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「超獣戦隊ライブマン」 第34話「未来と今を駆ける恋!」


 第34話「未来と今を駆ける恋!」(1988年10月22日)

 冒頭、今日が誕生日と言うことで、いつも以上にめかしこんで出掛ける丈の姿を映したあと、

 
 舞台はいきなり15年後の未来、すなわち2003年10月22日のとある家庭に飛ぶ。

 何かの作戦によって過去や未来に時間軸が移動するというのは戦隊シリーズではたまにあるが、何の前ふりもなしにいきなり近未来の様子が映し出されるというのは、なかなか斬新な演出である。

 その家の娘が、小さな女の子用の赤い靴を取り出して、大事そうに見ていると、

 母親「またそんなものを出して」
 ミク「だってぇ、15年前の今日よ、私が東京タワーの見える街角で迷子になってこの片方なくしたの」

 二人とも白いサテンのようなツヤツヤした生地の服を着て、若干の近未来っぽさを出そうとしている。

 結局靴は見付からなかったのだが、泣いているミクに「見知らぬリーゼントのお兄さん」がヒマワリのブローチをつけて慰めてくれたのだと言う。

 その後ろ姿はどう見ても丈であったが、

 
 ミク「顔は覚えてないけどとっても優しい人だった」

 リーゼントの存在感、おそるべし!!

 母親「あれからしばらくの間、あのお兄さんのお嫁さんになるんだって言ってたっけ」

 母親は娘の肩に手を置いてからかうが、

 ミク「今だって理想の男性よ。もし15年前に戻れるなら絶対に会ってみたいなぁ、その人に」

 娘は衒いもなく言い切り、夢見るような眼差しで追想する。

 それにしても、物語中の近未来から、さらに19年後を経た世界で、こんなレビューを書くことになろうとは……

 なお、ミクを演じるのは「マスクマン」40話でも、幼い頃に会った顔も覚えていない男性に憧れを抱いているピアニストと言う、ほとんど同じような役を演じていた岡谷章子さん。

 本作のゲストの中では屈指の美少女である。

 考えたら、「ライブマン」ってゲストヒロインが全体的にいまひとつなんだよね。

 彼女以外で印象に残るのは、43話の湯原弘美ちゃんくらいか。

 一方、1988年のアシュラは、

 
 アシュラ「ビアス様のタイムマシンでこのトンネルをタイムトンネルにし、未来の世界に乗り込み、究極の最終兵器を奪い取ってきてやる……それにしても重いな」

 恐れ多くも、ビアス様謹製のタイムマシンの筐体を肩に担いで、手頃なトンネルの中を進んでいた。

 ……

 タ、タ、タ、タイムマシン~っ!?

 サラッと書いてしまったが、なんちゅうものを発明しとんねん!!

 ま、以前、オブラーが過去に行ける頭脳獣を作り出していたから、ビアス様に作れても不思議はないが、そこまで行くとまるっきり「ドラえもん」の世界になっちゃうからなぁ。

 もっとも、後のビアスの台詞によれば、まだ未完成だったらしいが……

 それと、アシュラが未来に行こうとしている目的が、近未来の兵器を強奪してくること、と言うのもいまひとつピンと来ない。

 まあ、恐竜を連れてこようとしたオブラーに比べればマシだが、そもそも、自分より優れたテクノロジーを有する世界……しかも右も左も分からぬ世界に行き、そこから最終兵器とやらを持ち帰るなんてことが可能かどうか、ちょっと考えれば分かりそうなものである。

