第6話「9ポーカー!! 美女の罠」(1977年5月14日)
冒頭、房総半島の穏やかな波が打ち寄せるとある港で、スペードエースこと桜井五郎が、双眼鏡を手に周辺一帯を見回している。
ジャッカー電撃隊は、この地でクライムが暗躍していることを知り、現地調査に赴いているのだ。
と、一隻のボートが外海から波を蹴立てて戻って来たかと思うと、小柄な男性が急いで陸に上がり、船着場を突っ切って猛然と走り出す。
その前に一見紳士風の中年男性が行く手を塞ぐようにあらわれたので、男はその中年男性に向かって自分の見てきたことを話す。
突堤の上にいた五郎は、双眼鏡で二人の姿を見つつ、サイボーグならではのスーパー聴力で彼らの会話を盗み聞きする。

男「こんなことが冗談で言えますか、はっきりと見たんですよ、海が動き出すのをこの目で」
クライムボス「ほお、海が動く?」
男「ええ、そうです、海水が急に渦を作り出してボートが巻き込まれそうになったんです」
クライムボス「信じられない話ですね」
男「僕だって悪夢を見たみたいですよ、これから海上保安庁へ行って報告しないと……」
早くもネタばらししてしまったが、その紳士風の男性こそ、今回のクライムボスなのである。
と、五郎が一瞬目を離した隙に、二人の姿が忽然と消えてしまう。
続いて男の悲鳴が聞こえたのでその場所に行ってみると、

男は無残にも口を封じられていた。
ちなみに、演じていたのは「スケバン刑事」でヨーヨー指導をしていた滝雅也さん。
五郎「あの男がサイレンサーで撃ったんだ」
五郎は男の行方を追うが、

ごく自然な形で、タイアップ先の施設に辿り着くことに成功する。

一方、海中にもぐって調査を行っていた竜とカレンが、それぞれの肉体美を誇示しながら別の浜辺に上陸する。
カレンのワンピース姿が目に眩しいが、これ以降、期待したほどの活躍は見せてくれない。
その二人の目の前に、長靴が片方だけ脱げた男性の死体が転がっていた。

竜「また船で遭難したらしい。これで26人目の犠牲者だ」
カレン「地震による津波もないのに……どういう関係があるんでしょうか?」
剝き出しになったカレンの逞しいフトモモと巨尻がめっちゃエロいのである!!
この恰好でガンガン回し蹴りとかしてくれたら良かったのだが……
などと言ってる間にも、再び地震が起きる。
異常な地震の続発に、ジャッカーは様々な場所に測定器を設置してその分析を行っていた。
ただ、これだと、五郎と竜たちが別々に行動しているようにも見える。
4人は「クライムの不審な動き」をキャッチして房総半島に来たが、そこで異常な地震が起きているのを知り、ついでにその調査も行っているということなのだろうか。
それはともかく、鴨川シーワールドの水族館でなにやら機材を積んでデータを取っていた文太のところに、竜とカレンが水着のまま駆けつける。
文太は元々海洋学者だったので、この手の調査をお手の物なのだ。

文太「これは自然現象じゃないですね」
竜「海中を調べても地震による影響は全く見られん」
と言うのだが、現実に地震が起きているのなら、影響があって当然ではないか。
カレン「と言うと、やっぱり地底で何かが?」
文太「そうとしか考えられませんね、自然現象の地震なら必ず強弱の差があり、微妙な変化がある筈なんですよ」
文太はこの地で起きる地震が判で押したように震度4の直下型であることから、陰謀論者の大好物である人工地震の可能性を示唆する。

続いて、胸元がざっくり開いたホルターネックのワンピース水着からはみ出る横パイがいやらしい、肉厚で、脂の乗り切ったボディを持て余しているような、色気ムンムンの美女が登場!!
管理人的には、ルックス、ボディともにジャストミート福澤であったが、こちらも残念ながら、その豊満なボディを劇中であまり活かしてくれないのが、七代末まで祟りたいほど恨めしい。
演じるのは、調べてないが、多分日活ロマンポルノで活躍されていたんじゃないかと思う夏樹レナさん。
違ってたらごめんなさい。

杏子「……」
人気のないプールサイドを、なんとなく、男でも探すような目で見ている美女・杏子。
しかし、このシーン、営業時間外に撮ってるんだろうが、客が杏子とクライムボスだけと言うのは、めちゃくちゃ不自然である。
杏子が所在無さげにデッキチェアに腰掛けていると、

