水曜ミステリー9~「ドクターブライダル」
- 2013/05/25
- 19:53
●
今週の水曜ミステリー9は内田康夫原作の「ドクターブライダル」であった。
これは去年放送された「多摩湖畔殺人事件」に続く、遠藤憲一演じる鬼警部と、緑友利恵演じる車椅子の美少女のコンビが主役の2時間サスペンスである。
ただ原作は「少女像は泣かなかった」所収の同名の短編なので、2時間サスペンスに脚色するにあたり、色々と混ぜ物がしてある。
例によって冒頭、山中で死女性の他殺死体が発見され、

胃潰瘍か何かの治療を受けていたカワチョーこと河内巡査部長(遠藤憲一)のもとへ連絡が入り、治療をほったらかして捜査に乗り出す。担当の女医を、前回と同じ萬田久子が演じているが、このキャラはドラマのオリジナルである。ワシは若村麻由美さんが良かった。

で、警視庁の岡部警部(葛山信吾)とスマホ刑事こと平井刑事(内田朝陽)も引き続き登場。彼らは原作の「ブライダル~」には出てこない。また、短編集ではカワチョーは警部補に昇進しているが、ドラマでは巡査部長のままである。
被害女性が、医者を対象にした会員制お見合いシステムの「ドクターブライダル」に加入していたことが判明するまで、相当時間がかかる。そうしないと2時間もたないからだ。

一方、「多摩~」の被害者遺族であった橋本千晶(緑友利恵)のもとへ、「ドクターブライダル」の入会案内が届く。それは、彼女の友人が、千晶名義で頼んだものだった。
その友人は何か事情があって、ドクターブライダルの会員になりたいらしいのだが、彼女は行方不明となってしまう。

で、その友人の母親役を、熟女マニアの期待の星・山本みどりさんが演じてらっしゃる。
結局、千晶の友人も第二の他殺死体となって発見される。
「ドクターブライダル」は実際は、売春斡旋組織みたいなところで、殺人事件の核心はどうやらそこにあるらしい……。
らしいのだが、それだけだと話がすぐ終わるので、原作には全くない人体組織の密輸とか、そういう要素を加え、

さらに重鎮・寺田農を、医療関係のお偉いさんとして登場させている。寺田さん、2時間サスペンスにおいては驚異の真犯人打率を誇るのだが、今回は完全な当て馬で、はっきりいって役不足。時間を引き延ばすためだけに出てきたとしか思えない。

最後は、千晶自身がドクターブライダルの会員になって、真犯人と思しき医者と会うのだが……、さすがに、車椅子の女の子がそういう荒事に関わるのは不自然だ。
原作では、かわりに婦警が囮として真犯人と会うんだけどね。
真犯人に絞め殺されそうになる千晶だが、当然、カワチョーたちに間一髪、助けられる。
なお原作は、千晶の視線で描かれ、失踪した友人の手掛かりを求めてドクターブライダルを調べるストーリーになっていて、死体が出てくるのも実は事件が解決した後なのである。
一方で、被害者の身に付けていたブローチが証拠になったり、結婚相談所に電話がかかってこないことを千晶が不審に思ったりするところなど、原作に忠実に映像化されている箇所も多く見られる。
このドラマ、登場人物が魅力的で、彼らの交流を見てるだけで心が癒される感じで、できれば3作4作と続けて欲しい。
ただ、使える原作は(自分の知る限り)「少女像は~」に収録されている「ブライダル~」以外の3本しかないので、所詮、長寿シリーズにはなりえないのだが……。
さて、余談だが、管理人の「セーラー服反逆同盟」レーダーは世界一ぃぃぃと言うわけで、今回も見付けました。

証人としてちょっとだけ出ているこの人、「反逆同盟」11話に出ていた堀勉さんでした。クレジットでは「ホリベン」となっていたので、分かりにくいけど。たぶん、愛称をそのまま芸名にされているのだろう。
なお原作「少女像は~」は既に絶版になってる模様。
ま、古本ならいくらでもあるけど。
原作はしかし、改めて読むと、いちいち余計なことが書いてあって昔思っていたほど面白くないんだよなぁ。ミステリーとしても新味はないし。
今週の水曜ミステリー9は内田康夫原作の「ドクターブライダル」であった。
これは去年放送された「多摩湖畔殺人事件」に続く、遠藤憲一演じる鬼警部と、緑友利恵演じる車椅子の美少女のコンビが主役の2時間サスペンスである。
ただ原作は「少女像は泣かなかった」所収の同名の短編なので、2時間サスペンスに脚色するにあたり、色々と混ぜ物がしてある。
例によって冒頭、山中で死女性の他殺死体が発見され、