 言うなれば、江戸時代の人間が21世紀に行って核ミサイルを奪ってくるようなもので、根本的に無理な話じゃないかと思うのだ。

 それはさておき、あまりの重さに耐えかねて、アシュラがボックスを落としてしまい、

 
 その衝撃でタイムマシンが誤作動を起こし、否応なしにアシュラの体を時空の裂け目に吸い込んでしまう。

 初めて体験する異様な状況に、目を見開き、絶叫を上げ続けていたアシュラだったが、やがてその体がトンネルの入り口付近に放り出される。

 
 ふと見上げれば、トンネルの上にさっきまではなかった近未来的なビルディングが林立しているではないか。

 ちなみにイラスト(あ、イラストって言っちゃった……)の真ん中に見えるビルは、1988年当時はまだ建設中だった新都庁をイメージしているのだろう。

 トンネルの中は依然として、「ドラえもん」のタイムトンネル状態であったが、そこへ一台のバイクが通り掛かる。

 ちなみに一瞬アシュラの背後に映る映像から、そのトンネルが栃木県の大金(おおがね)トンネルであることが分かる。

 アシュラは道の真ん中で両手を広げてバイクを停めると、

 アシュラ「つかぬことを聞くが、今は何年だ?」

 悪の幹部にしては割りと礼儀正しく尋ねる。

 
 ミク「何年って、2003年よ」

 で、その女性ライダーと言うのが、他ならぬあのミクと言う女性なのだった。

 
 アシュラ「に、2003年? チッ、たった15年しか未来に来れなかったか」
 ミク「まさか、あんた、15年前の1988年から来たんじゃ?」
 アシュラ「タイムマシンの野郎が無茶苦茶に動きやがってな」
 ミク「タイムマシン?」

 普通なら、アシュラを頭のおかしい男だと決め付けるところだが、日頃から1988年に戻りたいと念じていたミクはすんなりそれを受け入れ、

 ミク「じゃあ、あの青い光の中に入れば15年前の10月22日に行けるの?」
 アシュラ「まあ、そんなところだ」
 ミク「わあ、15年前に行ける、リーゼントのお兄さんに会える」

 かなり無鉄砲な性格らしいミクは、アシュラの言葉に目をキラキラさせると、ヘルメットを被って再び走り出し、

 
 アシュラ「おい、待て!!」

 アシュラの制止も聞かずに文字通りタイムトンネルの中に突っ込んでしまう。

 しかし、いくらリーゼントに会いたいからって、こっちの世界に戻れる保証もないのに、いきなりそんなことするだろうか?

 ここは、タイムトンネルが出来た時、ちょうどそのトンネルを抜けようとしていたミクが本人の意思とは関係なく1988年に飛ばされた……とした方が自然だったかもしれない。

 あと、れっきとした悪の幹部なのに、ミクと世間話でもしているように普通に会話しているアシュラがめっちゃ良い人そうに見えるのがツボである。

 まあ、時代の違う人間を相手に凄んでみても始まらないと考えたのだろうが、これがもしケンプやマゼンダだったらもっと手荒なことをして情報を聞き出そうとしていただろうから、アシュラがボルトの中で飛びぬけてお人好し……と言うか、常識人なのは確かだろう。

 なお、アシュラがこっちに留まってるとスタッフが色々と大変なので、タイムトンネルが都合よくアシュラの体を吸い込んで、元の時代に戻す。

 一方、東京タワーの見える公園を散歩していた丈、ふと、赤い小さな靴が落ちているのを見て拾い上げる。

 
 靴の内側には、ひらがなでミクの名前が書いてあった。

 丈「北村ミク……まだ新品だなぁ」

 丈がその匂いを嗅いでいると(註・嗅いでません!!)、背後からそのミクの乗ったバイクが突っ込んでくる。

 丈、思わず飛び退いた拍子に靴を落としてしまう。

 ミクは靴に気付くと、嬉しそうに駆け寄り、

 
 ミク「私の靴、見付かって良かった」
 丈「なんだ……えっ、それ子供用だぞ」
 ミク「でも、私のなの」
 丈「ええっ?」

 しかし、いくら尺が短いとは言え、1988年にタイムスリップしたら何故かあの公園に移動していて、おまけに探していたものを即座に発見するって、あまりに都合が良過ぎる展開だ。

 そして今回のストーリーが、美しいゲストヒロインを迎えながらいまひとつの作品にとどまっているのは、ひとえに、キーアイテムである「赤い靴」を、ストーリーに上手く絡めることに失敗しているからであろう。

