第3話「切り札はアンドロイドX」(1973年7月18日)
冒頭、ロボット帝国の手術室で、新たなアンドロイドの製造が行われている。

四角いトレーの上で、精巧に作られた二つの人造手首が生き物のようにカシャカシャと指を動かしているのがめちゃくちゃリアルで気持ち悪いが、キャプでは伝わらないのが遺憾である。

手術室の壁には、前回、壮絶な死を遂げた健一郎の写真パネルが飾ってあった。
手術の指揮を取るのは、前回と同じ、女性型のメカロボである。

製造にあたる科学者が、顔のパネルと見比べながらアンドロイドの顔を作っていることから、彼らが何を企んでいるのか一目で分かる、優れたビジュアル。
もっとも、今回登場する健一郎がアンドロイドであることは、少なくとも次回までは視聴者にも伏せておいたほうが、ドラマとしては面白くなっていたと思う。
ほどなく、健一郎そっくりのアンドロイドXが完成する。

アンドロイドの仕上がりに、満足そうに頷く女。
男装風の白いスーツと、胸に挿した赤い薔薇が悪役にしとくには惜しいくらいに決まっている。
演じるのは棚田真里子さん。
前回の千鶴子さん同様、役名がないのが残念だが、3話と4話だけの出演なのがもったいないくらいの妖艶な美女である。
今更言っても仕方ないが、後半に登場する水木女史は是非、彼女に演じて欲しかった。
女はすぐに、アンドロイドXをデビラーの元へ連れて行く。
なお、以下、面倒臭いので、アンドロイドXのことは単に「健一郎」と呼ぶことにする。
デビラー「おお、紅健一郎に瓜二つだ。これなら弟だとて簡単には気が付くまい。アンドロイドX、いや、紅健一郎、直ちに東京ビクトリー作戦を展開しろ」
健一郎&女「承知しました」
さて、SSIのメンバーが、各マシンを飛ばして、だだっ広い荒野を目指してやってくるが、

健「何にもないじゃないか」
真理「おかしいわね」
そこは文字通りの荒野で、怪しいものはなにもなく、澄み切った空の下を、獣の唸り声のような風が駆け抜けているだけだった。
真理、念のため、アイアンホークのレーダーをチェックするが、やはり反応はその地点を示していた。

真理「間違いないわ」

健と真理が周囲を見回していると、ボスから通信が入る。

ボス「見付かったか」
真理「それが猫の仔一匹見当たりません」
ボス「そんなバカな、確かに怪電波を発するUFOがその一帯に着陸した」
真理「これより一帯を捜査してみます」
ボス「そうしてくれ」
だが、通信が終わるや否や、空の彼方から、巨大で丸みを帯びた金属の塊が飛んでくる。

真理「健!!」
逸早くそれに気付き、健に注意を促す真理。
……
さっきから不自然なくらい真理の画像が続きますが、わざとです。
それはともかく、謎の円盤とSSIとの砲撃戦の末、

地中から、アグンガルーダと言うロボットが出現する。

さらに、ちょっと分かりにくいが、その首が分離して宙に浮かび、胴と首の間にさっきの円盤が滑り込み、再び首がくっつく。
つまり、あのUFOはアグンガルーダの一部だったのである。
真理「東南アジア連邦から出品されていたアグンガルーダだわ」
と、再びボスから通信が入る。

ボス「東京E地区から強力な怪電波が発信されている、恐らく、ロボットを操ってるに違いない」
真理「了解、ただちにE地区に向かいます」
真理は、健にその場を任せてE地区へ移動する。
健はレッドバロンを呼び寄せ、アグンガルーダと戦う。
だが、アグンガルーダは強敵で、さっきのUFOを分離させて背後から攻撃したり、

バロンミサイルを受けてバラバラになったかと思いきや、それぞれのパーツが独立して砲撃してくるなど、多彩な攻撃方法でレッドバロンを翻弄する。
元ネタは、当然、キングジョーだろうなぁ。
また、前回のブラックマサイ同様、パイロットのいない遠隔操縦タイプなので、弱点というものがない。
さて、アイアンホークを駆る真理は一足先に敵のアジトを発見し、同じくこちらに向かっている哲也たちにも伝える。
それは、一見、工事現場の中のプレハブ小屋のようであったが、

その中にはハイテクメカが置かれ、健一郎やあの女たちがモニターを見ながらアグンガルーダを操っていた。
仲間の到着を待たず、勇敢にも敷地内に侵入を試みる真理であったが、すぐに敵に気付かれる。

目の前にメカロボが落ちてきたので思わずよろめく真理であったが、

なんとなく、メカロボが真理のスカートをめくろうとしているようにも見える。

その一挙手一投足が「絵」になってしまう真理タン!!
もう、たまらんなぁ。
メカロボを相手に孤軍奮闘するが、容赦なく綺麗なお顔をぶん殴られ、

真理「あ、う、あ……」
背後から羽交い絞めにされて声を詰まらせる。
このシーンは、目を閉じて、真理の喘ぎ声だけで想像する(何を?)のが通の楽しみ方です。
やがて哲也と大作が駆けつけ、パッと喜色を浮かべる真理。

