その夜、近くの割烹旅館で久しぶりに自分の妻や大野と再会し、杯を交わしている人見。

英子「あんた、立派になったわねー」
大野「大した度胸だ、さすがの私も恐れ入った。建築家、造園家、土木技師、それから彫刻家、潜水夫、全て優秀なメンバーを揃えて待機させてある」
人見「女は?」
大野「私の信者を送り込むつもりだ」
英子、旨そうに煙草を吸ってる亭主を見て、ふと思い出したように、
英子「ちょっとあんた、あの家でも煙草吸ってんじゃないでしょうね」
人見「ああ、吸ってるよ」
大野「おい、バレやしなかっただろうな」
人見「我慢できなかったんだよ、上手く誤魔化したからだいじょぶだ」
人見の言葉に大野がうろたえているが、これ、ちょっと変だよね。
だって、その前のシーンでは、人見がみんなの前で煙草を吸うのをニヤニヤしながら見ていたのだから……
英子「でもさあ、菰田の女房始末したほうがいいんじゃないの、いちゃいちゃしてると化けの皮が剥がれるわよ」
人見「馴れ馴れしい口を利くな、私は菰田源三郎だ!!」
自分がその後釜に座りたい英子は、なんでもないことのように人殺しを提案するが、人見はとんでもないと言わんばかりに、テーブルを拳で叩いて怒鳴りつける。
この時、既に、人見は千代子に愛着を感じるようになっていたのだろう。
桃太郎「あらー、幽霊がいた!! コーちゃん!!」
と、襖が開いて、色っぽい芸者が飛び込んで来たかと思うと、馴れ馴れしく人見のそばに座り込む。
大野「何者だ、君は?」
桃太郎「桃太郎よー、うん、なによ、とぼけて」
大野「ああ、社長の愛人か」

桃太郎「この頃、何処で浮気してんのよ!! うん、冷たい人、私、コーさんのお葬式に行ったのよ、もう、ワンワン泣いたんだから。今夜は帰さないわよ」
原作には出て来ないキャラ(註1)だが、この桃太郎姉さんがなかなか可愛らしいのである!!
演じるのは、今もバリバリ活躍されている東山明美さん。
註1……原作には、菰田になりすました人見が、菰田の馴染みの芸者に肩を叩かれると言う一節があって、そこから創り出されたキャラであろう。
大野「じゃあ、私たちはお邪魔ですからこの辺で……」
大野、つと、見合いの仲人のようなことを言って人見に何か耳打ちすると、忌々しそうな顔の英子をせきたてて別の部屋に下がる。

英子「ひどいわ、女房の前で芸者とでれでれするなんて」
大野「つまらんこと言うなよ、芸者を使って試運転をするんだよ」
英子「試運転?」
大野「菰田源三郎に化けた以上、いずれは千代子と寝なければならん、寝て素性がばれるかばれないか、芸者を使って試すんだよ」
英子「なるほどねえ」
大野「こっちはこっちで楽しめばいいんだから」
むくれていた英子だったが、信奉している大野に諭されるとあっさり納得し、自分たちでその場でしっぽり濡れるのだった。
でも、ドラマの始まった時点で既に亭主には愛想を尽かしていた筈の英子が、いまさら亭主と芸者がいちゃいちゃしているのを見て嫉妬するというのは、いささか解せない態度である。
それ以上に、策士の大野ともあろうものが、実際に女と寝てそんなことを確かめようと人見を唆したのは、あまりに迂闊だったといわねばならない。
何故なら、いくら顔や声、仕草が似ていたところで、チンコの大きさや形までが似ている可能性は極めて低いからである!!
また、「千代子といずれ寝なければならない」と言うのも、ほとんど自殺行為に近く、原作の菰田が一番警戒していたことなのに、さすがの大野も、ほとんど冗談のような奇天烈な計画がトントン拍子に運んだ喜びで、いささかネジが緩んでいたのであろう。
案の定、人見と抱き合っただけで桃太郎はたちまち強い違和感を覚え、

