第1話「ロボット帝国の陰謀」(1973年7月4日)
と言う訳で、数年ぶりに「レッドバロン」のお時間がやって参りました。
ぶっちゃけ、最近ネタ不足が深刻になって来たので、その穴埋めの意味もある。
さて、参る。

正統派ロボットアクションドラマにふさわしい、荘厳なまでに雄々しく、それでいて疾走感のある主題歌。
改めて見ると、レッドバロンのデザインが実にかっこよく、モダンである。
実写の巨大ロボットといえば反射的に思い浮かぶのが戦隊シリーズの合体巨大ロボだが、それらの妙に四角張っていてゴツゴツしたフォルムと比べると、まさに雲泥の差である。
まあ、あちらはマーチャンダイジングありきで、複数のメカが合体して巨大ロボになると言うフォーマットに縛られているせいなのだが、考えたら、無理にメカが合体する必要なくね? とレッドバロンを見ていると思ってしまう。

ナレ「ロボット時代といわれる21世紀に先駆けて万国ロボット博が東京で開かれることになった」
冒頭、ロボット博覧会の建物と、その敷地内の様子が映し出される。
会場には各国自慢の最新鋭ロボがひっきりなしに搬入されていたが、ロボットを開発した科学者たちが何者かに拉致されるという事件が起きる。
それを踏まえて、ひとりの若者が、白いオープンカーに乗って颯爽と博覧会場の前に乗り付ける。

こちらが本作の主人公・紅健である。
……
演じるのは、岡田洋介さん(なんだ、今の間は?)
健は、ゴンドラに乗ってロボットをチェックしていた兄の健一郎に声を掛ける。
健「兄さん」
健一郎「よう、健、今下に行く」
健「いよいよ明日だね、兄さん」
健一郎「ああ」

健「ところで兄さん……」
健一郎「昨夜の松崎博士とヘンリー博士のことだろう?」
健「うん、4年前と同じだ」
健一郎「俺も同じことを考えていた」
実は二人の両親と弟・健三郎も、4年前に謎の失踪を遂げていたのである。
どうでもいいが、健三郎は別にいなくても良かったんじゃないかなぁ?
健一郎を演じるのは、「ミラーマン」の石田信之さん。
以前レビューした時はご存命だったんだよなぁ。

健一郎「健、俺の研究所へ来てくれ……俺もどうやら狙われているような気がする」
健「うん?」
健一郎「その前にお前に渡しておきたいものがあるんだ」
健「わかった……でも心配要らないぜ、SSIががっちり守っているからな」
健、安心させるように笑うと、会場のあちこちに、SSIのメンバーが一般人に扮してさりげなく健一郎をガードしていることを教える。
その場には、彼らの友人の熊野警部の姿もあった。

熊野「やあ、紅君」
健一郎「なんですか警部、今日は」
熊野「SSIと狙いは同じだよ。つまりロボット博にまつわる重要人物が次々に蒸発しておる、この警視庁・科学捜査課、熊野一平の鼻にプーンと匂うものがあったって訳だ」
自転車警部の愛称を持つ熊野警部を演じるのは、ウルトラの父の玉川伊佐男さん。
レギュラーの中では、やっぱり玉川さんが一番ギャラが高いんだろうなぁ。
と、展示されている銀色のロボットの胴体に頭部が合体して、ひとりでに動き出す。

健「侵略ロボット、トロイホース……製作ロボット帝国・鉄面党?」
展示パネルには、ぬけぬけとロボットの素性が記されていた。
無論、トロイホースは、「トロイの木馬」から来ているのである。
と、ロボットの頭部から、男の声が聞こえてくる。

デビラー「そのとおり、日本は間もなく我々鉄面党が征服する。お前たちはロボット帝国の奴隷になるのだ」
健「なにぃ」
デビラー「松崎博士、ヘンリー博士は我々が攫った、今日は紅健一郎博士を連れて行く」

健「ふざけるな、兄さんには指一本触れさせないぞ!!」
何度見ても濃いなぁ……
と、トロイホースの口が開いて、その中から、鉄面党のロボット戦闘員、その名もメカロボたちが飛び出して襲ってくる。