 
 アシュラ「また元に戻りやがった……あっ、丈!!」
 丈「あ、アシュラ!!」

 と、すぐ近くにアシュラが転送されてきて、互いの姿を視認してびっくりするが、アシュラは反射的にブーメラン型のビームを飛ばしてくる。

 丈はひとまずミクのバイクでその場から逃走する。

 岡谷さん、なかなかいい体してるのに、大半のシーンがこの色気のないライダースーツと言うのが残念だ。

 一方、ヅノーベースでは、ビアスが激怒していた。

 
 ビアス「アシュラのバカモノめ、未完成のタイムマシンを持ち出した挙句、破壊しおって……許せん!!」

 それも、見苦しいほど生の感情を剝き出しにしてグラスを床に叩きつけると言う、普段の冷静沈着なビアスからは想像もつかない荒々しさを見せる。

 この剣幕からすると、アシュラは即刻処刑、少なくとも追放処分を食らいそうな勢いであったが、ビアスは己の感情に足を掬われて大局を見失うほど愚かではなく、

 
 左腕の巨大なパーツから光を放ち、

 
 ビアス「ガルヅノー、15年後の未来から来た娘を一刻も早く捕え、抹殺しろ!!」

 頭脳核もなしに一瞬で頭脳獣を作り出すと、鞭のような声で命令を下す。

 ビアスのただならぬ様子にポカンとしていたケンプであったが、

 ビアス「ケンプ、お前も行くのだ」
 ケンプ「はっ」

 ビアスに言われて、とりあえず出撃する。

 
 マゼンダ(いつものビアス様らしくない、何故?)

 その場に残ったマゼンダは、ビアスに対する微かな疑惑、いや、不審の念を抱く。

 バイクで逃走中のミクと丈の前に早くもケンプとガルヅノーがあらわれ、

 
 ケンプ「アシュラ、このガルヅノーで一刻も早く女を始末しろとのビアス様のご命令だ」
 アシュラ「ビアス様が?」
 丈「あんた、こいつらに何かしたのか?」
 ミク「何もしてないわよ!!」

 丈、自分の体でミクを庇ってその場から逃がそうとするが、やがて他の4人が駆けつけてくれたので、とりあえずライブマンに変身して戦う。

 再びヅノーベース。

 珍しく、ひとり思索に耽っているマゼンダ。

 マゼンダ「未来の世界は果たして我々ボルトのものになっているのか……」

 と、さっさと引き揚げて来たケンプがマゼンダの前に立つが、ケンプもミクを殺せって命じられてるんじゃないの?

 これじゃあ、ただのメッセンジャーボーイである。

 
 マゼンダ「ビアス様は、15年後のことを我々に知られるのを恐れているのでは?」

 マゼンダ、相手が親しいケンプと言うことで、下手をすれば自分の身が危うくなるかもしれない大胆な推理を口にするが、ケンプは聞きもあえず、

 ケンプ「マゼンダ、俺たちは余計なことは考えず、ビアス様を信じていればいいんだ」
 マゼンダ「ケンプ!! しかし、私はビアス様の……」

 マゼンダがケンプの腕を取り、なおも何か言いかけていると、そこに鬼より怖い生活指導の中田先生、じゃなくて、大教授ビアスがあらわれる。

 
 ビアス「……」

 
 マゼンダ&ケンプ「……」

 何を考えているのか分からないビアス様に睨まれて、思わず固まるヤングたち。

 ビアスはカツン、カツンと冷たい靴音を響かせながら無言で二人の横をすり抜けると、勢い良く振り向き、

 ビアス「タイムトンネルが消えるまであと2時間、ケンプ、マゼンダ、早くあの娘を発見し、始末しろ!!」

 何をそんなに焦っているのか、険しい口調で彼らを急き立てるのだった。

 ※レビューとは全く関係ないが、このくだりを書いてる途中、たまたま現在の中田さんの顔を見たが、この頃と全然変わってないのが不気味であった。いや、むしろ今のほうが若々しく見えるくらいだ。恐るべし、ボルトのアンチエイジング技術!!