桃太郎「違うわ、あんた、誰?」
人見「な、何が違うんだ」
桃太郎「あんた、コーさんじゃない、ニセモノよ!!」
あっという間に露見してしまい、チンコの試食以前の問題であった。
すぐ逃げ出そうとする桃太郎であったが、そんなこともあろうかと障子の外に立っていた大野に行く手を遮られ、怯えたようにあとじさる。
しかし、愛人でさえ抱き合っただけで見抜いたというのに、家族や使用人が全く気付かないというのは、やっぱりちょっと不自然だよね。
それはともかく、翌朝、庭の掃除をしていた旅館の従業員はとんでもないものを発見して大騒ぎする。

そう、あえなく大野たちに殺されて吊るされた、桃太郎姉さんの無残な死体であった。
後味悪いなぁ~。
正月、娘が出るというのでわくわくしながらテレビを見ていた東山さんのご両親が、このシーンを見てどんないたたれまれない気持ちになったか、スタッフも少しは考えて頂きたいものである。

千代子「ねえ、あなた、私がお嫌いなの?」
人見「そんなことはないよ」
千代子「だって、お墓から戻って以来、一度も私の体を……」
ある夜、千代子は夫に背中を向けながら恥ずかしそうに「おねだり」するが、
人見「すまん、事業のことで頭がいっぱいなんだ」
千代子「おかしいわ」
人見「何が?」
千代子「まるで人が変わったみたい」
人見「……」
千代子「事毎に私を避けようとなさって……」
人見「いや、そうじゃないんだ、千代子、私はお前のことをずっと愛し続けているんだよ。お前なしではいられないほどなんだ!!」
初めて千代子の口から疑惑の声を聞いて、図太い人見もさすがに狼狽して必死に弁明するが、それは心にもないことでなく、人見の偽らざる気持ちだったのだろう。
千代子「では、何故、何故私を抱いてくださらないの?」
人見「いや、それは……お前がいっぺん死んだ人間に抱かれるのは気味が悪かろうと思って」
人見、苦しげに言い抜けようとするが、千代子は起き上がって布団の上に座り込み、
千代子「何を仰るの、私はあなたの妻ですよ!!」
人見「千代子!!」
千代子「あなた!!」
そこまで俺のことを……と、人見も感極まって思わず千代子の体を抱き寄せるが、ここでもぎりぎりで自制心を発揮して千代子の体を離し、
人見「許してくれ、私はあれ以来駄目なんだ……男として……だが必ず治る、パノラマ島が完成すれば前のようにお前を抱けるようになる、それまで待ってくれ」
男して一番恥ずかしい言い訳までして千代子をなだめると、隠れるように布団を頭から被るのだった。
……
さて、皆さん、大変長らくお待たせ致しました。
いよいよ本日のメインディッシュのお時間です。

そう、待望の千代子のシャワータイムなのです!!

しかも、紛れもない、叶和貴子さん本人のヌードなのです!!
いやぁ、何度も書いて来たことの繰り返しになるが、管理人的には叶さんといえば「ギャバン」のミミー役の清純なお嬢様っぽいイメージが強かったので、はじめてこのシーンを見たときの衝撃はかなりのものだった。
ただ、一枚目のフルヌードだが、どうも、これは脱ぎ女優さんっぽいのである。
腕の太さが微妙に違うし、お尻には水着の日焼け跡がしっかり残っていて、なんとなく叶さんのイメージとそぐわない。
それに、本人が演じているのならちゃんと顔が見えるように撮る筈なのに、意図的に顔を隠しているように見えるのである。
つまり、叶さん、おっぱいはOKでも、お尻はNGってことなのかなぁ?
その後、房枝が次郎を連れ、実際に誓約書などの書類一式を持って菰田家に乗り込んでくる。

