第14話「白羽の矢 涙の別れ」(1977年5月4日)
舞台は、山間の町・中原町。

赤耳「あーりがたやー、ありがたやー」
神主のような恰好をした白髪白髯の老人が、御幣(註1)をふりまわし、祝詞を唱えながら、山伏たちの担ぐ神輿の露払いをしている。
神輿には由緒ありげな鍍金仏が鎮座していたが、ただの虚仮脅しであろう。
註1……プラスティック製の箒の柄に、ビニールテープをくっつけたようにも見えるが、目の錯覚である。

戦々恐々とその行列を眺めている見物人の中に、今回のヒロイン、美登の姿があった。
演じるのは、時代劇の娘役をやらせれば天下一品のマリマリこと遠藤真理子さん。
奇怪な一行は、群集の前で立ち止まると、
赤耳「みなのもの、ようく承れ、狒々大権現様は今月はこの町に目をつけられた。ご希望を叶えて差し上げれば、みなのものには数多い幸せが降るであろう」
おごそかに宣言し、山伏たちと一緒に「ありがたやー」を連呼する。
それを受けて、

オサム「あれ、なんですか」
美登「ヤクザです」 たまたま通り合わせたオサムの質問に、美登が身も蓋もない即答を返すのが、かなりの爆笑ポイントとなっております。
みどり「ヤクザ?」
美登「自分では狒々大権現と言う神様のお使いだなんて言ってるけど、ほんとは赤耳一家と言うヤクザなんです」
赤耳「狒々大権現様は今月も美しい娘を侍女に欲しいと申しておられる、その娘は誰か? あーれ、狒々大権現様のお告げがあるぞ……えやーっ!!」
赤耳が気合とともに御幣を宙に向けると、なんと、空から忽然と三本の矢が降ってきて、

美登のまわりに、鉄格子のように突き刺さる。
この後、みどりさんが「なんで私じゃないのよっ!!」と、不満タラタラだったとか……
美登「はっ」
赤耳「おお、狒々大権現様は千島美登をお望みであるか。お怒りに触れぬうちにお社まで連れて行かねばならん」
赤耳、何故か美登のことをフルネームで知っていたが、無論、あらかじめ彼女に狙いをつけていたとすれば、不思議でもなんでもない。
要するに、今回の話、後に早川が言うように、岩見重太郎の狒々退治のパロディなのである。
そう言えば、この翌年の「コセイドン」でもやってたな。
赤耳たちは即座に美登をお持ち帰りしようとするが、無論、美登は激しく抵抗し、その彼氏である繁樹も止めに入るが、二人とも河原に連れて行かれ、見せしめのために制裁を加えられそうになるが、

赤耳「何者だ」
早川「狒々退治に来た岩見重太郎」
赤耳「なんだとぉ」
早川「ふふふふ……と言いたいところだがねえ、悪い狒々野郎相手なら、退治してやってもいいぜ」
赤耳「貴様ぁああっ」
例によって例のごとく、ギターを掻き鳴らしながら早川が背を向けて登場。
しかし、「狒々野郎」では意味が分かりにくいので、「狒々親爺」(スケベオヤジのこと)のほうが良かったかな、と。
山伏たちが仕込み杖を手に取り囲むが、

早川「チチチチチッ、ザコには用はねえや」
仕込み杖を奪うと、文字通り、あっという間に片付けてしまう。

そして刀を赤耳の首に押し当て、
早川「どうした、何とか言ってみろ、狒々は吠えんのか、ワンとかニャンとか言ってみろ」
赤耳「にゃあお……わんっ!!」
早川に凄まれて、ほんとに動物の鳴き真似をする、お茶目な赤耳さん。
歴代ボスの、最短やられ記録樹立かと思われたが、
赤耳「甚十郎~っ!!」
切羽詰って用心棒に助けを求めると、何処からか五寸釘が飛んでくる。
早川、それを杖で受けると、
早川「おいでなすったな、カーペンター甚十郎」
見れば、三度笠に引き回し合羽の、わかりやすい侠客姿をした男が立っていた。

