1984年の名作「瀬戸内少年野球団」の10年後を描いた続篇で、「瀬戸内ムーンライト・セレナーデ」(未見)とあわせて瀬戸内三部作と呼ばれているらしい。
「瀬戸内~」は、戦犯の父ととともに瀬戸内の小島にやってきた少女(佐倉しおり)と、少年たちとの交流を描いたものだが、その10年後、青年に成長した二人の少年が島を離れて上京する。(だから設定は1950年代後半か)

優等生タイプの壮介をトシちゃんが、ワルガキタイプの二郎を黒崎輝がそれぞれ好演している。彼らは、東京へ行ったら10年間会っていないあの少女を探して再会しようと誓う。

こちらが「瀬戸内少年野球団」の美少女。
ところで、この作品での美少女の名前はナギ(菜木)と言うのだが、壮介にしても1作目の「瀬戸内~」とはそれぞれ登場人物名が違っているのはどうしてだろうと混乱してしまう。同じなのは二郎くらいか。厳密には別の物語と言うことなのかなぁ?
んで、一年後、二郎はボクサー目指して地道に頑張っていたが、トシちゃんは昼まっから下宿にセ フレを連れ込んだりして自堕落に大学生をやっていた。冒頭から長時間おっぱいが揺れてます。
そこへ二郎がやってきてナギの行方に関する手掛かりを教える。彼女が出没すると言うバーに行ってみるが、ケーシー高峰がいるだけで、ナギには会えない。
その間、色々と細かいエピソードがあるのだが、どうでもいいのであまりちゃんと見てない。

ただ、管理人の好きな高沢順子さんがチラッと出てるのが目を惹く。
他に、若かりし佐藤浩市とかも出てます。
で、開始から50分近くしてから、漸くナギと再会するトシちゃんだった。

はい、鷲尾いさ子さんですぅ。パチパチパチ(思わず拍手)
なんか80年代後半~90年代前半のアイドル女優って、彼女や牧瀬里穂さんのようにいかにも育ちが良さそうで、清楚な感じの人が多い気がする。
それにしてもこの作品での鷲尾さんの美しさは異様です。作品そのものはあまり好きじゃないけどね。
彼女は戦犯の父を処刑されてから、母親や兄と暮らしてきたが、彼らの刹那的な生き方に嫌気が差し、女優になろうなどと考えていた。

再会を喜ぶ二人、だが、
ナギ「壮介くん、今夜あたし泊まるところがない……壮介くん、あなたにあげるつもりでした。ずっと」
壮介「えっ?」
ナギ「わたし処女です」 と、言われた時点で、トシちゃんはこれが現実ではなく自分の身勝手な妄想だと気付くべきだった。
だが、トシちゃんは気付かないのでそのまま二人でベッドインする、はずだったが、下宿には二郎もいるので、三人川の字になって悶々としながら過ごすのであった。

二郎もまじえて、歌を歌いながら線路を歩くシーンはとても清々しい。

浴衣姿の鷲尾さんがとてもカワイイのである。

雨に打たれながらトシちゃんと話すシーンも印象的だ。
ナギ「あたしには女優かメカケか娼婦になるしかないんです! ……いくらなの? この街の女の人、いくらで買うの? 答えて!」
トシちゃん「……600円」
ナギ「600円……あたしが黒いシミーズを着て一晩600円だったらどうする?」
トシちゃん「バカなことをいうな」
ナギ「あたしが600円だったら壮介も二郎も毎晩来てくれる! 二郎は最高や最高やって抱いてくれる……壮介は、壮介くんは何もしないで帰ってく、ね、そうでしょ?」
トシちゃん「往来で何を言うとるんだお前は」
(註・管理人の創作です) えー、で、ナギは金持ちだか映画監督だか、よく分からないのだが、とにかく映画における悪玉、原田大二郎や寺田農と結婚させられそうなのだった。要するに、借金まみれの実家の犠牲になると言う感じだろうか。この辺もよく見てないので分からないけど。

そこへ現れたトシちゃん。ナギを連れて行こうとするが、金持ち連中には相手にされない。

ナギはそこで「私、壮介くんと寝ました! (大二郎「なんですってーっ」) 彼と寝たわ、何度も何度も」と過激な発言をぶちかますのだった。
なんか、みんなでよってたかって鷲尾いさ子にセクハラする映画に見えてきた。
なお、画面には入ってないが、このシーンで右端に座っている女給は、「宇宙刑事ギャバン」のマリーン役の名代杏子さんじゃないかと思う。名代さんが出演しているのは確かである。

他に、太陽族(笑)と付き合ってる女子大生を篠山葉子さんが演じていて、太陽族(笑)に拉致されたナギを助けに来てフクロにされた壮介を助けに来て(ややこしい)、太陽族(笑)のリーダーに殴られて鼻血を出しつつ、かっこいいタンカを切ってます。
そして最後、いよいよ原田大二郎か誰かと結婚させられそうになったナギは、逃げ出して壮介のところへやってくる。
壮介は、ナギを連れてあの故郷の島へ行くのだった。

ちなみにその途中の列車の中で、壮介と目が合う女の子は間下このみ(たぶん)。

二人は昔を思い出して砂浜を駆け回ったりする。若いっていいなぁ(黙れジジイ)。
んで、とある民宿にて、花嫁衣裳を着て壮介を待っていたナギは、遂に壮介と結ばれるのであった。いや~ん。
さすがに鷲尾さん、バックヌードを見せたりトシちゃんと裸で抱き合ったりしてますが、おっぱいは出してません。
そして三日三晩、ふたりはヤリまくるのでありました。
ラストは、まあ、いかにも阿久悠らしい(?)シビアなもので、見終わってから微妙に凹んでしまう。どうせ映画なんだからさ、夢物語みたいな結末でいいんじゃないの? と思うのだが……。それに、あの結末、悲劇のようでいて、実は身勝手な男の願望が描かれているようにも見えた。つまり、セ フレは欲しいが、嫁は要らない、と言うこと。
こういう話って個人的には苦手なのだが、青春残酷映画としてはかなりしっかりしてるし、なにより鷲尾さんの美しさは必見であります。トシちゃん、鷲尾、黒崎の主役三人の若さ溢れるひたむきな演技も素晴らしい。

おまけにもう一枚貼っておく。
なお、実は鷲尾いさ子はあの美少女が成長した姿ではなく、全くの別人ではないかと言う説もある。
それによれば、ほんものは80年代後半、

何を勘違いしたのか、全国の中学校を支配する全中裏の総帥ひばり様になったという……。
おしまい。