第15話「爆発 ジャイアントデビルの秘密」(1973年8月18日)
冒頭、シャドウのアジト。

シャドウナイト「この男は昔、ギルと一緒に研究活動をしたことがある。日本でも有数の原子物理学者・山形博士だ」
怪人「ギルの友人だったとすればアキラの兄弟を知っているかもしれませんな」
シャドウナイト「さらにその上、山形は先月、原子力に代わる新しいエネルギーの研究をしていたが……」

シャドウナイト「それは、この地球をも破壊できるほどの素晴らしいエネルギーなのだ」
シャドウナイトの台詞にあわせて、

山形博士が、レーザービームキャノンのようなものを撃ち、金属製の球を瞬時に飴のように溶解してしまうと言う、実験風景が映し出される。
それを見ていた二人は、
シャドウナイト「ワシらより、よっぽど危険じゃねえか?」 怪人「スね~」
改めて、地球をサクッと滅ぼしかねない発明をホイホイやらかしてしまう人間の恐ろしさを噛み締めるのだったが、嘘である。
嘘であるが、特撮において、こういう物騒な「善意」の科学者が枚挙のいとまなく、次から次へと湧いてくるのは紛れもない事実である。
シャドウナイト「分かるか、アキラの兄弟を見つけるためにも、どうしても山形を我がアジトへ拉致してくるのだ」
怪人「イエース、コンピューター班、山形の現在の状況を知らせろ」

戦闘員「現在、山形は別荘に立て篭もっております」
怪人の求めに応じ、瞬時に答えを出すコンピューター班であったが、「立て篭もる」って、赤軍派じゃないんだから、「引き篭もる」が正解であろう。
怪人「うん、それで、やつの家族は?」
戦闘員「は、山形の娘は……」
戦闘員が言い掛けた途端、
ハカイダー「どけいっ!!」 いきなりコンピューター班を突き飛ばすハカイダー。
日本が世界に誇るブラック企業よりもハードな職場であった。

怪人「どうしたのだ?」
ハカイダー「山形に家族はありません、以上」
問い返す怪人に、ハカイダーは作り声で応じて通信を切る。
ハカイダー「ふふふふ、山形の発明した新エネルギーを誰がシャドウなどに渡すものか……俺様がこの娘を人質にして山形に新エネルギーを作らせてやる」
前回、ビッグシャドウに忠誠を誓ったハカイダーだったが、無論、本心から服従している訳ではなく、性懲りもなく抜け駆けを狙っていた。
やり方はせこいが、こういう野心的で、独立不羈の態度はオリジナルハカイダーを髣髴とさせて、なかなか頼もしい。
ま、それに実力が伴わないのが「01」ハカイダーの悲しさなのだが……
あと、この一件が、結局最後までシャドウナイトたちの知るところにならないあたりが、いかにも島田真之さんらしい。
ついで、毎度おなじみ行川アイランドのプールで泳いでいる、二人のビキニギャルの映像。

二人は同じくビキニを着たサチコという女の子と一緒であった。
で、そのサチコこそ、ハカイダーがその存在を隠蔽した山形博士の一人娘なのだった。
父親と離れているせいか、サチコは分かりやすく沈んでいたが、ふと視線を上げると、

目の前に、紺色のサファリルックで決めたアキラが立っていた。

それを見て、分かりやすく元気になるサチコ。
少しはにかんだ笑みが素敵なサチコを演じるのは、斉藤浩子さんと並ぶ70年代の特撮ロリロリクイーンのひとり、遠藤薫さん。
踵を返して走り去るアキラを追って、サチコも駆け出す。
サチコ「待って、遊びましょうよ」

女性「遠くへ行っちゃ駄目よ」
リエコ「……」
女性「どうしたの、一体?」
リエコ「追うのよ、二人を」
早くもネタばらししてしまったが、黄色いビキニの女性は、実はアキラの保護者であるリエコの変装なのである。
赤い花柄ビキニの女性については何の説明もないが、普通に考えれば、山形博士に頼まれてサチコの面倒を見ている人なのだろう。
しかし、シャドウが探している山形博士の娘が、同じくシャドウが探しているアキラと偶然出会うと言うのは、めちゃくちゃ都合のいい偶然である。
ついでに、この二人の女性、せっかくのビキニなのだが、どちらもあまり美人でないのが残念である。
右側の女性は、親しみのある顔つきで、そこそこ可愛いけどね。
イチロー、近くの海岸で魚を獲っていたが、海から上がるとアキラの姿が消えていた。
イチローのところへ戻ろうとしていたアキラ、それを追いかけていたサチコ、リエコたちであったが、

