、代わりに自分が舵輪をつかむ。

 
 ダン「心配しなくて良い、僕はウルトラ6番目の弟だ」
 子供たち(心配するわいっ!!)

 ウルトラ6番目の弟とか名乗る奴にハイジャックされたら、そりゃ心配にもなりますって。

 ま、嘘はさておき、ダンは今野よりよっぽど機敏で、気球の穴が怪しい動きをするのを見てV09を撃ち、超獣を牽制する。

 で、打ち合わせどおり、TAC本部上空に張られたネットの上まで気球を移動させ、

 
 そこに待機していたTACがレーザーを撃ち、ゴンドラと気球をつなぐロープを断ち切ろうとするが、どうしても切れない。

 恐らく、ロープも(ゴンドラも)超獣の体の一部だったのだろう。

 
 ここでやっと、気球が超獣バッドバアロンの姿になるが、同時に子供たちを腹の中に吸い込んでしまう。

 しかし、さっきも書いたが、このネーミングははっきり言って失敗してると思う。

 発音しにくく、覚えにくい。

 
 ついで、超獣の腹の中でマリオネットのようにぐらぐら飛び跳ねている子供たちのシルエットが映し出されるが、これは実際に人形を吊って撮っているようである。

 色々あって、北斗がAに変身し、TAC基地の上での異例のバトルとなる。

 が、バッドバアロンの体内には子供たちがいるのでAも本気で戦えず、

 
 その口から発射される凄まじい息吹きで突風を起こし、まるで嵐の中に立たされているような状態になるA。

 ここは、腹の中にいるダンがもうひと働きしてピンチを打開する展開もあったと思うが、スタッフも面倒になったのか、

 ナレ「遂にAはバッドバアロンの隙を見つけた」

 何の変哲もない戦いのシーンに強引にナレーションを被せてから、

 

 
 Aが胸からブーメランのようなビームを放ち、

 
 それで超獣の頭をスポーンと刈り飛ばす。

 ……

 いや、これ、隙を見付けたとか、そう言う次元の話じゃないですよね?

 さらに、

 
 子供がまだ中にいるのに、バーチカルギロチンを打ち出してその体を真っ二つにするという、今までの「子供がいるから戦えない」と言う葛藤はなんだったんだーっ? と叫ばずにはいられない、豪快な決着となるのだった。

 超獣の体から無数の風船が溢れ出すが、その中には風船にぶら下がったダンたちの姿もあり、とにかく子供たちが無事だったことが分かる。

 
 ナレ「戦いは終わった、この色とりどり風船はその中に子供の瑞々しい魂を詰めて元の持ち主の元に返っていくのだ」

 ラスト、大空に解き放たれた本物の風船の映像に、岸田さんのおっかぶせるような説明が加えられ、強引に事件は八方丸く収まってしまうのだった。

 しかし、このラストシーン、幻想的で美しくはあるのだが、これまた23話のラストとそっくりで、あまりに芸がないなぁ。

 以上、単に子供達が被害者になるだけでなく、ダンにしっかり活躍の場を与えているあたりは工夫が見られる。一方で、ヤプールもいないのに、超獣だけであんなややこしい陰謀が企めるものだろうかという気がしなくもないが、ビジュアルも素晴らしい、なかなかの力作であった。
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コメント

ギャオーって鳴くからギャオスだよ

ゴンドラに「バアロン号」と書いてあったので悪いバアロンでバッドバアロンという事みたいですが、バアロンは結局どこから来たのか(初期稿ではバッドバルーンとかだったんでしょうか)

そして子供が中にいるのにバーチカルギロチンで真っ二つはよく突っ込まれる所で、他の切断技で腹に切れ目を入れて子供達を救出するとか何とかならなかったのかという話ですが、多分この話真っ二つになった超獣から無数の風船が飛んで行く所から逆算してるんじゃないかと思うので何とも出来なかったみたいですね

山中隊員VS教育ママ軍団

お久し振りです。
バッドバアロン。何か語呂が悪いと言うか笑える名前の超獣ですが、このエピソードも色々考えさせられましたね。教育とは、一体何なのか?子供を親の言いなりにする事なのか?
そりゃ見栄っ張りな教育ママにしてみれば、我が子が自分の思い通りに動いてくれる事ほど都合の良い事って無い訳ですよね。本当に子供の幸せを考えてるのか?と言いたくなりますね。
こういう教育が、自己主張の無い人間やキレ易い人間、裏でイジメをするような人間を作り出してしまう要因なんだと思います(今の現状がそうですね・・・:汗)。
そんな教育ママ軍団に悪戦苦闘する山中隊員。これはある意味、超獣よりも手強い・・・なんて言ってる場合じゃ無い!北斗くんを怒鳴る前に、こういう輩を大いに怒鳴りつけてやるべきじゃないか!?「近頃の親は、ぶったるんどるっっ!!」と。

関係無い事ですが、バアロンに吸い込まれた子供達のシルエットがモロ人形丸出し。「ひょっこりひょうたん島」のキャラクターみたいで大いに笑えました。受け狙いという訳でも無いんですよね(笑)。
この回で教育ママの1人を演じた塩沢ときさんも、すでに鬼籍の人。謹んでご冥福をお祈りします。

竜隊長と美川隊員

この2人のやりとりが最近面白いように感じるのは小生だけでしょうか?後気になったのは、竜隊長が部下の意見に寛容過ぎる点ですね😅

吉村隊員が主人公?