房枝「これでも養子縁組は出来ないって言うの?」
母親「源三郎、次郎はいい子じゃ、迎えておやり」
人見「その話はパノラマ島が完成するまで待ってくれ」
房枝「とても待てませんわね、途方もないお金がどんどん流れ出しているって言うじゃありませんか……お母さん、今のうちに歯止めをかけないと菰田家は大変なことになるわよ」
母親「私もそれを心配してるんじゃ、まるで人が変わってしまったみたいになって」
房枝「ほんとよー、千代子さん、あなたが唆してるんでしょう」
千代子「いいえ、私は……」
人見「千代子は関係ない」
房枝「嘘おっしゃい、養子の話だって千代子さんが足を引っ張ってるに決まってるわよ」
千代子「ひどい、あんまりですわ!!」
房枝にずけずけ言われた千代子は、目に涙を溜めながら、いたたまれなくなったように席を外す。
で、こんな殊勝な態度を見せつつ、裏であんなことをしていたことが最後に分かるのが、ミステリードラマの醍醐味だよね。
それにしても、久美さん、色っぽいなぁ。
これであんな大きな子供がいるんだから、堪りませんね、
返す返すも、「美女」を演じてくれなかったのが残念だ。
もっと残念なのは、ここで早くも久美さんが退場となってしまうことだ。
しかも、自ら運転して次郎と一緒に帰宅中、ブレーキが利かなくなってガードレールを飛び越え、崖を転がり落ちて息子ともども転落死するという、救いのない死に方であった。
あまりのショックに母親はぶっ倒れ、廃人同様となってしまい、原泉さんも事実上、これでお役御免となる。
さらに、支配人の角田が、いかにも老人らしく、人見の行っている事業のせいで先祖の霊が祟っているに違いないと言い出し、
角田「お願いでございます、どうかこのパノラマ島とやらから手をお引きになって仏様のご供養をなすってくださいまし」
必死の思いで主人を諫止するが、
人見「お前の口出しすることではない」
角田「さようでございますか、それでは致し方ございません、こんな恐ろしい御屋敷に御奉公は出来ませんので今日限りお暇をさせていただきます」
千代子「角田さん、お待ちください!!」
人見の気持ちが動かないのを見ると、とうとう菰田家を見限り、屋敷から出て行ってしまう。
元々人見は経営に関しては素人だし、最初からその気もなく、今までは角田老人に任せっきりだったのだろうが、頼みの綱の角田にまで去られては、栄華を誇った菰田家も早晩パノラマ島とともに海の底に沈んでいくのは避けられない情勢となった訳である。
しかしまあ、改めて言うことでもないが、この人見って男、どうしようもないクズ野郎だね。
自分の欲望を満たすためなら、他人がどうなろうと一切気にしないという、管理人の一番嫌いなタイプの人間である。
それはさておき、千代子も困り果てて、一日、銀座かどっかの高級クラブに明智を呼び出して相談する。

千代子「お墓から生き返って以来、すっかり性格が変わったようです。財産の半分を処分して訳の分からない大工事につぎ込んでいるんです」
明智「お城でも作るんですか」
千代子「本人はパノラマ島と呼んでいます」
明智「パノラマ島?」
千代子「菰田家所有の鬼島と言う小さな島にたくさんの人間が送り込まれています……それに、何かに呪われているかのように次々と悪いことが起こるんです。先日も主人の妹とその次男が自動車事故で亡くなりました」
明智「ほお、自動車事故で?」
いや、明智さん、
「ほお」じゃなくて……
死んだのは仮にもあんたの依頼人なんだから、千代子に教えられるまで知らなかったというのは変だし、日本一の名探偵にしてはあまりに間が抜けているではないか。
おまけに多分前金を受け取っているだろうに、肝心の襲撃犯の捜索については全然進んでいない……と言うより、ろくに調査をしているようにすら見えないのは、探偵道義に悖るし、亡くなった房枝に対しても合わす顔がないではないか。
千代子「なんだか怖くなって……そしたら、急に明智さんに会いたくなって……踊ってくださいます?」
明智「……」
千代子に誘われると、明智は相手がれっきとした人妻だというのにあっさり頷く。
この辺も、ちょっと明智さんらしくないけど、どういう事情があったのか不明だが、明智が今も死んだ千代子の姉に対して罪悪感のようなものを抱いていて、その埋め合わせの気持ちもあったのではなかろうか。
千代子、明智と身を寄せ合いながら、囁くような声で、

