第13話「危うし烈!大逆転」(1982年6月18日)

ナレ「ドン・ホラーが君臨する獣星帝国には色んな種族の獣星人ダブルマンが住んでいる、ダブルマンたちはドン・ホラーに絶対服従を誓っている」
冒頭、ドン・ホラーを中心に様々なタイプのダブルマンが描かれたイラストに、ナレーションが被さり、ドン・ホラーとダブルマンの関係が簡略に説明される。
続いて、
ナレ「だが、中にはドン・ホラーに背いた罪で処刑され、このように、石牢の中で一生苦しまなければならないものがいるのだ」
と言う言葉と共に、魔空城の地下の石牢につながれた、おそろしげなダブルマンの姿が映し出される。
そこへハンターキラーがやってきて、鉄格子を開く。
ダブルマン「やるならさっさとやれ」
ハンターキラー「早合点するな、私はお前を連れ出しに来たのだ」
ダブルマン「なにぃ」
ハンターキラー、ダブルマンを鎖で縛ったまま、ドン・ホラーの前に引っ立てる。
ダブルマンの声は、14話でサイダブラーの人間態を演じる潮さんが当てている。

ハンターキラー「終身刑のダブルマンを連れて参りました」
ドン・ホラー「ダブルマン、お前は二つの道を選ぶことできる。ひとつは今までどおり、地底の石牢で暮らすか、もうひとつは宇宙刑事ギャバンを倒して自由の身になるか……もしギャバンを倒せた場合、お前を大幹部に取り立ててやる」
ダブルマン「手土産はギャバンの首で良いんだな?」
無論、そんな申し出を凶暴なダブルマンが断る筈がなかった。
ただ、このタイプのダブルマンはこの個体だけではあるまいに、わざわざ囚人を起用したのは解せないが、ドン・ホラーに歯向かうくらい凶暴な奴でなければ、ギャバンには勝てないと踏んだのだろう。
ダブルマン、戦闘機を引き連れて出撃し、コンビナートを爆破する。
ギャバンはドルギランで戦闘機を撃墜したあと、地上に降りてダブルマンと一騎打ちを行う。

ダブルマン「ギャバン、待っていたぞ」
ギャバン「俺を呼び寄せる為にわざと?」
ダブルマン「はっはっはっ、あの炎はワシが仕掛けた罠だ」
と言うのだが、コンビナートを空爆したのは事実なので、あれを「罠」と表現するのは違和感がある。
ダブルマン、他のダブルマンに比べれば善戦するが、所詮、ギャバンの敵ではなく、レーザーZビームで盾を真っ二つにされ、あえなく敗退。
ドン・ホラー、負傷して戻って来たダブルマンを罵り、石牢に戻そうとするが、
ダブルマン「待ってくれ、ギャバンに勝つ方法があるんだ」
ハンターキラー「ギャバンに勝てる方法とは?」
ダブルマン「ワシにモンスターのパワーをくれ、そうすれば勝てる」
ドン・ホラー「なるほど、ダブルマンとモンスターを合体させてダブルモンスターを作り出す、これは画期的な思い付きだ」
苦し紛れの提案であったろうが、ドン・ホラーはたちまち乗り気になる。
ま、ぶっちゃけ、ダブルマンとモンスターと、毎回二体の怪人と戦うのに時間が掛かり過ぎるので、一体に減らそうという番組サイドの事情によるものなんだろうけどね。
ちょうどその頃、香月宇宙電子研究所なる施設で、マクーの目的にうってつけの実験が行われていた。

香月「では、生体電送実験を開始しよう」
助手「はい、実験開始します」
それは、透明なチューブに入ったマウスの体を原子分解して反対側のチューブに電送、再びマウスの姿に戻すという、SFに出てくるような超ハイテク技術を駆使した実験だった。
右側にいたマウスが原子分解されて消え、左側のチューブに電送されてぼんやりとその姿が浮かび上がったので、成功かと香月たちは色めき立つが、あと一歩のところでマウスは影も形もなくなってしまう。