 
 一方、手に手を取って逃げ出した丈とミクは、ちょっとしたデート気分を味わっていた。

 ミク「ありがとう、丈」
 丈「君だって俺を助けようとしてくれたじゃないか」
 ミク「あいつら、私を……」
 丈「大丈夫、君にどんなわけがあるか知らないが、俺は絶対君を守る。どんなことがあってもだ。いいね、約束だ」

 丈、定番のモテ台詞を口にすると、ミクと指切りまでしちゃう。

 どうでもいいが、この丈のポーズが、なんかゴリラみたいに見えました。

 この後、実際にデートしているようなイメージシーンとなるが、なにしろ尺が厳しいので、ほんの気持ち程度のもの。

 冒頭の、誕生日と言ってはしゃいでいる丈とか、余計なシーンが多いせいでもある。

 そう言えば、今日が丈の誕生日と言う設定、全然意味なくね?

 それはともかく、丈はヒマワリの形をしたブローチを買ってミクにつけてやる。

 
 ミク(3才の私にブローチを付けてくれた、リーゼントのお兄さん……)

 3才の頃の、多分まだ起きていないイベントのことを思い出したミク、てっきり、それが丈だと思い出したのかと思ったが……

 
 丈「とっても良く似合うぜ」
 ミク「ありがとう、丈」

 ああ、かわええ……

 あまり好みのタイプではないのが残念だが、実にチャーミングな笑顔である。

 ただ、当時(1988年)の流行りか、中村あずさみたいなオバサンっぽい髪型なのが惜しいなぁ。

 考えたら、2003年から来たのに現代っぽい髪型してるのって変なんだけど、こればっかりはねえ……

 CM後、離陸していくジャンボジェット機を見ながらまったりしている二人。

 
 ミク「丈、私は人を探しにここに来たの」
 丈「それで、その人には会えた?」
 ミク「ううん、でも、もういいの、丈に会えたから……」

 ……って、まだ丈だと思い出してなかったの?

 いくら記憶が曖昧だからって、ミクの勘があまりに鈍いのがストーリーのテンポを悪くし、面白さを削いでいるような気がするのである。

 ミク、「お守り」と言って、ブローチの一部の花弁を丈に渡すのだが、これも小道具としてはイマイチだ。

 なおも暢気にデートを楽しむ丈とミクであったが、そこをマゼンダに襲撃される。

 考えたら、ミクが狙われていることを知りつつ、勇介たちが彼女の護衛をしようとしないのは、めっちゃ変なんだけどね。

 
 マゼンダ「女、15年後の未来がどうなっているか、教えてもらおうか? 消費税は何パーセント?」
 ミク「10パーセントです」
 マゼンダ「ギャアアアアーッ!!」

 「ライブマン」の放送がもっと遅ければ、こういうギャグも書けたのだが……

 ちなみに消費税が導入されるのは、この翌年の4月からである。

 話を戻して、

 ゼンダ「女、15年後の未来がどうなっているか、教えてもらおうか」
 丈「15年後の未来?」
 マゼンダ「さっさと教えるんだ」
 ミク「教えるもんですか」
 マゼンダ「あと1時間でお前は15年後の未来に帰れなくなる」
 ミク「えっ、帰れなくなる?」

 マゼンダ、15年後にボルトが地球を支配できているのか知りたかったのだろうが、ミクにしたって、漠然と「未来はどうなっている?」って聞かれても、返答のしようがあるまい。

 第一、アバンのミクの家庭の様子などから、15年後の世界がボルトに支配されていないのは視聴者からすれば一目瞭然なので、見ていてちっともドキドキしないんだよね。

 と、彼らの足元で爆発が起き、敵味方構わず吹っ飛ばす。

 ケンプ「マゼンダ、余計なことは考えず、ビアス様の言うとおりにさっさと女を始末しろ」
 マゼンダ「邪魔をするなケンプ」

 二人がもたもたしているうちに、勇介たちが駆けつけ、全員その場から離れて競技場のスタンドへ移る。

 
 丈「君は15年後の未来から来たのか」
 ミク「ごめんなさい、黙っていて……私、あなたたちを混乱させたくなかったのよ」
 丈「それよりあと1時間したら君は15年後に戻れなくなる」
 ミク「帰れなくなったら……それでも良い!!」

 よほど「リーゼントのお兄さん」に恋焦がれていたのか、ミクはそこまで思い詰めていた。

 ま、この場合は、丈と離れたくなくなったというのが本音であろうが。

 勇介「ミクさん、今の世の中に15年後の君がいてはいけないんだ」
 めぐみ「勇介の言うとおりよ、ミクさん、ここは幼いあなたのいる世界なの」
 勇介「君にもしものことがあったら、今の幼い君は15年後に死んでしまう」

