第44話「ゴースト・ファーザー!宇宙大作戦!!」(1973年2月2日)
なんかヤケクソ気味のタイトルである。
勿論、宇宙なんか関係ありません!!
長島隆一が人の懐を漁るだけのお話なんですから。
今日も今日とて妖怪城のある噴火口からUFO!!(註・ピンクレディーの物真似をしながら読むこと)に乗って今週の怪人をスカウトしに行く大魔王サタン様。
ごくろうさまです!!
何しろ日本(世界?)征服を企む悪の組織の大首領でありながら、部下が一人もいないという、大変寂しい身の上の人なのである。
ま、既にそれ組織じゃねえだろという気がしなくもないが……
サタンが向かったのは、遠くイタリアであった。

サタン「ベスビオの山よ、かつてその大噴火により、ポンペイの町は滅びた、今、再び動き出して、地底に眠るイタリアのゴーストファーザーを吐き出せ」
サタンがイタリア上空から呪文を唱えると、ベスビオス火山がポンッと噴火して、六角形の鉱石に手足が生えたような妖怪ゴーストファーザーが飛び出す。
ちなみにゴーストファーザーと言うのが、この前年に日本で公開されてヒットした「ゴッドファーザー」から来ているのは言うまでもない。
だから出身地もイタリアなのね。
サタン「ゴーストファーザーよ、お前の体は灼熱した溶岩と同じだ、日本へ行き、その力で人間どもを炭素化してしまえ、変身忍者嵐を倒し、奪われた4つのサタンの鈴を奪い返すのだ」
ゴーストファーザー「カピート!!」
続いて、

何の前ふりもなく、寝ている誰かの懐から財布を盗んでいる、人相の悪い男の姿が映し出される。
仙造「ない」
だが、金が目当てではなかったらしく、探していたものがないと知ると、財布を元に戻して立ち去ろうとするが、
イタチ「財布じゃねえものをお探しのようで」
足元から落ち着き払った声がして、何者かに足を掴まれてギョッとする。

イタチ「へっへっへっへっ」
編み笠の下から出てきたのは、いつになく大物っぽい雰囲気を漂わせたイタチ小僧であった。
ゆっくり立ち上がると、

イタチ「おい、泥棒の懐さぐって挨拶はねえのかい? ええーっ?」
その胸倉を掴んで凄んで見せるが、突き飛ばされると口ほどにもなく地を這い、

イタチ「いってえ……おかしいな」
予想外の展開に首を傾げるのだった。
ネタばらししてしまうと、この仙造こそゴーストファーザーの仮の姿なので、イタチ小僧が勝てなくて当たり前なのだが。
だが、仙造はイタチ小僧を殺そうとはせず、

仙造「俺の相棒になれ」
イタチ「えっ、相棒? 何の相棒だい」
仙造「駕籠かきだよ、この先に怪物が出るってんで、相棒に逃げられたんだ」
代わりに意外な申し出をする。
イタチ「へっへへへへ、冗談じゃねえや、おめえ、こう見えてこちとら天下の大泥棒だい、てめえたち雲助風情と商売の格が違わぁ」
泥棒は泥棒なりに、自分の仕事にプライドを持っているイタチは、話にならないとばかり鼻で笑って断るが、

イタチ「お、お、お、やぁりましょう」
人間としてのプライドは全く持っていなかったので、仙造に小判をちらつかされると一もニもなく引き受けるのだった。
ある意味、立派である。
一方、近くの山に代官所が立てたと思しき立て札があり、字の読めない農民たちが集まってあれこれ話していたが、
いくらなんでも、これはないんじゃない? せめて、○○代官所と言う風に、誰が出したお達しなのかぐらいは書いておかないと。
それはともかく、たまたま通り合わせたツムジがその前に立ち、

ツムジ「えーっと、これより先の……」
ハヤテ「これより先の山中、怪物が出没するので旅人注意のこと」
ツムジ「はっ」
ハヤテ「こらっ!!」
立て札を読み始めるが、背後に現れた願人坊主(まかしょ)風の格好をしたハヤテに代わりに読まれ、ついでにこっぴどく叱られる。
ツムジ「ハヤテさん」
ハヤテ「ツムジ、どうして伊賀の里にいないんだ?」
ツムジ「おいらだって忍者だい、危なくたって平気だい」
などと言ってると、向こうから太鼓や法螺貝の音が聞こえてくる。

