第33話「非情 子連れゴリラの涙・涙」(1973年12月29日)
冒頭、森の中を二体のゴリラロボットに追われて逃げ惑うイチローおよび01の姿が無駄に長く映し出される。
森を抜けた平原で、遂に対峙する両者。
01「お前は一体何者だ?」

ビッグゴリラ「俺はゴリラロボット、ビッグゴリラだ、シャドウの代理で貴様を殺しに来た」
01「……」

ミニゴリラ「俺、ビッグゴリラの子供、ミニゴリラだ」
01「……」
それぞれ自己紹介する親子怪人の、人を舐め切ったような顔をつらつら見ているうちに、
01(いい加減、こんなアホな連中と関わり合うのはやめて、今川焼きでも売って地道に暮らそう) と、急にカタギになることを決心してしまう01であったが、嘘である。
なお、管理人、途中までビッグゴリラのことをオスだとばかり思っていたのだが、良く見ればおっぱいがピンク色になっていることから分かるように、実はメスゴリラだったのである。
ただ、ビッグゴリラの声がコワモテの渡部猛さんで、しかも喋り方が完全な男なので、はっきり言って分かりにくい。
ここはフツーに男親で問題なかったと思うが……
ここで突然画面が切り替わり、

アキラ「世紀の大決戦、チャンピオンになって栄光のアンパンを手に入れるのはミサオ仮面か、ジャイアントヒロシか?」
野外にロープを張ってプロレスのリングに見立て、アキラの実況付きでプロレスごっこをしているミサオとヒロシの姿が映し出される。
で、このシーンがまた無駄に長いのよ。
今回、スケジュールの都合か志穂美さんが参加していないので、その穴埋めの意味もあったのだろう。

ミサオ「あっ、バカ!!」
その中で、格闘中、間違ってヒロシがミサオの胸を鷲掴みにしてしまうと言うシーンがあって、ちょっとドキッとすると同時に、思春期のなんともいえない胸のトキメキが蘇ってくるような気がした管理人であった。
ま、どうせなら、志穂美さんの胸を鷲掴んで欲しかったところだが……
ここでカメラは漸く01たちのところに戻る。

01とビッグゴリラが取っ組み合う一方、ミニゴリラは戦いには加わらず時折母親に声援を送りながら、物陰に隠してあった大きなメカの前に陣取り、それを操作する。

ビッグゴリラ「どうした、01、お前がそんな弱い筈がない」
01「待て、お前が倒れたら、ミニゴリラは誰が面倒見るんだ?」
ビッグゴリラ「ええい、お前が余計な心配しなくても良いわ」
ごもっとも。 ミニゴリラと言っても、所詮はロボットなんだから、01がそこまで気を使うというのは明らかにやり過ぎである。
ここでまたしてもミサオたちのプロレスごっことなり、
アキラ「あ、覆面を取りました。凄い美人です」
ミサオ「美人はにっこり笑って黙って殺す」
ヒロシ「あっ」
疲れ果てて座り込んだミサオ、ヒロシに覆面を剥がされるものの、すかさず水平チョップを胸板に叩き込んでヒロシを悶絶させる。
しかし、まだメインストーリーもほとんど進んでない状態なのに、間にちょいちょいどうでもいい「お遊び」を入れてくるのは、視聴者の集中力を乱すだけで、あまり感心できない編集である。
再び01とビッグゴリラのバトル。
01も、むざむざ倒される訳には行かないのでビッグゴリラに反撃するが、01の繰り出す技は、すべてミニゴリラの操作している測定器で解析され、逐一シャドウのアジトに送られていた。
ザダム「01め、何も知らずに正体をあらわしていくぞ」
そう、このビッグゴリラ、「セブン暗殺計画」のアロン同様、ヒーローの能力を収集・分析するために作られた、捨て駒的なロボットだったのである。
そのため、ビッグゴリラの体は一際頑丈に作られていて、01ドライバーをまともに食らっても爆死することなく立っていた。
01「ビッグゴリラ、もうよせ、俺には勝てんぞ」
ビッグゴリラ「黙れ、もっと攻めて来い、01」
01「何故だ、何故俺ばかり攻撃させるんだ?」
ビッグゴリラ「お前の力を知りたいのだ。01、まだ最後の手が残っている筈だ」
01「ブラストエンド……」
ビッグゴリラ「そうだブラストエンドを試してみろ」
01「バカな、ブラストエンドを受ければお前は死ぬぞ」
この期に及んで敵に情けを掛けようとする01であったが、結局ブラストエンドを放ち、ビッグゴリラを文字通り粉砕する。
ビッグゴリラ「見たぞ、01、貴様の秘密を見たぞ。ぐわーっ!!」
それでも死の直前、ブラストエンドの全貌を余すところなくその目で捉えて測定器に送り、実験台ロボットとしての役割を全うするのであった。
母親の残骸を前に、茫然と佇むミニゴリラに01が近づこうとするが、

