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「スーパーロボットレッドバロン」 第13話「五大都市爆破10分前」



 第13話「五大都市爆破10分前」(1973年9月26日)

 冒頭、

 
 原野の中を通る道を、一台の乗用車が巨大なダンプカーに追いかけられながら猛スピードで走っていると言う、まるでスピルバーグの「激突」のような緊迫したシーンからスタート。

 車は八木沢と言う男が運転し、後部座席にはその妻・洋子(ひろこ)、息子・明が乗っていた。

 ダンプは単にいやがらせをしたり、追い抜こうとしているのではなく、八木沢の車の後部に体当たりまで食らわせていることから、殺意を持って追いかけているのは明らかであった。

 
 洋子「パパ!! 早く!!」
 八木沢「明をしっかりつかまえてろ!!」

 ダンプは八木沢の車の左に出ると、車の左側面に何度もその巨体をぶつけてくる。

 それでもなんとか耐え抜いた八木沢は、アスファルト道路から右手に伸びる未舗装の道へ入るが、ダンプは一切スピードを緩めずにそのまま直進して行ってしまう。

 八木沢はひとまず車を停める。

 洋子「ああ……」

 後部座席の二人は、精根尽き果てたと言う様子でシートにもたれるように座り、ひたすら荒い息をととのえている。

 が、ホッとしたのも束の間、走り去った筈のダンプカーが真正面から突っ込んでくるではないか。

 そう、追跡を諦めたと見せかけて、八木沢たちの裏を掻いたのである。

 この辺は、まるで上質のアクションorサスペンス映画を見ているような切れ味鋭い演出である。

 八木沢「逃げろ!!」

 Uターンしても間に合わないと見た八木沢、車を捨て、徒歩で逃げようとする。

 
 必死でゆるい斜面を駆け上がるが、ダンプの荷台から数人のメカロボが降りてきて、マシンガンを撃ってくる。

 70年代の特撮なら、弾が当たることもあるかなぁと思っていたら、

 
 当たるどころか、八木沢の背中にいくつもの穴が開く。

 ついで、洋子も無残に撃ち殺される。

 メカロボは死体の確認もせずに彼らの車を調べ、八木沢のカメラからフィルムを抜き出す。

 と、そこへ熊野警部が自転車で駆けつけ、傘型の銃でメカロボたちを殲滅する。

 続いてダンプカーが向かってくるが、熊野に用はないとばかりにその横を素通りしてしまう。

 熊野が二人の体を改めると、八木沢の体の下に無傷の明が横たわっていた。

 そう、八木沢は自分の体で息子の命を守ったのだ。

 明「パパ……ママーッ!!」

 サブタイトル表示後、現場にSSIがやってくるが、

 
 明「パパ……」
 ボス「八木沢……八木沢、俺だ。しっかりするんだ、八木沢!!」
 八木沢「明を頼む……」

 意外にも八木沢はボスの友人で、どう見ても即死だったと思われたが、まだかろうじて息があり、ボスにそう言い残して事切れる。

 
 真理「……」

 父親の胸に縋り付いて泣きじゃくる子供の姿に、思わず貰い泣きしそうになる心優しい真理タンでした。

 熊野はその真理の肩に手を置き、少し離れた場所へ連れて行くと、

 熊野「奥さんはほとんど即死だ」

 
 真理「どうして? 罪もない人をどうしてこんなひどい目に遭わせるの?」

 熊野の言葉に目を見開いて驚き、怒りに声を震わせる真理であったが、鉄面党の残忍なやり口は今に始まったことではないので、そんな新鮮な気持ちで怒らなくても……と言う気はする。

 そこへ健と哲也が、車のそばに落ちていた壊れたカメラを持ってくる。

 フィルムはメカロボの手でほとんど駄目にされていたが、とあるニュータウンの建物を映した一枚だけが無事だった。

 ボスはそのニュータウンへ足を運ぶが、特に怪しい気配は感じられない。

 ボス(おかしい、確かにこの場所の筈だ……)

 ボスは近くのレストランに行き、

 ボス「ちょっとお伺いしますが、この辺にこういうものありませんか」
 従業員「……」
 ボス「何処にあるか教えてほしいんです」
 従業員「知りませんね、警察行って聞いて見たらどうです」

 従業員は写真を見て明らかに動揺するが、何とか平静を装ってボスをにべもなく追い払う。

 うん? と言うことは、ボスはその写真に映っているものが、現地に来ても見付からないので首を傾げていたのか?