甚十郎「ふふふふ、この俺様を知ってるのか」
早川「かなり有名ですからね、赤耳一家の用心棒・殺し屋カーペンターの甚十郎、ただし、大工の腕は日本じゃあ二番目だ」
甚十郎「なんだと、俺様以外に日本一がいるというのか」
甚十郎を演じるのは、毎度お馴染み、カジケンこと加地健太郎さん。

早川「フヒューッ、チッチッチッ……」
早川、口笛を拭き、舌を鳴らすと、五寸釘で帽子のつばを持ち上げ、自分の鼻を叩いてみせる。
いいよね、この嬉しそうな顔……
宮内さん、この仕事(役)が好きで好きでたまらなかったんだろうなぁ。
つーか、早川、はっきり「大工の腕」って言っちゃてるよ!!
もう、殺しの技とか関係ねえじゃんっ!!
あと、大工の腕が日本で一番か二番なら、用心棒なんかしないで普通に大工の仕事すれば良いのに……
ともあれ、もう一度、廃工場のようなところに場所を移して、珍芸対決となる。
甚十郎「見てな」
早川「……」
甚十郎の言葉に「お手並み拝見しましょう」とでも言うように、鷹揚に頷いてみせる早川。
甚十郎「たぁーっ!!」
甚十郎、奇声を発すると、鳶口とノコギリを自在に操って、材木を目にも留まらぬ速さで加工していき、それを物凄いスピードで組み上げて、人が寝られる、高さのあるベッドのような奇妙な台を作り上げる。
このシーン、あえて画像は貼らないが、甚十郎がコマネズミのように一生懸命仕事する様子がめちゃくちゃ笑えるので、是非実際の映像で確認して頂きたい。
赤耳は、部下に命じて美登をその台の上に寝かせるのだが、

美登「いや、はなしてっ」
ここは是非、カメラは美登の足元のほうから撮って欲しかった。

嫌がる美登を台に拘束する山伏たち。
カジケン、遠藤さんのパンツ見たのかなぁ……
甚十郎「面白くなるのはこれからだぜっ!!」
もう十分面白かったのだが、エンタメに貪欲な甚ちゃんはさらに戸板のようなものに、何本も五寸釘を打ち付け、
甚十郎「どぅあーっ!!」
それを思いっきり放り投げる。

で、戸板は、釘を下向きにして、台の上部の枠にセットされ、シーソーのように、ぐらんぐらんと揺れ動く。
つまり、開放式の「鉄の処女」が出来上がった訳である。
甚十郎、自分の道具を早川に投げ渡し、
甚十郎「俺と同じ道具を使ってやってみな、ただし、この台にほんの少しでも何かが触れると、すぐにこの釘だらけの板が落ちる仕掛けになってるぞ」
早川、怯む色もなく材木の前に立つと、甚十郎と同じように人間離れした動きで木材を加工し、

台の四隅に、板を支える為の支柱を立てる。
その上で、鳶口を投げつけ、美登の手足を拘束していた金具を外し、ついでに台の脚を外し、美登が台から降りやすくする。

美登「ああっ」
喜びのあまり、勢い良く立ち上がる美登さんでしたが、この後、釘が思いっきり脳天に突き刺さったそうです。
皆さんも、釘つきベッドで寝るときは、くれぐれも注意しましょう。
嘘はさておき、

甚十郎「うわっ、ああーっ!!」
早川は美登と繁樹を保護すると、甚十郎に木材をぶつけ、美登の代わりに台に寝かせ、ついでに支柱を外し、甚十郎を自分の作った仕掛けでさんざん怖がらせる。
いいなぁ、カジケン、どんな仕事も全力投球で……
早川「チチチ、おおっと、少しでも動いてみな、髪の毛一本の重さでも掛ける(欠ける?)と、すぐにそいつがおっこてっくるぜ」
甚十郎「あ、ああ、助けてくれ~っ」
さっきまでの威厳は何処へやら、恥も外聞もなく、仲間に助けを求める甚ちゃん。
まだ序盤なのに、ボスと用心棒の威信がともに地の底まで落ちてしまう、トホホな「悪の組織」であった。
その後、みんなが町役場で善後策を協議している(?)と、またしても白羽の矢が飛んできて、窓ガラスを突き破る。
それには矢文と一緒に発煙筒のようなものが結び付けられていて、爆発が起き、一瞬、部屋の中が白くなるが、あまり意味がないような……
ともあれ、早川は矢文の文面を読み上げる。