パイプを咥えたクライムボスがその前に立ち、意味ありげな視線を送ってくる。
クライムボスを演じるのは高桐真さん。
が、彼女のような肉食系が、そんなおっさんを相手にする筈がなく、すぐに立ち上がり、ガウンをまとって歩き出すが、すかさずクライムボスが話し掛ける。

クライムボス「ホテルにお泊りですか」
杏子「ええ」
クライムボス「私もです、ひとりで退屈しております」
杏子「カードはお好き?」
クライムボス「ええ、ポーカーなら世界中の社交場で通用しましたがね」
そう言って、さりげなく自分がリッチマンであることをアピールするクライムボス。
基本的に若い女性は、イケメンとお金持ちが大好きなので、
杏子「では、今夜教えていただきたいわ」
と、あっさり誘いに応じるが、その様子を五郎が物陰から見ていた。
その後、ジャッカーの4人はホテルの一室で会議を行う。
五郎「六ヶ月にわたる長期異常地震、および海上遭難は、クライムが地底に秘密の基地を作っているとしか思えない」
カレン「秘密基地?」
五郎「海水の落下を利用した発電所だ」
文太「ああ、それで……海底から水を取り込む際に、船を遭難させるような変化が起こってるわけか」
えっ、六ヶ月も?
しかし、彼らがこの地に来たのはつい最近のように思えるのだが、半年も前から東京の近くでそんな異変が起きていたのに、今頃になって乗り出すと言うのは、ジャッカーにして迂闊過ぎるのではあるまいか。
仮にもっと前から調べていたにしては、前記したように、「クライムの不審な動き」をキャッチして調査の乗り出したと言う説明と食い違う。
あと、海水を取り込んだくらいで、震度4の地震が起きるだろうか?
起きるとすれば、むしろ津波の方ではあるまいか?
もっとも、地震なら、俳優の演技とカメラワークでお安く表現できるが、津波だとそう言う訳には行かないからね。
さて、クライムボスは、絶海の孤島にあるクライムの本拠地へ報告にやってくる。

クライムボス「お喜びください、日本の地底エネルギー基地はもう70パーセント出来上がりました」
アイアンクロー「その基地で巨大なエネルギーを作り出し、次は何をする計画だ」
クライムボス「クライマーと武器の全てを電気エネルギーに切り替えればクライムの全てのエネルギーはこの日本の基地で確保することが出来ます」
……え? 要するに、エネルギー確保の為だったの?
まあ、オイルショックの苦い記憶もまだ生々しい当時としては、それなりに訴求力はあっただろうが、「悪の組織」にしては、いかにもインパクトに欠ける計画だ。
なんつーか、タイアップの為に、無理やりこの場所を舞台に話をでっち上げた雰囲気が濃厚なのである。
ちなみにクライマーとは戦闘員のことだが、彼らはあくまで生身の人間であり、それを電気エネルギーに切り替えるってどういうことなの?
ひょっとしてロボットにしてしまえってこと?
だとしたら、エネルギー云々以前に、莫大な経費がかかりそうだが……

アイアンクロー「デビルシャークの発進や格納も、渦穴を利用して思いのままと言う訳か」
クライムボス「おっしゃるとおりです。エネルギーを制するものは地球を制す、この地底の基地が完全に出来上がればどんな計画だって可能になるのでございます」
どうでもいいが、アイアンクローの衣装、スパンコールつけ過ぎじゃね?
人間ミラーボールか?
なかなか野心家のクライムボスは、この作戦が成功した暁には、自分を日本全体のクライムボスにして欲しいとねだる。
しかし、アイアンクローは先回りして感心しているが、わざわざ海底基地から戦闘機を出撃させる必要があるだろうか?
しかも、離着陸のたびに、海水を吸い込んで「渦穴」を作る必要があるのだから、面倒臭いことこの上ない。
夜、鴨川シーワールドホテルのラウンジで、約束どおりクライムボスと杏子がポーカーを楽しんでいる。
それを遠目に見ながら、
五郎「あの男だ」
竜「女は?」
五郎「素性は分からない」
竜「クライムボスと謎の美女か」
五郎「あとはジャックに任せよう」
すでに打ち合わせてあるのか、五郎は竜の肩に手を置いてその場を離れる。
竜の長身が、悠然と二人の前に立つが、

