「時をかける少女」(1983年) その2
- 2013/04/02
- 22:59
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続きでやす。
理科実験室で気を失って倒れた和子を、戻ってきた深町と吾朗が発見する。
うろたえる吾朗に対し、深町は落ち着いて周囲の様子を観察してから、彼女を保健室に運ぶよう指示する。

和子の上半身を抱え起こそうとする吾朗だが、恥ずかしくてギブアップ。
吾朗「ちょっ……ちょっ、だめだ深町、お前こっち頼むよ」
と、深町にバトンタッチするあたりは、尾美としのりの達者な芝居も手伝って、とてもリアルな思春期ボーイ。で、彼は和子の足を持って、二人して丸太のように硬直している原田知世の体を搬送するのだった。

保健室で、立花先生に介抱されている和子。先生によれば「貧血」らしい。
和子は自分の体験を話し、みんなでそれを確かめに行く。
ちなみに和子の頬の墨は、タイムリープの作用を起こす薬品らしい。原作にはないけれど。

五人でぞろぞろ理科実験室へやってくるが、ビーカーなどは壊れていないし、特に異状はない。和子はラベンダーのような香を嗅いだと主張するが、結局、彼女の気のせいだったと言うことで片付けられる。
とにかくもう午後2時なので、生徒三人は帰る。

この時、別れ際に和子が立花先生に挨拶するのだが、何故か妙に可愛く撮ってあって、監督の愛情が必要以上に溢れている。

ちなみに、映画オリジナルキャラの立花先生は、福島先生といい感じで、「明日は(福島先生の)誕生日ですね」なんて意味ありげに言ったりするのだった。

また、彼女の後ろ姿……と言うか、肉感的な臀部及び太腿を、福島先生の視線が追うと言うややフェティッシュなカットがある。
根岸さん、81年の「悪霊島」でもミニスカだったなぁ……。

和子たちは三人一緒に帰り、先に吾朗と別れ、和子と深町とふたりで仲良く石段をのぼっていく。
やっぱりこの尾道を舞台にすると、物語の風格が違ってくる気がする。町の持つ雰囲気と言うか、オーラと言うものは、確実にフィルムに焼き付けられるものだからね。

道の下にある深町の家。彼は両親を幼い時になくし、祖父母に育てられているのだ。
なお原作では、祖父母ではなく、普通の両親である。

彼の家にある温室のラベンダーの香を嗅ぎ、やはり理科実験室で嗅いだのはこの匂いだと確信する和子だった。

翌日の日曜日、ベッドの中の和子さん。

部屋に飾ってある日本人形が怖い。

ふと、デジタル時計を見ると、ありえない数字が並んでいてギョッとする。
その後も、冷めていた飲み物がいつの間にか湯気を立てていたり、台所にいると思っていた母親が庭からやってきたり、彼女の周囲でちょっとヘンテコな現象が起こる。
ちなみに和子の母親を演じるのは入江若葉で、深町の祖母役の入江たか子の娘である。
日曜なので、和子は吾朗の家に昨日借りたハンカチを返しに行く。吾朗の家は老舗の醤油屋で、吾朗も職人のように仕事をしていた。この辺、やや勤労青年ぶりが白々しく感じる。
原作では、彼の家は荒物屋である。荒物屋ってなんだ? 知るか。

吾朗の家から帰るところを、クラスメイトの神谷真理子が見掛けるカットがあるのだが、特に必要があるとも思えない。真理子は吾朗にほのかに恋心を抱いているようで、和子との仲が気になるのだろう。この辺の描写は、実はもっとあったが、カットされたのかもしれない。

月曜の朝には、そのことで真理子に話しかけられるシーンがあるんだけどね。
原作でも、真理子は吾朗や深町と親しく話す和子に嫉妬していると言う描写がある。

体育の授業で、一休みしている和子さん。
しかし……この上下白の体操着姿は……
人心を惑わす破壊力を秘めてるなぁ(主に○○○○方面の)

弓道の部活動で、弓を射る凛々しい姿。

さてその夜、地震が起き、しばらくして吾朗の家のほうから火の手が上がる。和子は気になって家を飛び出す。
ここは、実際にスモークを焚いて撮影しているようだ。町全体の協力があってこそだろうね。

和子が吾朗の家の前に来ると、既に火は消し止められていた。深町も気になってやってきて、吾朗と言葉を交わした後、和子と連れ立って夜道を歩いて帰る。この辺の雰囲気がとても好き。
深町は別れ際、明日(火曜日)は植物採集に行くから学校を休むと告げる。

さてその翌朝、和子は吾朗と一緒に登校していたが、古いお堂の屋根瓦が崩れて彼らの頭上に落ちてくる。和子は吾朗に飛びついて瓦を避けようとするが……
なお、このタイムリープのきっかけとなる事件、原作ではもっと過激に大型トラックに轢き殺されそうになると言うシチュエーションになっている。
つづく。
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