会場にいた子供を逃がすと、自ら発明した特殊な傘を広げて銃弾を防ぐ熊野警部。
この弾着が、なかなか派手なのである。
また、柄の部分には銃が内蔵されていて、傘を開いたまま敵を撃ち倒すのが、007みたいでかっこいいのである。
もちろん、健たちSSIも負けておらず、肉弾戦でメカロボに立ち向かう。
ナレ「SSIとは秘密捜査官の略称である、SSIの使命は人々の平和な生活を乱す凶悪な敵を暴き、これを葬り去ることにある。そのために彼らは厳しいトレーニングを重ね、現代の忍者としての資格を身につけているのである」
ナレーションにあわせ、SSIメンバーが人間離れした体術でメカロボと戦う姿が映し出され、戦いながら、私服からSSIの制服に一瞬でチェンジしていく。

無論、管理人が貼るのは紅一点の真理の画像だけ。
制服に着替えた直後にパンチラを披露するという、まさにパンチラの女神と言っても過言ではないサービスぶり。
この番組が、一部のファン(註1)から、真理のパンチラに始まってパンチラで終わる、一大パンチラ叙事詩とも言われているのも頷ける。
註1……今この文章を打っている、トンチキのことである。

真理「あっ……はっ!!」
立て続けに、豪快なパンチラキック!!
その真っ白な生パンツが目に眩しく、思わず拝みたくなるほどの神々しさ!!
これと比べたら「宇宙刑事シャイダーネクストジェネレーション」の女宇宙刑事タミーのパンチラなど、クソみたいなものである。
本家シャイダーのアニーのパンチラは素晴らしいが、途中でパンツが黄色になってしまうのが惜しい。
管理人が選ぶ三大特撮パンチラヒロインのもうひとり、「ライオン丸」の沙織さんも、早い段階で下着の仕様が変わってしまうのが残念である。
えー、それで、何の話だったっけ?
そうそう、アクションシーンの途中だった。
5人がひととおりアクションしたあと、改めて一人ずつキャラクター紹介されるが、リテイクなので、いちいち書きません。
ちなみにボスの大下さんも、哲也の加藤さんも、後の「西部警察」とかでは悪役ばっかり演じているのが面白い。
保積ペペさんも、どっちかと言うと小悪党やチンピラの役が多いし、真理の牧れいさんも、時代劇では悪役を演じることが多いんだよね。
健の岡田さんも、公平に見て悪役顔だし、玉川さんも時代劇では悪役が多いし、これだけ悪役寄りの俳優が多いヒーロー番組も珍しいのではないか。
閑話休題、

最後に紹介された真理が、またまたやってくれました!!
今度は斜めから見た筋チラである。
色々あって、SSIの奮闘空しく、健一郎博士と、展示してあったロボットをごっそり奪われてしまう。

なお、ロボットを吊るしたヘリが飛行しているシーンにかかるBGMが、いかにも悪の大軍が暗躍しているようで、ゾクゾクするほど素晴らしい。
何気にこの作品、音楽が充実してるんだよね。
菊池さんでも、渡辺さんでも、冬木さんでもなく、ボブ佐久間と言う、あまり特撮はやらない人が手掛けているので、耳に新鮮なところも○である。
ともあれ、ヘリの大群は何処とも知れぬ海洋を飛び、海底に作られた鉄面党の基地に奪ったロボットを搬入する。
健一郎は、直ちに首領のところへ連行される。

デビラー「紅健一郎……」
その背後にはたくさんの魚が泳いでいたが、これは、別にデビラー総統が水族館が好き過ぎて水族館に住んでいると言うことではなく、ここが海底にあることを示しているのである。
激しく抵抗していた健一郎、相手の顔を見て驚きに撃たれる。

健一郎「もしや、あなたはデビラー博士?」
デビラー「ふっ、20年前までは博士であった。だが今は違う、今はロボット帝国・鉄面党の総統だ」
健一郎「一体何の目的で?」
デビラー、モニターに、大人しく鉄面党のために働いている松崎博士たちの姿を映し出し、
デビラー「彼らは我々の司令どおりに働く奴隷人間だ」
健一郎「それじゃ俺も?」
デビラー「いや、お前が密かに製作しているスーパーロボットレッドバロンを渡せば帰しても良い」
健一郎がデビラーの要求を一蹴すると、

健一郎「やめてくれーっ!!」
デビラーは、檻の中に閉じ込められた健一郎の両親と健三が、天井から落ちてきたトゲトゲに刺し殺される映像を見せる。
ただ、これはリアルタイムの映像ではなく、かつて三人を処刑した時のフィルムらしいのだが、そんな映像があるんなら(処刑の前でフィルムを止めて)従わねば彼らを殺すぞと脅したほうがより効果的だったと思うのだが……
もっとも、それで健一郎が屈していたかどうかは分からない。
結局、デビラーは、健一郎をメカ人間にしろと恐ろしい命令を下す。
CM後、健が紅ロボット研究所に行ってみると、意外にも健一郎の無事な姿があった。