ツムジ「あの音はなんだろう」
ハヤテ「怪物退治の山狩りをしているんだ。ツムジ、お前は伊賀の里へ帰れ。サタンの妖怪は子供とて容赦はしない」
ツムジ「わかってらい」
ハヤテ「わかっているなら俺の言うとおりにしろ」
ツムジ「ふんっ」
ハヤテ「ツムジ!!」
強情を張って背中を向けるツムジであったが、ハヤテに一喝されると猫のように首を竦め、すごすごとその場から立ち去る素振りを見せる。
ハヤテはそれを見てさっさと歩き出すが、
ツムジ「べーっ、おいらだってやるんだい」
ツムジは途中で踵を返し、性懲りもなくハヤテの後を追いかけるのだった。
一方、代官所の役人は、10人にも満たない部下を引き連れ、怪物の出現に備えていた。
役人「用心しろ、太鼓に追われた怪物がいつ出てくるか分からん」
などと言ってると、

ゴーストファーザーが、「よおっ」とでも言ってるようなカジュアルな感じでやってくる。
これだけ緊張感のない「出」と言うのは、演出しようと思ってもなかなか演出できるものではない。
役人「撃て!!」
部下「はっ」
しかも、それに立ち向かう役人たちも似たり寄ったりで、指揮官の声に応じて進み出たのが、

鉄砲隊じゃなくて弓隊、それも定員1(小太り)と言う人類史上最弱と思われる弓隊なのだった。
これだけ緊張感のない討伐シーン、見ようと思ってもなかなか見れないよね。
鉱物のようなゴーストファーザーの体に弓矢が立つ筈もなく、
役人「槍だ、槍」
部下「はっ」
ならばと、今度は槍隊(定員1)が前に出るが、その槍を槍投げのように遠くから投げて攻撃するという、時代劇でもあまり見たことのない情けない攻撃方法だった。
で、もっと情けないのが、その槍を受けたゴーストファーザーの体がちょっと欠けてしまうことであった。
これなら、普通に鉄砲撃ってりゃ勝てたんじゃねえの? と視聴者に思われてしまうのは、怪人として致命的である。
それでも、役人たちは次々とゴーストファーザーの放つ強烈な光を浴びて炭の塊と化していく。
悲鳴を聞きつけ、ハヤテが駆けつけたときには、既にゴーストファーザーは何処かへ消えていた。
サタンはUFOで空を飛びながら、

サタン「ゴーストファーザーよ、ハヤテは一筋縄ではいかん、ワシの術中にあるハヤテの母を利用してハヤテの心を乱し、4つのサタンの鈴を奪い返すのだ」
と、地上にいるゴーストファーザーに策を授ける。

シノブ「誰?」
そのシノブ、サタンのUFOから降ろされ、草むらの中に立っていたが、誰かの近付く気配を感じ、身構えるが、
仙造「けえっ」
シノブ「あっ」
あの仙造と言う男にいきなり棒で殴り倒され、

シノブ「あっ」
あまつさえ、その乳を揉まれる……じゃなくて、懐に手を突っ込まれて大事なお守り袋を奪われる。
シノブ「返してください、それは私にとって大切なものなんです」
見えない目で何とかお守り袋を取り返そうとするシノブだったが、仙造は難なくお守り袋を持ち去ってしまう。

シノブ「誰か来てーっ!!」
ツムジ「どうしたんです?」
シノブ「雲助がお守り袋を……」
と、ちょうどそこへあらわれたのが、ハヤテの言いつけに背いたツムジであった。
シノブは身を捩じらせるようにして嘆くと、
シノブ「あれはハヤテと同じ二つだけの大切なもの」

ツムジ「えっ、ハヤテさんと同じ? じゃあ、あなたは?」
シノブ「ハヤテを知ってるんですか? すげーや、俺はハヤテさんのおっかさんを見つけたんだ、わーっ!!」
ツムジ、嬉しさのあまり、シノブの体に抱きつく。

シノブ「あなたは?」
ツムジ「おいら、ハヤテさん一の子分、ツムジってんだ。ちょっとここを動かないで待ってて下さい。おいら、ハヤテさんを呼んできます」
サタンの手のひらで踊らされているとも知らず、ツムジは逸る気持ちを抑えながら、シノブをその場に残してハヤテを探しに行く。
一方、カゲリとツユハの姉妹は、川を流れている瓢箪に気付き、拾い上げる。
中には細かく丸めた書付が入っていた。

カゲリ「やっぱりハヤテからだ。この山中にサタンの妖怪がいる。奇妙な岩のような破片があったら気をつけろ、その辺に巣窟があるかも知れん」
ハヤテからのメッセージだったが、気をつけるまでもなく、二人の前にゴーストファーザーがあらわれる。
ゴーストファーザー「見付けたぞ、そこの女二人」
カゲリ「逃げろ」
サタンの妖怪の恐ろしさは骨身に沁みているので、カゲリは一戦も交えることなくツユハを促してその場から離脱する。