北斗と吉村隊員の会話だけ見ると吉村隊員のほうが主人公みたいに見えますね。北斗は他のウルトラシリーズの主人公に比べて少し不真面目な印象です。あと特撮の医者は役に立たないと相場が決まっていますが、今回は多少役立ってますね。
今回は教育にも多少スポットを当てておりなかなかの内容でしたが、次回はゲスト、ドラマともに更に良作でしょうからレビューを楽しみにしております。

Re: ギャオーって鳴くからギャオスだよ

> ゴンドラに「バアロン号」と書いてあったので悪いバアロンでバッドバアロンという事みたいですが、バアロンは結局どこから来たのか(初期稿ではバッドバルーンとかだったんでしょうか)

普通にバッドバロンのほうが呼びやすいけど、今度はレッドバロンと紛らわしくなりますね。

> そして子供が中にいるのにバーチカルギロチンで真っ二つはよく突っ込まれる所で、他の切断技で腹に切れ目を入れて子供達を救出するとか何とかならなかったのかという話ですが、多分この話真っ二つになった超獣から無数の風船が飛んで行く所から逆算してるんじゃないかと思うので何とも出来なかったみたいですね

映像的には綺麗なんですけどね。

Re: 山中隊員VS教育ママ軍団

お久しぶりのコメントありがとうございます。

> そりゃ見栄っ張りな教育ママにしてみれば、我が子が自分の思い通りに動いてくれる事ほど都合の良い事って無い訳ですよね。本当に子供の幸せを考えてるのか?と言いたくなりますね。

記事では書きませんでしたが、母親が自分の子供の活力を犠牲にしてでも従順にしようと言うのか、いささか不気味な光景ですよね。

> こういう教育が、自己主張の無い人間やキレ易い人間、裏でイジメをするような人間を作り出してしまう要因なんだと思います(今の現状がそうですね・・・:汗)。

まあ、教育だけの問題じゃないでしょうけどね。

> 関係無い事ですが、バアロンに吸い込まれた子供達のシルエットがモロ人形丸出し。「ひょっこりひょうたん島」のキャラクターみたいで大いに笑えました。受け狙いという訳でも無いんですよね(笑)。

あれはあれで好きですけどね。幻想的で。それに、子供が親の操り人形になってるという寓意なのかも?

> この回で教育ママの1人を演じた塩沢ときさんも、すでに鬼籍の人。謹んでご冥福をお祈りします。

独特の雰囲気のある人でしたね。あの1シーンだけの出演はもったいないです。

Re: 竜隊長と美川隊員

まあ、仕えやすい隊長ではありますね。

Re: 吉村隊員が主人公?

> 次回はゲスト、ドラマともに更に良作でしょうからレビューを楽しみにしております。

今から張り切っております。

No title

しかしほんとセーラー服の女の子の惨憺たるシーンといい、デモの女性たちといい、ミニスカやスカートばっかで、セクシー系には事欠きませんね、72年て。たぶんわざとそうされたんでしょうけど、気球に乗る女の子の写真も、しっかりパンツが見えているしね。ところでセーラー服の女の子は、顔ははっきり映っていないように思いますが、やはり『仮面ライダー50話』みたいな事情もあったのか。まあ『ライダー』のほうがずっと年齢は上ですけど。

http://yctyct.blog64.fc2.com/blog-entry-1979.html

ところで次回は、いよいよ丘野かおりさん(山田圭子さん)の出演回ですね。期待しています! ドラマ版の『ハレンチ学園』は、丘野さんと宮野リエさんもゲスト出演しているので、DVDを購入しようかなとも考えています。

それはそうと、私にとってこの回はエアポケットでしたので、塩沢さんがウルトラシリーズに出演されているとは知りませんでした。特撮・円谷関係では、『ガス人間第一号』に彼女が出演したのが印象に残っています。

No title

 話の規模は深刻な話で社会風刺も盛り込まれてはいるのですがA前半の危機感が乏しいように思いました。
それが逆に気楽にみられるということもあるのですが。
美川隊員は全話安定しているので捨て回がないと思いました。

