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「ウルトラマンA」 第34話「海の虹に超獣が踊る」


 第34話「海の虹に超獣が踊る」(1972年11月24日)

 冒頭、洋上を行くタンカーの直下で七色の閃光が走り、ゴボゴボと波が立って渦を巻き、その中にタンカーを飲み込むと言う特撮シーンが出てくるのだが、円谷プロにしてはいまひとつの出来で、なんとなく作品そのものの出来を暗示しているような気がしたものである。

 ナレ「各国のタンカーが消息を絶つと言う怪事件がこのところ立て続けに起こっていた。だが、情報はいつも遅く、TACが事件を知るのはいつも事件の数日あとであった」

 それに被せて、ナレーションが概況を説明するのだが、なんで情報がそんなに遅れてしまうのか、最後まで何の答えも示されないのである。

 うーむ、まだ始まったばかりだが、駄作の臭いがプンプンしやがるぜぇええっ!!

 そんな中、MR海域上空をパトロール飛行中の北斗が、転覆したボートにしがみついている少年を発見し、直ちに救出すると言う事件が起きる。

 
 子供「船長さんの息子なんだ」
 子供「船長さん、海で死んじゃったんだって」

 北斗が少年を自宅へ運ぶのに、地元の子供たちがついてきて色々教えてくれる。

 
 北斗「部屋を温めなきゃ」
 波子「はい」

 すぐに少年……浜ユウジを布団に寝かせ、北斗がその姉に指示する。

 で、この、中途半端な長さのソックスがいささか野暮ったい印象を与える制服姿の女子高生と言うのが、

 
 天下無敵の丘野かおりさんなのであった!!

 ただ、制服が王道のセーラー服じゃなくて、なんとなくパッとしないデザインのブレザーなのはちょっと残念。

 それでも、丘野さんの制服姿と言うのは、実に貴重である。

 北斗「ユウジ君は、小船で沖へ出ようとしていたらしい」
 波子「ユウジが沖へ? 嘘です。ユウジがそんな危ないことする筈ありません」
 北斗「そんなこと言ったって……君たちはお父さんだけじゃなく、お母さんまで?」
 波子「母は、去年の春、交通事故で亡くなりました。でも父は死んでなんかいません。父は、父は帰ってきます」

 北斗は、仏壇の母親らしき女性の遺影を見て尋ねるが、波子は母親が死んだことは認めたが、何故か、父親については頑なにその死を認めようとしない。

 やがてユウジが目を開く。

 ユウジ「お姉ちゃん……貝殻が、貝殻が」
 波子「ユウジ、何も話さなくて良いの、もうだいじょぶですから、どうぞお帰りになってください」
 北斗「……」

 切り口上で言われて、北斗もさすがに良い気持ちはしなかったが、

 
 子供「そのひと、TACの人なんだよ」
 子供「ユウジはTACの人に助けられたんじゃないか」

 外野から子供たちの非難するような声が飛んでくる。

 
 波子「あんたたち、まだいたの? ユウジと遊ばないでって言ってあるでしょ、さ、はやくかえんなさい!!」
 子供たち「ちぇっ」

 波子は勢い良く立ち上がると、きつい調子で子供たちを追い立てると、

 
 波子「どうぞお帰りになってください」
 北斗「……」

 丘野さんが、こんなギスギスしたキャラを演じるのは、ちょっと他では見たことがなく、その点も、この作品の価値を低下させている原因である。

 それにしても、一瞬映るその足が、相変わらず栄養失調じゃないかと心配になるほど細い。

 気になった北斗は、海辺で、さっきの子供たちと一緒にリンゴを齧りながら、情報を聞き出そうとする。

 
 北斗「どうしてユウジ君と遊んじゃいけないって言われてるんだ?」
 子供「俺たちにもわからないんだ、ユウジに近づこうとすると、ユウジの姉ちゃんが凄く怒るんだ」
 子供「船長さんが死んでから変わったんだよな、あの二人」

