第1話「教科書まっ白事件」(1984年1月13日)
記念すべき第1話である。
深夜、ダースベーダーっぽい呼吸音を響かせながら、全身真っ黒の恐ろしげなアンドロイドが高層ビルの前にあらわれ、取り押さえようとした警備員たちをぶちのめす。

そして、ビルの基部を殴ったり蹴ったり、剣で斬りつけたりして傷つけ、

遂にはビルそのものを崩壊させてしまう。
素手(?)で鉄筋コンクリートのビルを粉砕するとは、下手なショッカーの怪人より強大である。
なお、今回レビューしてて気付いたのだが、特に必要もないのに警備員を出したのは、そうすることによってビルの中に誰もおらず、従って、ビルは崩れたけど死傷者はいなかったのだと遠回しにアピールする為だったのだろう。
この作品は、宇宙刑事シリーズなどと比べると対象年齢が低いので、全話を通してただのひとりも死者が出ないと言う、特撮ヒーロー番組としては異例の配慮がされているのだ。
KもMも、最終回で退場するが、あくまで別の世界に行くだけで、はっきり死んだという描写はないんだよね。
また、「悪の組織」も別に世界征服などをたくらんでいる訳ではなく、おもに子供をいじめるのが目的で、主人公は主人公で、あくまでヒロインを守る為にヒーロー活動していると言う、こじんまりした、町内版・特撮ヒーロー番組とでも言うべき世界観となっているのが、この作品の最大の特徴なのである。
それはともかく、時を同じくして、太陽系外から飛来した宇宙船が、とある湖の上に着水し、そのまま水の中に沈んでいく。
宇宙船は湖底に固定(シャレ)されると、スペースコロニーと言う、高瀬健ことマシンマンの居住施設&基地となる。

健「起きろ、ボールボーイ、着いたぞ」
近未来的な司令室に、どうしても股間に目が行ってしまう銀ラメの宇宙服を着た健が入ってきて、丸いカプセルの中で眠っていた、相棒のボールボーイに声を掛ける。

ボールボーイは大きな目を見開くと、両手と両足を伸ばし、宙に浮く。

ボールボーイ「もう着いたのか、目的地に間違いはないか」
健「ああ」
健はコントロールパネルに手をかざし、モニターに美しい自然の風景を映し出す。
健「地球だ、間違いなく目的の星に着いた」
佐久田さん、以前レビューしたときはご存命だったのだが……
うーむ、亡くなってから1年以上経つが、まだ実感が湧かないなぁ。
それはともかく、健、本名ニックは、潜望鏡のようなメカで水の上に出ると、水面を走ってジャンプし、岸辺の岩の上に着地する。
同時に、服装も地球人のものに切り替わる。

健「思ったとおりだ、空気がうまい」
両手を思いっきり伸ばして、山地の新鮮な空気を胸いっぱい吸い込む健。
ボールボーイ「ニック、地球での滞在日数は7日間だけだよ、さっさとレポートをまとめて次の調査地・金星へ移動せねば」
健「分かった、まず地球人に接触して理解を深める必要があるな」

そう言うと、黒縁の眼鏡を取り出して掛ける健。
別に目が悪いのではなく、「スーパーマン」のクラーク・ケントをイメージしてのことだろう。
ナレ「この若者の名はニック、プレアデス星団のアイビー星からやってきた大学生である。彼は卒業論文をまとめる為、地球にやってきたのだ。テーマは『太陽系の惑星群』である。日本での名前を高瀬健と呼ばれるのだ」
バイクに乗って疾走する健の姿に簡潔なナレーションが添えられる。
健は、太陽系の惑星をひとつひとつ訪れてその調査を行っているのだろう。
一方、街では、葉山家から、ハーフパンツにショートブーツの若い女性が出て来て、車で出掛けようとしていた。

本作のヒロイン・葉山真紀である。
勝「姉ちゃん、事件かい」
真紀「ビルが破壊されたんですって、編集長に叩き起こされちゃったのよ」
真紀は弟の勝にぼやいてみせると、赤い軽を発進させる。
ところがその途中、曲がり角から飛び出してきたのが、健の乗ったバイクであった。
真紀はハンドルを切ってなんとかかわすが、側溝にタイヤが嵌まってしまう。

真紀「やっ、ひどーい」
真紀は車から降りると、「惨状」を見て悲鳴を上げ、健に猛然と食って掛かる。

真紀「ちょっとあんた、何処に目ぇつけてんのよ」
健「えっ、何処って、目はここに……」
まだ地球の言語に疎い健は、真紀の言葉をまともに受け取って自分の目を示し、真紀の怒りに油を注ぐ。
のちに、相思相愛の間柄となる二人であったが、「運命の出会い」と言うのは得てしてこういうものなのである。

