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「宇宙刑事ギャバン」 第14話「愛と悲しみの別れ とどめの一撃!!」(リライト版)



 第14話「愛と悲しみの別れ とどめの一撃!!」(1982年6月25日)

 冒頭、前回のあらすじが簡単に語られたあと、バード星からコム長官がマリーンを連れて地球にやってくる。

 ダブルモンスターの出現に容易ならぬものを感じ、烈を鍛えに来たのである。

 
 コム長官「ダブルモンスターの硬い表皮や盾を切り裂くには今まで以上のパワーが必要だ」
 烈「はい」

 早速、コム長官がジムでトレーニングしている烈を指導している図となるが、もやしっ子の大ちゃんならいざ知らず、普段からバキバキに鍛えている烈にそんなこと言うのは、釈迦に説法と言う奴だし、そんなトレーニングしたからって、急に腕力が付くとは思えない。

 
 続いて、雪をまとった富士山をバックに、コム長官と実戦形式で剣の稽古を行う烈。

 
 老いてなお盛んなコム長官は、烈もたじたじとなるほどの剣の冴えを見せる。

 コム長官が剣を振るうのは、シリーズ通してここだけだと思うが、コム長官も若い頃は宇宙刑事としてコンバットスーツをまとって前線で暴れ回っていただろうから、烈と互角以上に戦っても、全然不思議はない。

 
 ミミーとマリーンが気遣わしげに見守っていたが、マリーンの顔が、仕事のあとのショッピングと食事のことで頭が一杯になっているように見えるのは、管理人の目の錯覚です。

 なお、予告編では、二人は烈とコム長官の向こう側に立っている。

 勿論、知性派のコム長官のこと、稽古をつけて「おつかれしたーっ」するだけではなく、ドルギランでギャバンとサイダブラーの戦闘映像記録を分析し、対策を立てることも忘れない。

 マリーン「これまでのモンスターの3倍のパワーです、ダブルモンスターは」

 
 烈「3倍? ダブルなのに?

 変なところに食いつく烈であったが、嘘である。

 烈「3倍? 道理で手強い筈だ」

 目を見張る烈であったが、毎回、魔空空間で3倍のパワーとなったモンスターをサクサク倒して来た筈なので、若干引っ掛かる発言である。

 コム長官「まともに戦って倒すのは容易じゃない、弱点を見付ける必要がある」
 ミミー「ねえ、ギャバン、このままパパやマリーンと一緒に帰りましょう」
 烈「何を言い出すんだ」

 と、ミミーが、仮にも特撮ヒロインとは思えない無責任な提案をするが、烈に一蹴される。

 ミミー「心配なのよ、だって、今度戦ったら負けるかもしれないんでしょ」
 烈「負けるもんか、俺は勝つ、勝って見せるよ」
 ミミー「……」

 気楽に請け負う烈であったが、それくらいではミミーは安心できない。

 と、不意にコム長官が画面の一点を指差し、

 
 コム長官「見たまえ、ダブルモンスターは右の胸を盾で固くガードしている」
 烈「じゃあ、右胸に弱点が?」
 コム長官「恐らく、右に心臓が」

 と言うのだが、右手に盾を持ってたら、自然と右胸部を守る形になるので、いまひとつ説得力に欠ける推理である。

 一方、

 
 男「ギャバンの奴、何処で何をしているのやら……お、ワシの好物の牛のにおいだ」

 アバロン乗馬クラブ近くの川べりを、タキシードにシルクハット、黒いマントをつけた異様な風体の男がぶつぶつ言いながら歩いていた。

 サイダブラーの人間態である。

 演じるのは、前回、ダブルマンの声を当てていた潮さんである。

 なんとなく、「悪魔くん」のメフィストみたいだなぁ。

 男は、川の上を歩いて渡り、対岸に向かう。

 
 月子「烈さんは今、とっても忙しいの、だから私が世話してあげるからね」

 対岸では、月子が烈の可愛がっている仔犬にミルクを与えていた。

 ……

 なんか、こう、生きる勇気のようなものが湧いてくるショットですね。

 見えそで見えない絶妙なアングルがたまりませんっ!!