 子供たちによると、波子は以前はもっと明るく優しい女性だったらしい。

 などと話していると、そのユウジがズタ袋と柄の長いたも網を手に、目の前の浜辺を歩いているではないか。

 どうやらユウジは、砂浜に落ちている特定の種類の貝殻を拾い集めているようだった。

 
 北斗「もうだいじょうぶなのかい、ユウジ君?」
 ユウジ「……」
 北斗「どうしたんだ、僕だよ」
 ユウジ「僕を助けてくれた人?」
 北斗「北斗星司」

 
 北斗「ほお、貝殻集めてんのか、ちょっと見せて。へー、綺麗な貝だねえ」
 ユウジ「この貝殻、海から浮かんでくるんだ」
 北斗「変な貝だな」

 北斗が何気なくその貝を光に翳してみると、その表面が異様な光を放つのに気付く。

 と言っても、それだけではその正体までは分からず、すぐユウジに返してやる。

 ユウジは、その貝を1000枚集めると父親が帰って来ると固く信じているようであった。

 北斗「君のお父さん……?」

 
 波子「ユウジ!!」

 北斗がハッとして何か言おうとするが、その口を封じようとするかのように、怖いお姉ちゃんがあらわれる。

 が……!!

 

 

 
 70年代に、まさかのコギャル風丘野さんキターーーーーッ!!

 う、嬉し過ぎる。

 嬉し過ぎて三枚も貼ってしまったが、管理人に一片の悔いなし!!

 
 しかし、まあ、今回はあまりハマッてない役とは言え、まさにオーパーツと呼ぶにふさわしい一発退場クラスの反則的可愛らしさである。

 スタッフもさすがにそれは気付いていただろうが、あいにく今回の主役はユウジ少年なので、これ以外に、大して印象的なカットがないのが残念である。

 あと、この角度から見ると、丘野さんの足があまり細く見えないのが不思議である。

 波子、怖い顔でズンズン二人のところにやってくるが、

 
 波子「さきほどは、ユウジを助けていただいた方にあんなこと言ってしまうなんて……」

 さすがに言い過ぎたと反省したのか、丘野さん本来の柔らかい声音で謝ってから、

 波子「さあ、ユウジ、帰りましょう」
 ユウジ「まだあるかもしれないよ、もう少し探してくる」

 ユウジがその場を離れた直後、

 
 北斗「お父さんが死んだこと、隠してるのか?」
 波子「言ったんですか、そのこと? ユウジに言ってしまったんですか?」

 波子の問い掛けに、無言で首を振る北斗。

 波子「すいません、私、ユウジが父のことを知ったらどんなにショックを受けるかと思って」
 北斗「それで近所の子供たちとも遊ばせないのか」

 
 波子「父はタンカーの船長でした」
 北斗「タンカーの?」
 波子「ええ、一番最初の行方不明事件のタンカーでした。ユウジは父のタンカーが行方不明になった次の日、この海岸で4枚のとても綺麗な貝殻を拾ったんです。私、お父さんはどうしたってユウジにうるさく聞かれて、あの綺麗な貝殻が1000枚になったらお父さんは帰ってくるわよって……」
 北斗「子供を騙したのか?」

 北斗が責めるような口調で問うが、

 
 波子「父が死んだなんて、私だって信じたくない。だからユウジにはなおさら知らせたくないんです」

 
 ユウジ「お姉ちゃん、942枚になったよ。あと58枚だよね、もうすぐお父ちゃん帰って来るよね」
 波子「……」

 何も知らずに貝を集めている弟の明るい声に、つらそうに唇を噛む波子。

 北斗「どんな理由があろうと僕は子供を騙すのには反対だ。他に何か方法はなかったのか?」
 波子「私には私の考えがあります。どうぞもう私たちに構わないでください」

 波子は、北斗の咎めるような声を煩わしそうに遮ると、ミニスカも勇ましく北斗の前から走り去る。

 でも、考えたら、波子もまだ高校生で、北斗から見たら子供に過ぎず、両親を失くしたショックで相当参っているのだろうから、北斗には、もうちょっと優しい態度を見せて欲しかったような気もする。

