CM後、恒例の「首領Lの部屋」のコーナー。

L「毒さそり、有能な殺し屋を育てているそうだな」
毒さそり「ははーっ、山浦京介と言う天才的な運動神経を持った小僧、上手く育て上げれば世界一の殺し屋になること間違いありません」
L「ふふんっ、父親殺しの濡れ衣を着せてやったというのはその小僧か、ははははは、さすが悪の大組織ダッカーの一員だ。楽しみにしておるぞ」
何か良いこと(註1)でもあったのか、珍しく声を荒げず、上機嫌のまま会見を終えるLだった。
註1……田舎の母ちゃんから仕送りがあったとか。
その後、例によって人々に白い目で見られた京介が、怒り狂って住民を追い掛け回していると、早川が立ちはだかる。
早川「京介くん、やめるんだ」
早川、京介を中学校のグラウンドに連れて行く。

早川「君の学校だ、どうだ、昔のようにもう一度思いっきり活躍してみようと思わんか、え?」
京介「……」
美枝子から聞いたのだろう、かつてスポーツ万能の選手として女生徒の憧れの的だった頃のことを思い出させる。
回想シーンの中で、京介は野球にサッカー、陸上と、節操がないくらい色んな種目で活躍していたが、そんなのはどうでも良くて、

我々が注目すべきは、京介に声援を送っている美枝子を含む6人の女の子のみ。
……
現実なんてこんなもんだ。

美枝子「京介くーんっ!!」
あと、カメラが少し寄ったカットで、美枝子の後ろの女生徒が、「よくやるわねえ」とばかりに、美枝子と京介のアツアツぶりにあてられたように、目を上に動かすのが気になるが、単なる偶然だろう。
早川「どうなんだい、京介くん」
回想シーンが終わるのを待って尋ねると、京介は早川の前に立ってその胸倉を掴み、

京介「うるせえっ、元に戻りたくたって、世間がそうはさせねえんだよっ」
早川、あらぶる京介の肩に優しく手を置くと、
早川「何でも世間のせいにするんじゃない。負けているのは君自身だ」
京介「……」
早川「一度でも戦ったか、世間に君の無実を分かってもらうように努力したか?」
京介「お前なんかに何が分かるんだよぉ」
早川「努力もしない癖にえらそうなことを言うんじゃない!!」
反抗する京介を、強い口調で叱り付ける早川。
凡百の熱血教師(例・滝沢)なら、勢いに任せて京介をぶん殴っているところだが、
京介「戦ってやらあ!!」
早川「どうした、それだけかっ?」
京介「野郎、戦ってやるーっ!!」
早川は逆に、京介の怒りのパンチを自分の体で受け止め、その鬱憤を吐き出させる。
早川には分かっていたのである。京介が周囲に撒き散らしている怒りや苛立ちは、他ならぬ京介自身に向けられたものであることを……
また、早川の目には、不器用ゆえにもがき傷付く姿が、若き日の自分のように見えたのだろう。
京介「ちくしょう、ちくしょう、ちくしょうっ!!」
京介、親に反発する駄々っ子のように、早川に何度もパンチを叩き込んでいたが、

遂には、早川の足に縋り付いて、幼子のように泣きじゃくるのだった。
早川「京介くん、そのファイトだ」
早川、京介の頭をいとおしそうに撫でてやる。
教師でもない主人公が、不良少年を拳も使わずに立ち直らせるという、ヒーロー番組=教育番組として捉えていた宮内さん的には、ひとつの理想のようなシーンではなかっただろうか。
翌日、京介がとある喫茶店に入ってくる。
店には美枝子が先に来ていて、

美枝子「あ、ここよ」
京介「俺に話ってなんだい?」
美枝子「あたしは京介君の手紙を見たからここに……」
京介「え、俺、手紙なんか……あっ!!」
怪訝な顔をする京介であったが、その瞬間、いきなり後頭部を何者かに殴られ、昏倒する。

美枝子「あっ!! あーっ!!」
さらに、美枝子が何者かに何発も銃弾を撃ち込まれるという、ショッキングなシーン。
だが、管理人、ここで、前回と同じく、素晴らしいお宝に巡り合う。

美枝子が倒れ込んだ際、ミニスカの奥に真っ白なパンツが照り輝いてるのに気付いたのである!!
管理人、なんでこんな明々白々なパンチラを見逃していたのか、自分の迂闊さに呆れる……と思ったら、昔の記事でもちゃんと貼ってました。
そりゃそうだよな、いくらキャプ歴が短いといって、こんな分かりやすいチラを見逃す筈がない。
ただ、このチラのことを今回リテイクするまでまったく覚えていなかったのは事実なので、自分的には新発見と言っても良いだろう。
それはさておき、犯人は京介の手にピストルを握らせて立ち去る。
京介、すぐに目を覚まして起き上がるが、そこにどやどやと住民が飛び込んできて、

住民「人殺しだーっ」
住民「また京介が……」
京介「違う、お父さんの時と同じだ、俺は誰かに殴られて……」
だから、「お父さん」はやめてぇええええっ!!
ここでも、
住民「ぷーっ!!」
住民「お父さんだってーっ!!」
と、住民に笑われやしないかとハラハラするではないか。
ま、そんな些事はともあれ、状況は前回の時とまったく同じで、住民たちは今度こそ京介をふんづかまえて警察に突き出そうとする。
しかし、仮にも銃を持ってる人間に、良く突撃できるな、あんたら……
と、そこに割って入ったのが早川で、