真紀「私は青信号で直進なのよ、それをあなたは赤信号で飛び出してきたんじゃない」
健「すると、赤信号は停まれ? そうかぁ」
真紀「ふざけてる場合じゃないでしょう!!」
信号機を見上げてしみじみとつぶやく健の態度に、遂に真紀の怒りが爆発する。
しかし、そんな基本的なことさえ知らないで、よくこんな街中まで事故を起こさずに来れたな。
途方に暮れる真紀であったが、ちょうどそこにトラックが来たので、駆け寄ってドライバーに助けを求める。
と、健はその僅かな隙に真紀の車に近付くと、片手で車体を軽々と持ち上げて溝から外す。
アイビー星人である健は、地球人の数倍の筋力を持っているのだ。
この辺、まんま「スーパーマン」だね。
トラックの運ちゃんは気軽に頼みを引き受けて、真紀と一緒に車の前までやってくるが、

真紀「あれえっ」
運転手「なんともなってねえなぁ、まだ目が覚めてねえんじゃないのかね、姉ちゃん」
運転手は笑って真紀の肩を叩くと、自分の車に戻っていく。
真紀「嘘みたいーっ、まさか、あなたが持ち上げた訳じゃ?」
自分の目が信じられない真紀、そこにいた健に確かめるが、健は手と首を振って否定する。
真紀「そんな力ある筈ないし……あっ、取材、取材!!」
それどころじゃないとばかりに、真紀は車に飛び乗って走り去る。
出会いのシチュエーションとしては最悪だったが、健は一目で真紀のことが気に入ったらしい。

ボールボーイ「随分気の強い娘だな、でもとってもチャーミングだ、ね、ニック」
健「うん、地球人を研究するにはもってこいの標本だ」
なにが「もってこい」なのかさっぱり分からないが、健は真紀を地球人を調べるサンプルとして選び出す。
しかし、真紀、自分が健から「標本」に見られていたと知ったら、深く傷付いただろうなぁ。

真紀「どいて、どいてーっ、ちょっと通して下さーいっ!! 見えないってばっ!!」

真紀「もうっ!!」
やっと倒壊現場に来た真紀だったが、野次馬が隙間なく人垣を作っていて、ピョンピョン飛び上がっても、全然中の様子が見えない。
いやぁ、この元気なところが真紀の最大の魅力だね。
周囲を見回していた真紀は、現場のすぐ近くのビルにちょうどいい非常階段があるのを見て、すぐさま駆け上がる。
高い場所から現場を見下ろそうというのだ。

真紀、80年代の特撮ヒロインとしてはトップクラスの容姿と魅力の持ち主だが、ただ一点、ミニスカを履いてくれないのが極めて遺憾である。

手摺のない屋上に立ち、バシャバシャ写真を撮る真紀。
ここも、本来なら絶好のチラスポットになったであろうに……
突然ですが、管理人から、特撮ヒロインの皆さんに向けてのメッセージがあります。
「パンチラから逃げるな!!」 ご清聴ありがとうございました。
引き続きレビューをお楽しみください。
ところが、おっちょこちょいの真紀、足を滑らせてあっさり屋上から転落してしまう。
考えれば、健が地球にいなければ真紀はこの事故で死んでいた筈で、健はまさに真紀にとっては「運命の人」だった訳である。

真紀「あーっ!!」
今となっては独特の味わいのある、見え見えのビデオ合成で垂直落下する真紀。
倒壊現場に向かっていた健は、その声を聞くや、バイクを捨てて走り出し、走りながらマシンマンに変身して舞い上がり、空中で真紀の体をキャッチする。
ま、マシンマンと言うのは後に真紀が命名した名前であり、現時点では、あくまでウォーリアスーツを着たアイビー星人に過ぎないのだが。

恐怖のあまり失神した真紀の体を非常階段の一番上に置くと、健は風のように走り去る。

それによって生じた風が真紀の髪を乱し、真紀は目を覚ます。

真紀「うん……」
思わず三枚も貼ってしまったが、光の加減で、塚田さんの美貌がフェルメールのごとく照り輝く、素晴らしいショットになっている。
真紀は、目の前に落ちている愛用のカメラを拾い上げ、ぼんやりと立ち上がる。
真紀「私……確かここから……はっ!!」
何気なく柵の下を覗き込んだ真紀、自分が危うく死に掛けたことを思い出して青褪める。
一方、健は普通の姿に戻って、破壊されたビルの残骸をボールボーイに調べさせていた。
ボールボーイ「僕のセンサーによれば、火薬反応なし、地震反応もなし」
健「そうか……途轍もないパワーの持ち主だな」
しかし、火薬反応はともかく、地震が起きたかどうかなんて分かるのかしら?
さて、勝は、友人たちとがやがや喋りながら登校していたが、

