第9話「霧のウラン鉱争奪戦」(1973年8月29日)
冒頭、豊かな緑に囲まれた渓流が映し出される。

清水が優しく岩を噛む音が心地よい。
川の中の石の上にはトンボがとまり、周りからはカッコーの声がのんびりと聞こえてくる。
このまま一幅の絵になりそうな穏やかで美しい風景であったが、

その河原では、若いキャンパーの大量殺人事件の実況見分と言う、およそ周囲の景色にそぐわない殺伐とした作業が、熊野警部の指揮のもとに行われていた。
と、川に架かる橋の上に真理と大作があらわれ、
真理「警部、熊野警部ーっ!!」
熊野「何しに来た」
大作「へへ、地獄耳なんでね」
熊野「検証中だ、取材はさせんぞ」
二人は普段は通信社で働いているのである。
大作「そんな薄情なこと言わないでくださいよ」
熊野「甘ったれんな!!」
だが、熊野警部は今回に限って妙によそよそしく、部下から報告を受けるとさっさとひとりで別の現場に行ってしまう。
大作「警部ーっ!!」
大作が慌てて追いかけようとするが、

真理「いいじゃない、ほっときなさいよ!!」
大作「むう……」
熊野警部に邪険にされて、むくれている真理が可愛いのである!!
実際、何故熊野警部がSSIの介入を拒むのか、いまひとつ分からない。
おそらく、自分ひとりで事件を解決しようとしているのだろうが、それにしてもいつもの磊落な態度との落差が大きい。
それはともかく、熊野がやってきたのは同じくキャンパーたちの死体が転がっている凄惨な現場で、熊野は被害者の一人が握っていた「森田」と書かれた鉱山労働者と思われる名札を見付け、その持ち主を調べるよう部下に命じる。
と、再び真理たちがあらわれ、
真理「警部!!」
熊野「しつこいな、あいつら……おい、あの二人を頼むよ」
忌々しそうにつぶやくと、熊野は逃げるようにその場を離れる。

真理「ね、警部、教えてくださいよ」
大作「ちょっと待ってくださいよ」
警官「警部は多忙ですから取材は後にしてください」
いやぁ、良いですなぁ、真理の、半ズボンに白いソックスと言う、小学生みたいな恰好!!
熊野警部の態度に不審を感じた真理は、ともかく無線でSSIに報告する。

真理「希望ヶ原でハイカーの連続殺人事件発生、ただ今取材中です」
ボス「希望ヶ原?」
哲也「殺しなら担当が違うぜ」
ボス「待て、希望ヶ原では目下ウラン鉱の採掘が行われてるんだ」
大作「どうも自転車刑事の動きがおかしいんですよ」
ボス「よし、おれたちもすぐ行く」
その後、熊野が自転車で橋を渡って行くのを、たまたま大助たちが目撃する。

大助「あ、自転車刑事」
八郎「こんなところに何しにきたんだろうな?」 お前が言うな。 のちに、ここが伊豆半島の真ん中にある湯ヶ島だと分かるのだが、子供だけで東京からこんなところまでサイクリングに来るって、めちゃくちゃ不自然だろう。
それはそれとして、子役の女の子まで足を丸出しにしてくれるのが大変喜ばしい。

ちなみに今回のロケ地では、タイトルにあるように実に良い感じで霧が出て、なんともいえない幻想的な雰囲気を醸し出している。
熊野は周囲に人がいないのを確認すると、自転車を担いで岩の中に入り、しばらくして、分かりやすいヒッピーのような、要するに、あっと驚く為五郎みたいな恰好で出てくる。
ちょうどそこに大助たちがやってくるが、ドラマのお約束として、三人はそれが熊野だとは全然気付かない。

大助「おじさん、白い自転車に乗った変なおじさん通らなかった?」
熊野「知らないの……こと、そんなこと」
熊野は叫ぶように答えると、さらに奥へと進んでいく。
ヨシ子はだんだん心細くなって引き返そうと言うが、大助はなおも構わずペダルを踏む。
だが、霧の中から不気味な笑い声がしたかと思うと、背後に鉄面党のメカロボの姿が見えたので、三人は自転車を捨てて逃げ出す。
熊野もさすがに見捨てておけず、三人の前に出てきて正体を明かし、三人を逃してからメカロボたちと戦う。
三人はちょうど現地にやってきたSSIと会い、熊野のことを知らせる。
ボスは大作に三人を安全なところまで送るよう命じて、先に進むが、