健「兄さん、無事だったの」
健一郎「あ、ああ」
健「どうしたんだ」
健一郎「いや、たいしたことはない」
健一郎が喉に包帯を巻いているのを見て気遣うが、健一郎は適当に誤魔化すと、壁のスイッチを入れ、

既に完成しているレッドバロンの勇姿に照明を当てる。
健一郎「これはお前のロボットだ、お前の為に俺が4年間掛けて作り上げたんだ」
健「凄い、凄いロボットだね、兄さん」
しかし、鉄面党に攫われた筈の健一郎を見て、どうやって鉄面党から逃げてきたのか、健が一切聞こうとしないのはあまりに不自然である。

感嘆と称賛の眼差しでレッドバロンの巨体を見上げる健ちゃん。

健一郎は、レッドバロンの足の外側にあるドアを開け、その中に入り込む。
これは実物大(?)の模型で、

次のカットでは、本物のエレベーターの映像に切り替わる。
健一郎「このエレベーターは操縦席に直結している」
ロボットの中を、エレベーターで移動するというのがめちゃくちゃリアルで、この手の映像は、戦隊シリーズでもあまり見たことがない。
確か「バイオマン」で、エスカレーターをロボットの中の階段に見立てて登るシーンがあったような気がするが、どうだったかな?

健「すげえなぁ!!」
また、操縦室のセットがこれまた見事で、それを見て、子供のように興奮する健の声は、そのまま、テレビの前のちびっ子たちの嘆声であったろう。
レッドバロンの左目がそのままキャノピーになっているので、操縦席からの視界が矩形でないのも実にハイセンスである。
健「このロボットで鉄面党を粉砕してやる。攫われた父さんたちを助け出すんだ」
意気込む健であったが、健一郎は暗い面持ちのまま、

健一郎「健、お父さんもお母さんも健三も殺されたぞ」
健「ええっ、ほんとなのか、兄さん?」
健一郎「鉄面党の首領デビラー博士にとってお父さんの優秀なロボット技術が欲しかった、だがお父さんはそれを拒否したんだ」
健「くそぉ……」
コンソールに拳を叩きつけて悔しがる健に対し、健一郎は強いて笑顔を作り、
健一郎「さあ、健、操縦桿にお前の指紋を記録させるんだ」

健「指紋を?」
健一郎「初めて握ったものの指紋を電子頭脳が記憶する、そうなればお前以外の人間が握っても作動しない」
以前のレビューでも書いたと思うが、この指紋認証式操縦システムが、これまた半世紀前の作品とは思えないほど先進的な発想である。
ま、なんでレッドバロンの操縦者がヒゲの濃い健でなければいけないのか、その辺が良く分からないのだが、多分、ロボットの操縦技術を買われたのだろう。

と言う訳で、早速研究所の秘密発射口からロケットのように飛び出すレッドバロン。
ロボットの出撃シーンとして、これほど燃える「絵」は、ちょっと他では思い浮かばない。
戦隊シリーズのロボットって、パーツで出撃して現地で合体するのがパターンなので、ロボットとして出撃するシーンが「バトルフィーパーJ」を除くと、ほとんどないんだよね。
が、さすがにマニュアルもなしにいきなり操縦するのは無理なので、一旦研究所のそばに着陸し、リモコン装置を持った健一郎が地上から健に操縦法を教えることになる。

そのリモコン装置のデザインと質感が、これまたハイセンスなのだ。
これは、腕時計を改造してるみたいだが。
健一郎「健、聞こえるか、まず前進レバーを引け」
健「……」
健が前進レバーを引くと、レッドバロンがガシャンガシャンと歩き出す。
健一郎「ようし、なかなか快調だ」
だが、そこへ飛来したのが、あのトロイホースで、問答無用でレッドバロンに襲い掛かる。
健、健一郎の助言を得ながら、トロイホースと互角以上に戦って見せる。

必殺技バロンパンチを繰り出すレッドバロン。
この番組を象徴するような、ポップにして前衛的な絵作りである。

と、トロイホースの額と両サイドの三色ライトが、警報音と共に光り出し、

ライトから三色のビームが発射され、

レッドバロンの足元で次々爆発を起こす。
と、大郷自動車修理工場と言う自動車工場で緊急事態を知らせる警報が鳴り、車の整備をしていたボスこと大郷実が急いで地下室に降り、