学校の近くの路上に、アンテナのようなものをつけたステーションワゴンが停まっているのを見て、首を傾げるが、深く気にせず校門を潜り抜ける。

果たして、そのアンテナからは特殊な電波が放射されていたのだが、車に乗っているのは神父のように黒一色の服で身を固めた小柄な男であった。
テンタクルの戦闘用アンドロイド・ドリル男の人間態である。
演じるのは説明不要のうえだ峻さんだが、管理人、今回久しぶりにDVDをチェックするまで、うえださんが初回のゲストだったことを綺麗に忘れていた。

わかば先生「今日は86ページからイキましょうね」
勝たちのクラスの担任のわかば先生を演じるのは、前年の「シャリバン」にも出ていた村野博子さん。
なかなか可愛いのだが、出番はあんまりない。
子供たちは一斉に国語の教科書を開くが、その途端、勝が素っ頓狂な声を出す。
勝「あれーっ!!」
わかば先生「また忘れもの、葉山君?」
勝「字が消えちゃった!!」
勝、白紙になった教科書の中身を広げて先生に見せる。

女の子「私のもだわー」
他の子供も自分の教科書を広げて見せるのだが、この女の子がなかなか可愛いと思いました。
教室は大騒ぎとなるが、無論、勝が見たあの怪しい車の仕業であった。
一方、一見ただの高層ビルにしか見えない建物の中に、この番組における「悪の組織」テンタクルのアジトがあった。

美しい少女の絵を描いている初老の男こそ、テンタクルの首領・プロフェッサーKであった。
演じるのは説明不要の死神博士こと、天本さん。
当時58才である。
にしても、特撮で、こんなに長い肩書きのキャラも珍しい。
そこへ、あの黒衣の男が静かに入ってくる。

オウム「おかえり」
男「ただ今戻りました。実験は成功しました。学校中大騒ぎです」
Kは無言で手元のパネルを操作して、壁の奥に隠されていた、いくつものモニタースクリーンを露出させる。
天本さんが悪の首領を演じるのは、こないだレビューが完結した「変身忍者 嵐」の大魔王サタンに続いて二度目だと思うが、あの狭苦しいアジトに比べると天国のような快適さである。

しかも、仕事の名目で、ブルマ姿の女児を堂々と鑑賞できるという特典つき!!
K「は、は、は、はくしょん!!」
子供たちの元気な姿をじっと見ていたKは、割とヘタクソなくしゃみをして、

K「ワシは子供が嫌いだ。子供は幼稚で礼儀知らず、気分屋で心変わりと出来心で生きている」
オウム(じゃあ、そんなもん見るなよ……) 視聴者の代わりに心の中でツッコミを入れるロボットオウムであったが、嘘である。
オウム「にっくき子供たちに復讐せねばならぬ、罰を与えねばならぬ」
K「その手始めに子供たちから教育を奪う」
モンス「私は反対だ」
と、何者かが、Kの言葉に異議を唱える。

振り向けば、そこに冒頭に出て来た怪人が立っていた。
テンタクルの大幹部にして、Kの片腕とも言うべき鉄人モンスである。
モンス「わがテンタクルの科学力をもってすれば世界の軍隊を敵に回しても決して引けはとらない」
K「ワシの敵は世界の軍隊ではない、世界の子供たちだ。子供たちから教育を奪うのだ」
モンスは武闘派で、折に触れてKのやり方に不満を見せるが、だからと言って他の特撮のようにクーデターを起こしたりはせず、最後までKに忠誠を尽くす、あっぱれなキャラなのである。
CM後、勤めている週刊ヒット社のオフィスで編集長に自分の体験を話している真紀。