竜「お、お、お、お、お楽しみですか? カ、カ、カ、カ、カード遊びを見ると……」
クライムボス「……」
上がり症だった。 じゃなくて、
竜「お楽しみですか? カード遊びを見るとつい声を掛けたくなりましてね」
クライムボス「うふうん、そう言う相手を待ってたんですよ」
杏子「どうぞこちらの椅子へ」
竜「失礼します」
このシーンも、他の客が一人もいないと言うのは、あまりにビンボー臭い。

クライムボス「さて、一対一の勝負と行きますか」
竜「何を賭けます?」
クライムボス「賭ける? あなたは何を」
竜「愛車マッハダイヤ号を」
クライムボス「ほお……では私は」
竜「こちらの美人とのデートは如何です?」
と言う訳で、クライムボスと竜との一騎打ちのポーカー勝負となる。
カードを交換したあと、

竜は目を光らせて、相手の手札を透視する。

ハンドは、ダイヤのストレートフラッシュ。
しかし、これ、向きがおかしくないか?
あと、竜アニキには、どうせならその目で杏子お姉さまの胸の辺りを見て欲しかった。
先にクライムボスがカードを見せると、竜もさっとカードを開き、

竜「ロイヤルストレートフラッシュ!!」
……
透視、関係なし!! なにしろ、スペードのロイヤルストレートフラッシュなのだから、相手の役がなんだろうと、勝ちに決まってるからである!!
もっとも、当時のちびっ子に、フラッシュだのフルハウスだの言っても分からないだろうと、スタッフもあえて一番分かりやすい役で勝負させたのだろう。
竜「それではお約束どおり、明朝お迎えに上がります」
竜はそう言って席を立つ。
杏子「仕方がないわ」
クライムボス(ジャッカーめ、小細工をしたところで何もわかりゃしないさ)
無論、クライムボスは最初から竜の正体を知っていたのである。
ちなみに竜はイカサマを使って勝ったと思われるが、それについて何の説明もないのは物足りない。
CM後、すでに翌朝になっており、竜と杏子は仲良く肩を並べて歩いているが、その向かった先は、
竜(悲しいけど、これ、タイアップなのよねーっ!!) と言う、竜の魂の叫び声が聞こえてきそうだが、やっぱり、鴨川シーワールドの水族館なのだった。
ポーカーの勝負で手に入れた妖艶な美女とデートすると言う「007」ライクのアダルトなシチュエーションなのに、その行く先が団体旅行らしいおばちゃんたちで賑わう水族館って……
杏子が竜のカード捌きを褒めると、
竜「そう言うあなたこそ、全てお見通しらしい」
杏子「それはどう言う意味ですの」
竜「普通の美女ではないと言うことですよ」
杏子「それほど特別な美女ではございませんわ」
自分で「美女」って言うな。
中身のない、歯の浮くような台詞の応酬のあと、

竜「では、どうぞよろしく」
杏子(童貞かっ!!) 竜がぎこちなく握手を求めるというのが、かなりの情けなさであった。
キスとまでは言わないが、せめて肩を抱き寄せるくらいのことはして欲しかった。
もっとも、竜が握手を求めたのは理由があり、手を触れながら杏子の体に特殊な電気を注入し、それをビーコンにして彼女の動きをマークする為であった。
一方、スタッフは、竜たちが見ていたシロイルカのしょうもない芸に続いて、バンドウイルカたちのしょうもないイルカショーをたっぷり映し出す。
冷静に考えたら、ただの奴隷だよな、こいつら……
そのショーを見ていた五郎と竜は、プールのそばを離れ、クライムボスの動きを見張っていたカレンたちと合流する。
文太によれば、クライムボスは年甲斐もなくウェットスーツを着て、岩場から海へそれこそイルカのように飛び込んだという。
自分から目撃者の口を封じたり、なかなかこまめなクライムボスであるが、一般に、クライムボスは何でもかんでも自分でやることが多く、今回のように、怪人と一緒に行動していないと、なおさらひとり親方のような忙しさに見舞われることになる。
ちなみに文太の台詞で、クライムボスが富岡と名乗っていることが分かる。