早川「本日午後三時、いつものツヅラに美登を入れ、ワシの社に捧げるべし、この命令に背く時は祟りとして子供三十人がガス爆発で死ぬであろう……ヒヒ大権現……おのれぇ」
しかし、ドラマを見る限り、この町が標的になったのは今回が初めてっぽいのに、「いつものツヅラ」と言うのは、ちょっと変じゃないか?
部外者の早川が怒りを燃やしていると、

住民「狒々大権現の祟りですよ、早川さん、あんたさえあんなことをしなければ」
住民「早く町から出てってくれませんか」
早川に協力するどころか、早川を疫病神扱いして糾弾する。
しかし、迷信深い江戸時代の人じゃあるまいし、町民が「狒々大権現の祟り」とやらを本気で信じてるっぽいのは、いくらなんでも不自然であろう。
赤耳一家の仕業だと承知の上だとしても、誰ひとり警察に訴えようとしないのは変である。
この町だけじゃなく、近隣一帯でも似たようなことをしているらしいのに、警察がまったく乗り出さないというのもね……
だが、そこにいるのは自分の安全のことしか頭にない腐れ外道たちばかりではなく、
繁樹「なんて言い方をするんだ、早川さんは、美登さんを助けてくれたんじゃないか……みんなは町さえ無事に済めば美登さんはどうなっても構わないって言うのか」
繁樹のように早川の味方をするものもいた。
言い忘れていたが、繁樹を演じるのは「ジャンボーグA」の立花直樹さん。
繁樹は、美登に逃亡を促すが、

美登「いいえ、私、行きます!!」
美登はキッと目を上げて決意を語ると、町役場から出て行こうとする。

繁樹「美登さん!!」
美登「私ひとりのことで皆さんが殺されずに済むのなら」
繁樹「なんてことを言うんだよ、肝心の君がそんなことを言い出したら……」
美登、繁樹の手を振り切って、その場から飛び出す。
繁樹は必死に追いかけ、

繁樹「美登さん、待ってくれ!!」
美登「私できないの、三十人が殺されるのを分かっていながら、それでもイヤだなんて言えないのよ」
真面目で心優しい美登、涙をふるって自分の気持ちを訴える。
繁樹「イヤなことは、イヤだって言えば良いんだよ、美登、君だけが犠牲になることはないんだよっ!!」
美登「でも、でも……」
繁樹「逃げよう、俺と一緒に逃げようよ!!」
清い涙を溢れさせる美登に、繁樹が「駆け落ち」を持ち掛ける。
この辺も、とんと時代劇の展開だなぁ。

美登「……」
頬を濡らしながら、繁樹の顔を見詰める美登。
繁樹「好きだったんだ、ずっと前から」
美登「あたしも……」
繁樹から愛の告白をされ、少し恥ずかしそうに俯き、つぶやく美登。
繁樹「ほんとかい?」
美登「でも、もう遅いわ、遅いのよ」
繁樹「遅くはないよ、逃げよう、一緒に、行こう」
繁樹、半ば強引に美登を連れ去ろうとするが、そこに甚十郎があらわれる。
甚十郎「そうはいかんぜ、ご両人」
甚十郎、五寸釘を投げて、繁樹の服を木の幹に文字通り釘付けにする。

甚十郎「小僧、ではお前たちのためにこの町の子供が三十人も犠牲になっても良いと言うのか?」
割りとついさっき、二人の前であんなみっともない姿を晒した人とは思えない堂々とした態度で、得手勝手なことをほざく甚ちゃん。
並の精神力ではない。
甚十郎「お前が、ニ度とその生意気な口を利けないようにしてやる」
釘を手に迫る甚十郎に、美登が思わず駆け寄り、

美登「待って、私、逃げたりしませんから、この人には手を出さないで」
甚十郎「そうはいかんぜっ」
若い女性、それもこんな可愛い女の子に抱きつかれた甚十郎であったが、惜しげもなくその体を突き飛ばす。
……
侠(おとこ)である、これこそ真の侠(おとこ)である!!
それにしても、マリマリは可愛い。
食べちゃいたいほどに可愛い。

