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「男はつらいよ」レビュー 第8作「男はつらいよ 寅次郎恋歌」(1971年)




 忘れた頃にやってくる「男はつらいよ」レビューです。


●作品鑑賞

 1971年12月公開作品。

 山田洋次監督はそのエッセイの中で、当時、シリーズをいつまで続けるべきか悩んでいたと吐露している。渥美清は「8は末広がりで縁起が良いから」などと本気なのか冗談なのか、8作目でやめたらどうか、などと言っていたとか(うろおぼえ)。
 が、蓋を開けてみれば洋画の大作をおさえての大ヒットで、やめるにやめられなくなったとか。

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 枕として、お馴染みの旅芸人一座が登場。と言っても、シリーズに登場するのはこれが初めてだったかな。

 雨続きで商売上がったりだと言う座長(吉田義夫)を寅が慰めている。

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 宿に帰る寅を、座長の娘で旅役者の卵の大空小百合(岡田茉莉)が送る。

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 別れ際に酒でも飲んでくれと紙幣を渡すのがいかにも寅らしいダンディズムだが、500円だと思ってたのに5000円奮発していたことに気付くのも、いかにも寅らしい。

 この枕は全シリーズ中でも一番好きかも知れない。

 確か、この5000円のエピソードは37作目の「幸福の青い鳥」で、成長した小百合との会話に出てこなかったか? もっともその時、小百合ちゃんは何故か志穂美悦子になっていたが……

 ここでオープニング。

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 最初はいつものように帰ってきた寅が、おいちゃんたちと些細なことから喧嘩をして飛び出す。深夜、寅はしたたか酔っ払って誰とも知らないおっさんたちと帰ってくるが、今見たらそのひとりは名脇役の谷村昌彦だった(右端)。

 寅に請われてさくらが悲しそうに歌を歌うシーンが印象的である。寅は反省して再び旅に出る。

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 普通はすぐマドンナとの恋愛パートへ行くところだが、今回は一味違い、とらやに電報が届く。博の母親が危篤と言う内容だった。

 そう、博が帰郷する話になるのだった。帰郷と言うか、父親のところへ葬式(着いたら母親はもう亡くなっていた)に帰るのだな。
 ここで、博の兄やその家族たちと初めて顔を合わすさくらさん。

 小さな女の子はさくらさんにとっては姪で、これも後年、森口瑤子に化けて出てくる。

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 で、葬式に、寅がやってくるという奇跡が起きる。彼はとらやに電話して葬式のことを知り、ちょうど近くにいたので急遽駆けつけたという。

 この、博たちが葬式に来たら寅もいると言うのは以後も使われるパターンである。

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 納骨後、遺族たちを写真に撮る寅が「ハイ笑って」などとふざけてさくらに叱られるシーンがある。しかし、そもそもそういう時に集合写真なんか撮るか?

 その晩、遺族たちは表面的にはなごやかだが、実際は財産処分とかいろいろと兄弟間で確執があることが判明する、刺々しいシーンとなる。しかも博が、兄たちの死んだ母親は幸せだったと言うお気楽な発言に、よしゃいいのに「母さんは苦労ばっかりで全然幸せじゃなかった」とほんとのことを言い、座は白け渡るのであった。これ以後、さくらさんはこの親戚たちと会うのがイヤでイヤでたまらくなるのだった。

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 また、寅はそのまま居残り、博の父(志村喬)の家でゴロゴロと過ごすのもひとつのパターン。いい加減なところで志村喬に穏やかに諭されて、豁然と改心してしまうのもパターンである。

 志村喬は、自分の孤独な境遇も込めてだろうが、家族が一緒に暮らすのが人間のほんとうの営みではないかとかなんとか言うのだった。

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 寅が例によって真人間になって柴又へ向かっている頃、やっと今回のマドンナ、池内淳子が登場。個人的にはどうでもいいマドンナベスト5に入る。

 彼女はシングルマザーで、近くに喫茶店を開いたところであった。

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 彼女の来訪に慌てて立ち上がるさくらさん。いい年してミニスカなので、膝頭の間からパンツが見えそうになるのであった(死んでろハゲ)。

 彼女と入れ違いに寅が帰ってきて、今回はなかなか二人が会わない。

 寅は、早速、志村喬の受け売りでおいちゃんたちに説教するが、例によって話が通じないところが笑える。

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 寅は、池内淳子の内気な子供に声をかけているときに、初めて彼女と会い、例によって一目惚れする。誰でもええんか。

 その後、同じ場所で彼女と会えないものかと粘っていた寅が、ちょっと怪我をした際、

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 スッと差し出されたハンカチを見て、淳子だと早合点してキザな物言いするのも笑える。

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 それは淳子ではなく珍しく着物を着たさくらさんであった。

 結局、寅はタコ社長を追いかけて飛び込んだ喫茶店で、彼女と再会するのだった。

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 寅にせがまれて一緒に喫茶店に来たさくらさん。若い衆たちへおごりだとかいってさくらにポンと財布を渡すが、さくらさんが何気なく中を見ると全然少なくて慌てるところが可愛いんじゃい。

 以降、寅との恋愛話が描かれるが、特に面白くないのでカット。今回のマドンナは妙に所帯じみている。

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 また、後半、志村喬がとらやにふらりとやってくるシーンがある。おいちゃんがひとりで会って話が全く弾まず、冷汗をかくのだった。そこへ寅がやってくると救われたような顔になるのもおかしい。

 なお、孫にあたる中村はやとが無理矢理志村喬に対面させられているが、本気で嫌がってるのがよく分かる。

 で、珍しく最後に寅が自らマドンナのところへ乗り込んで告白しようとするが、結局自ら身を引くのだった。

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 最後、とらやの庭で談笑する淳子たち。なお、おいちゃんの森川信は、9作目の撮影前に亡くなったので、これがおいちゃんとしてのラストシーンになってしまった。

 そしてエピローグは、

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 旅先で再びあの旅芸人たちと会う寅。そんな偶然ないんだけどね。

 寅は車の荷台に乗って、彼らと一緒になる。

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 美しくものどかかな田園風景の中をゆったりと走り行く軽トラを映しつつ「終」である。

●評価

 興行的にも内容的にも評価の高い作品だが、個人的にはマドンナに魅力を感じず、尺も長過ぎて、あまり面白くはない。旅芸人とのエピソードは大好きだけど。

 ★★★☆☆(3点/5点中)


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Author:zura1980
70~80年代の特撮、80年代のドラマを中心に紹介しています。

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