 ただ、その写真には特に変なものは映ってないし、映像に出てくる景色と、特に違いは見受けられないので、いささか混乱を招くシーンである。

 ボスは気付かずに言われたとおり警察署へ向かうが、従業員はすぐに電話に飛びつき、ダイヤルを回す。

 ボスが警察署の前に車を停め、中に入ろうとすると、待ってましたとばかり二人の警官が出て来て、

 
 警官「逮捕する!!」
 ボス「何の真似だ、これは?」

 問答無用でボスを殴りつけ、手錠を嵌めてしまう。

 ボスはそのまま署長の前に引っ立てられる。

 
 警官「手配中の殺人犯を逮捕いたしました」
 ボス「殺人犯? 私のSSIの大郷実と言うもんだ、身分証明書もちゃんとある」

 署長はボスの身分証に目を通すが、

 署長「間違いない、A級殺人犯だ」
 ボス「何をバカな!!」
 署長「あれを見ろ」

 署長が顎で示したほうを見ると、壁に手配書が貼ってあったが、

 
 なんとそれは、すべてSSIメンバーの顔と名前だった。

 ちなみに手配書の下に、それぞれの特徴が書いてあるが、細かくてほとんど見えない。

 大作が「浅黒い顔」とか、真理が「ショートカット」と言うのが辛うじて見えるくらいだ。

 健のところには、「ヒゲが漫画に出てくる長嶋なみに濃い」とか書いてあるのだろうか?

 それはともかく、この辺、なんかカミュの不条理小説のような展開でゾクゾクさせられる。

 署長「手錠を外してやれ」
 警官「はっ」

 署長はボスの手を自由にさせると、受話器を取り上げ、

 署長「紅健を呼び出すんだ」
 ボス「健を?」

 そんな、仲間を売るような真似は断じて出来ないボスであったが、

 
 署長「さあ」
 ボス「呼びます、全力で呼ばせていただきます!!」

 額に銃を突きつけられると、コロッと寝返るボスであったが、嘘である。

 そんな脅しに屈するボスではなかったが、そこにボスの車のトランクに隠れていた明少年が警官に見付かって連れてこられ、

 ボス「どうして来たんだ」
 明「パパやママの敵討ちがしたかったんだ」
 署長「ふふふふ」

 明を人質に取られてはやむをえず、ボスは言われるとおり健に電話する。

 ボス「健、ちょっとここまで来てくれないか」
 健「やっぱり怪しいんですね、これからみんなで乗り込みますよ」
 ボス「健ひとりで来てほしいんだ」
 健「ひとり?」
 ボス「ああ」

 健の返事を待たず、署長は電話のフックを押す。

 健はとにかくひとりで車を走らせてニュータウンへやってくるが、途中、ニセ警官に襲撃される。

 健も激しく抵抗するが、ボス同様、明を殺すと脅され、あえなく御用となる。

 鉄面党、せっかく健を捕まえのだから、その場で射殺すればいいものを、例によって例のごとく、ボスの監禁されている留置所に明ともどもぶち込む。

 署長「これでレッドバロンも恐れることはなくなった。心置きなくMM計画を実行することができる」

 健は、さりげなく制服のボタンを押しながら、

 健「おい、MM計画とはなんだ? やっぱり、アレか? 素人系のアレか?」
 署長「そうだよ、ほんとは全部仕込みだけどなーっ!!」
 健「なんだとぉおおおっ!!」

 どうやら健、アレに出てくるOLやスチュワーデスが、全員本物だと思い込んでいたらしい。

 じゃなくて、

 健「おい、MM計画とはなんだ?」

 ダメモトで聞いてみると、

 
 署長「ふっ、我々は明朝6時を期して、東京、名古屋、大阪、九州、北海道を爆撃し、一挙にロボット帝国を打ち立てるつもりだ」
 健(教えてくれるんだ……)

 「悪の組織」は、意外と親切な人が多いってほんとだなぁと感心する健であったが、嘘である。

 イイ人が多いのはほんとだけどね。

 現に今、ヒーローならとっくの昔に殺している敵を、こうやって生かしておいてあげてるんだから、イイ人と言わずになんと言う?