ミニゴリラ「来るな、01、あっち行け」
01「すまない、仕方がなかったんだ」
ミニゴリラ「うるさい、あっちへ行け、お前なんか見たくない、早く消えないと俺が殺してやるーっ!!」
01「ブラストエンド!!」 ミニゴリラ「ギャーッ!!」
こうしてミニゴリラは、なんだか面倒になった01によって瞬殺され、ビッグシャドウの計画はプチッと潰れるのだった。
嘘である。
実際は、ちょっと突き飛ばしただけである。
で、さすがにいい加減にせいよと言いたくなるが、ここでまたまたまたプロレス中継となる。
結局、ミサオの完勝となるが、

ミサオ「ま、私を目標に頑張るのね、はい、アンパン」
ヒロシ「ありがとう」
アキラ「さすがお姉ちゃん思いやりがあるう」
心優しいミサオ、賞品のアンパンを独り占めするようなことはせず、三つにちぎって二人にも食べさせてやるのだった。
ちなみに三人の出番はこれで終わりで、メインストーリーとは全然絡まないままなのである。
これを専門用語で
「なんじゃそりゃああああーっ!!」と言う、
その後、戦場に現れたビジンダーは、ミニゴリラがひとりで母親の部品を集めてリヤカーに積んでいるのを見て、何も言わずにそれを手伝ってやる。
だが、このビジンダーの登場さえも、ビッグシャドウの計画に含まれていたのである。
ここでやっと、ビッグシャドウたちがハカイダーにレクチャーするという形で、今回の作戦の要諦が説明される。

ビッグシャドウ「ビッグゴリラは最初から殺されることになっていたのだ」
ハカイダー「なんだとぉ? 一体何故?」
ザダム「ビッグゴリラは自分の体を実験台にして01のあらゆる攻撃能力を調査したのだ、見ろ、この精密な機械は01の攻撃方法、その威力を分析し、コンピューターで計算し、それをミニゴリラに報告していたのだ」
ザダムの台詞にあわせて、ビッグゴリラの設計図らしいものが映し出されるが、これもちょっと紛らわしいシーンである。
「この精密な機械」と言うのが、具体的に何を指しているか、それだけでは良く分からないからである。
ビッグシャドウ「そしてこれらのすべてのデーターを覚え込み、新しく防御装置を備えた新ロボットが出現するのだ」
ハカイダー「なるほど、で、それは何者ですか」
ビッグシャドウ「ミニゴリラ」
ハカイダー「え、ミニゴリラ?」
ビッグシャドウ「ミニゴリラはビッグゴリラの2世になるのだ。ビジンダーはミニゴリラかわいさのあまり、やがてはビッグゴリラ2世に育て上げるに違いない」
一方、ビッグシャドウの手のひらの上で踊らされているとも知らず、ビジンダーはミニゴリラと一緒にリヤカーに積んだビッグゴリラの残骸を何処かへ運んでいた。

穏やかな湖のほとりを過ぎ、明るい木漏れ日が差し込む森の奥にある、毎度お馴染みの洞窟の中へ入っていく二人。
洞窟の奥は、ちょっとした手術室になっていて、ビッグゴリラやミニゴリラの設計図が壁に貼ってあった。
ビジンダー「まあ、これがあんたのお母さんなの」
管理人、さっきも言ったように、途中までビッグゴリラがオスだとばかり思っていたので、ビジンダーの台詞を聞いて、ビッグゴリラのほかにミニゴリラの母親もいる(いた)のかと思って混乱してしまった次第である。
当時のちびっ子たちの中にも、誤解してしまった子がいたのではないか知らん。
さて、イチローがダブルマシーンを闇雲に走らせていると、後ろからバイクに乗ったハカイダーが追いついてきて、並走しながら親しげに話しかける。
ハカイダー「はっはっはっ、01、そんなにぶっ飛ばして何処へ行く?」
イチロー「……」
ハカイダー「お前もなかなか残酷な奴だ」
イチロー「なにっ」
ハカイダー「お前はミニゴリラの前で親ゴリラを殺した」
イチロー「……」
ハカイダー「ミニゴリラをかわいそうだと思えばとてもあんなことは出来ない筈だ」
イチロー「黙れ、お前にそんなことが言えるかっ」
極悪人の分際でヒーローに人の道を説こうとするハカイダーに、イチローが怒りの色もあらわに反駁するが、痛いところを突かれたのは確かであった。
ハカイダー、イチローを盆地を見下ろす崖の上に連れて行き、