真理「熊野警部!!」
ボス「気をつけろ、メカロボだぞ」
駆けつけたときには戦闘は終わっており、熊野警部の姿はなく、メカロボたちの死体が転がっているだけだった。
しかし、いくらなんでも熊野、強過ぎないか?
何か特殊なアイテムを使ったとかならともかく、剣一本で5人のメカロボを倒すなど、人間業ではない。
ともあれ、熊野はヒッピースタイルのまま同じような家が建ち並ぶ炭鉱の町にやってくるが、最初に目にした作業員の胸に名札がないのを見て、

熊野「いや、どうも、ちょっとうかがいますが、もしやあなたは森田さんでは?」
作業員「俺が森田だが?」
熊野「殺人容疑で逮捕する」
いきなりその男に手錠を掛けようとするが、名前だけで容疑者扱いはさすがに乱暴だろう。
しかも、相手がツルハシと言う物騒なものをもっていると言うのに、銃も使わずに逮捕しようなど、向こう見ずにもほどがある。
それでも、ここでもアクション俳優のように鮮やかに男の体を投げ飛ばす熊野であったが、

熊野「立て!! ……いや、お騒がせしましたね」
気付けば、似たような恰好の作業員が自分を取り囲むように立っていた。
熊野「むっ? あんた森田さん? あんたも森田さん?」
ところが、良く見れば、その作業員たちはことごとく胸に「森田」と書かれた名札をつけているではないか。
混乱してその場に座り込んだところをあえなく捕まってしまう熊野であった。
無論、彼らは全員メカロボで、この炭鉱はすでに鉄面党の支配下に置かれていたのである。
で、熊野を殺す絶好の機会なのに、例によって例のごとく、彼らは熊野を殺さず、炭鉱の中に縛り付けるだけなのだった。
一応、SSIをおびき寄せる人質と言うことなのだろうが、とりあえず殺しましょうよ、とりあえず。
どうせ熊野が生きていようがいまいが、SSIは来るんだから。
また、それとは別に、鉄面党がキャンパーたちを皆殺しにした理由が分からない。
炭鉱をすでに支配下に入れているのなら、無理に離れた場所にいるキャンパーを殺して当局の関心を引くことはあるまい。
彼らの目的はあくまでウラン鉱の奪取なのだから、SSIをおびき寄せる必要もない筈だからね。
ともあれ、鉄面党の指揮官は、SSIの接近を知ると、ベスビオスYと言う戦闘ロボットで迎え撃つ。

ボス「イタリアのベスビオスだ、退避!!」
ボスは建物の陰に隠れるよう指示すると、健にレッドバロンで応戦させる。
今回は、異常なほどアクション&ロボットアクションシーンが長く、健がここでレッドバロンに乗り込むと、エピローグまでずーっとレッドバロンの中にいることになる。
CM後、真理たちにもメカロボが襲い掛かり、長丁場のアクションシーンとなる。
無論、我々(誰?)の関心は真理だけである。
なお、後半の伝説のスカートめくりに気を取られて見過ごしていたが、

ここにも、かなり偶発度の高いパンチラが潜んでいたことに今回のレビューで気付き、すみやかに管理人のパンチラコレクションに追加したことを報告しておきたい。
それにしても今回のロボットアクションシーン、いくらなんでも長過ぎる。
ベスビオスは大して強くもない敵なのに、健がわざとエレクトリッガーを使わずに戦いを長引かせているように見えてしまう。
一方、哲也と大作は先行して坑道の中に入り、縛り付けられている熊野警部を発見する。
前述したように、せっかく熊野を捕まえながら、みすみす逃がしているようにしか見えない。
せめて、熊野警部の周りに罠でも仕掛けるくらいのことはして欲しかった。
二人が熊野のいましめを解いていると、ボスと真理もやってくる。

熊野「やあ、すまん、みなさんお揃いでお出迎え、かたじけない、感謝感激雨あられ」
哲也「警部、冗談言ってる場合じゃないですよ」
ボス「長居は無用だ、行くぞ」
鉄面党、ここでさっさと坑道を爆破してしまえば、労せずしてSSIを生き埋めにすることが出来たのではあるまいか。
わざわざ人目につくような殺人事件を起こしたり、熊野を簡単に敵に渡したり、どうにも今回の鉄面党はやることなすこと全てにピントが外れている。
と、トロッコに乗って数人のメカロボがあらわれ、

メカロボ「一緒に死んでもらおう」
点火したダイナマイトのついたトロッコをこちらに向けて走らせる。
だが、ボスがナイフを投げて導火線を切ったので、爆発は未然に防がれる。
外では延々とレッドバロンとベスビオスのバトルが続いていたが、そんなのはどうでも良く、ここでいよいよ、あの伝説のシーンが降臨する。