 勇介とめぐみが代わる代わる、情理を尽くしてミクを説得し、

 
 丈「君は帰るべきだ」
 ミク「丈~っ!! 丈、私は……」

 丈がいささか素っ気無い口調で告げると、ミクはショックを受けたように叫び、悲しみに顔を歪ませて泣きじゃくり、耐え切れずに丈の胸に飛び込む。

 いやぁ、岡谷さん、演技がうまい。

 例の事故さえなかったら、女優として大活躍されていたのではあるまいか?

 
 ミク「私はここにいたい、帰りたくない」
 丈「ダメだよ、ミク……どうやってこの過去の世界に来たんだ?」

 丈も、必死で自分の気持ちを押し殺し、ミクの腕をほどいて現実的な質問をする。

 ミク「トンネル……」

 ミクも諦めて消え入りそうな声でつぶやくが、そこへアシュラたちがあらわれたので、勇介たちが彼を食い止める一方、丈はミクを連れてそのトンネルへ急ぐ。

 ちなみに今までのところ、鉄也と純一の台詞はゼロです。

 何度も言うが、メンバーを安易に5人に増やしたのは失敗だったといわざるを得ない。

 タイムリミットが迫る中、後ろにミクを乗せてバイクを走らせる丈の目の前にトンネルが見えてくるが、その間にガッシュが立ちはだかり、いきなり発砲してくる。

 ……

 いや、ミクはこれから未来に戻ろうとしてるんだから、邪魔しなくてもいいのでは?

 あと、1988年のミク(3才)を殺せば、18才のミクも消滅すると思うので、子供のほうを狙うのもありだったかとも思う。

 ともあれ、その衝撃で二人の体はバイクから投げ出され、さらにガッシュのビーム攻撃を受けて吹っ飛ぶが、

 
 こういうシーンになってもちっとも楽しくないので、是非途中でライダースーツは脱いで欲しかったというのが、全日本パンチラ協会および、全日本尻フェチ連盟、共通の願いなのです。

 
 ミク「はっ……」

 
 その際、最初に出て来た赤い靴の片方が燃えてしまい、どうしても靴の片方が見付からなかった原因が判明する。

 ま、それこそ、「子供の頃、赤い靴が見付からなかった」→「リーゼントに慰められた」→「成長してリーゼントに会いに未来からやってくる」→「そのせいで赤い靴が燃えてしまう」と言うように、どちらが原因でどちらが結果なのか分からなくなる、いわゆるタイムパラドックスが生じちゃうんだけどね。

 と、そこへ他の仲間が救援に駆けつけたので、丈は急いでミクをバイクに乗せ、ろくに言葉を交わす余裕もなく、彼女を消えかかっているタイムトンネルに突っ込ませる。

 ミク「さよならーっ!!」

 ミクがタイムトンネルの中に吸い込まれた直後、タイムトンネルそのものが消える。

 ……

 今回の最大の矛盾点は、2時間もの間、タイムトンネルが堂々と存在していたのに、ミク以外に、過去と未来を行き来した人間が一人もいないと言うことだろう。

 現に、タイムトンネルが消えた直後、丈の後ろから、フツーに数台の車が走ってくるのが見えるから、交通量もそこそこあるらしく、本来なら、かなりの人間が知らず知らずのうちにタイムスリップさせられてる筈なんだけどね。

 ま、ある意味、ミクの口から未来のことが漏れるという最悪の事態は防げたのだから、作戦はこれで終わっていい筈なのだが、スポンサーの手前、撤収させるわけにも行かず、このままなし崩しにラス殺陣&巨大ロボバトルに移行する。