五郎「海中に消えた」
竜「やはり海底に秘密の」
文太「エネルギー基地があるんだ」
カレン「すぐ海底を探りましょう」
竜「海底基地の入り口は地上から掘った入り口がもうひとつあるはずだ」
五郎「それじゃあジャックはそれを探してくれ、俺はスカイエースで待機し、万一に備える」
杏子がホテルを出たあと、今回の怪人デビルアマゾンが、アイアンクローの基地にやってくる。

デビルアマゾン「報告します、アイアンクロー様、ボスはすでにジャッカーにマークされています。エネルギー基地もジャッカーの攻撃を受けることはもはや時間の問題です」
アイアンクロー「ボスは何をしておる」
デビルアマゾン「彼は自分の野心に溺れ、ジャッカーの恐ろしさを侮り、アイアンクロー様さえ裏切る気でいます」
アイアンクローはデビルアマゾンにジャッカーの迎撃及びクライムボスの処刑を命じる。
強いライトを背に立ったデビルアマゾンの姿は真っ黒なシルエットしか見えず、声も京田尚子さんの吹き替えだが、その正体が杏子であることはバレバレであった。

杏子、再び水着姿になり、クライムボスが飛び込んだ岩場の上に立つ。
うーん、ここはもうちょっと寄りで撮って欲しかったなぁ。

杏子(地底基地をジャッカーの墓場にしてやる)
結局、まともに見れるのはバストアップだけで、しかも、大きなコンパクトをかざして自分の顔に太陽の光を当て、

デビルアマゾン「……」
ユメもチボーもない怪人態となってしまう。
どう見ても何も考えてない顔つきだが、何も考えてないのはスタッフも一緒で、実は上記の台詞も京田さんがあてているので、その正体は変身する前から視聴者には明らかであった。
これでは、その前のシーンで杏子の顔をわざと隠していた意味がないではないか。
なので、さっきのシーンはもっと早い段階で入れるべきだったろう。
さて、杏子タンがいなくなれば、管理人の興味も急速に萎んでしまうので、あとは簡単に片付けよう。
デビルアマゾン、海中に飛び込み、エネルギー基地のクライムボスを訪ねる。

クライムボス「美女の姿で近付くとはけしからんね、デビルアマゾン」
デビルアマゾン「知っていたのかい」
クライムボス「これを見てみろ、何もかもお見通しと言うわけだ」
クライムボスはモニターのスイッチを入れ、アクアラングとウェットスーツで海に飛び込もうとしているカレンと文太の姿を映し出す。
クライムボス「奴らを呼んだのはお前だよ、デビルアマゾン」
デビルアマゾン「なにっ」
クライムボスは、竜が仕掛けたトリックを教えてやる。
二人がやすやすと基地の中に侵入するのを見てもクライムボスは余裕綽々で、
クライムボス「どうだ、デビルアマゾン、ワシの部下になって日本を支配する気はないか」
デビルアマゾン「裏切るのか?」
クライムボス「クライムを支配しようと思えばアイアンクローを倒すしか道はない」
堂々と叛意を口にし、デビルアマゾンにも協力を求めるが、基地の中を進むカレンたちの映像を挟んで、

クライムボス「ぐうう、どうしようというんだ」
デビルアマゾン「アイアンクロー様の命令だ、この地底で永遠に眠り続けろ」
次のシーンではあっさりデビルアマゾンに処刑される富岡さんでしたー。
なんつーか、これほど見掛け倒しの悪党も珍しい。
アイアンクローを裏切り、クライム日本支部を乗っ取ろうとするからには、エネルギー基地だけじゃなく、それなりの準備と手駒をそろえてからにして欲しかったな、あたい……
ちなみにデビルアマゾンの右手は、女性らしく、巨大なルージュの形をしているのである。
この後、色々あって、4人がジャッカーに変身してデビルアマゾンを倒し、海底基地も爆破して事件解決。
以上、序盤は期待できるのだが、それ以降の展開が水あめのようにもたつく上、何のひねりもないストーリーが退屈極まりない凡作であった。
敗因はやはり、クライムの計画が海底エネルギー基地建設と言う、いまひとつ緊迫感のない作戦だったからだろう。
化石燃料に頼らず自然エネルギーを自前で賄おうとするところなど、むしろヒーローも見習うべきエコな計画ではなかったろうか?
それ以上に、ムチムチの水着美女を二人も投入しながら、その肢体がろくに見れないのが痛かった。
特にお尻!!
- 関連記事
-
スポンサーサイト