羨ましい…

>ナレ「遂にAはバッドバアロンの隙を見つけた」
>いや、これ、隙を見付けたとか、そう言う次元の話じゃないですよね?
特訓が全く生かされないレオの戦いぶりと逆ベクトルのツッコミ。
変身前はかなりテキトーアバウトな性格なのに
変身したら多彩な光線技を駆使できるAは
理不尽な特訓をやらされていたゲンから見れば、かなり羨ましい。
ダンが自分の弟分ポジという点でも。

Re: No title

> たぶんわざとそうされたんでしょうけど、気球に乗る女の子の写真も、しっかりパンツが見えているしね。

わざとです。

> ところでセーラー服の女の子は、顔ははっきり映っていないように思いますが、やはり『仮面ライダー50話』みたいな事情もあったのか。まあ『ライダー』のほうがずっと年齢は上ですけど。

顔は普通に映ってたと思いますが、画像を貼ってないのは多分偶然ですね。

> ところで次回は、いよいよ丘野かおりさん(山田圭子さん)の出演回ですね。期待しています! ドラマ版の『ハレンチ学園』は、丘野さんと宮野リエさんもゲスト出演しているので、DVDを購入しようかなとも考えています。

丘野さんは一応パンチラは披露してくれますが、ほとんどエキストラ扱いでした。

> それはそうと、私にとってこの回はエアポケットでしたので、塩沢さんがウルトラシリーズに出演されているとは知りませんでした。特撮・円谷関係では、『ガス人間第一号』に彼女が出演したのが印象に残っています。

塩沢さんって、意外なところで見掛けることが多い気がします。

Re: No title

>  話の規模は深刻な話で社会風刺も盛り込まれてはいるのですがA前半の危機感が乏しいように思いました。

確かに全体的にのんびりしたムードでしたね。

Re: 羨ましい…

> 理不尽な特訓をやらされていたゲンから見れば、かなり羨ましい。

そう言えば昨日ケーブルテレビで「ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国」と言うのを見たんですが、そこでは、レオがセブンの息子のゼロを特訓してました。

なんか、昔の仕返ししてるようにも見えました。

あと、やっぱり最近のウルトラシリーズは体が受け付けないことを再認識しました。

美川隊員50周年

>レビューを始めるまでは夕子タンのことしか頭になく、
>美川隊員については「そんなのもいたなー」程度の認識だったのだが、
>レビューを書き進めるに連れて、徐々に美川隊員の真価に気付き始め、
>いつの間にか、自分の中での二人の地位が完全に入れ替わっていた

という訳で、ポスター情報。
去年は「帰ってきた」50周年書籍だった訳ですが。

https://news.yahoo.co.jp/articles/3239f3050311f6145b1f3792088bdead4c109646

Re: 美川隊員50周年

情報ありがとうございます。

こないだ「シルバー仮面」見てたら、篠田さんの恋人役で出てました。

主役食い、ヒロイン食い

>「シルバー仮面」見てたら、篠田さんの恋人役
前後編のアレ、そうだったですか。
「怪奇大作戦」や「シャイダー」の主役食いは食うキャラが魅力的なので
楽しんで観ていられますが「シルバー仮面」はねぇ…。

一応、「シルバー仮面」は後進クリエイターへの影響も大きく
車で逃避行⇒やっと動いた宇宙船が即、破壊⇒ヒーロー巨大化と
執筆30年の挙句、未完になるかもしれない「強殖装甲ガイバー」序盤の件そのまんま。
もっとも、そこまで描くだけでアニメ化は三度(四度?)重ねていたり。

https://www.dailymotion.com/video/x830jlr

初アニメ化では、イエローフォー役にもエントリーしていた富沢美知恵さんの
声優転身直後の初々しい演技も拝めますが、これも一応、ヒロイン食い。
真ヒロインは17分辺りで登場、クライマックスは25分あたりから。

Re: 主役食い、ヒロイン食い

> 一応、「シルバー仮面」は後進クリエイターへの影響も大きく
> 車で逃避行⇒やっと動いた宇宙船が即、破壊⇒ヒーロー巨大化と
> 執筆30年の挙句、未完になるかもしれない「強殖装甲ガイバー」序盤の件そのまんま。

それは気付きませんでした。

「ガイバー」は途中までは読んだことありますが、まだやってるんですね。

> 初アニメ化では、イエローフォー役にもエントリーしていた富沢美知恵さんの
> 声優転身直後の初々しい演技も拝めますが、これも一応、ヒロイン食い。
> 真ヒロインは17分辺りで登場、クライマックスは25分あたりから。

リンクありがとうございます。アニメは全く見たことないですね。

超獣>>>子供の命

子供達が超獣の中にいるのにそれを無視してバーチカルギロチンを放つのはAも尋常ではないようですね😅

Re: 超獣>>>子供の命

確かに危ないですね。

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