「仮面ライダーＶ3」を21世紀の今だからこそ楽しむ 第35話

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　第35話「キバ男爵 最後の変身」

　タイトルから分かるように、色んな楽しい思い出を提供してくれた僕らのキバ男爵も、これで見納めである。登場して5話目だけど。

　さて、ライダー隊本部へデストロンの脱走者と言う男が電話で助けを求めてくる。彼はデストロンの秘密作戦について情報を持っているらしい。

　だが、怪人に襲われて泡になり、志郎が駆けつけた時は、鍵がひとつ落ちているだけであった。

　

　それを拾った志郎に、吸血マンモスと言う怪人が襲い掛かる。長い鼻で首を絞められ、志郎は変身できない。

　

　と、意外にも今までいるだけだったケン（川島健）が背後から現れて、吸血マンモスの後頭部を思いっきりどつく。

　志郎は助けて貰っておきながら「ケン、お前じゃ無理だ」と言い、鍵を渡して逃げるように指示する。

　

　ケンはその通りにするが、戦闘員に阻まれる。

　普段は、ラオウに拳一発で吹っ飛ばされるオートバイ軍団のようにひたすら仮面ライダーにやられるだけの戦闘員だが、日頃の恨みを晴らすのは今だとばかりにケンをフクロ叩きにするのだった。

　もっとも、夢中になって殴ってる間に、志郎に変身されて結局、鍵を奪われてしまうのだった。鍵はとあるコインロッカーの鍵で、中には三枚のおっさんの写真が入っていた。

　これは、デストロンが襲おうとしている人物なのだが、そもそも誰が、一体、何のためにそんなところにそんな写真を入れておいたのだろう？

　

　写真を持ち帰って話し合う志郎たち。

　写真の三人は、宮本経済長官、中田科学局長、宮本長官（総監？）と言うトップ官僚なのだが、何故かここでは、最後の宮本長官の名前は出てこない。しかも、経済長官と同じ苗字と言うのがなんか変である。

　

　最近すっかり影が薄くなってきたので、特に意味はないが、純子さんの画像を貼っておく。

　一方、キバ男爵は今度の作戦について自信満々に首領に説明していた。

　

　キバ男爵「日本を動かす政治、経済、文化の重要人物をさらってデストロンの言うとおりに改造する日本頭脳改造作戦！」

　

　大首領「ワシが言うのもなんだけど、やめといたほうがいいんじゃないか、その作戦」（註・言ってません）

　実際は、大首領はゴーサインを出すのだが、日本って、そんな三人の官僚によって動かされているのか？　ほんとだとしたら、かなり情けない話だ。与党の党首とかだったら分かるんだけどね。

　ちなみにキバ一族は、もう彼一人しか残ってないそうです。つまりキバ男爵（吸血マンモス）を含めて5人しかいなかったわけで、実は絶滅危惧種だったんだね。合掌。

　
　彼らの計画を阻止しようとするV3。相変わらず、走行中の車にしがみついたりと、むちゃなことをする宮内洋さんでした。

　
　宮本経済長官を誘拐しようとした吸血マンモスの車に乗り込んだV3は、車ごと谷へ落とされる。V3を殺したと喜ぶ吸血マンモス。

　

　が、背後から現れたV3が、吸血マンモスを蹴落とすのだった。仮にも正義のヒーローなのに。

　だが、デストロンはその間に、残る二人をまんまと誘拐し、脳改造手術を行おうとしていたのに、そこで首領が「三人揃ってから手術しようや」と余計なことを言い出したため、彼らは残る宮本経済長官を改めて誘拐するが、それは志郎が変装していたのだった。

　

　（いろいろあって）牢獄の中で、鉄棒に足でぶらさがり、逆様の状態で変身する志郎。これも当然、宮内洋氏本人が演じているのだ。

　しかし、なんで牢獄に鉄棒があったのだろう？　それは人類永遠の謎である。

　

　計画を粉砕されたキバ男爵は、遂に吸血マンモスに変身し、V3と一騎打ちするが、特に見せ場もないまま倒される。

　最後の台詞も、「はーはー、ひーひー（肩で息をしている）、キバ一族、遂に滅ぶ、キバ一族の火よ、消えよ」と言う、情けないもので、

　

　ついでに爆破までしょっぱかった。仮にも大幹部なんだから、もっと派手に行こうぜ。

　（ちなみに今知ったのだが、キバ男爵役の郷えい（金ヘンに英）治さんって、宍戸錠の弟だったのか！しかも奥さんは、ちあきなおみ。凄いなぁ。）

　そして、ドクトルＧがやられたときと全く同じに、大首領の声が空に響く。

　「ライダーＶ3ぃぃぃ、聞け！　キバ一族は滅びた。だがキバ一族以上に凶悪なる集団がやがてお前の前に姿を見せる。その名はツバサ大僧正が率いるツバサ軍団！」

　そして、ツバサ軍団とツバサ大僧正のイメージが映し出される。

　新たな強敵の出現に、身を引き締める志郎であった。





　ちなみに、ツバサ軍団も5話で滅ぼされます。合掌。