助手「ああ、もう一息だったのに!!」
香月「よし、今度はお前が入れ」 助手「い゛っ?」
悔しがる助手に、香月博士が眉ひとつ動かさず命じるのだったが、嘘である。
香月「でも、ハムスターの細胞を元素に分解してこちらのカプセルに送ることには成功した。もう80パーセント成功したも同然だ」
結果を前向きに捉えて助手を励ます香月であった。
香月がそのことを電話で妻と子供に伝えていると、急に部屋が暗くなり、何処からともなくあらわれたハンターキラーたちに攫われてしまう。
事件を知った烈が研究所に駆けつけると、刑事が助手や妻子から話を聞いていた。
助手「先生は、電話中だったんですよ」
香月夫人「ええ、話してる最中だったんです」

直也「早く探してね、パパを……」
博士のひとり息子・直也が刑事にお願いする。
なかなか可愛い子役だが、どうせなら女の子に生まれて欲しかった……
刑事「まるで異次元空間にでも迷い込んだような話ですね」
何の手掛かりもなく、途方にくれたように天井を見上げつつ、
刑事(あの皮ジャン着た濃い顔の人、誰? 誰なの? えっ、誰も知らないの? 怖いよ~っ!!) 部屋に、いつの間にか得体の知れない人間が混じっているのに気付いて、心の中で悲鳴を上げる刑事であったが、嘘である。
嘘だけど、烈が平然と部屋の中に立ってるのが、相当不自然なのは確かである。
烈(マクーだ、マクーに違いない) まあ、その通りなのだが、これだけでマクーの仕業と決め付けるのは、いくらなんでも早計ではなかろうか?

ドン・ホラー「香月教授、あなたが実験中の生体電送理論を応用して生体合体装置を作ってもらいたい」
香月「生体合体装置?」
ドン・ホラー「動物を電送する場合、一度細胞体を元素の状態で分解し、さらにそれを再構成する。元素に分解した状態で組み合わせを変えれば牛と馬、蛇とサルの合体も自在の筈だ」
魔空城に連れてこられた香月に対し、ドン・ホラーはあくまで丁重に依頼する。
香月「とんでもない、私は宇宙旅行に備えて生体電送装置を開発してるんだ、それを動物の合体に応用するなんて、と、とんでもない」
香月は声を震わせて拒絶するが、ドン・ホラーは、ちょうど烈が香月家の前で夫人と直也に話し掛けているところをモニターに映し出し、命令に従わなければ妻子の命はない……と、紋切り型の脅迫をする。
烈が必ず香月を探し出してあげると直也に約束して走り去ろうとすると、他ならぬその香月がひょっこり帰ってくる。
香月夫人「あなた、一体どちらへ? 随分心配しましたのよ」
烈「マクーではありませんか、マクーに連れて行かれたのでは?」
香月「関係ない」
烈が思い切って尋ねてみるが、香月は険しい顔で突っ撥ね、家の中に入っていく。
烈(マクーに連れて行かれたのを隠している、きっと裏に何かある)
CM後、マクーに屈した香月は、研究室で、マクーの科学者たちと一緒に生体合体装置の開発を始める。
しかし、電送装置の実験も成功してないのに、より高度な技術が必要とされる生体合体装置なんてものが、そう簡単に作れるものかしら?
一方、ダブルマンはたくさんのモンスターたちを閉じ込めてある檻の前に立ち、

ダブルマン「合体装置がもうすぐ完成する、
ワシと合体したい奴はおらんか?」
聞きようによっては、かなりヤバイことを口にするダブルマン。
居並ぶモンスターたちも、ぶんぶんぶん!! と全力で首を横に振ったと言うが、嘘である。
……
いや、こんだけモンスターがいるのなら、全員でギャバンに襲い掛かれば良いのでは?
ともあれ、ダブルマンは、サイモンスターと言う気性の荒いモンスターをパートナーに選ぶ。
しかし、「モンスターのパワーがあれば勝てる」と言っていたが、すでにしてこのダブルマンが思いっきりパワータイプのキャラなので、モンスターと合体しても単に力が倍になるくらいにしか思えず、記念すべき最初の生体合体の素材にはふさわしくないような気もする。
普通は、頭脳型のダブルマンと、パワー系のモンスターの組み合わせだよね。
ダブルマンが研究所に行って香月をせかしていると、窓から、烈のジープが近付いてくるのが見えた。
ハンターキラー「今はまずい、しばらく奴の目をよそへ向けさせるんだ」
悪の幹部にしては、なかなか賢明な判断をするハンターキラー。
烈が研究室に来た時は、マクーの影は跡形もなくなっていた。