 ボス「明朝6時? 五大都市を攻撃?」
 
 ボスはことさら大きな声で繰り返すが、これは、健が密かに作動させている通信機を通して、SSIの仲間に彼らの作戦を伝えるためである。

 が、お人好しの署長は全く怪しまず、

 
 署長「お前たちの命もそのときに消える」
 ボス「この子だけでも助けてやってくれ」
 署長「駄目だ、はっはっはっはっはっ」

 ボスの頼みをすげなく断ると、哄笑しつつ去って行く。

 ちなみに五大都市なのに九州と北海道と言う地域名が入っているのは、福岡と札幌だとちびっ子にわかりにくいからと言う配慮かなぁ?

 と、鉄格子の嵌まった窓の外を、マッキンレーV6と言うロボットが作業しているのが見えた。

 ボス「八木沢はあれを撮ったから殺されたんだ」

 と言うので、あの写真をもう一度チェックして見たが、やっぱりロボットらしきものは映ってない。

 その分は、メカロボに駄目にされたフィルムにあったのだろうが、そうするとまた、ボスが一体何を探していたのか、分からなくなってしまう。

 健の狙い通り、その声はSSI本部のメカでしっかり録音されていた。

 
 哲也「問題はMM計画をどうするかだ」
 大作「あ、レッドバロンがいるじゃないか、ほら」

 哲也が難しい顔でつぶやくと、大作がこともなげに言って、ケースに入ったブレスレットを取り出して見せる。

 熊野「あ、それは紅君のブレスレット?」
 大作「健はね、こういう事態を予想してニセモノ持ってったんですよ」
 熊野「さーすが紅君、良い勘しとるなぁ」

 と、熊野は健の先見を褒めるが、それは人のイイ署長がすぐに殺されないでいてくれるから成立することであって、もし問答無用でぶっ殺されていたらただのアホである。

 それに、健が行動中に敵がロボットで別の場所を攻撃してきたら、レッドバロンを出動させることができなくなるではないか。

 まあ、それ以前に問題なのは、ボスが鉄面党の仕業と知りながら、ひとりで調査をしていたことや、ボスに言われたからって、健をノコノコひとりで行かせた、SSIの不用心さなんだけどね。

 繰り返すが、彼らが愚か者の烙印を押されずに済んでいるのは、ひとえに、捕まえた敵を即座に殺そうとしない署長の寛大さによるものだということを忘れてはいけない。

 翌朝、署長は約束どおり、三人を処刑しようとするが、

 
 例によって例のごとく、ニュータウンの造成地の丘に立てた柱に三人を縛り付けて銃殺するという、七面倒臭い方法が採られる。

 ほんと「悪の組織」と言うのは、人類と同じく、過去の失敗から学ぼうとしないんだなぁ……

 それでも、

 デビラー「おはよう、SSIの諸君、お前たちを今朝まで生かしておいたのは人類が滅び、鉄面党が勝利を収める瞬間を見てもらいたかったからだ。お前たちは大いに悔しがり、歯軋りしながら死んでいくのだ。MM計画、作戦開始!!」

 スピーカーからデビラーの声が聞こえ、彼が、恨み重なる健たちに自分たちの勝利を見せつけたいので今まで殺さずにおいたと言う言い訳がされている。

 要するに、敵に「ざまーみろ」と言ってやりたいと言う、極めて幼稚なメンタリティーの発露だった訳である。

 ま、幼稚でなければ、ロボットによる世界征服などと言う恥ずかしい野望は、なかなか実行に移せませんけどね。

 
 それはともかく、健たちの目の前で、ニュータウンの団地が地面ごとスライドし、

 
 その下から、巨大なミサイル発射台と、その後部に鎮座しているマッキンレーV6がせり出してくる。

 つまり、ここから各都市に向けて弾道ミサイルを撃ち込もうという作戦なのである。

 これなら、資材運搬用の車両が頻繁に出入りしても、ニュータウン建設を隠れ蓑に出来るというなかなか優れた着想であった。

 ただ、東京から九州、北海道まで届くほどのミサイルがあるのなら、別に何処から発射したって構わない訳で、だったら、自分たちの海底基地で作って、そこから撃てば良いのではないかという気がしなくもないが、「悪の組織」と言うのは、かまってくれる相手がいなければ決して悪事を働かない、親の気を引く為にいたずらをする幼児のようなメンタリティーの持ち主なのである。

 署長は、健から奪ったブレスレットをニセモノとも知らずに銃で破壊すると、部下に射撃を命じる。

 ……いや、鉄面党が勝利するところを見せ付けてから殺すんじゃなかったの?