 
 その後、バイクで無事自宅前に戻って来たミクだが、何と言うか、子供が自分の体に合わない自転車にまたがってるようで、実に可愛らしい。

 岡谷さんがバイクに乗れたのかどうかは不明だが、少なくとも劇中、バイクを運転していたのがスタントだったのは間違いあるまい。

 その後、思い出の赤い靴とブローチを眺めるミクであったが、ブローチの花弁がひとつ取れていた。

 ミク「丈にもらったブローチはトンネルの前に落としてきたけど……」

 
 ここで、セピア色の画面の中、丈が、3才のミクにあのブローチをつけてやっているシーンが映し出される。

 つまり、あのブローチは18才のミクが落としたものを丈が拾って、3才のミクにプレゼントしたものだったのである。

 うーん、分かりにくいなぁ。

 あと、この時の丈が、相手がミクだと知ってつけてやっているのか、その辺がはっきりしないのも、いまひとつ感動できない原因となっている。

 
 ミク「丈、やっぱり丈なんだ!!」

 ついで、過去の記憶が蘇ったのか、あるいは、ブローチの花弁が欠けていた事実によるものか、やっとリーゼントのお兄さんが丈であったことに気付くミクであったが、遅えよっ!!

 以上、やりたいことは分かるのだが、短い尺の中にあまりに色んなエピソードを突っ込んでしまったため、消化不良気味になってしまったのが惜しい作品であった。

 これなら同じ岡谷さんがゲスト出演した「マスクマン」の40話のほうが、遥かに分かりやすく、また感動的であった。
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コメント

今回のビアス

普段の冷静沈着な←そんなことありましたっけ?(19話のノート投げシーンを思い出しながら)

回を進めていくと、ビアスの短気ぶりに笑えます。イカリヅノー回でめぐみをバカにしたくせにwww

41話では、もっと取り乱したビアスが見られます。レビュー楽しみにしてますね!

タイムマシン

何故ビアスはタイムマシンという(ある意味に置いて)論争の種になるものを開発してしまったのでしょうか?しかもそれが活かされないのも残念でしたね😖

問4.武装頭脳軍ボルトの設立年を答えよ(2003センター試験世界史Aより)

ビアスの最終目的を考えると自分が生まれる前に死んだ過去の天才の頭脳を狙っていた可能性がありますね、過去に行けるのはオブラーが実証済みですし

マゼンダは「15年後の未来がボルトの物になっていないのではないか」という疑問を抱いており結局答えは得られませんでしたが、冷静になって考えれば未来がボルトの物ではない事には気づきそうな物ですけどね
だってボルトが世界征服成功してたらミクが「その恰好ってボルトのドクターアシュラ?」とか「嘘!本物のドクターマゼンダ?」みたいな反応してない訳が無いですもの、ライブマンに勝って世界征服したなら(たとえその過程で自分達が戦死したとしても)世界史の教科書に写真付きで載らない訳が無いんですから

余談ですが2003年10月19日の『爆竜戦隊アバレンジャー』では木星の軌道が変わって地球に衝突しようとしていたのですが、もうどうにもならないのでパニックを防ぐ為観測センターの所長の判断で市民には公表されなかったので一般市民は事件自体を知りませんでした
公表されてたらまず真っ先にこの話をしたんじゃないかと思うので公表されてなくて良かったなあマゼンダは、という話

2003年に行くと

2003年にボルトが行くと、どんな事を起こすと想いますか?
お茶の水博士(天馬博士)から設計図を奪ってアトムヅノー、ウランヅノー、コバルトヅノーを作る
変身ベルトを持って来てケンプはファイズ、アシュラはカイザ、マゼンダはデルタ、ビアスはオーガに変身する
バック・トゥ・ザ・フューチャー2みたいに未来のスポーツ年鑑持って来て競馬でボロ儲けして新メカや頭脳獣の製作費にする

1988→2003→2022

作中の未来(みく)と同世代の者です(4歳→19歳→現在38歳)。このエピソードがビデオテープに残っており、放送終了後も何度も見返した思い出深い作品です。2003年すら20年近く前になってしまった事実に悲嘆に暮れています。

丈以外の4人に驚くほど存在感がありません。主演以外のメンバーにここまで出番がないのも珍しいのではないでしょうか。根拠のない想像ですが、脚本自体は3人体制を前提に執筆されていたのかも知れません(だから鉄也と純一に台詞がない)。