烈「なんですか、こりゃ」
香月「装置だよ、生体電送装置だ」
烈「随分大掛かりなんですなぁ」
香月「チンパンジーを使おうと思ってね」
烈「チンパンジー?」
チンパンジーっぽい顔をして見せる烈を、香月はさも迷惑そうに追い立てようとするが、烈は梃子でも動こうとしない。
香月「ここは私の実験室だ」
烈「直也君と約束したんですよ、パパの安全を守るってね」
ま、視聴者は、マクーの関与を知ってるから気にならないが、客観的には烈が何か変な妄想に取り憑かれて、香月にまとわりついてるようにも見えるんだよね。
なので、烈がマクーの関与を確信できるような、なんらかの手掛かりが欲しかった。
さて、ここから、今回の一番の見所となります。

そう、ミミーと月子の、うれしはずかしテニスルックであります!!
無論、遊んでいるのではなく、烈に頼まれて、香月夫人と直也の護衛をしているのである。
コーチ「もっと軽やかに」
直也「下手だなぁ」
ミミーの素振りを見ていた直也が、無遠慮な声を上げる。

ミミー「……」
思わずむくれるミミー。
と、そこへ、小次郎さんがニタニタしながらあらわれる。

月子「小次郎さん!!」
そのときどきの衣装や髪型、化粧のノリで美人度が大きく変動する月子だが、このテニスルックはなかなか良く、普通に可愛く撮れている。
小次郎「やあ、二人ともテニスルックが良く似合うなー、おお、抜群だこりゃ」
煩悩が服を着て歩いているような小次郎さん、でれでれと笑み崩れながら、二人の肢体を遠慮会釈なしに
視姦鑑賞する。
ま、普通の男子には、心の中で思っても、なかなか口には出せない台詞で、小次郎さんの器の大きさが遺憾なく表現されたシーンとなっている。
月子「エッチな目ー」
それだけならまだしも、

小次郎「さー、乗ってきたぞ、ちょっと撮らせてね、一枚ちょっと、激写!! なんちゃって」
ズカズカとコートの中に入り、カメラを月子の下半身に向ける傍若無人の小次郎さん。
やってることはほとんどカメラ小僧であった。
実際、UFO探索の傍ら、こういう写真を撮って「熱烈投稿」とかに送って小遣い稼ぎしてるんじゃないかなぁ。
月子「いやぁっ」 そして、月子がスカートの裾を掴んで足を隠そうとする仕草が、めっちゃ女の子らしくて可愛いのである!!
ほんと、何度も何度も引用して申し訳ないが、賢くも伊達アニキが喝破したように、
「羞恥心のない女は女じゃない」のである!!
コーチ「困りますよちょっと、出てってください」
小次郎「ちょと放して下さい、ちょっと、乗ってきたんだから」
が、公衆の面前でそんな無体が許される筈もなく、コートから引き摺り出されてしまう。

ミミー「はははは」
月子「ふふふふ」
その様子を見て笑う二人。
ああ、かわええ……
ところが、ふと視線を転じると、そこにダブルマンが立っているではないか。
月子が気絶したのは仕方ないが、仮にも宇宙刑事の助手のミミーが、悲鳴を上げて顔を背け、ネットにしがみつき、ただ嵐が通り過ぎるのを待ってるだけと言うのは、あまりに情けない。
と、ここで、リテイク名物、見逃していたお宝ショットが炸裂する。

そう、ダブルマンとダブルガールから逃れようともがく香月夫人のミニスカの奥から覗く、熟女パンチラである!!
無論、これはアンスコであり、厳密には、追い風参考記録に過ぎないのだが、さやかのアンスコを生パンツだと思って鑑賞した方が人生が楽しくなるのと同様、これも勝負パンツだと思って見た方が勝ちなのである!!
小次郎「おっ、宇宙人だ、一枚撮らせて、目線はここだ」
小次郎さん、カメラを持つと人格が変わるのか、恐れる色もなくダブルマンに接近し、その姿を撮ろうとする。
が、ダブルマンにカメラを握りつぶされた挙句、投げ飛ばされてフェンスにぶつかり、ひっくり返る。
それでも、命が助かっただけめっけものだろう。
香月夫人と直也が連れ去られたあと、ミミーはインコになって烈のところに飛び、事件を知らせる。
烈はミミーを乗せてジープで研究所を飛び出すが、途中で車を停める。
ミミー「どうしたの」
烈「マクーの陽動作戦」
ミミー「なんですって」
烈「俺を実験室から引き離す為だ」
さすが烈、相手の狙いを正確に見抜くが、時既に遅し、