 むしろ、これからその華奢な腕に弟を抱えて社会の荒波に立ち向かって行かねばならない波子のほうこそ、気遣われるべき存在ではないかと思うのである。

 TAC本部に戻った北斗は、何を思ったか、隊長に休暇願いを出す。

 
 北斗「ちょっと気になる子供がいるんです」
 山中「なに子供だぁ? たるんどる、ぶったるんどるぞ、お前は……いいか、北斗、今はまだ連続16件のタンカー行方不明事件が未解決のままなんだ」
 北斗「だから子供なんてどうなったっていいって言うんですか?」
 山中「なにぃ」
 北斗「ほっといたら子供らしさも生きる力も失ってしまいそうな子供がいるんです。ぼかぁ黙ってみているわけには行きません」

 北斗は山中隊員に対しても毅然として持論を主張するが、別に北斗は教師じゃなくてTAC隊員なんだから、正直、なんでそこまでその子供に肩入れしなければならないのか、いまひとつ分からないのである。

 そもそもこの時点では、タンカーが超獣によって沈められているとも分かっていないのだし、どう考えても北斗のやってることは過剰なおせっかいと言うものであった。

 北斗は、竜隊長に向き直り、

 北斗「隊長、TACの使命は超獣をやっつけることだけではない筈です」
 山中「なにをーっ!!」

 激昂して北斗の胸倉を掴む山中隊員であったが、この態度もあまりに大人気なさ過ぎて、ちょっと萎える。

 竜「山中隊員、北斗の言うとおりだ。TACは子供の味方だ、ひとりの子供から生きる勇気を奪ってしまう何かがあるとすれば、それは超獣より恐ろしいTACの敵だ。北斗隊員、一日の休暇を許可する」

 竜隊長は横から穏やかに口を挟むと、いまひとつ意味不明の理由を挙げて、北斗の願いを容れてやるのだった。

 しかしなぁ、超獣も絡んでいないのにいちいちそんなことを許可していたら、きりがありませんぜ?

 なので、この時点で北斗があの貝殻を手に入れていて、それが超獣の一部である可能性を口にすれば、竜隊長の判断も少しは納得できるものになっていたと思うんだけどね。

 ともあれ、次のシーンでは私服姿の北斗が自分の車にダンを乗せて海沿いの道を走っている。

 ダン「ユウジ君に、貝殻のことなんて忘れさせれば良いんだね」
 北斗「うまくいけばいいがなぁ」

 その後、北斗が両手にコーラやお菓子などの入った紙袋を抱えて外で遊んでいるユウジたちのところへ向かおうとしていると、

 
 波子「北斗さん」
 北斗「よお」

 引き続きコギャルスタイルの波子があらわれ、声を掛ける。

 その険しい顔を見て、

 北斗「どうしたんだい?」
 波子「ユウジを子供たちと遊ばせているというのはほんとですか?」
 北斗「ああ、一緒に来るかい、ユウジ君もだんだん元気が出てきたぜ」
 波子「余計なことをしないでください、もしもユウジが誰かから父のことを聞いてしまったら、どうするんです?」
 北斗「なにを言ってるんだ、君は……あのままでおいたらユウジ君はほんとにダメになってしまうんだぞ」

 北斗、教師が生徒を叱るように、波子の心得違いを指摘するが、波子も強硬で、

 波子「私がついてる限り、ユウジをそんな目に遭わせません」

 
 北斗「ユウジ君はあんなに楽しそうに遊んでるんだ、自分のおセンチのために弟をこれ以上犠牲にするのはよせ」

 やむなく北斗はさらに強い口調で、波子の心の中に土足で踏み込む。

 
 波子「おセンチ? 私の?」
 北斗「そうだ、本当は貝殻を1000枚集めたいのは君なんだろう?」
 波子「……」

 北斗の、ナイフのように鋭い言葉でその小さな胸を抉られて、能面のような白い顔で立ち尽くす波子。

 父の死と言う過酷な現実を受け入れたくなかったのは、ユウジではなく、波子であったのだ。

 こういう細やかな心理描写はさすが長坂さんであるが、当時のちびっ子たちには良く分からなかったのではあるまいか。

 二人が睨み合ってると、ダンたちが慌てふためいてやってくる。

 北斗「どうした」
 ダン「ユウジ君がいなくなっちゃったんだ」
 北斗「なんだって」
 ダン「ごめん、北斗さん」
 北斗「何か思い当たることはないか」
 ダン「そう言えばさっき、海のほうから温かい風が吹いてきて、ユウジ君、その風が吹くといつも貝殻が波に運ばれてくるんだなんて……」
 北斗「貝殻だ、ユウジ君はまた海へ行ったんだ。あの貝殻は海に浮いた。貝殻なんかじゃない、あれは超獣の何かなんだ」