ハカイダー「あれを見ろ」
イチロー「はっ」
あるものに注意を向けさせる。

それは、こちらに背中を向けて立っているビジンダーとミニゴリラであった。
イチローが彼らに気を取られて無防備になったところを、

ハカイダー「とおっ!!」

イチロー「ああっ!!」
いきなり蹴落とすハカイダー!!
セ、セコい、いくらなんでもセコ過ぎる……
しかも、直前に人の道を説いていただけに、そのセコさがますます際立つ結果となっている。
もっとも、ハカイダーはイチローを殺そうとしたのではなく、彼らのところへ追いやるためだった。

ビジンダー「01」
イチロー「くそう」
ビジンダー「ほら、可愛いでしょ、私の弟分よ、この子、可哀想なの、私、育てることにしたのよ」
イチロー「……」
ミニゴリラ「何処かで、お前と同じような人造人間を見たような気がする」
ビジンダー「そう、仲良くなれると良いわね」
ミニゴリラ、冒頭の森の中で、チラッとイチローの姿を見ていたのでそんなことを口にしたのだが、何も知らないビジンダーは小学校の先生のように暢気なことを言うのだった。
アジトに戻ったハカイダーを珍しくビッグシャドウが褒めている。
ビッグシャドウ「良くやったハカイダー、これで01はビッグゴリラを殺したことをますます悩み苦しむだろう」
ザダム「01の戦闘能力は低下したも同然、全く見事な心理作戦だ」
ハカイダー「ふふふふ、ミニゴリラが復讐するときが楽しみだ」
ただねえ、冷静に考えたら、01に攻撃を仕掛けてきたのはビッグゴリラのほうなので、いくら子供の目の前だったからって、正直そんなに罪悪感を感じねばならないことだろうかと疑問に感じてしまうのが、今回のシナリオの欠陥のひとつである。
だいたい、そんなこと言い出したら、もしシャドウのロボットが全員が全員子連れだったら、その誰をも殺せないことになってしまい、そんなバカな話がありますかってことになる。
ともあれ、それからビジンダーによるスパルタ式特訓が何日にもわたって行われ、ミニゴリラの戦闘能力は飛躍的に高まるが、

その挙句、ビジンダーによって改造されてビッグゴリラ2世になる。
……
いや、結局ビッグゴリラ2世に改造するんだったら、特訓の意味なくね?
まあ、特訓を受けた電子回路はそのまま流用されているのだろうから、全く意味がないとは言わないが、だったら、改造してから特訓を受けた方がより効果的だったのでは?
ところが、手術の最中、

ビジンダー「凄いわ、今まで見たことがない電子頭脳だわ。さ、ミニゴリラ君、これがあなたのお母さん、ビッグゴリラの残して行った電子頭脳よ、今セットしてあげるわ」
ビジンダーがビッグゴリラの電子頭脳をミニゴリラの頭に嵌め込むシーンがあって、やっぱり特訓の意味がないように見えてしまう。
ま、ミニゴリラ本来の電子頭脳+ビッグゴリラの(01の戦闘データがインプットされた)電子頭脳と言う、ハイブリッド頭脳なのかもしれないが、改造後のミニゴリラ、すなわちビッグゴリラ2世の声・人格はビッグゴリラ1世とそっくり同じものになってしまうので、これでは、ビッグゴリラ2世と言うより、ビッグゴリラの改良型じゃないのかと言う気がするのである。
しかも、手術の成功を洞窟の外で祈りながら待っていたビジンダーの前に出て来たビッグゴリラ2世は、
ビジンダー「大成功よ、ミニゴリラ」
ビッグゴリラ2世「
お前は何者だ? 俺はもうミニゴリラではない、ビッグゴリラ2世と呼べ」
あろうことか、自分を育て鍛えてくれたビジンダーのことさえ忘れていたのである!!
うーん、プロットが破綻してるような……
それはともかく、その様子をモニターで見て、小気味良さそうに笑うビッグシャドウ。
ビッグシャドウ「はっははっ、計算どおりだ、この電子計算機には01必殺作戦のあらゆるデーターがセットしてある、この計算機から、ビッグゴリラ2世の電子頭脳に指令を送るのだ」
ビッグシャドウの命を受け、コンソールの前のシャドウマンが何やら操作を行う。
これもちょっと分かりにくいのだが、「この電子計算機」と言うのは、ビジンダーがビッグゴリラ2世に埋め込んだ電子頭脳のことではなく、最初の戦いで01のあらゆるデータを読み取ったアジトのコンピューターのことを示しているらしい。
その後、いろいろあって、遂にビッグゴリラ2世は仇である01と対面する。

