第33話「ハロー! ライダーマン ネズラ毒に気をつけろ!!」
遂に、遂に33話に辿り着いたぞ……。何が遂になのかと言うと、17話で負傷退場した初期のライダーガールのひとりで管理人イチオシのユミ(巽かおり)ちゃんが、この回から漸く戦線復帰するからだ。
資料によれば、初期のライダーガール三人は親の許可もちゃんと受けてなくて撮影に遅刻することもしばしばだったとかで、それだけが理由ではないだろうが、18話までに全員降板させられてしまう。ただ、何故かなりの時間を経てユミだけ復帰することになったのか、そこまでは知らない。
さて、まず予告編。

嬉しいことに、ユミちゃんは、予告編から既に顔を見せている。
また、33話~34話の予告編は洋と他のレギュラーが視聴者からの葉書を手に、子供たちに語りかけると言う珍しいパターンになっている。

洋「やあっこんなにたくさんの励ましの手紙、ありがとう。これからも頑張るから、応援頼むぞ。次回はこれだ!」
ユミちゃん、何故か、左腕を吊っているのだが、これは本編で理由が分かる。
本編。

なお、OPクレジットでは、悲しいことにユミちゃんは子役のシゲルの後なのだ。彼女は出戻りとは言え、33話時点では洋を除けばもっとも古くから参加しているキャストなのに、この扱いはどうかと思う。番組的には、ナオコたちとは違い、添え物程度にしか扱われていない証左だろう。ま、実際、ヘタだからね。

冒頭、平和な核家族が毒ガスを吐くネズミロボットに襲われ、両親は白骨化し、子供は逃げる。スカイライダーでは、大人は殺されても、子供は助かるようになっているのだ。

今回の怪人ドブネズゴンは、NYの地下下水道からやってきたのだ。声は仁内達之さん。
彼は毒ガスの実験をしていて、人間を白骨化するのに時間がかかると不満の様子。その後、何故かネズミロボットをかじってしまう。共食いするなよ。

さて、シゲルは転校してきたアキオと言う少年の飼っているハムスターを触らせてくれと頼むが、
アキオ「チャコは僕の友達なんだ。お前なんかに触らせるもんか」 と、割と腹の立つ台詞を放って走り去る。
そう言う前ふりを経て、

やっとユミちゃんが本編に登場! いやぁ、良かった良かった。……あれ、喜んでるのは俺だけか?
ナオコ&アキ「よかったね」
沼さん「はい、これ退院祝い」(と言って、コーヒーを置く)
ナオコ「あ、いいとこある~」

ただ、彼女の復帰もごくさりげなく挿入してあるだけで、谷はまだしも「良かった良かった」と言ってくれるが、洋はまるで関心がなく例のネズミ事件について話しているのが薄情である。
なお、このシーンで流れているのはチューリップの「虹とスニーカーの頃」(インスト)である。
そこへシゲルがやってくる。

シゲルはナオコたちが来る前からユミちゃんとは知り合いなので当然彼女を見て話しかける。
シゲル「あれ、ユミさん、もう退院しちゃったのぉ?」
ユミ「失礼ね。そんなにいつまでもウンウン唸ってられないわよぉ」
アキコ&ナオコ「うふふふふっ」
このやりとりで、ユミちゃんがそれまで入院していたことが分かる。もっとも、シゲルの姉ミドリも、ユミちゃんとベッドを並べて入院した筈なんだけどね。ミドリの方は引き続き入院が必要と言うことなのだろう。
シゲル「今日はいやな日だな」
アキコ「バカね、おめでたい日じゃない」
シゲルはアキオのことを洋に話す。
そのアキオ、母親にハムスターを捨てて来いと言われ、近所の公園へ捨てに行くが、

木の根元に野良猫がいるのを見て、もっと遠くの山奥へ連れて行こうとする。
この猫、何故かヒモがついているのだった。

さて、怪人は繰り返し毒ガス実験を行っていた。今度は、車のカップルがネズミロボに襲われ、白骨になってしまう。

洋は現場に行くのだが、その際、ナレーターが「ネオ・ショッカーの
魔の手を感じた洋は、狭山市に急行した」と説明しているのはいささか苦しい。
警察が現場検証しているが、警官の一人がネズミロボを手にした瞬間、洋の反対側にいたヘルメットの男性が「危ない」と大声を上げる。

彼こそ、誰あろう、ライダーマンこと結城丈二(山口豪久)だった。
彼の忠告も虚しく、警官はガスで骨になってしまう。
今回も、洋は先輩ライダーと旧知の感じなのだが、俳優同士が顔をあわせるのはこれが最初である。あと、彼が出てくるたびに突っ込ませて貰っているが、
ライダーマン、あんた死んだんじゃなかったの? さて、彼はNYからドブネズゴンを追って日本へ来たと話し、洋と協力して彼らの計画を阻止することになる。

研究熱心な怪人、今度は、墓場で母と娘を襲う。
なおこの時の子供を演じているのは、第5話にも出ていた満中志保と言う子役です。
もっとも、5話の時とは髪型などが違っているので別人のようであるが。
5話では主役扱いだったが、今回は怪人に襲われてバタッと倒れるだけでした。
洋が助けに来て、最初の変身。ドブネズゴンと戦うが、逃げられてしまう。

長くなってきたので端折るが、後半、怪人に捕まったアキオが、毒ガスの上に吊るされ、鉄格子を無理に開けるとアキオが落ちてしまうと言う極限の状態が発生するが、

それを、アキオの友達チャコが解除ボタンを押して助けると言う感動的な(そうか?)ストーリーがあったりするのだ。

山口豪久の気合の入った変身ポーズ。

ただ、変身シーンは昔の映像を使っているので、急に顔が細くなるのが難である。
あとは、二人のライダーによって怪人が倒されて一件落着。
シゲルが仲良くなったアキオを連れてブランカにやってくる。アキオのハムスターを見て、

「かわいいね~」と言うユミちゃんがカワイイ!(やかましい)
チャコは命の恩人だと言うアキオに対し、シゲルはハムスターだから「恩人」とは言わないだろうとどうでもいいことを指摘する。

谷「子供にゃ参ったね」
と言う言葉をしおに、山口豪久も腰を上げる。

ドアのところで振り返ってVサイン!
かっこいいなぁ、山口豪久(たけひさ)。彼はこの後、1984年の「仮面ライダー全員集合」に再びライダーマンとして出演しているが、それが遺作となった。