 と、北斗は断言するのだが、それだけで、「貝殻=超獣の一部」と言う結論になるのは、いささか唐突な感じがする。

 ともあれ、北斗は休暇を切り上げて、竜隊長に連絡する。

 
 竜「なに、タンカーを襲う超獣が現れる?」
 北斗「そうです、このMR海域を航行しているタンカーがいる筈です。至急手配願います」
 竜「わかった、で、そのユウジ君と言う子供の行方はまだ分からんのか」
 北斗「はい、すぐ海上捜査に向かいます」

 通信を終えると、北斗は波子には目もくれず、海に向かって走り出す。

 
 波子「ユウジ……」

 心配そうに海のほうを見る丘野さんの美しい横顔、頂きました!!

 正直、今回はあまり綺麗に撮れているとは言えない丘野さんだが、やはりそのポテンシャルは凄まじく、そこらの女優が束になっても太刀打ちできない美しさをキープしている。

 もう、なんだったら、この年頃の女性ゲストキャラは、全部丘野さんに演じてもらっても良かったくらいだ。

 特に、25話のミチルは、是非彼女に演じて欲しかったなぁ……

 この後、北斗がモーターボートで海上を疾走する、金のかかるシーンとなるが、どうでもいいのでカット。

 色々あって、

 
 ボートで沖に漕ぎ出ていたユウジの目の前に、超獣カイテイガガンがあらわれる。

 TAC戦闘機の猛攻を受け、超獣の体から鱗が剥げ落ちる。

 北斗(あの貝殻はこいつの鱗だったんだ)

 北斗は貝殻を集めたがるユウジを強引にモーターボートに乗せ、その場から急速離脱する。

 TACの攻撃を受け、超獣は付近を航行中のタンカーを襲うことなく海中に逃げ込む。

 何気に、TACが人様のお役に立った、珍しいケースである。

 CM後、貝殻が夢を叶えてくれるアイテムなどではなく、父親を殺した超獣の鱗だと知ったユウジは、鱗を分析したいから貸してくれと言う北斗の叫びも無視して、全部川に投げ捨ててしまう。

 
 それを見て、大きなお口を開けて驚く丘野さんのお顔、頂きました!!

 
 波子「言ったのね、父が死んだこと、あの子に言ったのね?」
 北斗「ああ、言った」
 波子「どうして、どうしてそんなひどいことを」
 北斗「貝殻1000枚集めたら死んだ父親が帰ってくる、そんな話を信じさせるほうが残酷だ」
 波子「余計なおせっかいよ!!」

 路上で激しく言い合う二人。

 ああ、ワシも丘野さんに罵倒されてみたい……

 ユウジ「嘘つき!!」

 ユウジは姉に向かって吐き捨てると、家に向かって走り出す。

 自宅に飛び込むと玄関の鍵を締め、

 
 ユウジ「嘘つきだ、大人はみんな嘘つきだ!!」

 この後、青春ドラマでイヤと言うほど繰り返されて手垢まみれになるが、当時はまだ清新さを保っていた定番フレーズを放って奥に引っ込む。

 そして手当たり次第にモノを投げつけ、怒りと悲しみの感情を爆発させる。

 ところで、北斗はあの貝殻を欲しがっていたが、別にユウジの持っているものでなくても、海岸にまたたくさん打ち上げられてるんじゃないの?

 一方、MR海域は船舶の航行が全面的にストップされる。

 今野「海が汚れなければカイテイガガンも出てこなかった」
 吉村「何故海が汚れたと思う? 工業廃液だ。そしてその工業は大部分、石油によって動いている」

 
 美川「だから石油を運んでくるタンカーを襲った」
 山中「それじゃ奴をいぶしだすには、海をうんと汚せばいいってわけか。くだらん、TACに自然破壊が出来ると思うか?」

 超獣の生態について話し合う隊員たちであったが、彼らのやりとりだと、超獣は汚れた海が好きなのでタンカーを襲って原油を流出させようとしているように聞こえるが、超獣が、そんなことするかなぁ?