 月子が、人の気配を感じて顔を上げると、目の前に、さっきの男が立っていた。

 男「なんだミルクか、牛かと思ったぞ……ふっふっふっふっ」
 月子「……」
 男「お茶でもいかが、お嬢さん、それとも、血のしたたるようなステーキがよろしい?」

 がっかりするサイダブラーだったが、何しろ演じているのが潮さんなので、月子を見るとガチでナンパしてくる。

 怖くなった月子、仔犬を抱いてその場を離れようとするが、

 
 男「むっ」

 男は素早くステッキを伸ばして、月子の動きを封じる。

 もっとも、彼の使命はあくまでギャバンを倒すことなので、

 月子「結構です」

 月子が何とか声を振り絞って断り、ステッキの下をくぐって駆け出すと、それ以上追いかけようとはしなかった。

 月子は全速力でアバロン乗馬クラブに戻ってくると、木のベンチに座り込み、

 
 月子「気持ち悪かった、まるで獣の目だわ」

 烈の指導を終えたコム長官は、戦いを見届けずにバード星に引き揚げることになる。

 烈「ありがとうございました」
 マリーン「死なないでね、ギャバン」
 烈「俺は不死身さ、マリーン」
 ミミー「バード星へ帰りたい、ギャバンと一緒に」
 コム長官「ギャバンの決意を乱すようなことを言ってはいかん」

 またもや子供のようなことを口にする娘を、コム長官が優しくたしなめる。

 ま、ほんとは、コム長官の娘とは言え、ただの民間人に過ぎないミミーだけはバード星へ帰らないといけないと思うのだが、野暮なことは言うまい。

 さて、一旦魔空城へ戻ったサイダブラーは、クラッシャーたちを相手にトレーニングを行うが、腹が減ったと言って、とある牧場に降り立ち、牛さんを食い殺す。

 翌朝、アバロン乗馬クラブに出勤すると、豪介に、○○牧場で牛が三頭食われたから見て来いと言われてジープで向かう烈。

 その途中、

 烈「なんで俺が調べに行かにゃならんのだっ!!」

 変なことに気付く烈であったが、嘘である。

 嘘だけど、ほんと、なんでだろう?

 まぁ、野犬の仕業だったらアバロン乗馬クラブにも被害が出るかもしれないので、豪介が心配するのは分からなくもないが、だからと言って現場を見に行ったところで仕方があるまい。

 烈は牧場に行き、牛の白骨と巨大な獣の足跡を見て、サイダブラーの仕業だと睨む。

 その夜、懲りずにUFOの撮影をしていた小次郎さんが、再び牛を食べに来たサイダブラーを目撃、腰を抜かして逃げ出し、徹夜でアバロン乗馬クラブのガードをしていた烈を引っ張ってその場所まで連れて行く。

 小次郎さんが怖がってジープから動こうとしないので、烈がひとりで森の中を調べていると、またしても牛の白骨と、巨大な動物の足跡が見付かる。

 この牛食いのくだり、妙に時間を費やして描かれているが、ぜんっぜん面白くないので是非カットして頂きたかった。

 その代わりに、月子のシャワーシーンでも入れて欲しかった。

 烈が森の中の小径に出ると、

 
 向こうからあの男がやってくる。

 その異様な風体と面構えに、烈はただならぬものを感じ、相手から目を離さずにゆっくりと歩を進める。

 
 二人は無言で擦れ違い、申し合わせたように立ち止まる。

 烈(殺気……凄い迫力)

 男は仕込み杖を抜く気配を見せるが、ここで互いの緊張が限界を越え、同時にその場からバネ仕掛けのように跳躍して距離を取る。

 そのまま戦いになるかと思いきや、男は不敵な笑みを浮かべて行ってしまう。

 しかし、あれほど戦いたがっていたギャバンと遭遇したのに、何もせず立ち去ってしまったのは、いささか解せない態度である。

 ストーリー上の都合か、あるいは、牛を食べてお腹が一杯だったのだろう。

 烈(奴だ、きっと……凄い奴!!)

 CM後、サイダブラーから烈に挑戦状が届く。

 18日(放送日)の正午に、鬼ヶ岬で雌雄を決しようと言うものだった。

 ドルギランに戻った烈は、いかにも言い難そうに、

 
 烈「ミミー、頼みがあんだけど……お金、貸してくれない?」
 ミミー「え、お金?」

 およそ烈らしくない意外な頼みに怪訝な顔をするミミーだったが、

 
 烈「子供たちと遊びたいんだ、ドーンとね」

 
 烈「……」

 烈の異様な目付きを見たミミーは、

 
 ミミー(こんな上から目線で借金頼む人、初めて見たわ……)

 じゃなくて、

 ミミー「うん」

 烈の気持ちを汲み取ったのか、優しく頷いて立ち上がり、自分の部屋に引っ込む。

 ほどなく、長方形のケースを手に戻ってきて、

 
 ミミー「好きなだけ持ってって、これひとつでも何千万円よ」

 気前よく、自分の宝石コレクションを差し出す。

 ……

 冷静に考えたら、ミミー、なんでこんなに金持ちなんだ?