胃潰瘍か何かの治療を受けていたカワチョーこと河内巡査部長(遠藤憲一)のもとへ連絡が入り、治療をほったらかして捜査に乗り出す。担当の女医を、前回と同じ萬田久子が演じているが、このキャラはドラマのオリジナルである。ワシは若村麻由美さんが良かった。

で、警視庁の岡部警部(葛山信吾)とスマホ刑事こと平井刑事(内田朝陽)も引き続き登場。彼らは原作の「ブライダル~」には出てこない。また、短編集ではカワチョーは警部補に昇進しているが、ドラマでは巡査部長のままである。
被害女性が、医者を対象にした会員制お見合いシステムの「ドクターブライダル」に加入していたことが判明するまで、相当時間がかかる。そうしないと2時間もたないからだ。

一方、「多摩~」の被害者遺族であった橋本千晶(緑友利恵)のもとへ、「ドクターブライダル」の入会案内が届く。それは、彼女の友人が、千晶名義で頼んだものだった。
その友人は何か事情があって、ドクターブライダルの会員になりたいらしいのだが、彼女は行方不明となってしまう。

で、その友人の母親役を、熟女マニアの期待の星・山本みどりさんが演じてらっしゃる。
結局、千晶の友人も第二の他殺死体となって発見される。
「ドクターブライダル」は実際は、売春斡旋組織みたいなところで、殺人事件の核心はどうやらそこにあるらしい……。
らしいのだが、それだけだと話がすぐ終わるので、原作には全くない人体組織の密輸とか、そういう要素を加え、

さらに重鎮・寺田農を、医療関係のお偉いさんとして登場させている。寺田さん、2時間サスペンスにおいては驚異の真犯人打率を誇るのだが、今回は完全な当て馬で、はっきりいって役不足。時間を引き延ばすためだけに出てきたとしか思えない。

最後は、千晶自身がドクターブライダルの会員になって、真犯人と思しき医者と会うのだが……、さすがに、車椅子の女の子がそういう荒事に関わるのは不自然だ。
原作では、かわりに婦警が囮として真犯人と会うんだけどね。
真犯人に絞め殺されそうになる千晶だが、当然、カワチョーたちに間一髪、助けられる。
なお原作は、千晶の視線で描かれ、失踪した友人の手掛かりを求めてドクターブライダルを調べるストーリーになっていて、死体が出てくるのも実は事件が解決した後なのである。
一方で、被害者の身に付けていたブローチが証拠になったり、結婚相談所に電話がかかってこないことを千晶が不審に思ったりするところなど、原作に忠実に映像化されている箇所も多く見られる。
このドラマ、登場人物が魅力的で、彼らの交流を見てるだけで心が癒される感じで、できれば3作4作と続けて欲しい。
ただ、使える原作は(自分の知る限り)「少女像は~」に収録されている「ブライダル~」以外の3本しかないので、所詮、長寿シリーズにはなりえないのだが……。
さて、余談だが、管理人の「セーラー服反逆同盟」レーダーは世界一ぃぃぃと言うわけで、今回も見付けました。

証人としてちょっとだけ出ているこの人、「反逆同盟」11話に出ていた堀勉さんでした。クレジットでは「ホリベン」となっていたので、分かりにくいけど。たぶん、愛称をそのまま芸名にされているのだろう。
なお原作「少女像は~」は既に絶版になってる模様。
ま、古本ならいくらでもあるけど。
原作はしかし、改めて読むと、いちいち余計なことが書いてあって昔思っていたほど面白くないんだよなぁ。ミステリーとしても新味はないし。
- 関連記事
-
- 「三毛猫ホームズの推理 女子大密室殺人」その3 (2014/08/28)
- 「三毛猫ホームズの推理 女子大密室殺人」その2 (2014/08/27)
- 「三毛猫ホームズの推理 女子大密室殺人」その1 (2014/08/26)
- 「ショカツの女8」 (2013/12/16)
- 水曜ミステリー9~「ドクターブライダル」 (2013/05/25)
- 遠藤憲一「多摩湖畔殺人事件」後編(2012年7月20日更新) (2013/04/25)
- 遠藤憲一「多摩湖畔殺人事件」前編(2012年7月18日更新) (2013/04/25)
- 「ショカツの女7」 (2013/02/20)
- いつまでやるんだ「温泉若おかみの殺人推理」(2012年8月12日更新) (2012/10/26)
スポンサーサイト