アキラ「ハカイダー!!」
ハカイダー「はははは、アキラ、まさかこんなところでお前と会えるとは思っても見なかったぜ。これが本当の一石二鳥」
反対側からハカイダーがやってきて、二人まとめて捕まえようとする。
だが、頭上の岩棚から見知らぬ子供が石をぶつけてきて、ハカイダーの邪魔をする。
アキラ「あの子、誰だろう?」
ギルの脳髄が移植されたハカイダー、オリジナルより明らかに馬鹿になっているらしく、目の前にいるアキラたちを放置して、その子供を執拗に追いかける。
もっとも、その子供こそ、シャドウが捜しているヒロシだったので、もし捕まえていれば、ハカイダーの殊勲にはなっていただろう。
ナレ「この少年こそ、ジャイアントデビルの秘密を握るアキラの兄ヒロシだった。しかしアキラも勿論ヒロシ自身も自分たちが兄弟であることは知らない、ここに遊びに来たヒロシはただ危険な目に遭っているみんなを助けようとして石を投げつけただけなのだ」 で、そのことをナレーションだけでサクッと片付けてしまうのが、いかにも島田真之さんらしいやり方。
ん? でも、だとすれば、シャドウおよびハカイダーの狙う子供三人が、たまたま偶然、同じ日に行川アイランドに遊びに来たってことになりますよね?
……
行川アイランドの集客力、恐るべし!! え、そういうことぢゃない?
ハカイダー、結局ヒロシを見失うが、そこからひとっ飛びすると、

再びアキラたち4人の前に着地すると言うのが、これまた雑な展開。

ハカイダー(なんだ、この画像は?)

ハカイダー(だから、なんだ、この画像は?)
張り切ってるハカイダーには悪いが、こういう画像を残さず貼るのが、キャプ職人であり、なおかつ重度の尻フェチである管理人の責務なのである。
ちなみに最後の画像、赤いビキニパンツからはみ出ているサチコの尻肉がはっきり確認できるのが、かなりレア度の高い画像となっております。
追い掛け回しているうちに、ハカイダーは黄色いビキニの女性がリエコであることを見破り、精巧に出来たそのマスクを剥ぐ。
例によって、陰ながらアキラのことを見守っていたのだろう。

ハカイダー「来いっ」
リエコ「アキラちゃん!!」
ハカイダーと戦闘員たちにしょっぴかれるビキニギャルたち。
これだけ長い間、女優が水着姿をキープしているのは、特撮ではかなり珍しいことである。
しかも、子役を含めて全員ビキニと言うのは、快挙と言って良いのではあるまいか。
と、そこへ、それぞれのマシンに乗ってジローとイチローが到着。

イチロー「ハカイダー、みんなを貴様に渡すわけにはいかん、ゆくぞっ」
ジロー「うんっ」
なんだかんだで、この二人のツーショットは絵になるよね。

二人が戦闘員をぶちのめしている隙に、その場から逃げ出すリエコたち。

思わず三枚も貼ってしまったが、リエコの胸が割りとでかくて、ビキニの中でゆさゆさ揺れるのが、結構な目の保養となるのです。
ハカイダー、変身前の二人にボコボコにされて、あえなく退却する。
弱いなぁ……

イチロー「アキラ君、勝手な行動はいけないってあれだけ言ったじゃないか。他の子とは違って君はいつもシャドウに狙われているんだからね」
アキラ「だけど、誰だろう、あの子、あんな人が僕のお兄ちゃんだったらな……」
イチローが説教するが、アキラは耳に入らないかのように、さっき自分たちを助けてくれた男の子のことに思いを馳せていた。
目の前に可愛いサチコがいるのに、いささか飛躍気味の述懐だが……
イチロー「アキラ君、聞こえないのか、君はいつもシャドウに……」
リエコ「違います!!」
尚も強い口調で注意しようとするイチローであったが、リエコが鋭く割って入る。

イチロー「違う?」
リエコ「ハカイダーが狙ったのはアキラちゃんじゃないと思うんです、サッちゃんだと……」

サチコ「……」
みんなの視線を受け、物憂い顔で俯くサチコ。
ジロー「リエコさん、詳しく話してください」
楽しい楽しい水着タイムはこれで終了だが、リエコのビキニ、良く見たら前掛けのようなスカートがついてるんだよね。パレオって言うんですか?