マゼンダとケンプのやり取りにも時間が割かれていますが、ビアスへの不信を抱くマゼンダとそれを否定するケンプという構図はこの後の展開を決定づけることになります。今回のタイムマシン事件の影響は大きく、ボルトは崩壊への第一歩を踏み出しました。中盤の大したことのない一エピソードに見えて、実は終盤への伏線が張られ始めた転換点となる一作でした。

マゼンダ弱体化のはじまり

マゼンダのやる気のない態度が目立つ回でした。
マゼンダは忠誠心も最低ランクではないかと思います。マゼンダとケンプのライバル関係はマゼンダの一方的なものでケンプはマゼンダをあまり意識していないのではと思ってしまいますね。

過ぎ去った未来…。

これは未見でしたけど、何か勿体無い展開ですねぇ…「夏への扉」みたいなちょいとロマンチックな話かと思ったんですが…また未来で逢いましょうって感じで…。

Re: 今回のビアス

そう言えばだんだん感情的になってますね。

まあ、あれだけ負け続ければ虫の居所も悪くなるでしょう。

ちなみに下書きでは、マゼンダとケンプの前にビアスがあらわれたシーンで、

 ビアス(ちょっと、なに、この変な空気? ひょっとして、私の悪口言ってたんじゃないでしょうねぇ~っ?)

 何故かおネエ言葉で不安になるビアス様であったが、嘘である。

と言うギャグを書いてましたが、面白くないので公開時にカットしました。

Re: タイムマシン

さすがにタイムマシンはやり過ぎですよね。

Re: 問4.武装頭脳軍ボルトの設立年を答えよ(2003センター試験世界史Aより)

> ビアスの最終目的を考えると自分が生まれる前に死んだ過去の天才の頭脳を狙っていた可能性がありますね、過去に行けるのはオブラーが実証済みですし

自分はなんとなく未来にしか行けないタイムマシンかと思ってましたが……

> だってボルトが世界征服成功してたらミクが「その恰好ってボルトのドクターアシュラ?」とか「嘘!本物のドクターマゼンダ?」みたいな反応してない訳が無いですもの、ライブマンに勝って世界征服したなら(たとえその過程で自分達が戦死したとしても)世界史の教科書に写真付きで載らない訳が無いんですから

確かに……ただ、過去と違って未来は自分たちの行動で変わる可能性があるから、なんとも言えない気もします。

> 余談ですが2003年10月19日の『爆竜戦隊アバレンジャー』では木星の軌道が変わって地球に衝突しようとしていたのですが、もうどうにもならないのでパニックを防ぐ為観測センターの所長の判断で市民には公表されなかったので一般市民は事件自体を知りませんでした
> 公表されてたらまず真っ先にこの話をしたんじゃないかと思うので公表されてなくて良かったなあマゼンダは、という話

そうなんですか。面白い偶然ですね。

Re: 2003年に行くと

考えたらタイムマシン作ってる時点で、2003年のテクノロジーなんて軽く凌駕しているような気もします……

Re: 1988→2003→2022

> 作中の未来(みく)と同世代の者です(4歳→19歳→現在38歳)。このエピソードがビデオテープに残っており、放送終了後も何度も見返した思い出深い作品です。2003年すら20年近く前になってしまった事実に悲嘆に暮れています。

同世代だと、感慨深いものがあるでしょうね。

> 丈以外の4人に驚くほど存在感がありません。主演以外のメンバーにここまで出番がないのも珍しいのではないでしょうか。根拠のない想像ですが、脚本自体は3人体制を前提に執筆されていたのかも知れません(だから鉄也と純一に台詞がない)。

まあ、丈ひとりいれば済む話ですけどね。

> マゼンダとケンプのやり取りにも時間が割かれていますが、ビアスへの不信を抱くマゼンダとそれを否定するケンプという構図はこの後の展開を決定づけることになります。今回のタイムマシン事件の影響は大きく、ボルトは崩壊への第一歩を踏み出しました。中盤の大したことのない一エピソードに見えて、実は終盤への伏線が張られ始めた転換点となる一作でした。

この辺の描写は大人のドラマみたいで見応えがあります。

Re: マゼンダ弱体化のはじまり

確かに、ケンプと比べるとやる気が感じられませんね。

Re: 過ぎ去った未来…。

なんか惜しい作品でしたね。

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