壁のパネルのくぼみに右手をあわせると、これまた先進的な掌紋認証システムが作動し、SSIの秘密司令室に続く隠し扉が開く。
部屋には、およそ似つかわしくないグランドピアノが置いてあったが、実はこれがピアノ型のコンピューターで、ボスがスイッチに触れると、自動的にピアノの鍵盤蓋と譜面台、屋根が開き、

ボスが見事な指捌きで曲を弾くと、コンピューターが起動し、

譜面台の裏に横長のモニターが映し出され、同時に、周囲の壁がせり上がって、スーパーコンピューターが姿をあらわす仕組みとなっている。
ピアノ型コンピューターと言うのが、これまたおしゃれで、後の「フラッシュマン」のオルガン型コンピューターの元ネタでないかと思うが、せっかくのお披露目シーンなのに、ボスが作業服を着たまま演奏するのは、ちょっともったいない。
掌紋認証した時、ボスの体が青い光に包まれているので、ついでにそこで作業服から制服に変えた方が良かったのではあるまいか。
ま、どっちにしても、ボスがピアノを弾いてもサマにならないので、やっぱり、ピアノを弾くのは真理サマの役にすべきだったと思う。
ともあれ、ボスはトロイホースの出現を知ると、無線でメンバーに出動を命じる。
真理は、自動車修理工場から、SSIの専用武装車アイアンホークで出撃し、哲也はジープ、大作はバイクで、それぞれ現地に向かう。
三人が合流したところを、早くもメカロボたちが取り囲む。

真理「……」
敵の存在を察知して、険しい目で周囲を見る真理お姉タマが綺麗なのです!!
ここで、車やバイク、そして肉弾戦をまじえたド迫力アクションとなるが、特にどうでもいいのでカット。
レッドバロンは、なおもトロイホースと激戦を続けていたが、最後は必殺技エレクトリッガーで文字通り粉砕する。
初陣を勝利で飾って喜ぶ健であったが、トロイホースはあくまでレッドバロンの性能テストの為に送り込まれたロボットに過ぎない。
デビラー「予想以上に素晴らしい性能だ。紅健一郎、ご苦労であった、これよりただちにレッドバロンを運んで来い」
本拠地から戦いを見ていたデビラー、上機嫌で健一郎に命令するが、
健一郎「いやだ、お前たちには渡したくない」
デビラー「お前は我々の奴隷人間なのだ、逆らえば死ぬことにとなるぞ」
健一郎「いやだ、いやだーっ!!」
健一郎は、必死にその命令にあらがい、拒絶する。
しかし、精神力でどうこうなるものなら、奴隷人間にした意味がなく、単に体に爆弾を埋め込んで言うことを聞かせているだけのようにも見える。
あと、さっきはメカ人間にしろって言ってたのに、ここでは奴隷人間となっていて、若干引っ掛かる。
どっちも同じ意味で使っているのだろうか?
健一郎が頭を抱えて苦悩していると、何も知らない健が駆け寄り、

健「どうしたんだ、兄さん」
健一郎「健、レッドバロンを頼むぞ」
健「……」

健一郎、リモコン装置を弟の手に握らせると、
健一郎「鉄面党に負けるな、負けるんじゃないぞ!!」
健「どうしたんだよ、急に変だよ、兄さん」
健一郎、自ら包帯を外し、

首につけられた機械を見せる。
健一郎「俺は奴隷人間にされたんだ」
健「奴隷人間?」
健一郎「健……」
初回だから仕方ないとは言え、岡田さんの演技がかなりアレで、兄が奴隷人間にされたと言うのに、あまりにリアクションが薄く、見ているほうも思わず膝カックンとなる。
そのまま何処かへ行ってしまった健一郎の行方を探す健。

健「兄さーん!!」
健一郎「来るな、逃げるんだ、健ーっ!!」
ほどなく、山の中腹の台地に、健一郎が十字架に縛り付けられているのを発見するが、その左右にはメカロボたちが並び、さらに、山の後ろにアメリカ製のロボット・ビッグバイソンがあらわれる。
苦しみ悶える健一郎の姿に、健がたまらず走り出したところで次回へ「つづく」のだった。
おまけ DVDには、新番組予告も収録されているが、冒頭のアクションシーンのNGテイクが使われていて、

ちょっと分かりにくいと思うが、少し屈んだだけでパンツが見えてしまう真理のコスチュームの素晴らしさが再認識できるカットがある。

こちらは管理人が苦労してキャプした、パンチラキックのNGテイクです。
なにとぞ、ご査収下さい。
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