実験室では、生体合体装置によるダブルマンとモンスターの合体実験が行われようとしてた。
香月「はじめから言ってるように、この装置は不完全……」
ハンターキラー「それは承知の上です、教授」
ダブルマン「急げ、早くやれ」
香月はやむなく装置のスイッチを入れるが、香月の懸念を覆して実験は成功し、ダブルマンとモンスターの合体生物ダブルモンスターが誕生する。

記念すべきダブルモンスター第1号、サイダブラーである。
ハンターキラー「見たか、獣星人の生命力は地球人の何倍もの強さがあるんだ」
と言うのだが、これって、生命力でどうにかなる問題じゃないような……
そこへ香月夫人と直也が連れてこられる。
ハンターキラー「今日から香月ファミリーは魔空城へ移り住んでもらう、特別ゲストとしてね」
香月「そんなーっ!!」
ハンターキラーの恐ろしい言葉に思わす絶叫する香月であったが、咄嗟にダブルガールの体を突き飛ばし、二人を連れて部屋から逃げ出す。
香月一家がサイダブラーに追われて建物から出て来たところに、烈のジープが戻ってくる。
三人はミミーの運転するジープでその場を離れ、烈は単身、サイダブラーと戦う。

サイダブラーに蹴り上げられ、

コメツキムシのように豪快に吹っ飛ぶ烈。
大葉さん、身体能力高過ぎ。
サイダブラー「ギャバン、今日こそお前を引き千切ってやる」
初登場補正の掛かったサイダブラーは尋常でなく強く、車のドアをべりっと引き剥がすと、それを烈目掛けて投げる。

ここで、俳優がほんとにドアを投げつけられると言う、伝説のシーンが爆誕する!!

しかも、烈が受け止めたあと、ドアがずり落ちて、枠の部分が烈の後頭部に当たっているようにも見えて、本気でドキッとしてしまう。
「男はつらいよ」の7作目だったか、倍賞千恵子さんが抱いていた子供の持っていた玩具が、彼女の目に当たるカットがあるけど、あれと同じで、こういうのは何度見ても心臓に悪い。

さらに、「ほんと、もう勘弁してください……」と言う烈の声が聞こえてきそうな、ドアのおかわり!!
他にも、ドアのない車の後部座席に飛び込むとか、ひっくり返った車の上を飛び越すとか、ジャッキー・チェンばりのアクションを連発する大葉さん。

烈「蒸着!!」
それらの過激なアクションをこなした後で、全身汗だくになった烈が変身ポーズを決めるのだが、これほど説得力のある演出もなかなかあるまい。
今回は、魔空空間に遷移しないままラス殺陣となる。
尺の都合か、サイダブラーの強さを強調する為だろう。
ギャバン、変身後もサイダブラーのパワーに苦戦するが、最後はギャバンダイナミックでサイダブラーの盾を切り裂き、なんとか撃退に成功する。
烈が変身を解いて土砂山の上に立っていると、ミミーの運転するジープが駆けつける。
ミミー「烈ーっ、だいじょうぶ?」
ミミーが烈のことをギャバンではなく烈と呼ぶのはかなり違和感があるが、無論、一緒にいる香月一家に、烈がギャバンであることを知られない為である。

烈「大丈夫さ」
で、山を降りる際、普通に駆け下りるのではなく、てっぺんからいきなりギャバンっぽい飛び方で飛んでしまうのがたまらなくカッコイイ。大ちゃんには逆立ちしても出来ない芸当であり、ヒーローの所作とはこうあるべきだということを身を持って示した、教科書的なシーンである。
香月「生体合体装置を作らされていたんです」
烈「生体合体装置?」
烈たちが急いで実験室に戻ると、すでに装置はマクーに持ち去られた後だった。
ミミー「どんどん作り出すつもりよ、あの恐ろしいモンスターを」
香月「心ならずも作らされてしまったんです」
烈「なぁに、宇宙刑事ギャバンが叩き潰してくれますよ」
ラスト、夕陽を見ながらマクーに対する闘志を燃やすしている烈の姿を映しつつ、14話に続くのだった。
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