ツユハ「あっ」
カゲリ「ツユハ、だいじょぶかい?」
ツユハ「痛い、もうダメ」
ゴーストファーザーは振り切ったものの、ツユハが足を挫いて歩けなくなってしまう。
ツユハ、くのいちにしてはあまりに根性がなく、まるっきり女子高生のようであったが、二人は高名な忍びであった父親から(護身術として)個人的に忍術の手ほどきを受けただけの、いわば趣味でやってる忍者なので、ハヤテのような訳には行かないのだ。

と、そこへタイミングよくやってきたのが、仙造とイタチ小僧の急造の駕籠かきであった。
イタチ「あ、ああ、カゲリ殿」
仙造「バカヤロウ!!」
イタチ「恥ずかしい……」
イタチ、カゲリの姿を見て驚き、思わず駕籠を落としてしまい、仙造から怒鳴られるが、イタチはそれも耳に入らず、消え入りたいような風情となる。
駕籠かきに身をやつしているところを愛しのカゲリに見られ、恥じているのだ。

カゲリ「イタチ、お前、そんな格好で何してるんだい?」
カゲリもそこにイタチの姿を認めて軽く目を見張る。

イタチ「いっ、へっへっへっ、ほんの手間賃稼ぎに駕籠かきを……で、どうしたんですか?」
カゲリ「化け物が出たんだ」
イタチ「へえっ?」
ツユハ「ほんとなのよ、だから私たちは逃げて」
化け物と聞いてイタチは逃げ腰になるが、仙造は豪傑笑いを響かせると、
仙造「どうだ、俺の小屋で手当てをしたら?」

カゲリ「おお、すまん」
イタチ「それが良い、さあさあ、カゲリ殿、お乗りください」
カゲリ「あたしじゃないよぉっ」
カゲリにぞっこん参っているイタチ、ツユハなど眼中になく、カゲリを駕籠に乗せようとして叱られる。
改めてツユハを乗せて走り出すが、
カゲリ「しっかりおしよ」
イタチの、文字通り屁っ放り腰をどやしつけ、

カゲリ「だいじょうぶかな?」
並走しながら小声で頼りなさそうにつぶやく様子が、なんとなく月ひかるっぽい菊さんなのだった。
結局、大魔王サタン編で一番楽しいのは、イタチとカゲリの、芸達者同士の掛け合いなんだよね。
ただこのシーン、ひとつ大きな問題がある。
さっきも言ったように仙造=ゴーストファーザーなのだが、さきほどカゲリたちの前にあらわれたゴーストファーザーが、こちらでは、ずっと前からイタチと行動を共にしていたようにしか見えず、ゴーストファーザーに分身の術でも使えない限り、物理的に無理じゃないかと思うのである。
さて、ツムジは首尾よくハヤテと再会し、我がことのように勇んでハヤテをさっきの場所へ案内するが、その直前、サタンの呪文によってシノブの体が煙となって消えてしまう。

ツムジ「ここを動かないでくれって頼んどいたんだ。うっうっ……」
ハヤテ「バカだなぁ、良いんだよ、この山中を探せばきっと出会える」
責任を感じて泣き出すツムジを、ハヤテは優しく慰めるのだった。
ところで、前にも書いたような気がするが、シノブにはハヤテとフユテと、二人の息子がいた筈なのに、シノブがハヤテのことばかり気にかけてフユテのことは一切気にしていないのがいささか引っ掛かる。
ま、現在、ハヤテはフユテと一体化しているのだが、そんなことがシノブに分かる筈もなく、フユテのことを気にしないシノブが、なんとなく不人情にも見えるのである。
そもそも彼ら親子がどんな過去を持っているのか、腹立たしいほどにデータ不足なのでこちらで推測するしかないのだが、フユテは幼い頃に異国に売り飛ばされ、シノブもフユテのことは死んだものとして諦めているのかもしれない。
CM後、仙造とイタチが、仙造の小屋の前でごにょごによ話している。