イチロー「あの子が山形博士のお嬢さん?」
リエコ「ええ、ひょんなことで、山形博士と知り合った私はシャドウからサッちゃんを守るためにここで働いていたんです」
施設内に戻り、マリを突いて遊んでいるサチコたちを見守りつつ、リエコから事情を聞く二人。
イチロー「そうか、それでハカイダーめ、サッちゃんを人質にして博士に無理やり新エネルギーを作らせようとしているに違いない」
ジロー「それで博士は今何処に?」
リエコ「それが分からないんです、すべての関係資料を焼き払うために一人で何処かへ行ってしまったんです」
イチロー「とにかく博士の居場所を突き止めないと……」
三人のバストアップ映像を挟んで、

再びもとの画面に戻るが、真のキャプ職人と言うのは、うっかり見過ごしてしまいそうなこんな一瞬のシャッターチャンスにも目を光らせてないといけないのである!!
……ま、見えなかったけど(何が?)
それはともかく、なんか色々と突っ込みどころのあるシーンである。
アキラを守ることを至上命題としている筈のリエコが、なんで山形博士の娘のボディーガードをせにゃならんのか?
さらに守るために働くと言うことは、サチコはずーっとこの行川アイランドに泊まっていることになるが、長期滞在なら、もっと人の出入りの少ない普通のホテルに泊まる筈だろう。
あと、ハカイダーも勿論、山形博士の居場所を知っている筈なのに、そちらには手を出さずに娘のほうを狙うって、なんかおかしくないか?
いくら娘を捕まえても、その頃にはもうシャドウナイトたちに博士本人を拉致されているだろうから、人質がいても意味がないではないか。
ま、島田さんのシナリオに突っ込みを入れると無間地獄に陥る可能性が高いので、この辺にしておこう。
二人が出掛けようとしているのを見て、アキラが駆け寄ってくる。

アキラ「あ、お兄ちゃん」
イチロー「なんだい、アキラ君?」
アキラ「やっと友達が出来たんだ、僕、もう逃げんのやだ」
リエコ「アキラちゃん!!」
イチロー「……」
アキラ「僕、何も出来ないんだ、泳ぎも出来ないし、魚も獲ったことない、だって逃げてるばっかりじゃ何も出来ないモンね」
長い逃避行に嫌気が差したのか、アキラは率直に自分の気持ちを吐露する。
イチローも何と言っていいか困っていたが、
サチコ「私が教えて上げる、私、泳ぎ上手いんだから」
アキラ「ほんとーっ?」
サチコの助け舟に救われたかと思いきや、
アキラ「僕、もう逃げんのヤダ!!」 イチロー(めんどくせーなーっ!!) 同じ不満を繰り返すアキラに、思わず心の中で毒づくイチローであったが、嘘である。
イチロー「アキラ君、逃げ回らなくてもいい日が必ず来る。いや、僕がきっとそうしてみせる」
アキラ「いつ、その日はいつ?」
イチロー「僕を信じてくれ、近い日に必ず、必ずだ」
アキラの子供らしい心情を描いた印象的なシーンではあるが、普通は、また逃げ出さねばならなくなった時に言うよね、そう言うクレームは?
それはともかく、ジローは山形の行方を探すため、イチローはハカイダーを探すため、マシンにまたがって行川アイランドから走り出すが、途中でハカイダーからの攻撃を受ける。

イチロー「おのれ、ハカイダー!!」
ハカイダー「お前を山形博士の別荘へ行かせるわけにはいかん!!」
イチロー「なにっ、それではやっぱり」
ハカイダー「そのとおり、今頃シャドウのロボットが博士を襲撃しているはずだ」

イチロー「聞いたか、ジロー」
ジロー「うん、
あいつはアホか?」
と言うのは嘘だが、ハカイダーの底抜けのアホ発言を受けた二人が、そんなことを言い合ってるように見えるのは事実である。
いや、ほんと、自分から機密を教えるわ、シャドウが博士を拉致しようとしているであろうことを知りつつ暢気に構えているわ、ハカイダーも行くところまで行ったという感じである。
それでも、あくまでハカイダーの目的が01やキカイダーを倒すことなら、ハカイダーの行動や悠然とした態度も理解できるのだが、最初にはっきり自分で「娘を人質にして山形に新エネルギーを作らせてやる」って言い切っちゃってるからなぁ。
ま、既にそのことすら忘却している可能性もなくはないが……
この後、色々どうでもいいシーンがあって、結局山形はシャドウに捕まってしまう。
なお、今回の怪人の死神ロボットは背中に42と言う番号が書かれている。
シャドウの殺人部隊は(途中まで)それぞれ背番号を持っているのだが、別に順番どおりに付けられている訳ではないようで、これは「死神」の「しに」(42)から来てるんだろうなぁ。