 あるいは、単に超獣が工業廃液=石油が好きだからタンカーを襲ったということなのだろうか?

 どっちにしても、特撮に環境問題を持ち込むのがお好きな長坂さんらしい台詞である。

 ほんとなら、海を綺麗にして超獣が二度と出現しないようにする……と言うオチにしたかったのかもしれないが、これはウルトラシリーズなのでそう言う訳にも行かず、竜隊長の発案で、MR海域に空っぽのタンカーを走らせて、超獣をおびき出す作戦が実行される。

 北斗は、ユウジがまた海へ出るのではないかと気になって、ひとりユウジの家へ足を運ぶ。

 しかし、竜隊長に一応断りを入れているとは言え、北斗の行為はいささか問題ではあるまいか。

 だって、他の隊員が戦闘機に乗って出撃していると言うのに、自分だけ民間人の家を訪ねてるんだから……

 おまけに「作戦開始までには戻ってきます」って言って、全然帰ってこねえし。

 ユウジのことが気がかりにならば、波子に電話しておくとか、ダンに頼んで見張ってもらうとか、他にもいくらでも方法はあっただろう。

 ともあれ、北斗はユウジに会おうとするが、

 
 波子「大変申し訳ありませんが、どうしても会いたくないってユウジが言い張ってるんです」
 北斗「そうですか……」

 北斗、代わりに、家の中にいるユウジに向かって大声で話しかける。

 北斗「君はいつからそんな弱虫になったんだ、男の子はね、どんなことがあったってへこたれない頑張りと勇気があるもんだ、そんなことじゃお父さんのような立派な人間になれないぞ!!」

 
 北斗「今度来た時は、元気な顔で出てくるんだぞ!!」
 波子「……」
 北斗「じゃあ」

 北斗は言いたいことを言って引き揚げるが、それ、わざわざ作戦中に言いにこなくちゃいけないことなんですか?

 その後、作戦が図に当たり、囮のタンカーの前方の海面に虹色が光が弾け、超獣の出現を予告する。

 
 竜「ようし、攻撃準備」
 美川「……」

 なお、操縦席の美川隊員の顔が、いかにもやる気なさそうに感じられるが、たぶん、「今日の晩御飯、何食べようかしら?」とでも考えていたのだろう。

 
 TACが激しい攻撃を加えるが、相変わらず効き目はない。

 でも、考えたら、これだけ巨大な戦闘機が攻撃してるのに、超獣に傷ひとつつけられないというのは、機体サイズに比べてあまりに火力が控え目過ぎるような気がする。

 つーか、V7とかV9はどうしたんだよっ?

 一方、ユウジは再び海へ出て超獣の鱗を拾うが、それは1000枚集めるためではなく、それを北斗に渡して超獣の弱点を見つけて貰おうと言う、前向きな考えに基づくものだった。

 うーん、まあ、辻褄はあってるけど、現に超獣が目の前で暴れまわっていることを思い合わせると、いかにも「証文の出し遅れ」と言う感じがする展開だなぁ。

 実際、助けに来た北斗にも「そんなものいいんだ」って切り捨てられてるし……

 結局作戦に参加しないまま、北斗はAに変身、超獣を撃破して事件は解決する。

 北斗、TACのメンバーとしては完全な職場放棄で、フツーだったら山中隊員に首絞められてるところだが、幸い、今回は溺れかけたユウジ少年を助けていたという格好の言い訳が出来たので、絞められずに済む。

 もっとも、ユウジは北斗がAに変身している間に思いっきり水を飲んでしまい、海から引き揚げられた時は意識を失ってぐったりしていた。

 
 波子「ユウジ!!」

 悲愴なBGMの中、砂浜に横たえられたユウジに人工呼吸を施す北斗と、必死に呼びかける波子。

 ここ、数少ない有望なシーンであったが、既に日が傾いて暗くなっていて、しかも北斗の手が邪魔して見れませんでした(何が?)

 まあ、丘野さん、ガードが固いから、条件が違っても無理だったろうけど(だから何が?)