なので、予告編の同じシーンの、微妙に違う画像を貼っておこう。
もう、この口の形とか、犯罪誘発レベルの可愛らしさである。
そこへ早川があらわれ、甚十郎も懲りずに勝負しようとするが、ちょうどそこへパトカーのサイレンが聞こえて来たので、甚十郎は忌々しそうに……ほんとはラッキーと思いながら引き下がる。
早川「後のことは俺に任せて、二人で早く」
繁樹「ありがとう、早川さん、美登さん、逃げよう」
美登「待って、お母さんに一言別れを、だからニの橋のたもとで一時に、それまで待ってて」
繁樹「分かった」
くぅ~、駆け落ちする前に「お母さんに会いたい」って、めちゃくちゃイイ子やん!!
二人と別れたあと、早川は自分から覆面パトカーに近付いて東条に話し掛ける。

早川「お、どうだった」
東条「まるで話にならん、町の人は口裏合わせて、そんな事件は聞いたことがないと言い張るんだ」
早川「なるほど、思ったとおりだ」
東条「俺たちも今全力を尽くしているが、狒々大権現が赤耳一家の仕業で美しい娘たちを集めてどこかに売り飛ばす目的であることは間違いない」
早川「うん……」
早川が歩き出したのを見て、東条が慌てて止める。
東条「待て、早川、まさか赤耳一家にひとりで?」
早川「ふっふふ、赤耳一家ほどの組織力じゃ、いくら俺でも歯が立たん、そんな無茶はせんよ」
まるで恋人のように早川の身を案じる東条であったが、早川はそう約束して安心させる。
が、案の定、次のシーンではひとりで赤耳一家に乗り込んでいる図となる。
この辺、いかにも早川らしいor長坂さんらしい流れだが、正直、東条が早川のことを気遣うほどに、赤耳一家が強大な組織に見えないのが難点である。
つーか、前述のように、ボスと用心棒の体たらくを見ると、むしろ今までの組織の中で最弱の部類に入るんじゃないかと思えるんだよね。
それはそれとして、早川、赤耳一家の本部に白羽の矢を打ち出すカタパルトのようなものがあるのを見て、
早川「読めたぜ、狒々大権現の正体は、赤耳、貴様だと言う証拠を、つまり!! そいつは甚十郎に作らせた白羽の矢を飛ばすからくり」
しかし、証拠も何も、存在する筈のない狒々大権現のメッセンジャーをつとめてる時点で、こいつらが黒幕だってことは分かりきっているので、今更と言う感じがしなくもない。
ところが、赤耳は既に美登の母親を人質にしており、早川は無抵抗で袋叩きにされる。
ちなみに次の15話で、敵の本拠地に乗り込んだ早川が、駒太夫の母親が人質にされているので抵抗できずにボコボコにされると言う似たようなシーンが続くのは、いささか芸がない。
CM後、赤耳がLに報告している。
L「そうか、あのこうるさい早川めが、毒蜘蛛の餌食になったか」
赤耳「は、これで美少女の密輸出はどんどん進めることができます。外国の金持ちの有り金を全部ふんだくってご覧に入れましょう」
L「赤耳、さすが悪の大組織ダッカーの一員だ、早川が片付いたとなればあとの邪魔者はズバットだけだ」
赤耳はそう報告しているのだが、「毒蜘蛛の餌食」と言うのが具体的にどんな状態を示しているのか、最後までわからない。
それにしても、ちびっ子向け特撮で、日本人女性を、性奴隷として海外の狒々オヤジに売り飛ばして外貨を稼ごうなどと言う生臭い作戦が行われるのは、これが唯一無二だろうなぁ。
さて、繁樹は約束どおり「ニの橋」のたもとで美登の来るのを待っていたが、約束の時間になってもなかなかあらわれない。
それもその筈、

美登は、白無垢の衣装に身を包み、町役場から、狒々大権現の社に向かって出発しようとしているところだったのである。
ただでさえ可愛いマリマリがこういう格好すると、ほとんど凶器である。