 まだ、ミサイルも発射していない段階で殺したらあかんやろ。

 ともあれ、案の定、直前で真理たちが救援に駆けつけ、署長たちを皆殺しにする。

 管理人、特撮を見てると、悪よりも、ヒーローの方が残虐だと思えることがしばしばあるのだが、これもその一例である。

 健は熊野警部から本物のブレスレットを受け取り、レッドバロンを出撃させ、マッキンレーV6と戦う。

 一方、SSIメンバーは地下基地に侵入、爆弾を仕掛けて爆破し、レッドバロンに頭部を破壊されてコントロールを狂ったマッキンレーV6も自らその中に突っ込んで爆死する。

 ボス「八木沢、鉄面党ミサイル基地は全滅したよ、協力感謝する、ありがとう、明君はだいじょぶだ」

 八木沢の写真に向かって語りかけるボスであったが、結局、八木沢が何者で、二人がどういう関係だったのか、最後まで何の説明もなかったのは物足りない。

 

 
 健「明くーん!!」

 ラスト、レッドバロンから降りた健がカメラに向かって走ってくるのだが、いつもながら、見事な合成である。

 以上、滑り出しのハードでサスペンスフルな演出は素晴らしく、大いに期待できたのだが、中盤以降の盛り上がりが今ひとつだったのが惜しい力作であった。

 ボスが警察に捕まるという異常事態が起きても、相手の正体がすぐ鉄面党だとバレちゃうから、見ててもあまりスリルがないんだよね。

 あと、八木沢の子供が可愛い女の子だったらなぁ……

 この作品、特撮、シナリオ、デザイン、音楽、アクション、キャストと、どれをとっても申し分ないのだが、ただひとつ、ロリロリ美少女子役&美人女優の登場頻度が低いのが遺憾である。
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コメント

というかレッドバロンが来ない予定なら何の為に出て来たんだマッキンレーV6

以前どっかの掲示板で「道端にMM号が停まっていたので見物してたら後日発売された作品で彼氏という事にされてた」というレスがあったのを思い出しました

折角町一つ占拠して住民や警察官とも入れ替わっているんだから、ボスを捕らえるよりも「一応こちらでも聞き込みをしておきます」とか言って捜査活動をしているように見せかけておいた方が上手くいったんじゃないだろうか、後一晩稼げばいいんだし
マッキンレーV6は陽動の為に朝5時半位に茨城行って原発でも襲っておけばレッドバロンはそっちにかかりきりになる、というかよっぽど「5大都市爆破10分前」になったのでは(後10分で敵ロボットを倒してミサイル基地まで辿り着けるか?という感じで)

毎度毎度

毎度毎度の事ですが、せっかくボスと健を捕獲して置きながら何故直ぐに始末しなかったのでしょうか?人質の明少年もいたのに尚更ですね😅

Re: というかレッドバロンが来ない予定なら何の為に出て来たんだマッキンレーV6

> 以前どっかの掲示板で「道端にMM号が停まっていたので見物してたら後日発売された作品で彼氏という事にされてた」というレスがあったのを思い出しました

笑えますね。

> 折角町一つ占拠して住民や警察官とも入れ替わっているんだから、ボスを捕らえるよりも「一応こちらでも聞き込みをしておきます」とか言って捜査活動をしているように見せかけておいた方が上手くいったんじゃないだろうか、後一晩稼げばいいんだし

確かにそうですね。

> マッキンレーV6は陽動の為に朝5時半位に茨城行って原発でも襲っておけばレッドバロンはそっちにかかりきりになる、というかよっぽど「5大都市爆破10分前」になったのでは(後10分で敵ロボットを倒してミサイル基地まで辿り着けるか?という感じで)

羊頭狗肉的なタイトルでしたね。

Re: 毎度毎度

殺したら番組が終わってしまうとは言え、進歩がないですよね。

セブンのパクリ?

この作品を観て思った事は(ウルトラ)セブンの第43話の“第4惑星の恐怖”と多少重なる部分はありましたが、SSIが指名手配になるだけでしたね😅

Re: セブンのパクリ?

スケールがだいぶ違いますね。

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70~80年代の特撮、80年代のドラマを中心に紹介しています。

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