 父親が銀河連邦警察のトップと言っても所詮は公務員で、娘にこんな贅沢をさせられるほど裕福とも思えないが……

 演じてるのが悪役の多い西沢さんなだけに、謹厳なマスクの裏で、職権を悪用して押収した武器や麻薬の横流しでもしているのではないかと勘繰ってしまうではないか。

 烈「珍しいなー、いつもだったら1000円だって出したがらないくせに」
 ミミー「あ、そんなこと言うんなら上げない」
 烈「ジョーク、ジョーク、ジョックン」

 烈、ありがたく宝石を一粒もらうと、わざと明るく振舞って出掛けようとする。

 それをミミーが呼び止め、

 ミミー「ギャバン……気をつけてね」
 烈「可愛いよ、今日のミミーは一段とね」

 このあたりから、挿入歌「青い地球は母の星」のイントロが流れ出し、シリーズ屈指の名場面をいやがうえにも盛り上げる。

 烈が行ったあと、ミミーはその場に膝を突き、

 
 ミミー「ギャバンの戦いの時は近付いています、神様、ギャバンをお守りください」

 両手を組み合わせて、神に烈の無事を祈るのだった。

 続いて、烈が、月子、当山、わかばたちと一緒に遊びに行くシーンとなるが、

 
 ドラマの中では何百万も持っている烈だが、現実の予算は限られているので、彼らの向かった先は「多摩動物公園」と言う、大変庶民的な施設なのだった。チーン。

 それでもビンボーでビンボーで仕方のない子供たちは大喜びで、象やライオンやゴリラなど、たくさんの動物たちの姿に目を輝かせるのだった。

 
 この星の美しさ、優しさを守りたい~♪

 で、ここ、歌詞と映像のマッチング具合が素晴らしく、ナレーターが余計な説明を加えずとも、烈の思いが歌詞によってストレートに視聴者に伝わる、感動的なシーンになっている。

 あえて説明の必要もないが、烈は今度の戦いで死ぬかもしれないと考え、心残りがないよう、その前に子供たちと存分に遊んでおこうと思ったのである。

 続いて多摩テックと言う遊園地で遊ぶ烈たち。

 一段落したところで、

 
 当山「大盤振る舞いして良いのか、安いんだろ、給料」

 当山が烈の懐具合を心配するが、

 烈「お金ならたっぷりあるんだよ、ほれっ」
 当山「ちょっ!!」
 月子「あっ」

 烈、分厚い札束を取り出して当山に見せびらかす。

 無論、ミミーの宝石を売り払った金なのだが、特撮ヒーローの主人公が、実際にこんな大金を持ち歩くというのは、かなり珍しい光景である。

 烈「子供たちに何か美味しいものでも食べさせてやってくれ」
 月子「えっ、こんなに?」

 烈、その札束を気前良く月子に渡すが、子供たちにご馳走するのに、さすがに数百万は要らんだろう。

 月子「烈さんは?」
 烈「俺、ちょっと用があるんだよ、頼むわ」
 月子「そう」

 そんな烈の横顔を、

 
 当山(強盗でもしたんじゃねえだろうな、コイツ?)

 とでも言いたげな目で見る当山であった(註1)

 でも、実際、いつも安月給でピーピー言ってる烈が、こんな大金を持ってたら、同僚に怪しまれても文句は言えないよね。

 「宝くじに当たったんだ」みたいな説明くらいはすべきだったのでは?

 それはともかく、このくだり、三人のやりとりがいかにも「大人」な感じがして好きである。

 註1……他には(こんな金持ってるのに、なんであんな割に合わない仕事してるんだ、コイツは?)もあり。

 ナレ「この子供たちの顔を見るのもこれが最後かもしれない、烈は心の中で子供たちにそっとさよならを告げた」

 約束の時間が迫ってきたので、烈は子供たちに見送られながら多摩テックを後にする。

 鬼ヶ岬へ向かう途中、路上でミミーが待っていて、

 
 ミミー「お守り、貰って来たの」

 何処で手に入れたのか不明だが、烈にお守りを渡す。

 それに「家内安全」とか「安産祈願」とか書いてあったら笑えたと思うのだが、

 
 烈(まさかの無字!!)