千代子「今に私も殺されます、毎日のように殺気を感じます」
明智「ご主人に?」
千代子「主人は優しくしてくれます、不気味なのは大野と言う新しい支配人の夫婦です」
明智「何者ですか、それは」
千代子「分かりません、前に主人のカラスを届けに来てくれた人です」
明智「カラス? ご主人はカラスを飼っていらしたんですか?」 千代子「ええ、子供のように可愛がって」
明智、千代子の言葉に、一時自分の事務所であずかっていたカラスのことを思い浮かべる。
……
いや、明智はそんなことはとっくの昔に知っていたのでは?
確か波越から、カラスの飼い主については聞かされている筈だし、ニュースにもなったくらいだから、明智がそのことを今初めて知ったような口ぶりなのは、明らかに矛盾している。
それに一度屋敷に通されたことがあるのだから、その際、飼われているカラスを見ていても不思議はない。
それはさておき、つまるところ、千代子の頼みは大野たちの前歴を探って欲しいというものだった。

千代子「このままでは菰田家は崩壊してしまいます……怖いんです。でもこうして踊っていると何もかも忘れてしまいますわ。帰りたくなくなってしまいました」
明智「……」
明智の肩に顔を密着させ、人妻にしてはかなり大胆な発言をする千代子。
明智さんが、心の中で
「よーしっ、今夜こそ童貞を捨てるぞーっ!!」と、野獣のように吠えたのは言うまでもない。
が、結局何も出来ずにしょんぼり事務所に戻って来たのも言うまでもない。
意気地なし!!
もう、いっそのこと文代さんと結婚したら?
それはともかく、房枝の時とはえらい違いで、明智さん、その翌日には早速波越警部と一緒に人見工芸を訪ねている。
うん?
でも、英子はあくまで大野の妻として菰田家に来ている……少なくとも千代子はそう明智に説明している筈だから、明智さんがいきなり人見工芸に行くのは変じゃないか?
大野と人見の関係だって、そんなに早くは分かるとは思えないし。
波越「奥さんの行き先は?」
大家「さあ、わかりませんねえ。何しろご主人が自殺しちゃったんですからねえ」
明智「自殺?」
大家「ええ」
波越「そう、世を儚んでね、高い橋の上からズドーン、顔ぐちゃぐちゃ」
大家「その事故から一週間後にいなくなったんですよ」
テーブルの上に置いてあったパノラマ島のミニチュアは既に撤去されていたが、まさかここを調べられるとは思っていなかったのか、例のトホホな人魚人形や、

パノラマ島をイメージしたイラストの一部など、いくつもの手掛かりが無造作に打ち捨てられていた。
しかし、これじゃああまりに簡単に人見=菰田となって、物足りないなぁ。
まあ、明智がいきなりここを調べに来ること自体、ドラマ的には反則に近いのだから、人見たちの迂闊さを責めるのは酷かもしれない。
明智「どんな顔してました?」
大家「えー、そうですね、顔の大きい顎が張った……」
明智「この男ですか?」
大家「おお、そうそう、この男です」
ここで明智が、本物の菰田の顔写真を見せると、大家は一にもニもなく頷く。
明智「エロスの園、悪魔の谷……
少し分かって来た。これがパノラマ島なんだ」
「少し」かいっ!! うーん、神のごとき明智さんの頭なら、少なくとも人見と菰田の入れ替わりについては、この場で真相に辿り着いてもおかしくないのに、どうも明智さん、まだ正月ボケが治ってないようである。
ちなみに原作では、人見もここまで雑な後始末はしていないのだが、昔、自分が書いたパノラマ島を描いた小説のことまでは失念していて、それが真相発覚の端緒となるのである。
明智さん、波越と一緒に小型ヘリに乗って、問題の鬼島の上空を飛び、目視で調査するが、パッと見、無人島のようにしか見えない。
波越「大工事なんて気配は全然ないぞ」
明智「いや、何百億の資材が運び込まれている筈です」
波越「菰田夫人の妄想だよ、何がパノラマ島だ」
パノラマ島の実態は掴めなかったが、いよいよ明智も本腰を入れて捜査に乗り出し、今度は文代さんを例の薔薇密教に潜入させるという、大胆な手を打つ。