真理、メカロボの振り回す鎌状の剣を、壁に背中をくっつけるようにしてかわし、

その軌道から逃れようと奥に進みかけるが、

ここで、剣の先が、フックのようにミニスカの裾に引っ掛かり、
真理「あ゛あ゛ーっ!!」 そのまま豪快にめくりあげる!!
その持ち上げ方に躊躇がなくて、何というか、白桃の皮をつるんと一気に剥くような爽快感がある。

そして、牧さんが、こんなシーンがあるのを知りながら、逃げずにいつもの白いパンツを履いて演じておられるのが素晴らしく、一瞬だが、パンツからはみ出る尻肉の皺までくっきりはっきり見えると言う、キャプ職人冥利に尽きる最高のシーンとなっている。
もっとも、これをパンチラと呼ぶのはためらいがある。
パンチラと言うのは単にパンツが見えれば良いのではなく、本来見えない筈の、否、見えてはいけない筈の布地が見えてしまう、ハプニング性こそが必要不可欠な要素なので、そう言う意味ではさっきの控え目なパンチラのほうが、パンチラとしてのグレードは上である。
つーか、これって、撮影の名を借りた、
ただのセクハラじゃないのかと……
それはともかく、このシーンの価値を弥が上にも高めているのが、

真理「あんっ!!」
慌ててスカートを下ろそうと手を伸ばす、真理タンの女の子らしい恥じらいの仕草であることは論を俟たない。
さらに、

真理「えいっ!!」
憎むべき女性の敵にして、頼もしきキャプ職人の味方である、セクハラ系メカロボへの、怒りの報復……と見せかけて、実は、泥棒に追い銭のような、パンチラキックのおまけつき。
……
最高です!!!! もう、何も言うことはありません。
日本の特撮ヒロインを語る上で欠かせない、実に価値ある4秒間であった。
その後、レッドバロンが漸くベスビオスを倒す。
この神シーンの後では、だから何? って感じですね。

真理たちも、メカロボを殲滅して「湯ヶ島坑」と書いてある穴から出て来る。
男「死ね、SSI」
指揮官の男は、そのトンネルの上に立っていたが、ナイフを取り出してロープを切ろうとする。
これ、具体的に何をしたかったのか不明だが、おそらくロープを切って何かを落とし、それでSSIを押し潰そうとしたのだろう。
うーん、仮にも指揮官なんだから、せめてダイナマイトくらい投げて欲しかったところだ。
ボス「逃げろ!!」
危険を察してSSIがその場から急速離脱しようとするが、
男「うおおおーっ!!」
男がロープを切るより先に、レッドバロンのバロンパンチが飛んできて、

坑道の入り口ごと男を吹っ飛ばすと言う、大人気ない方法で殺すのだった。
結局、デビラーはウラン鉱が欲しかったのか、レッドバロンやSSIを倒したかったのか、はっきりしないままその計画は頓挫し、湯ヶ島は平和を取り戻すのだった。
しかし、坑道で働いていた本物の作業員やその家族はどうなってしまったのか、何の説明もないのは物足りない。
さて、嬉しいことに、戦いの後にもうひとつのお楽しみが用意されていた。
壁に「浄連荘温泉プール」とでかでかと書かれた温水プールでの、子供たちも交えたレクリエーションタイムである。

子役の女の子が、特撮の作法にのっとって、ちゃんとビキニを着ているのがえらい。
しかも、このままアイドルになれそうなくらいにスタイルが良いんだよね、この子。

と言う訳で、全国の孤高の真性ロリコン戦士の皆さんのために、もう一枚彼女の画像をペタペタ貼ってあげる心優しい管理人でした。
ただ、肝心の真理が、

ほとんど1950年代の人みたいな、野暮ったい、露出度の極端に低いセパレートなのが、七代末まで祟りたいくらいに悔しいです!!
パンツはあんなに気軽に見せてくれたのに、ビキニを見せ惜しむと言うのは解せないが、これが女心と言う奴だろうか。
健「ボス、今度の事件のお陰でこんなに楽しい遊びが出来てよかったですね」
ボス「ああ、まったくだ」
あと、健の、顔に似合わずバキバキに鍛えられた体が、なんとはなしに笑いを誘うのだった。
しかし、冒頭でたくさんの若者が殺されていることを思えば、「今度の事件のお陰で」なんて、気軽に言えないと思うのだが……

ラスト、きっちりタイアップ先の施設の名前を画面に映しながら、終わりです。
以上、出だしは妙に神秘的なムードが漂うが、メカロボが出現してからは、ひたすら戦いが続くだけで、ドラマ性皆無のエピソードであった。
真理のスカートめくりがなければ、スルーしていた可能性大である。
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