シャドウナイト「どうですかな、博士、これでも我々に協力して頂けませんか?」
山形「ギルの子供など知らないし、お前らに協力するつもりもない」
山形博士、電気椅子の拷問を受けるが、さすがギルの研究仲間だっただけのことはあり、その程度の脅しにはビクともしない。

シャドウナイト「ようし、電流を三倍に上げろ!!」
山形「うわぁああああっ」
電圧が高くなると、山形博士の体から煙が出てくるのが、ほんとに電気椅子で処刑してるみたいで、ちょっと怖い。
山形博士、屈服しないまま意識を失う。
怪人「しぶといやつめ」
シャドウナイト「山形はギルの子供については何も知らんようだ。まあ良い、そうと分かったからにはなんとしても新エネルギーを作らせるのだ」
シャドウナイトは山形の娘を人質にして脅そうと、死神ロボットにサチコの拉致を命じる。
……
いや、彼ら、山形博士の娘のことは、ハカイダーのせこい策略のせいでまだ知らないんじゃないの?
ハカイダーが隠していたと知って、シャドウナイトが怒るシーンを入れれば済むことなんだけどね。

一方、リエコたちは、行川アイランド名物、オセアニア風のコスプレをした人たちのステージを堪能していた。
なんか、客席がコロナ対策してるのかと思うくらいスカスカで、客よりダンサーのほうが多い気もするが、たぶんこれは、営業時間外に撮影しているのだろう。
そうであることを信じたい。

差し障りのない笑顔でそれを見ていたサチコだったが、
サチコ(ええっ、マジでぇえええーっ?) なんと、サチコとアキラもステージに引っ張り出されると言う恐ろしい事態となる。
もっとも、

意外にも二人はノリノリで、特にサチコなどは、ダンサーの動きを真似して腰を振ったりして、その機会を積極的に楽しむのだった。
思わず三枚も貼ってしまったが、いやぁ、この笑顔が実に可愛らしい。
子供の頃にしか出せない輝きだよね。
それを微笑ましそうに見ていたリエコは、
リエコ(やらされないで良かった……) 心底からホッとしていたと言う。
この後、長い長いアクションシーンとなるが、ジローとイチローの活躍で、死神ロボットは撃破され、サチコは父親と無事再会するのだった。
いや、死神ロボットがね、何をトチ狂ったのか、サチコをおびき出すために博士を行川アイランドまで連れ出したので、助ける手間が省けたのよ。
……
サチコを人質にして山形を脅そうというのに、その山形を人質にしてサチコをおびき出そうと言うのは、凡人には思いも付かない発想である。
ラスト、イチローたちが山形親子に別れを告げている。

山形「ありがとう。なんとお礼を言って良いのか……」
サチコ「アキラ君、とうとう行ってしまうのね、せっかくお友達になれたのに」
アキラ「……お兄ちゃん」
寂しそうに俯いていたアキラ、物欲しそうな顔でイチローの日に焼けた顔を見上げる。
イチロー「アキラ君、逃げ回らなくてもいい日が、必ず来る。きっとな、ぐふふ……さあ、アキラ君、もう少し遊ぶ時間はあるぞ」
イチロー、さっきと同じような言葉でアキラを励まし、サチコとの名残を惜しむ時間があることを教えてやる。
リエコ、アキラ、サチコたちでバレーをして遊んでいたが、転がったボールを取ろうとしてサチコが車道に飛び出し、危うく轢かれそうになる。
ゲストヒロインが、「悪の組織」とは無関係に事故死するトンデモ結末かと思いきや、

無論、いくら島田さんでもそんな無茶はせず、寸前で、見知らぬ若い女性に助けられる。

ミサオ「……」
で、その女性こそ、シリーズ前半のもう一人のヒロインとも言うべきミサオなのだったが、リエコもミサオも互いの顔は知らないので、ミサオはリエコたちに一瞥をくれると、ヒロシの手を引いて何も言わずに立ち去ってしまう。
演じるのは松木聖さん。
うーん、まあ、美人と言えば美人なんだろうけど、こっちもあまり好みのタイプでないのが遺憾である。
キャラ的にはかなり面白いんだけどね。
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