第42話「ビアス宇宙からの挑戦」(1989年12月17日)
前回のラスト、突然ぶっ倒れてしまったビアスに、腹心のガッシュが慌てて駆け寄るところからスタート。

ガッシュ「ビアス様!!」
ビアス「だいじょうぶ、ただの貧血だから……」 ガッシュ(女子かっ!!) じゃなくて、
ビアス「ガッシュ、ヅノールームへ急げ、誰も来ぬうちに……」
息も絶え絶えにガッシュに命じると、その肩に縋りながら、とある壁の前までやってくる。
ビームを放ってヅノールームに続く秘密の入り口を開くと、
ビアス「ガッシュ、誰も近づけてはならん」
ガッシュに見張りをさせながら、ひとり通路の中に消える。
前回、豪は道に迷って偶然ヅノールームを見付けてしまったと言っていたが、こんな方法でしか入れないヅノールームに、どうやって「偶然」辿り着くことが出来るのだろう?

ともあれ、ビアスが向かったのは、人間の大脳が納められたカプセルが円状に並んだ、不気味な広間であった。
ビアスがよろめくような足取りで進み、中央の椅子に座ると、

自動的に球体から特殊なエネルギーがビアスに注がれ、ビアスはたちまちいつもの活力を取り戻す。
ビアス「私はまだ死なん、この12個のカプセルが全て満たされた時、ギガブレインウェーブを使って、全人類を私の意のままに操ることができるのだ……あとひとつ……だが、これ以上待つことは出来ない」
ビアスの言うように、12個のカプセルのうち、1つだけ、空っぽのものがあった。
どうやらビアスの真の目的は、12個目のカプセルを埋めることであるようだった。
つまり、ケンプたちは……うーむ、想像するだに恐ろしいことである。
ビアス、自分の野望にとっての最大の障害を無力化すべく、ボンバーヅノーなる頭脳獣を呼び出し、ボタン電池のような受信機をさずけ、ライブマンのひとりに埋め込むよう命じる。
未完成のギガブレインウェーブとやらで、ライブマンのひとりを自らの支配下に置き、グラントータスを爆破させようと言うのである。
さすがビアス直属の頭脳獣だけあって、ボンバーヅノーは優秀で、

鉄也「うわっ!!」
それから僅か20秒で、バイクを走らせていた鉄也を襲って受信機をその耳に埋め込むことに成功する。

ビアス「ギガブレインウェーブ、スタート……お前は私の奴隷になるのだ」
その上で、ビアスがあのシステムを作動させ、遠く離れたヅノーベースから特殊な電波を送り、鉄也を意のままに操ろうとする。
鉄也「一体誰なんだ?」
腐っても(註・腐ってませんっ!!)ライブマンの一員である鉄也は、容易には屈しなかったが、
ビアス「奴隷になれと言ったらなるのだ!!」 ビアス様のなりふり構わぬ絶叫に、あえなく闇堕ち。
だったら、無理にグラントータスを破壊せずとも、鉄也をその場で殺すか、ヅノーベースに連れ帰って煮るなり焼くなり改造するなりすればいいのでは?
ひとりでも欠けたら、ライブマンは無力化するのだから。
ビアス「鉄也、仲間を呼ぶのだ」
鉄也「わかりました、みんな助けてくれ、事故を起こして動けないんだ」
ボンバーヅノー「おお、凄い棒読みだ」
じゃなくて、
ボンバーヅノー「おお、ギガブレインウェーブ、未完成とは言え、凄い威力だ」
と、頭脳獣も思わず嘆声を漏らすが、正直、そんなに驚くような発明でもあるまい。
直近の、ケンプの人間透明化&衣服剥ぎ取りビームのほうが、技術的にはよっぽど高度なのでは?
オブラーにいたっては、タイムスリップまでやってのけたのだから、何を今更、催眠波ごときで驚くのか?
で、普通に笑ってしまったのだが、鉄也が仲間に助けを求めたのは夜だったのに、4人が駆けつけたのは、翌日、すっかり日が昇ってからであった。
昨日のうちに出動していればこんなに時間が掛かる筈がなく、一晩ぐっすり眠ってから探し始めたとしか思えない。
ああ、鉄也……
もっとも、4人は鉄也と合流する前にギルドス、ブッチーたちに奇襲される。
グリーンサイ、攻撃を受けたショックで変身が解けてしまう。
そこへブラックバイソンが飛び込んで純一を助け、負傷した純一の治療のために、一旦グラントータスに引き揚げることになる。
ここまでは見事なほど作戦どおりの展開であった。
勇介たちが純一の手当てをしている隙に、鉄也はグラントータスの機関部に向かうが、その途中、警報装置が作動する。
鉄也の後を追ってグラントータスに侵入しようとしたボンバーヅノーに、センサーが反応したのだ。
鉄也、急いでハッチを閉めてボンバーヅノーを締め出すと、警報を切る。
当然、勇介たちが駆けつけるが、

勇介「どうしたんだ、鉄也」
鉄也「いやぁ、さっき戻った時、ハッチを閉め忘れたような気がして点検してたんだ」
めぐみ「びっくりさせないでよ、誰か侵入したと思ったでしょ」
鉄也「ごめん、俺の思い過ごしだったよ、それより純一の手当てを……」
鉄也は適当に言い繕うと、勇介たちをさりげなくハッチから遠ざける。
ハッチのセンターは、鉄也の手でいつの間にか切られていた。
その後、鉄也はボンバーヅノーをグラントータス内部に入れ、機関室まで案内する。