早川「待ってください、皆さん、待って下さい、これはさそり組の罠です」
だが、興奮状態にある住民たちは耳を貸さず、
住民「人殺しの味方をすんのかーっ」
住民「そうじゃ、この男は京介とグルなんじゃ」
早川「皆さん、聞いてください、美枝子さんは大丈夫なんですよ」
何か言いかけた早川の後頭部を、後ろにいたじじいがフライパンみたいなものでぶん殴る。

続いて、川原に場所を移し、無抵抗の早川をよってたかって住民がリンチにするという、アナーキーなシーンとなる。
つーか、京介じゃなくて早川をリンチするって、趣旨が違ってないか?
早川「待って下さい、美枝子ちゃんは、美枝子さんは撃たれていません」
住民「でたらめ言うなーっ!!」
早川、必死になって釈明しようとするが、集団ヒステリー状態にある彼らの耳には届かない。
と、そこへ、死んだ筈の美枝子が駆けつけ、

美枝子「待って下さい、私、だいじょぶです、こんなこともあるんじゃないかって早川さんから防弾チョッキを着るよう言われてたんです」
自らシャツの胸元をガバッと開き、その下から、ブラジャー型防弾チョッキが出て来たら嬉しかったのだが、出て来たのは、黒い、デニム生地のような防弾チョッキだった。
それを見て、やっと住民たちの狂騒が収まる。
美枝子はすぐ胸元を掻き合わせ、

美枝子「私、撃たれたショックが強くて気を失ってしまって……でも撃たれる前に見たんです、京介君を殴って私を撃ったのは毒さそりでした!!」
しかし、予知能力者じゃあるまいし、いくら早川でもこんなことまで予測できるだろうか?
ひょっとしたら、美枝子から京介からの手紙を見せられ、薄々さそり組の罠だと知りつつ、相手に尻尾を出させるためにあえて美枝子を行かせたのだろうか?
だとしたら辻褄は合うが、たとえ防弾チョッキをつけていても、頭を撃ち抜かれれば終わりなので、もしそうなっていたらどう責任を取るつもりだったのだろう?
ま、「ズバット」に限らず、この手のシーンを見ると、いつも思うことだけどね。
美枝子の勇気ある証言にホッとする早川だったが、そこへその毒さそり一味があらわれ、

住民の中にいた、白髪頭の老人がカツラを脱ぎ捨て、

隠し持っていたピストルを早川に突きつける。
そう、住民の中にさそり組の人間が紛れ込んでいたのである。
……
突きつけてないでさっさと撃とうよ~。
案の定、隙を突かれて早川に腕を取られ、せっかくのチャンスをフイにしてしまう。
なお、シナリオでは、住民に化けた複数のさそり組の人間がいて、みんなを煽動して早川を襲わせ、それを一部の住民がやめさせようとするシーンがあったらしいのだが、映像ではひとりだけ、それも、別に住民を煽り立てることもしないので、あまり意味のない存在になってしまっている。

さそり組員「うわああああーっ」
毒さそり「撃てーっ!!」
男の体を放して反対側に走り出した早川であったが、さそり組に撃たれてあえなく川に転落。
いつも思うんだけど、早川、がっつり撃たれてるのになんで死なないの?
自分も防弾チョッキを着ていたのだろうか?
あと、俳優が必死になって演技している後ろを、一般人がフツーに通行するのは是非やめていただきたい。
毒さそり、美枝子を含む住民たちを近くのガス貯蔵所に連れて行き、タンクの下に縛り付け、
さらにダイナマイトを仕掛ける。
当然、京介はやめさせようとするが、毒さそりは京介をぶちのめすと、ついでに美枝子にも暴行を加え、

毒さそり「この娘を人質にして殺すと脅せば、京介のやつも殺し屋の勉強をするようになるだろう。二人を車に放り込め」
毒さそりの命を受け、戦闘員のひとりが美枝子の体を肩に担ぐのだが、ここは是非、スカートの中がしっかり見えるようにこちら向きに抱き上げて欲しかった。
毒さそりは、容赦なくダイナマイトの導火線に火をつける。

住民「助けてーっ!!」
刻々と迫り来る「死」を目玉が飛び出すほどに凝視し、骨が砕けんばかりに身をよじらせて恐怖の悲鳴を上げる住民たち。
ちびっ子向け特撮とは思えない、ハードな処刑シーンである。
だが、毒さそりが立ち去りかけたそのとき、例によって例のごとく、大空をズバッカーが飛んでくる。ズバット、飛び降りて導火線の火を消し、住民たちを解放する。

空き地に逃げ込んだ毒さそりたちの前にあらわれ、ムチで京介、ついで美枝子の体を縛り、

自分のところに引っ張り上げる。
この美枝子だが、スタントなのか、谷川さん本人なのか、良く分からない。
多分、本人だと思うのだが……
さて、こうなればもう書くことはない。
いつものように名乗りを上げ、毒さそりの罪状を数え上げてからラス殺陣となり、事件解決。
京介「早川さーん!!」
美枝子「早川さーん!!」
京介「俺、早川さんに負けない男になって見せるからね~っ!!」
ラスト、夕陽の中に去って行く早川の背中に、二人が大声で呼びかけて終了。
以上、殺人の汚名を着せられて屈折した少年と、少年の潔白を信じ、ひたむきな愛を捧げる少女、そんな二人を支え守る早川の姿を描いた、青春ドラマのような趣のある佳作であった。
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