ビッグゴリラ2世「俺はこの日を待っていた、ビッグゴリラ2世、今こそ仇をとる」
01「どうしてもやらなければいけないのか」
ビッグゴリラ2世「ロボットでも母を奪われた悲しみはいつまでも忘れることはできんわい」
育ての親のビジンダーのことを綺麗さっぱり忘れておいて、良く言うぜ……
あと、ビッグゴリラ2世の外観、まるっきりビッグゴリラ1世と同じなのだが、と言うことは、ミニゴリラも女の子だったの?
とにかく、曽田さんにしては歯痒いほどに納得の行かないことの多いシナリオである。
01が本気で戦えずに苦慮していると、ビジンダーが飛び込んで2世に蹴りを入れる。

ビッグゴリラ2世「また来たな、何者だ?」
ビジンダー「私はビジンダー、あなたの育ての親よ」
ビッグゴリラ2世「何を寝ぼけたことを言う、お前のような奴に育てられて溜まるか。バカも休み休み言え、ぐぇへへへっ」 ビジンダー(いっぺん殺したろか……) じゃなくて、
ビジンダー「あなたには分かる筈よ、ようく見てごらん」
ビッグゴリラ2世「……」
ビジンダーに言われて相手の顔を見ているうちに、洞窟内でビジンダーにしごかれていたときの情景が2世の脳裏に蘇ってくる。
と言うことは、2世の頭には、ミニゴリラの電子頭脳も残されていることになる。
でも、01のことははっきり覚えていたのに、ビジンダーのことだけスコーンと忘れていたと言うのは変だよね。
それでもビジンダーのことを思い出した2世だったが、
ビジンダー「思い出したのね、さ、帰るのよ」
ビッグゴリラ2世「えーい、いやだ、俺は01を殺してやる」
ビジンダー「本気で言ってるの?」
と、今回は大車輪の活躍(主にメッセンジャーとして)を見せるハカイダーが、横から割り込んできて、