 
 波子「ユウジ、御免ね、嘘ついて……姉さんがいけなかったのよ!!」

 頬を涙で濡らしながら、改めて弟に詫びる波子。

 このままユウジが死んだらあまりに救いがない結末となるところであったが、北斗の頑張りと父親の霊が奇跡を起こしたのか、やがてユウジは薄っすらと目を開く。

 ま、感動的なシーンと言えば言えるのだが、ユウジが生き返ったとしても、彼ら姉弟の境遇はスタート時点から何も変わっておらず、果たしてこれをハッピーエンドと言って良いものか、悩んでしまう。

 これが「タロウ」とかだったら、最後に父親が帰ってくる(超獣のお腹の中にいた)みたいな安直なオチもあったかもしれないが……

 以上、はっきり言って面白いとはいえないストーリーであった。

 一番の問題は、ユウジの集めた貝殻が、ストーリーとうまく溶け合っていないこと。

 北斗があそこまでユウジに肩入れするのもやや不自然だし、両親を失った波子たちがこれからどうやって生きていくのか、何の打開策も示されていないのが歯痒い。

 ちょろっと出て来た環境破壊への警鐘らしき台詞も、まさに上っ面だけのものだったし。

 なにより、せっかくの丘野さんのゲスト回なのに、笑顔のひとつもなく、その魅力があまり引き出されていないのが遺憾である。
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コメント

コギャル

コギャルスタイルの丘野さんも良いですね😅これで笑顔があれば更に💮なのですが、勿体無い扱いですね😑

No title

>丘野さんのゲスト回なのに、笑顔のひとつもなく、その魅力があまり引き出されていないのが遺憾である。

初見の時はゲストヒロインの心理が理解できなかったこともあってさらに低評価でした。

思春期おセンチ物語

こんばんは。
「A」ではダン・香代子のレギュラー姉弟だけで無くゲストでもしっかり者の姉と幼い弟という組み合わせが多いですね(19話キングカッパー回、26・27話ヒッポリト星人回、50話シグナリオン回)。
でも、今回のユウジくんのお姉さんは困り者ですね。お父さんの死を弟に隠し続けてどうするの?と思いきや、実際お父さんの死を受け入れられないのは自分だったという事実。
まさに思春期真っ只中の多感な少女の現実逃避ですが、これが一人っ子ならともかく下に弟妹がいる身なら普通もっとしっかりすると思うのですが。彼女も大人から見ればまだ子供の域ですが、小学生の弟から見ればもう大人の域ですからね。

この件は、若い北斗よりも大人の包容力がある竜隊長が姉弟を説得してあげたら丸く収まったような気がしますが、最終的にユウジくんは北斗に父親を見た感じですから、これも北斗の成長には必要な出来事だったのかも。

ユウジ

これ、はぢめて見た時に(てゆーか一度しか見てない)なんで変身後にユウジを助けるのを優先しないんだ?と思いましたが…

姉弟のドラマを盛り上げるためにユウジを瀕死にしたということですかね。
でも納得しません。巨大ヒーローや戦隊ロボットはバレバレの合成映像やバレバレの模型など関係なくピンチに陥った人間や乗り物をそっと地面に置いてあげたところで見ていて安心するってもんですから。

微笑ましい

個人的には結構いい話だと思うんですが、まとまりを欠いているのは否めませんね。ただラストシーンでユウジと北斗が仲良くしているのは微笑ましくて良かったです。Aは子供が出てくる話が多いですが、子供が生意気だったり北斗が妙に厳しかったりするので。
あとカイテイガガンは海が汚されることを怒り、タンカーを沈めているという設定です。それじゃますます汚れるとは思いますが。

タイムリミットは、近い

多分こんなに早く1000枚集められそうになるとは思っていなかったんだろうなあ
珍しい貝殻だからそうそう見つからない、1000枚集める頃には数年経って父の死を受け入れられる位に成長しているだろう、と無意識に理屈をひねり出してしまった(もっとも波子のやっている事はユウジの心の時間を止めているような物なので北斗の言っている通りあのままだとダメになってしまったでしょう)

ところでカイテイガガンの鱗が水に浮いているという事は発泡スチロールのように気泡が多量に含まれているという事なんでしょうか(そんな貝殻など存在しないので恐らく北斗もそれで超獣の関与を疑ったのだと思われます)