イタチ「そんな無茶な兄貴ぃ、そ、そればっかりは」
仙造「うるせえっ、泥棒のてめえを見込んで雇ったんだい」
イタチ「しかし兄貴、あんな女、どうせろくなモンは持っちゃいませんぜ」
仙造「おい、やるのか、やらねえのかい」
イタチ「ヒ、ヒイッ」
どうやら仙造、イタチにカゲリたちから何かを盗ませようとしているらしい。
当然、イタチは渋るものの、ドスでピシャピシャ顔を叩かれるとたちまち恐れ入るのであった。
ツユハ「痛い!!」 その小屋では、カゲリに手当てされながら、ツユハが誰憚ることなく思いっきり痛がっていた。
さきほど、本職のくのいちではないから大目に見ようと書いたが、これでは普通の娘っ子と変わりない……と言うより、むしろ甘やかされて育ったお嬢様みたいで、いささか幻滅である。
だが……
可愛いから許す!!(言うと思った)

ツユハ「ああ、痛いっ」
カゲリ「痛むかい?」
ツユハ「痛い、ああっ」
カゲリ「我慢おしっ」
もっとも、良く見ればカゲリがその足首をねじねじしているので、荒療治を受けている最中だとすれば、ツユハが子供のように痛がるのも無理はないかもしれない。
一方で、カゲリの態度が妹に対していささか甘過ぎるような気もして、とにかくこのシーンは違和感が多い。

イタチ(よりによってカゲリ殿の懐を探らされるとは……とほほほ)
そんな二人の前に立ち、いかにも情けなそうにしおれているイタチ。
その後ろには仙造がいて、怖い顔でイタチをせっついている。

カゲリたちもようやくイタチの存在に気付いて、弾かれたように視線を向ける。

イタチ「どうです、気分は?」
イタチ、精一杯丁寧にツユハに語りかけるが、

ツユハ「良い筈ないでしょ!!」

ツユハ、まさに我儘な女子高生のような口調で言い返す。
なんだかんだで、佐伯さん、当時としてはかなりの可愛さなんだよね。
ライダーガールに抜擢されなかったのが不思議なくらいだ。
カゲリ「ツユハ!!」
カゲリが大人らしく妹をたしなめるが、イタチは依然としてその場に突っ立ったまま、カゲリたちの胸元をチラチラ盗み見ていた。

ツユハ「いやらしいわね、イタチは、私たちの懐ばかり、ジロジロ見て!!」
ツユハがそれに気付いて、ますます声を尖らせれば、

イタチ「そ、そ、それは……」
カゲリ「……」
カゲリもなんとなく気になって、胸元を整える仕草を見せる。
と、イタチの煮え切らない態度に痺れを切らした仙造、やにわにイタチを押しのけ、手にした棒でカゲリとツユハを殴りつけ、失神させる。

ついで、カゲリの豊満なバストに手を差し入れる、羨ましい仙造であったが、無論、お触りが目的ではなく、サタンの鈴がないか探しているのだ。
だが、カゲリもツユハも、サタンの鈴は所持していない。
仙造「ない、やはりサタンの鈴は……」
その後、お寺の境内でシノブを探していたツムジを捕まえ、その胸元を探る仙造であったが、やはりサタンの鈴は出て来ない。
仙造(ないっ……)
要するに、ゴーストファーザーは仙造に化けて、イタチ、カゲリ姉妹、ツムジと、それぞれの懐を探ってサタンの鈴を手に入れようとしていた訳だが、これってなんか変なんだよね。
何故なら、普通考えて、大事なサタンの鈴を持っているのはハヤテ自身である可能性が高いのに、本命のハヤテをスルーして、ザコのイタチたちの懐から調べるというのは、根本的に間違ってるような気がするからである。
彼の行動に合理性をもたせるためには、まず最初にハヤテを襲い、彼がサタンの鈴を所持していないことを(視聴者に)示さねばならないと思うのだ。
それから順繰りにイタチたちを調べるというのなら、仙造の行動にも納得できたのだが。
ともあれ、その現場をハヤテに見咎められた仙造は脱兎のごとく逃げ出し、石段を駆け下りるが、一瞬ハヤテたちの視界から消えると、

ゴーストファーザー「ギィーラーッ!!」
ハヤテ「出たな、妖怪」
ゴーストファーザー「大魔王サタンの使命を受けたイタリアのゴーストファーザーだ」
似ても似つかぬ怪物となって戻ってくる。
ゴーストファーザー「覚えておけ、必ずお前の命と鈴を奪ってやる」

仙造「あっ、あっ……」
ゴーストファーザーがパッと消えると、今度は再び仙造の姿になって石段を苦しそうに這い上がってくる。
無論、ゴーストファーザーに襲われたという芝居である。
ハヤテ「しっかりしろ」
ツムジ「よくもおいらを」
ハヤテ「やめろ、怪我をしてるんだ」
仙造「許してくれ、つい出来心でやっちまった。泥棒だったもんでその癖が出やがって……あ、あ、あ」
ハヤテ、思わず刀に手をかけるツムジを鋭く制すると、わざわざ薬まで飲ましてやる。
と、仙造の足元に、見覚えのある紋のついたお守り袋が落ちているのを見て、