幌付きのトラックに載せられて、何処かへ運ばれている娘たち。
薔薇密教の信者たちだけではなく、道に落ちていた家出娘やフーテン娘も混じっているのだろう。
そしてその中には、

家出娘にしてはいささかトウの立った(失礼)文代さんの姿もあった。
一方、パノラマ島建設への巨額の支出には、妻である英子も危機感を募らせていた。
英子「私たちの分け前がなくなるわ。もう300億以上も使ってるのよ」
大野「そんな、今更やめるわけにも行くまい」
英子「ね、千代子……」
大野「殺すのか? どうして?」
英子「私が後釜に座るのよ。元々夫婦なんだし」
大野「奴が恋しくなったか」
英子「違うわ、夫婦になって籍を入れたら、今度は亭主を墓場に送り込むわ、そのあとで先生と一緒になればいいでしょ」
大野顔負けの鬼畜発言をする英子。
しかしまあ、大野といい、人見といい、英子といい、○○といい、これだけたくさんの鬼畜が出てくるドラマも珍しいよね。
あと、二人は晴れて支配人の座に着いたのだから、経済のことには疎い人見の目を盗んでパノラマ島建設の資金をちょろますことぐらい簡単に出来ると思うんだけどね。
最初のうちは気乗りしない様子の大野であったが、

英子「もし二人が関係を結んで何もかも承知の上で手を握ったらこっちが危なくなるのよ、だから……」
大野「そうか……」
英子の危惧を聞いて、俄かに真剣な顔になり、決意の臍を固めたようにつぶやく。
だが、その真意は千代子を殺すことではなく……

続いて、千代子のうれしはずかし二度目の入浴シーンとなるが、さっきの管理人の推測が正しければ、この千代子のお尻の割れ目も脱ぎ女優さんのものとなり、ちょっとがっかりである。

ま、それでも、叶さんのおっぱいががっつり見れるのだから、良しとしましょう!!
やがて、音もなく扉が開いて、英子が入ってくるが、千代子はシャワーで頭を洗っていたので、全く気付かない。

ドライヤーも使ってないのに急速に乾く便利な髪を拭いている千代子の背後に忍び立った英子、手にした薪割り用の斧を振り上げるが、寸前で千代子に気付かれ、激しい揉み合いになる。

斧を避けようとして湯船にどんぶらこした千代子、無我夢中で浴槽の湯を両手で掬って飛ばし、英子を近づけまいとする。
で、このシーンも、背中を向けて湯船に入っている千代子は、脱ぎ女優さんっぽいのだ。
なんとなく体型が違うし、髪の毛もカツラっぽいでしょ??

もっとも、正面からの文字通りバストアップでは、きっちり叶さんが演じておられる。
飛沫越しに見える乳首が実にエロティックだが、

英子を突き飛ばして急いでバスタオルを巻こうとするシーンで、管理人は気付いてしまった。
叶さんが、きっちりベージュ色のパンツを履いておられることに……
うーん、これはちょっと残念だなぁ。
やっぱり、おっぱいは良いけどお尻はNGってことなんだろうか?
あと、どうせなら、宮下さんにもバーッと脱いでもらって、全裸キャットファイトなんてのをやって欲しかったところだ。
激しく抵抗する千代子だったが、やはり熟女パワーには勝てず、英子に押されて壁に後頭部を打ち付け、気絶して床に倒れてしまう。
容赦なく斧を振り下ろそうとする英子であったが、その腕を誰かが掴み、