大作「おい」
真理「あ、ああ……」
メカロボに腕を取られ、支柱にしがみついて耐える真理であったが、メカロボの肩を大作が叩き、振り向いたところを蹴り飛ばす。
この真理の喘ぎ声がまたエロくて……
映像的にも、痴漢にイタズラされている真理を、大作が助けているようにしか見えない。

真理「うん……」

真理「えいっ」
また、細かい動きは不明だが、真理がメカロボと力比べをして勝ち、その顔にチョップを叩き込むシーンの頼もしさ!!
途中のイキり顔なんか、スケバンが喧嘩しているようにも見え、思わず、自分も殴られたく……いや、姐御と呼びたくなる。
だが、次の瞬間、頭上からネットを被せられ、
メカロボ「静かにしろ」
真理「私に構わないで!!」
哲也&大作「……」
哲也と大作、真理が捕まったのを見て、抵抗をやめる。

真理「ごめん!!」
トホホな顔で二人に謝る真理。
直前までの精悍なマスクとのギャップに、ますます萌えるのである!!
哲也「しょうがねえよ」
大作「うん」
もっとも、そこで伏兵の熊野警部が攻撃を仕掛けてきたので、たちまち形勢逆転となる。
だが、ハリウッドのアクション映画に出て来るテロリストグループのように、健一郎たちは慌てず騒がず、コントロール装置を惜しげもなく置き捨てて、裏口から出て車に乗り込み、速やかに退去する。
資材が邪魔をして、車で追跡するのは不可能であり、真理は彼らの姿をカメラにおさめるのが精一杯だった。
真理が茫然としているのを見て、

哲也「どうしたんだ、真理」
真理「あの人……いえ、人違いね、きっと……」
真理、何か言いかけるが、すぐに打ち消す。
CM後、なおもアグンガルーダと睨み合っていた健だったが、結局逃げられてしまう。

健が本部に戻ってくると、みんなでテーブルを囲んで真理の撮った写真を見ていた。
……
この画像、絶対前の記事でも貼ってるよな。
健「申し訳ない、逃がしてしまって」
大作「それより、見ろよ、これ」
健「なんだ」

それは、健一郎が車に乗り込む瞬間を見事に捉えた写真であったが、
健「兄さん!!」
健は、てっきり昔の写真だと思い、大して驚きもせずに断言する。
ボス「ほんとに紅博士か」
健「自分の兄貴ぐらい少々ピンボケでも分かりますよ!!」
ボスに念を押されて、呆れたように言い返す健であったが、
ボス「これが紅博士なら、お前の兄さんは生きてることになる」
健「なんですって?」

真理「さっき写したの、アグンガルーダを遠隔操作していたわ」
健「……」
哲也「健、お前の兄さんはあの時死んだんじゃなかったのか?」
哲也に言われて、健の脳裏を、衝撃的な兄の死の情景がよぎる。
確かに健一郎はデビラーによって自爆させられたが、文字通り木っ端微塵に吹っ飛んだ為、死体の確認は出来ていない筈である。
健、健一郎が殺されたあの場所へ出向き、十字架に縛られ、苦悶の表情を浮かべる兄の姿を思い浮かべる。

そこへあの女があらわれ、大胆にも健に話し掛ける。

女「紅健さんですね」
差し出された紙には、健一郎からのメッセージが記されていた。
二人だけで話したいことがあるから、迎えの車で来てくれと言うのだ。

真理(おかしいわ、確かにここにいると思っ……あっ)
そこへ真理が健を探しに来るが、健の姿に気付いた時には、ちょうど女の車に乗り込むところで、そのまま見送るよりなかった。
健がひとりで雑木林の中の道を進むと、紛れもない健一郎が待っていた。

健「兄さん、無事だったのか」
健一郎「ああ」
健「どうしたんだ、兄さん、どっか悪いのか?」
健一郎の顔色が冴えないのを見て気遣うが、アンドロイドなので当然のことだった。
健一郎「いや」
健「やつらにまだ操られるているんだな」
健一郎「健、俺にレッドバロンを渡してくれないか」
健「何を言うんだ」
健一郎「レッドバロンがないと、俺はいよいよ死刑にされてしまうんだ。頼む、兄さんを助けてくれ」
健「兄さん!!」
健一郎「俺が解放されたら、レッドバロン以上のロボットを作ってやる」
いくら兄の頼みとは言え、健がそんなことを承服する筈がなく、きっぱり断る。
もっとも、健は目の前にいるのがニセモノとは夢にも疑っておらず、言動がおかしいのは、単に鉄面党の奴隷人間にされているからだと思い込む。
この後、雑木林の中で、SSIとメカロボによる無駄に長いアクションとなるが、チラがないのでカットします。
続いて健がレッドバロンに乗り、アグンガルーダと戦ってこれを屠る。
ところが、さらに新たなロボットが出現するが、それは、日本から出品された飛竜と言うロボットだった。
そう、他でもない、健一郎が作ったロボットである。
健「よし来い、叩き潰してやる」
ニ連荘になっても戦意の衰えを見せない健であったが、
デビラー「果たしてそうかな、紅健、良く見ろ、飛竜の操縦席を良く見ろ」
健「はっ」
デビラーに言われて、飛竜の操縦席を目視すると、

果たして、そこに座っていたのは、健一郎自身だった。
健「兄さん!!」
と言う訳で、夕陽の中、レッドバロンと飛竜が睨み合っている緊迫のシーンで「つづく」のだった。
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