ハヤテ「これは……母さんのものだ、間違いない」
ハヤテ、自分が持っているお守り袋を取り出して見比べ、それが色違いの同じものだと確かめる。
ハヤテ「貴様、何処でこれを」
仙造「すー、そいつはその、メクラの女から」
ツムジ「さてはお前だな、ハヤテさんのお母さんから奪ったのは」
ハヤテに締め上げられると、仙造は、シノブが黒蛇谷の方へ向かったと白状する。

二人が黒蛇谷へ行くと、崖の上にシノブが立って文字通り右往左往していた。
無論、シノブがひとりでそんな場所に上がれる筈がなく、サタンの仕業であった。
二人は険しい斜面を必死に這い登るが、そこで彼らを待っていたのは、大急ぎで先回りしたと見えるゴーストファーザーであった。
ハヤテ「ゴーストファーザー、いや、仙造、小細工は諦めたと見えるな」
ゴーストファーザー「なに、知っていたのか」
ハヤテ、既にその正体を見抜いていたが、どうやってそれを見抜いたのか、何の説明もないのが物足りない。
つーか、男の名前が仙造って、誰から聞いたの?

ゴーストファーザー「サタンの鈴を寄越せ、さもないと」
ハヤテ「あっ、母さん!!」
ゴーストファーザー、シノブを人質にしてハヤテにサタンの鈴を要求するが、
シノブ「私に構わず戦いなさい、みんなの幸せのためですよ」
ゴーストファーザー「来るか、ハヤテ、貴様が嵐に変身すれば大魔王サタンの呪いの為に、このシノブはもーっと苦しむのだ」
行動に一貫性のないファーザー、すぐシノブを突き放し、サタンの呪いを持ち出してハヤテを牽制する。

ハヤテ「くそぉ……」
悔しそうにゴーストファーザーと対峙するハヤテであったが、
ハヤテ(あれ、今ならフツーに母さんを助けられるのでは?) と言うことに気付いてしまうが、相手の顔を立てて、あえて睨み合いを続けるのだった。
シノブ(私がいては、ハヤテの邪魔になる……ハヤテ、さようなら)
シノブ、ここでいかにも我が子を思う母親らしいことを考えて、見えぬ目で崖に向かって走り出し、自ら命を絶とうとする。
目が見えないのにどうやって崖の方向が分かったの? などと言う野暮な突っ込みはご遠慮願いたい。
だが、すんでのところでツムジに引き止められ、墜死を免れる。
ハヤテ、生身のままでゴーストファーザーと戦っていたが、やはり歯が立たず、やむなく嵐に変身する。
シノブは例によって「死の苦しみ」を味わうが、毎回味わってる割にはピンピンしていることにスタッフが気付いたのか、

今回は、それによってシノブの髪の毛が一瞬で白くなるという変化が見られる。
ゴーストファーザー「この地球を暗闇にしてやる。俺様は宇宙も支配できるゴーストファーザーなのだ、悪魔の火を降れ!!」
ゴーストファーザー、その力で周囲を闇で塗り潰し、空から火の雨や火山弾を降らすが、どさくさ紛れに「宇宙大作戦」と言うサブタイトルのアリバイ的台詞を放つのだった。
無論、ほんとに支配できるわけではなく、「言ってみただけ」であろう。
が、口ほどにもなく、ガンビームを浴びて、何故か仙造の姿に戻ってから爆死するのだった。
その体からまたしてもサタンの鈴が落ちるが……
いや、なんで事前に妖怪からサタンの鈴を預かっておくという発想が出来ないの、サタ~ン?
ハヤテ、シノブと歓喜の再会を果たそうとするが、またしてもサタンのちょっかいでシノブの姿は忽然と消えてしまう。
さすがにがっくりと膝を突くハヤテであったが、

ツユハ「ハヤテさん、しっかりして」
カゲリ「ハヤテ」
ツムジ「ハヤテさん、その鈴がある限り、お母さんはきっと」
ハヤテ「そうだ。この鈴がある限り……まだ希望がある。妖怪城の秘密さえ分かれば母への呪いも解ける筈だ」
仲間たちに励まされ、再び希望を胸に立ち上がるのであった。
以上、イタチとカゲリたちの絡みは面白いが、ストーリー自体は平々凡々たるものであった。
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