ハカイダー「待て、ビジンダー、今更見苦しいぞ、お前はシャドウの使命を忘れたのか? お前は01の敵か味方か、01はビッグゴリラ2世の母を殺してしまったんだ」
ビジンダー「……」
ビッグゴリラ2世「ええい、邪魔だ、どけ」
ビジンダー「あっ」
衝撃の事実を告げられて固まるビジンダーを、2世は容赦なく殴り倒す。
さらにその胸に足を乗せ、ぐりぐりと踏みにじる。
ビジンダー「何をするの、私は今でもあなたの姉のつもりよ、いや、育ての親のつもりよ」
ビッグゴリラ2世「えーい、うるさい、お前のような
わけの分からん奴は姉でも育ての親でもない、殺してやる~」
「わけの分からん奴」と言う表現にはちょっと笑ってしまったが、2世がすっかり忘恩の徒になってしまうのが、今回のストーリーの最大の欠陥であろう。
これでは、ミニゴリラ時代にビジンダーとはぐくんだ情愛や絆などと言うものが何の意味も持たなくなり、見ている方もこのキャラに全く感情移入出来なくなってしまうからである。
そもそも、ビジンダーにミニゴリラを育てさせ、2世に生まれ変わらせるということまで計画に入っていたというのが問題ではあるまいか。
そうではなく、本来はシャドウ自身の手でミニゴリラを鍛え、2世に改造する筈だったが、何らかの手違いでその役をビジンダーが肩代わりにすることになった……と言う風にすべきではなかったか。
そして、2世として01と戦い、これを追い詰めるが、そこにあらわれたビジンダーに説得されて改心する……と言う流れにすれば、このプロットも活きたと思うのだが。
あるいはミニゴリラを育てるのがビジンダーではなくイチローであっても良かったと思う。
つまり、イチローは自分が01であることを隠してあえてミニゴリラを鍛え、2世として育て上げ、その上で01として戦う。
本気で戦えず苦戦する01であったが、そこにビジンダーがあらわれ、01=イチローであることを2世に教え、2世が敵討ちを諦める……みたいなパターンもありだったのではないか。
閑話休題、結局01と2世の戦いとなるが、さすがビジンダーが作っただけあって2世の戦闘能力は高く、右腕に仕込んだバズーカ砲で、01の左腕を吹き飛ばしてしまう。
ビッグゴリラ2世「その手がなければブラストエンドは使えまい、どうした、01」
01「むぅ、01カット!!」
それでもなんとか01カットや01キックを放つ01であったが、2世には通じない。
ビッグゴリラ2世「お前の性能は調べ尽くしてある、何をやっても防御は完璧だ。地獄へ行け、01」
……
まあ、防御が完璧なのは分かるんだけど、戦前にビッグシャドウが誇らしげに言っていた、「この電子計算機が~指令を送る」って話は、何処行っちゃったんでしょう?
01にトドメを刺そうとする2世であったが、そこへビジンダーが飛び込んできて、2世を蹴飛ばす。
ビジンダー「待って」
ビッグゴリラ2世「何故だ、母ちゃん?」
ビジンダー「ビジンダーレザー!!」
ビッグゴリラ2世「何故だぁあああああーっ!!」 たぶん01もハカイダーも、そして当時の視聴者も、2世と同じ気持ちだったのではないかと思うが、ビジンダー、いきなりビジンダーレザーを放って2世を破壊してしまうのである!!
うーん、ほとんど「最後で台無し」級のとんでもない結末である。
つーか、2世も、さっきまで殺してやるとか言ってたのに、急に「母ちゃん」とか呼ぶんじゃねえよ。
あと、ビジンダーレザーって、そんなに強力な技だったの?
ブラストエンドはともかく、01ドライバーを受けても平気の(筈の)ビッグゴリラ2世を一撃で粉砕してしまうとは……
……
じゃあ、こんな七面倒臭い計画なんか立てずに、ビジンダーと同じ能力を持ったロボットを作ればいいんじゃないの?
とにかく話は急転直下解決するが、
ビジンダー「近づかないで、それ以上近づくとビジンダーレザーをお見舞いするよ」
01「ありがとうビジンダー、俺は君になんと謝って良いか」
ビジンダー「私はね、あんたが助けてくれたからそのお礼をしただけだよ。これでおあいこさ、私だって子供たちが可愛いように、このゴリラロボットが可愛かったんだ。それを、それを私は殺したんだ、誰にも分かるもんか、この気持ちが……」
ビジンダー、01のいたわりの言葉を拒絶すると、逃げ出すようにその場から走り去る。
01「ビジンダー……」

ナレ「マリ、負けるな、マリ、お前は美しい、お前の顔には笑顔がふさわしい……」
水辺を悲しそうな顔で歩くマリ、およびビジンダーの姿にナレーションが思い入れたっぷりに語り掛けつつ、終わりです。
ちなみに最後の最後に一応志穂美さんが出ているが、これは(たぶん)バンクフィルムであって、最初に書いたように、実質的には不参加なのである。
なお、予告編には、別の回のマリの映像がチラッと映っていて、あたかも志穂美さんが出演しているように見えるので、ほとんど詐欺だよなぁ。
以上、プロットだけ聞くとめっちゃ面白そうなのに、実際に見るとあまり面白くなかったという、残念なエピソードであった。
これなら「キカイダー」のブラックハリモグラ親子のエピソードの方が遥かに面白い。
シナリオの完成度はどっこいどっこいなのに、どうしてこんなに差がついてしまったのか。
ここで、その理由を探るべく、主役たる子供ロボットのビジュアルを見比べてみましよう。

まず、こちらが今回のミニゴリラ。

そして、こちらが「キカイダー」34話の子ハリモグラ(の人間態)です。
……
はい、もうこれ以上説明の必要はありませんね。
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