特撮ヒーロー番組的被害者遺族問題

こんばんは。

>ま、感動的なシーンと言えば言えるのだが、ユウジが生き返ったとしても、彼ら姉弟の境遇はスタート時点から何も変わっておらず、果たしてこれをハッピーエンドと言って良いものか、悩んでしまう。

これ以前やこれ以後もM78スペースが舞台のウルトラマンシリーズでは怪獣や侵略宇宙人などによって親が犠牲になった子供たちが複数登場しています(平成以降は減りましたが)。おそらくそうした被害者が多数に存在しているので、案外政府や防衛チームによる生活支援政策が取られているのかもしれません。

ちなみにスーパー戦隊シリーズでは「デカレンジャー」にて、鍵開け能力を買われて幼い頃から悪役に利用されていたエイリアンの少女が、事件解決後に宇宙警察から生活支援を約束される一幕がありました。

Re: コギャル

可愛いですよね。

Re: No title

辛気臭い話ですもんね。

Re: 思春期おセンチ物語

こんばんは。

> 「A」ではダン・香代子のレギュラー姉弟だけで無くゲストでもしっかり者の姉と幼い弟という組み合わせが多いですね(19話キングカッパー回、26・27話ヒッポリト星人回、50話シグナリオン回)。

確かにそうですね。

> まさに思春期真っ只中の多感な少女の現実逃避ですが、これが一人っ子ならともかく下に弟妹がいる身なら普通もっとしっかりすると思うのですが。彼女も大人から見ればまだ子供の域ですが、小学生の弟から見ればもう大人の域ですからね。

でも、言うても女子高生ですからねえ……現実逃避して当然じゃないですか。

Re: ユウジ

> これ、はぢめて見た時に(てゆーか一度しか見てない)なんで変身後にユウジを助けるのを優先しないんだ?と思いましたが…

言われて見ればそうですね。

まあ、最後にドラマを盛り上げようとしたんでしょう。

Re: 微笑ましい

> Aは子供が出てくる話が多いですが、子供が生意気だったり北斗が妙に厳しかったりするので。

そうでしたね。

> あとカイテイガガンは海が汚されることを怒り、タンカーを沈めているという設定です。それじゃますます汚れるとは思いますが。

ご教示ありがとうございます。ちょっと分かりにくいですよね。

Re: タイムリミットは、近い

> 多分こんなに早く1000枚集められそうになるとは思っていなかったんだろうなあ
> 珍しい貝殻だからそうそう見つからない、1000枚集める頃には数年経って父の死を受け入れられる位に成長しているだろう、と無意識に理屈をひねり出してしまった(もっとも波子のやっている事はユウジの心の時間を止めているような物なので北斗の言っている通りあのままだとダメになってしまったでしょう)

なるほど、一理ありますね。

> ところでカイテイガガンの鱗が水に浮いているという事は発泡スチロールのように気泡が多量に含まれているという事なんでしょうか(そんな貝殻など存在しないので恐らく北斗もそれで超獣の関与を疑ったのだと思われます)

それは気付きませんでした。

Re: 特撮ヒーロー番組的被害者遺族問題

こんばんは。

> これ以前やこれ以後もM78スペースが舞台のウルトラマンシリーズでは怪獣や侵略宇宙人などによって親が犠牲になった子供たちが複数登場しています(平成以降は減りましたが)。おそらくそうした被害者が多数に存在しているので、案外政府や防衛チームによる生活支援政策が取られているのかもしれません。

だと良いですね。

> ちなみにスーパー戦隊シリーズでは「デカレンジャー」にて、鍵開け能力を買われて幼い頃から悪役に利用されていたエイリアンの少女が、事件解決後に宇宙警察から生活支援を約束される一幕がありました。

そうなんですか。心温まりますね。

細かい事はさて置き…

丘野さんの回ですねぇ…まぁ、お話的には色々有りますけど…海を背景にした3枚のキャプ画像を見てると、何か涙が出そうなくらい愛おしいと言うか…子供の頃なら淡い恋心を抱いちゃいそうです。

系譜

篠田三郎氏のゲスト出演回が「シルバー仮面」から「タロウ」への繋ぎだったように、
「レオ」で百子さんがカオルを正しく美しく諌めたエピソードへの繋ぎと見なせるでしょうか。