英子「あっ!!」
斧をもぎ取って逆に英子の頭に深々と突き立てる。
英子「な、何故? あたし……」
英子、驚きに目を見開いたまま、ずるずると滑り落ちて絶命する。

それもその筈、英子を殺したのは、人見ではなく協力者であり愛人でもあった大野だったからである。
この意外性はなかなかよろしい。
もっとも、大野は千代子を助けるために英子を殺したのではなく、斧の柄を失神している千代子の手に握らせ、英子殺しの罪を千代子になすりつける。
そこへ人見が入ってきて、その場の光景に愕然とする。
人見「これは一体どう言うことなんだ?」
大野「分からないよ、私が来たときにはもう」
人見が千代子の体を揺さぶると、千代子はすぐ意識を取り戻す。

人見「千代子、これは一体どういうことなんだ?」
千代子「……」
人見「お前、まさか」
千代子「……」
千代子、血まみれの英子の死体を見て身震いし、血に染まった斧を投げ捨てる。

人見「千代子、どういうことなんだ、わけを言ってみろ」
大野「奥さん、どうして英子を?」 ……
日本のドラマ史上、これほど白々しい台詞があっただろうか? いや、ない!! しかもそれを、いつも白々しいことを言う犯人の相手をしているコロンボの小池朝雄さんが言うのがシヤレている。
千代子「知りません、私は何も知りません、英子さんが突然入ってきてあたしを襲ったんです」
人見「千代子、心配するな」
大野「かわいそうに、なんと言うむごいことを……」
大野、英子の死体の前に膝を突くと、慨嘆するようにその死を悼む。
……
日本のドラマ史上、これほど白々しい台詞があっただろうか? いや、ない!! 人見「大野、私と一緒に仕事がしたかったらこのことは誰にも言うな」
大野「はい」
人見「死体を誰にも見られずにパノラマ島に運ぶんだ」
大野の狙いは、千代子を犯罪者に仕立てることで、千代子を、そして千代子に惚れている人見をも操ろうということだった。
それに、強欲な英子の存在が、そろそろ鼻についていたのかもしれない。
まあ、それにしては、大して欲も野心もなさそうな大野が、唯々諾々と人見につきあっているというのも変な話なんだけどね。
いくらパノラマ島の中に薔薇密教の神殿を立ててもらったところで、所詮は人の土地だし、パノラマ島を維持していくだけの余力が菰田家にはもう残ってないことも承知していると思うのだが……
その後、ある雪の降る晩……って、ええっ、もう冬になっちゃったの?
いくらなんでも月日の経つのが早過ぎるが、まあ、ゼロからパノラマ島を建設しようと思えば、資金の調達なども含め、それくらい掛かっても不思議はないかもしれない。
ともあれ、いよいよ明日はパノラマ島に渡るという喜びからか、人見は遂に超えてはならぬ一線を越えてしまう。

そう、信じがたいほどの歳月を待たねばならなかった、千代子との「初夜」である。
叶さん、ここでも一応脱いでくれているが、いまひとつその脱ぎっぷりがよろしくない。
だが、桃太郎の件で当然予期すべきであったが、

千代子「……!!」
一年ぶり(?)の夫の抱擁を受けた瞬間、千代子はがっつりカメラ目線でまなこを見開き、相手が本物の菰田でないことに気付いてしまう。
だが、千代子は桃太郎のように騒ぎ立てることもなく、濡れた人形のようなうつろな目をしたまま、夫ではない赤の他人に身を任せる。
くーっ、エロいシチュエーションだなぁ。

その後、夫でもない男に抱かれた自分の体を清めようとでもするように、湯船に裸身を沈め、涙に潤んだ悲しそうな目をする千代子であった。
深夜、明智事務所に電話をするが、既に明智さんは帰宅したのか、真っ暗な事務所に空しく電話のベルが響くだけであった。
その5へ続く。
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