鉄也「あそこだ」
ボンバーヅノー「ぺたっ」
自分で擬音を発しながら、体についている爆弾を設置するボンバーヅノー。
しかし、これはビアス様にしてはいささか手ぬるいやり方だった。
グラントータスの機関部に達したのなら、ボンバーヅノー自体を巨大な爆弾として、即座に起爆させるべきだったろう。
そうすれば、そばにいる鉄也も確実に巻き添えにすることが出来るから、一石二鳥だった。
一方、純一はやっと意識を取り戻す。

めぐみ「良かったぁ」
純一「あれ、てっちゃんは?」
勇介「そう言えばあいつ……」
丈「さっきから確かに変だったぜ」
勇介と丈は、多少鉄也に興味があったのか、その様子がいつもと違うことに気付いていた。
めぐみは、全然興味がなかったので、全然気付いていなかった。
鉄也、ボンバーヅノーと手分けして、あちこちに爆弾をセットしていたが、その現場を勇介に発見される。
鉄也、迷路のような機関部を逃げ回った末、用意していた銃を仲間に向かって撃ちまくる。

コロン「あ、みんな、謎の電波よ、鉄也は誰かに操られているのよ」
と、コロンの胸元のセンサーがギガブレインウェーブをキャッチして反応する。
しかし、だとしたらもっと早い段階で気付いてないとおかしいのでは?

ビアス「鉄也、撃て」
コロン「危なぁい!!」
鉄也が再び銃を構えたのを見て、咄嗟にコロンが前に飛び出し、自らの体でビームを受けて勇介たちを守る。
鉄也はさらに奥に逃げ、狭い通路の中に入り込むと、

鉄也「動くな、動くとスイッチを押すぞ。グラントータスに仕掛けた爆弾が一斉に爆発するぞ」
リモコンの起爆スイッチをかざして、追って来た勇介たちを牽制する。
……
いや、「動くな」じゃなくて、
押そうよ!! ビアスの完全に操り人形になっているのなら、自爆しろと命じられても嬉々としてそれに従ったであろうに、なんで土壇場で、金目当てのテロリストみたいな行動に走らせるのか?
やっぱり、ビアス様、
馬鹿なのかな……
※一応、ボンバーヅノーが全ての爆弾を設置し終わるのを待っていたということらしいが、「悪の組織」って、そうやっていつも100点満点を狙うから、毎週赤点なのである。

めぐみ「やめて、鉄也!!」
純一「駄目だよ、あいつはもうてっちゃんじゃないんだ」
丈「……ってことは?」
勇介「そう、射殺しても構わないって訳だ!!」
丈「ようし、撃て、撃つんだ、撃ちまくるんだ~っ!!」
勇介「こんな機会はまたとないぜぇえええ~っ!!」
鉄也「ぎゃあああああああーっ!!」 こうして鉄也は、仲間たちの手で蜂の巣にされるのだった。
よりによって一番人望のない鉄也をターゲットにしたのがビアスの痛恨のミスであった。
じゃなくて、
丈「いや、俺たちの鉄也だ。心の奥深くまでは操られちゃいない筈だ」
勇介「鉄也、君は卓ニ兄さんを忘れたのか? 君の自慢の兄さんの卓二だ。兄さんはな、そうやって撃ち殺されてしまったんだ」
勇介は、鉄也の心に語りかけ、なんとか正気を取り戻させようとする。
勇介「卓二はな、そうやって虫けらのように命を奪われてしまったんだぞ」
めぐみ「つらいことだけど、思い出して」
こうして、ビアスの命令と、仲間たちの呼びかけの板挟みになった鉄也が激しく葛藤する、今回のハイライトシーンとなるが、
特に面白くないので割愛させて頂きます。
鉄也「オイッッッ!!!」 でも、実際、どうでもいいよね。
どうせ鉄也がスイッチを押さないことは分かりきってるんだから。
色々あって、結局スイッチを押せなかった意気地なしの鉄也の耳から、あの受信機が転げ落ちたので、やっと鉄也は正気に返る。
一方、「押せ、押せ」と、まるで熱湯風呂に臨む、今は亡き竜ちゃんの心の声のように、全力で踏ん張っていたビアスは、その反動で激しいショックを受け、またしてもぶっ倒れるが、

ほどなく起き上がったその顔は、まるで粉を吹いた干し柿のようにカサカサに干乾びていた。
そう、ビアスの正体は、
妖怪・干し柿男だったのである!!
じゃなくて、ビアスは本当は、かなりのお年寄りだったのである!!
ちなみにビアスのもうひとつのミスは、起爆スイッチを鉄也だけに持たせていたことで、ボンバーヅノーにも持たせていれば、勝利は確実だったろう。
勇介たちはハッチの前でボンバーヅノーを見付け、ライブマンに変身する。

ボンバーヅノー「こうなったら、グラントータスごと自爆してやる」
切羽詰ったボンバーヅノー、自分自身を爆弾として任務を果たそうとするが、結局、寸前でファルコンにハッチから外へ追い出され、一気に地上まで吹き飛ばされて、そこで爆死する。
この後、巨大ロボバトルを制して事件はひとまず解決する。
だが、ビアスの正体は以前不明のままであった。
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