美登「繁樹さん、許して……」
目に大粒の涙をためながら、繁樹に詫びる美登。
そう、美登は自宅に戻って母親が拉致されたことを知り、泣く泣く繁樹との約束を保護にして、母親を助ける為、自ら生贄になる道を選んだのである。
うう、ほんと親孝行なええ子やわぁ~。
色々あって、紋付袴で正装した数人の町民が美登の入ったツヅラを担ぎ、おごそかに狒々大権現の社まで運ぶ。
町民がいなくなると同時に、赤い般若の面を被った男と、山伏たちがあらわれる。
般若の正体は赤耳だった。
分かりきったことだが、狒々大権現とは他ならぬ赤耳自身のことだったのである。

赤耳「開けろ」
山伏たちが蓋を取ろうとすると、繁樹が息せき切って駆けつける。
ツヅラが運び出されるのを見たみどりたちが、ニの橋で待っていた繁樹に教えたのである。
……みどりさんたち、なんで待ち合わせの場所知ってたの?
ま、それはともかく、
繁樹「待て、赤耳、美登さんに手出しはさせないぞ」
果敢に敵の中に突っ込む繁樹であったが、あえなくぶちのめされる。
赤耳「娘を出せ」
山伏たちが、改めて蓋を開けるが、
早川「ふふふふ、多くの人々の為、貴様が二度と悪事を働けんようにしてやろうか」
赤耳「貴様、誰だっ」

早川「ご覧の通り、俺が身代わりに来た。美登さんは無事なところに隠してあるぜ」
岩見重太郎よろしく、ツヅラの中から出て来たのは、美登ではなく白い着流し姿も粋な早川だった。
まぁ、こういうのは、一種のパターンなのでやるなとは言わないが、早川がどうやって赤耳のアジトから逃げ出したのか、いつ何処で、美登と入れ替わったのか、何の説明も伏線もないのはいただけない。
また、番組の流れとしては、このまま一気に決着を付けたほうが良いと思うのだが、早川が大立ち回りの末、

早川「あ゛あ゛ーっ!!」
敵の投げる手榴弾の爆発で吹っ飛び、ここでズバットに変身して、名乗り~ラス殺陣となるので、なんつーか、二度手間のような感じがするんだよね。
まあ、早川さん、着流し姿でチャンバラしたくて辛抱たまらんかったのだろうが、ここはひとつ我慢して、ツヅラの中から出た時点でズバットに変身しておくべきだったと思う。
あと、今回の変身パターンでは、早川がズバットに変身したのは明らかなのに、
赤耳「何者だ?」
と、聞くのがかなり間抜けに聞こえる。
それと、糾弾台詞の中で、
ズバット「若い娘を次々と誘拐して売り飛ばし、あまつさえ多くの人々をあやめた」
と、あるのだが、誘拐はともかく、赤耳さんたち、人殺しなんかしてましたっけ?(註2)
たぶん、娘を差し出さなかった町に対する報復として、矢文に書かれていたように無差別殺人を行っていたのだろうが、だったら、それこそとっくの昔に警察が大々的な捜査をしてないとおかしいんだけどね。
ついでに、早川の台詞では、既に海外に売り飛ばされちゃった娘さんたちがいるようで、めっちゃ後味が悪い。
註2……シナリオでは、別の町の人間を祟りに見せかけて
120人殺したことになっている。
ともあれ、ここからラス殺陣となり、甚ちゃんと赤耳を成敗して事件解決。
ラスト、美登と繁樹はあの橋の上で感動の再会を果たす。
だが、キスだのなんだのという艶っぽいオチにはならず、

住民「繁樹、ズバットはどうした」
住民「ズバットさんは俺たちの命の恩人だ。町を救ってくれた、みんなでお礼を言わなきゃならないんだ。どこにいる」
繁樹「それが……ズバットさんは……」
一同「ズバットさーん!!」
そこに不粋にも押しかけてきた住民たちがズバットのことを繁樹に尋ね、当の早川が後ろに立ってるのも知らず、みんなでズバットの名を呼ぶという、いまひとつピンと来ないクロージングとなる。
いや、ズバットの姿を見たのは繁樹だけなんだから、住民がお礼を言いたいと思う相手は、早川じゃないと絶対変だろう。
以上、美登や甚十郎など、ゲストキャラクターは魅力的だが、ストーリー自体はいまひとつの惜しい作品であった。
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