Re: 細かい事はさて置き…

制服姿がイマイチと言う印象があって期待してなかったんですが、改めてチェックするとやっぱり可愛かったです。

Re: 系譜

> 「レオ」で百子さんがカオルを正しく美しく諌めたエピソードへの繋ぎと見なせるでしょうか。

役の違いもあるんでしょうが、「レオ」の丘野さんは別人のように大人っぽく見えますね。

No title

>まさかのコギャル風丘野さん

これはすばらしいですね。ミニスカートも申し分ない。やっぱり制服の時のようなおさげでなく、ストレートの彼女がやっぱり最高です。

>スタッフもさすがにそれは気付いていただろうが、あいにく今回の主役はユウジ少年なので、これ以外に、大して印象的なカットがないのが残念である。

このドラマの監督は志村広氏ですが、『ミラーマン』はいくつか監督していますが、ウルトラシリーズはこれ1本ですね。カップリングの回の演出が古川卓己氏で、彼は46話と47話を担当していますから、どうも志村氏はたぶん古川氏よりも能力が低いと判断された可能性があり、そうなるとせっかくの丘野さん主演回なのに今一つの内容であると円谷側も認識していたわけでそれも残念ですね。この番組の前月に『ミラーマン』の「死都に愛の鐘が鳴る』の放送があり、たぶん『ミラーマン』の評価の高さで『A』に呼ばれたのでしょうから、そういう点では残念ですね。まあ評価が高かったから『タロウ』にも呼ばれたし、またたぶんこれは『レオ』でのレギュラーも視野に入れたものだったのでしょうから、それは大したものですが。

> ここ、数少ない有望なシーンであったが、既に日が傾いて暗くなっていて、しかも北斗の手が邪魔して見れませんでした(何が?)

 まあ、丘野さん、ガードが固いから、条件が違っても無理だったろうけど(だから何が?)

私も一瞬「お!」と思いました。が、ここは円谷らしいガードの固さですよね(苦笑)。さすが『イナズマン』の時のような階段から降りるシーンで一瞬ですが見えちゃうような東映の甘さはいいですよね(笑)。

Re: No title

> これはすばらしいですね。ミニスカートも申し分ない。やっぱり制服の時のようなおさげでなく、ストレートの彼女がやっぱり最高です。

不覚にも、レビューするまで気付きませんでした。

> この番組の前月に『ミラーマン』の「死都に愛の鐘が鳴る』の放送があり、たぶん『ミラーマン』の評価の高さで『A』に呼ばれたのでしょうから、そういう点では残念ですね。まあ評価が高かったから『タロウ』にも呼ばれたし、またたぶんこれは『レオ』でのレギュラーも視野に入れたものだったのでしょうから、それは大したものですが。

なるほど、そこまでは考えが及びませんでした。先に放送された「ミラーマン」のほうが大人っぽく見えますね。

> 私も一瞬「お!」と思いました。が、ここは円谷らしいガードの固さですよね(苦笑)。さすが『イナズマン』の時のような階段から降りるシーンで一瞬ですが見えちゃうような東映の甘さはいいですよね(笑)。

円谷プロでは、ああいうのはやっぱりチェックしてるんでしょうね。

この前お知らせした「池中玄太」だと、見えまくってますけどね。

No title

超獣攻撃隊TAC隊員の一人で、「中山」ではなく、正しくは「山中」です。是非訂正して入れ替わって下さい。「山中」が正しいです。

Re: No title

ご指摘ありがとうございます。直しておきました。

No title

あの格好で海岸でしゃがんでもらうとか、自転車にまたがって漕いで行くとか、決して不自然ではないと思うのですが…。

Re: No title

そうですね。

ただ丘野さんはガードが硬いからなぁ……

No title

今から50年前の今日、放送されました。登場する超獣カイテイガガンは、海から現れた超獣で、第15話登場のキングクラブと同じでしょ?

Re: No title

同じですね。

湿っぽい

ゲストが丘野さんなのにどうも全体的に湿っぽい展開なのが残念ですね😅超獣を倒しても全く姉弟の待遇に変化がないのも救いがないですね😓

Re: 湿っぽい

もったいないですね。

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zura1980

Author:zura1980
70~80年代の特撮、80年代のドラマを中心に紹介しています。

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