 まぁ、適当なのがなかったのかもしれないが、せめて「御守」くらいは入れて欲しかった。

 あるいは、ミミーの手作りとかね。

 烈「ありがとう」
 ミミー「気をつけてね」

 目に涙を溜めて烈を送り出すミミー。

 ただ、ミミーはすでにドルギランで別れの言葉を交わしているので、ここでまたミミーを出す必要はなかったように思う。

 あと、烈が小次郎さんを動物園に誘おうともしないのが、烈が普段小次郎さんのことをどう思っているのかが透けて見えて、ちょっと悲しいが、ま、スケジュールの都合だろう。

 こうして、盛り上げるだけ盛り上げた末に、鬼ヶ岬での決戦となるのだが、特にどうでもいいのでカットさせていただきます。

 烈&サイダブラー&コム長官「おいっっっ!!!」

 いや、だって、どうせギャバンが勝つに決まってるからね……

 ただ、今回は魔空空間に移動して戦っているので、サイダブラーのパワーも3倍になり、トータルでは、モンスターの9倍の強さになってる筈なのに、それをあっさり倒しちゃうのは、さすがにどうかと思う。

 ラスト、子供たちとサッカーをして遊んでいる烈。

 
 最後は真性ロリコン戦士のために、胸ぺったんこのわかばの画像で締めましょう!!

 以上、決戦に至るまでの敵味方の様子をつぶさに描いた、シリーズ屈指の名作であった。
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コメント

潮氏は31話にも出演されてますが、大葉氏VS潮氏はバトルケニアVSヘッダー指揮官ですね。

「レーザーブレードの必殺技を防がれなかったのはシャイダーだけ」というのを見ましたが
シャリバンは11話のショウリビースト、47話のケンキャクビーストに一発目を弾かれてますが
ギャバンはこの13話のことを指しているのでしょうか?
他にギャバン・ダイナミックが通用しなかった回はありませんでしたが?

ところで、ビジュアルも可でアクションができる今の女優さんは武田梨奈さんでは?
「シャイダーNEXT」はこの人に演ってほしかったです。

Re[1]:「宇宙刑事ギャバン」の魅力を語り尽くす 第13話・第14話(06/05)  

影の王子様
>ところで、ビジュアルも可でアクションができる今の女優さんは武田梨奈さんでは?
>「シャイダーNEXT」はこの人に演ってほしかったです。

情報ありがとうございます。
最近のドラマって全然見ないので……。

関係ないけど「仮面ライダー3号」やっと見ました。
恥ずかしながら、意外と面白かったです。

最後のロボットは、「……」でしたけど。
いつかレビューするつもりです。

潮健児さん

このダブルモンスター登場編の前編にあたる13話では素対になるダブルマンの声を当てていますね。ダブルマンの顔は潮さんのイメージに合わせたデザインです。

Re: 潮健児さん

> ダブルマンの顔は潮さんのイメージに合わせたデザインです。

そう言えば似てますね。

未戦闘のスーツ関連

こんばんは。ギャバンと対決しなかったスーツタイプのベム怪獣(植物型・骨型・クラゲ型)が計3体いるのですが、せめて15話以降でダブルモンスターの相方か合成素体として出すべきでしたよね。

Re: 未戦闘のスーツ関連

こんばんは。

でも、あえて全部使い切らないというのは、それはそれで贅沢な気もするのでありかなと。

リマスター月子

サイヴァリオンとセットの超合金が発売される記念で今度はバンダイから
無料配信(現在11、13,14、15話)されていますが映像が凄く綺麗。

https://www.youtube.com/watch?v=4DpfGAEbm98&list=RDCMUCuxB1suCoCqAKiljh_0xE4A&index=3

Re: リマスター月子

リンクありがとうございます。

ほんと綺麗ですね。

それじゃ無理

コム長官がギャバン(烈に)に対して筋トレ強化を命じたそうですが、流石にそんな短い間では無理でしょうね😅

Re: それじゃ無理

ドロナワもいいところですね。

コム長官

「シャイダー」では一回も地球に来ていないんですよね。
いくらフーマが銀河中で跋扈しているとはいえ、貴方がスカウトしたんでしょうが!
モロボシダン隊長な意味不明の特訓とか「狂ったか!」でした!

そ、そこはケチってはいけない金……

いや待てむしろ何故ギャバンはそこまで金持ってないんだ、赴任先の惑星での活動資金調達用に換金用の貴金属か何か支給したりしないのか銀河連邦警察

何だろうなあ、宇宙刑事ってむしろ高給取りじゃないといけない立場だと思うが
危険な任務なのもそうだけど、それ以上に大抵の惑星の軍隊と渡り合えるどころかちょっとした星なら征服できる戦力持ってる人間を冷遇したら何しでかすか分からんのに

Re: コム長官

> 「シャイダー」では一回も地球に来ていないんですよね。

フーマの侵略でその余裕がなかったのかもしれません。

あるいは大ちゃんに興味がなかったのかもしれません。

Re: そ、そこはケチってはいけない金……

> いや待てむしろ何故ギャバンはそこまで金持ってないんだ、赴任先の惑星での活動資金調達用に換金用の貴金属か何か支給したりしないのか銀河連邦警察

確かに、金なさ過ぎですよね。

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