真紀「信じてくださいよ、編集長、ほんとうにおっこっちゃったんです」
編集長「マンションのてっぺんから落っこってだ、なんでお前生きてんだよ」

編集長「ほれっ」
真紀「きゃっ!!」 編集長が身を乗り出して脚を覗き込むようにしたので、悲鳴を上げて飛び退く真紀。
いやぁ、昔の女性は奥床しくて良いですなぁ。
無論、「幽霊には足がない」と言う暗黙のルールにのっとっての行動なのだが、今の若い人たちにはピンと来ないシーンかもしれないね。
真紀「誰かが助けてくれたんです、見たこともない、なんか、映画のスーパーヒーローみたいな……」
乙女チックに両手を合わせ、うっとりした目をする真紀。
編集長「ばかたれ、人をからかうのもいい加減にしろ」
真紀「はーっ、ぜんぜん信じてくれないんだから」
などとやってると、編集者の一人が慌てて飛び込んできて、刷ったばかりの今週号を見せるが、それも教科書同様、中身が真っ白になっていた。
別に週刊ヒットに対するイヤガラセではなく、あのステーションワゴンが学校に向けて放った白紙化電波(?)のとばっちりを食ったのだろう。
編集長「ああー、俺の首が飛ぶ。真紀、何がなんでも特ダネとって来い!!」

真紀「はっ、はいっ!!」
編集長の命令にとりあえず返事をして飛び出す真紀。
ああ、かわええ……
別のところでも書いたが、この作品で納得行かないのは、編集長が真紀をグラビアのモデルに起用しようとしないことである。
真紀「まったく特ダネ、特ダネって、よく人をこき使ってくれるわよ、衝撃の写真撮ったって、写真なんかすぐ真っ白になるのに」
あてもなく車を走らせながらぼやく真紀。
しかし、その言い草では、すでに東京のありとあらゆる印刷物が白紙になる現象が起きているようにも聞こえ、さすがにちょっと不自然な感じがする。
なので、被害はあくまで教科書にとどめ、
編集長「教科書真っ白事件の真相を突き止めて来い!!」
の方が良かったかも。
第一、いくら特ダネを取って記事にしても白紙になるのでは意味があるまい。
と、またしても真紀の前に飛び出して来たのがバイクに乗った健であった。

健「やあ」
真紀「あっ、あなた、今朝の信号無視男」
健「俺、高瀬健、よろしく」
健はヘルメットを脱いで快活に自己紹介する。

真紀「何がよろしくよ、一度ならず二度までも信号無視するとは何事? 警察へ突き出すわよ」
健「でもね、考えようによっては縁があるってことじゃないのかな、僕たち」
健の開き直ったような言い草に真紀が呆れていると、勝たちが慌てた様子で駆け寄ってくる。

勝「事件だ、事件だよ」
真紀「字が消えたんでしょ」
勝「本屋の本が真っ白」
美佐「私たちの教科書もほらっ」
真紀「あーっ、ひっどーい、これじゃ勉強どころじゃないじゃない」
と言うのだが、子供たちはむしろ勉強しなくて済んで喜んでいたのではあるまいか。
勝「そうだ、あのワゴン車が怪しい!!」
真紀「ワゴン? ちょっと勝、一緒においで」
真紀はそれ以上詳しいことは聞かず、勝を無理やり車に乗せて走り出す。
健はボールボーイに真紀を尾行させると、自分もバイクでワゴン車を探しに行く。
健(印刷物を瞬時に消してしまう、相当な科学力のあるものの仕業だ)
この広い東京で、たった一台の車を探し出すなどおよそ不可能と思われたが、これはドラマなので少し車を走らせるだけであっさり発見する。

勝「姉ちゃん、あれだ」
真紀「ようし!!」
ちなみに今回チェックして気付いたけど、塚田さんの顔って、「熱中時代」の頃の志穂美さんに似てるなぁ。
真紀はその車を追って、だだっ広い土管置き場にやってくる。
色々あって、あやうくあの車に押しつぶされそうになった真紀だが、なんとかかわして地に伏せる。

真紀「はっ」
何者かの気配に気付いて顔を上げると、

そこにあの男が立っていた。

真紀「あなたね、字を消してる犯人は?」
男「ふっふふふふふっ……」
男は不気味な笑いを漏らしながら真紀に迫り、

真紀「ううっ」
背後からその首を締めにかかる。
と、土管の上から勝が男の背中に飛び降りて姉を助けようとするが、あえなく地面に叩きつけられる。
男「わがテンタクルの秘密を知ったものは死んでもらうぞぉおお」
ちょうどそこに数人の作業員が通り掛かり、男を取り押さえようとするが、逆に殴り飛ばされる。

ここで男は、戦闘アンドロイドとしての正体を明らかにする。

真紀「きゃああっ!!」
ドリル男が、そこにあった車を右手のドリル一本で持ち上げるのを見て、可愛いお口を全開にして悲鳴を上げる真紀。
ああ、かわええ……
ドリル男が投げ飛ばした車が落下のショックで爆発し、

その爆風にあおられて腹ばいになる真紀たち。
ああ、これがミニスカだったら、特撮史に残る素晴らしいショットになっていたであろうに……

なお、低予算で知られるこの作品だが、初回と言うことで、ちゃんと車を燃やしてます。
色々あって、ボールボーイの知らせを受けた健は、ドルフィンを呼んで初めての変身・飛行シーンを披露する。

轟音を響かせて飛来したドルフィンジェットを見て驚く真紀。

健は土管の上に着地するが、前述のように、まだマシンマンと言う名前はついてないので、名乗りは上げない。
ドリル男は執拗に二人を追いかけるが、

健「レーザーサーベル、マシンバリヤー!!」
健はレーザーサーベルから緑色のビームを放ち、二人の体を包み込むにして空中に持ち上げ、それに触れたドリル男は電気ショックを受けたようにひっくり返る。
そう、元々マシンバリヤーはこういう形態だったのだ。

初回インフレと言う奴で、ドリル男は健と互角の戦いを見せる。
このように、最初は透明なマントを付けたままアクションするのだが、見た目がカッコ悪いし、なにより動きにくいので、途中から戦闘の前に消えるようになる。
善戦するドリル男であったが、最後は必殺マシンサンダーで撃破される。
ただ、まだマシンマンと言う名前が存在しないのに、「マシンバリヤー」「マシンサンダー」はどうかと思う。
ちなみにお金がないので、実際の爆発はなく、宇宙刑事シリーズで、怪人が爆発する時の映像がそのまま使われている。

健「怪我はなかったか」
真紀「ええ」
勝「うん、だいじょうぶだよ」
健「それは良かった」
健は土管の中に隠れていた二人を気遣い、手を差し伸べる。

真紀「私、葉山真紀と申します、危ないところを助けて頂きましてありがとうございました」
勝「ありがとうございました」
礼儀正しく感謝の言葉を述べる二人であったが、救助された人がヒーローにがっつりお礼を言うシーンって、何気に珍しいよね。
ヒーローは戦いが終われば速攻で帰るのが普通だからね。
健「真紀さん、お転婆もほどほどにね」
真紀「はぁ?」
健「そいじゃあ」
健は真紀に忠告すると、スーパーマンよろしく、マントをはためかせて飛び去る。

勝「誰だろう、あのひと」
真紀「マシンマンじゃないかしら」
勝「ええっ、マシンマン?」
真紀「だって、すっごいマシンに乗ってきたでしょ、だから、マシンマン」
ボールボーイ(マシンマンか、良い名前だ)
勝のつぶやきに、深く考えもせずに答える真紀。
乗り物のほうがメインかいっ!! と突っ込みたくなるが、こうして変身後の健の名前はマシンマンとなるのである。

勝「かっこよかったなぁ、マシンマン、にひひひひ」
真紀「しまった、写真撮るの忘れちゃった」
勝「あいたっ」
真紀「あーっ、特ダネ逃しちゃったーっ!!」
勝「あいた、あいたっ」
またしてもうっとりする真紀であったが、ここで肝心なことを思い出し、腹いせに弟の頭をボカボカ殴りながら、その場でピョンピョン飛び跳ねるのだった。
ああ、かわええ……
ラスト、バイクを飛ばしている健。

ボールボーイ「どうして滞在を延ばしたんだい」
健「テンタクルと戦うためさ」
ボールボーイ「嘘だぁ、真紀さんを守る為だろ、図星でしょ、ぐふふ、マシンマン」
健「マシンマン?」
ボールボーイ「真紀さんがそう呼んでたよ」
健「マシンマンか、あっははははっ」
こうして健は、真紀を守る為にこのまま地球に留まることを決意するのだった。
特撮ヒーローと言えば、何とかの一つ覚えのように「地球の平和を守る為に」戦うものだが、健はあくまで真紀を……愛する女性を守る為に戦うと言う、実に人間味溢れる、そして視聴者も共感できる動機からヒーロー活動をすることになるのである。
管理人がこの作品に限りない愛着を感じるのは、実はその為かもしれない。
そう言えば、佐久田さんも出ていた「魔女先生」の月ひかるも、最初は地球のことを調べに、途中からは子供たちを守る為に活動することになるのだが、なんとなくマシンマンの動機に似てるし、事件が主人公たちの身近で起きるという点でも共通点があるように思えるのだ。
以前も書いたが、天国の菊さん、かつての「教え子」が立派な青年に成長してヒーローしているのを見て、さぞや嬉しかったことだろう。
以上、パイロット版としては申し分のない内容であったが、サブタイトルにもなっている「教科書真っ白事件」の描き方が中途半端になっているのが惜しい。
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