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横溝正史シリーズ「犬神家の一族」 その2

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 こともあろうに依頼人の若林氏を毒殺されてしまった金田一。しかも東京ならぬ信州では彼の名前も通用せず、逆に容疑者として警察に拘留される。

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 那須警察署長・橘を演じるのはハナ肇。

 古谷金田一の相棒と言ったら、長門勇の日和警部が反射的に浮かぶが、「犬神家」「獄門島」では違う俳優が登場するのだ。個人的には日和警部はあまり好きじゃないので、固定にせずもっと色んな役者さんを起用して欲しかったところだ。

 東京の警察に金田一耕助について照会した橘は、むこうのおえらいさんに金田一のことを聞かされ、目を白黒させる。
 その後の調べで、若林は金田一を待っている間に吸ったタバコに仕込まれていた毒で死んだことが判明する。

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 金田一のことを心配し、古舘弁護士のところへ来ているキヨちゃん。

 キヨ「人殺しするなんかする人じゃねえにぃ」

 この方言丸出しのところがとても可愛いのだ。このアットホームな雰囲気も好き。なお、キヨちゃんと言うのはあくまでドラマにしか登場しないキャラで、原作には単なる女中しか出てきません。

 ついでに言えば同様のキャラを、角川1976版では坂口良子、2006年版では深田恭子がそれぞれ演じている。

 キヨちゃんは金田一から託された若林の依頼の手紙を弁護士に渡す。それには、遺言状を巡って何か犯罪が起こるのではないかと言う懸念が記されていた。

 どうやら、若林は誰かに買収されるかして、金庫にしまわれている遺言状を盗み見、それで悪い予感を覚えて金田一に依頼しようと思っていたらしい。

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 金田一は警察から解放された後、古舘弁護士に改めて事件の依頼をされ、快諾する。

 そこでついでに犬神家の人間関係について紹介されるのだが……、面倒臭いけど、要点だけ書く。佐兵衛には正妻がなく、三人のメカケに産ませた三人の娘がおり、長女の松子の息子がスケキヨ。次女の竹子には息子のスケタケと娘の小夜子、三女の梅子にはスケトモと言う息子がそれぞれいる。彼らの夫はほんとに何の役割もないので省略。
 ほかに、佐兵衛の恩人の孫に当たる珠世と、その忠実な下僕・猿蔵も同居している。

 なお、スケキヨだけがまだ戦争から戻っておらず、遺言状は彼の復員を待って公開されることになっていた。

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 そんな折も折、そのスケキヨさんが松子夫人にともなわれて帰ってくる。

 しかしスケキヨを彼らに会わせようとしないので、怪訝な顔をする犬神家の人々。こうやってみんな重ならずに顔がはっきり見えるように並ぶのが、ドラマのお約束である。

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 とにかくスケキヨが戻ってきたので、約束どおりみんなを集めて遺言状が公開されることとなる。映画でもとても印象的なシーンだが、さすがにテレビ版はちょっとスケールが小さい感じもする。ただ、張り詰めた緊張感は上手く表現されていると思う。

 そのスケキヨは何故か黒い頭巾をかぶっていた。

 梅子と竹子は遺言状を読む前に、スケキヨさんが本物かどうか頭巾を取ってくれと松子に言う。

 スケキヨは頭巾の下に能面のような白いマスクをつけており、それをはがすと、

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 下には醜く焼け爛れた顔が……スケキヨは戦地でひどい怪我を負っていたのだ。

 しかし、これはいかにも特殊メイクですと言う感じで、あまり感心しない。角川版ではもっとえぐい人形を使っていたが。

 ただ、テレビだからあまり生々しいビジュアルだとかえってまずいので、これくらいでいいのかもしれない。

 スケキヨさんを演じているのは田村亮である。

 そして気になる遺言状の中身がやっと分かるのだが、簡単に言えば、

 ・全財産は珠世さんに譲られる。
 ・ただし、スケキヨ、スケタケ、スケトモの三人の誰かと(一年以内に)結婚しなければダメ
 ・三人が一年以内に死ぬか、あるいは彼女との結婚を拒否した場合、その限りではない。
 ・逆に珠世が死んだ場合、三人プラス青沼静馬と言う人物に財産は分割遺贈される。

 と言うものである。原作ではもっと詳しく書いてあるが、ドラマなのでかなりあっさりと説明されているが、骨子は変わらない。

 無論、ドラマだからこそのむちゃくちゃな遺言なのだけどね。

 当然、三人の娘や夫はその理不尽な内容に激怒する。彼らについては完全に無視されているからだ。

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 口々に不平を言う遺族たち。それと向かい合う古舘と金田一の図。

 どう考えてもこれから遺産相続を巡って血みどろの事件が起こりそうである。と言うか、起こるのだ。

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 一方、雪の舞うなか、那須駅に到着した汽車から、ひとりの復員軍人が降り立った。彼は顔をマフラーで隠していた……。

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 と言う訳で、第一回目はエンディングとなるのだが、初回と言うこともあり、茶木みやこの歌う主題歌「まぼろしのひと」は、クレジット前から流れる。とてもいい曲でっせ。

 幾何学模様のような土蔵の前を自転車で走る金田一。

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 しかし岩にぶつかって、

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 派手に土手を転がっていく、いかにも古谷金田一らしいコミカルなシーンで「つづく」のだつた。

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 初期のタイトルバックは、沈む夕陽を映した、昔の時代劇っぽいシンプルなもの。これはこれでいいけどね。

 で、始まるのが早いので、この回では「まぼろしのひと」が二番まで聴けるのだ。


 

 「あざみの如く棘あれば」も入ってます

 つづく。


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コメント

>沈む夕陽を映した、昔の時代劇っぽいシンプルなもの

僕もこれはいいと思います。

>派手に土手を転がっていく

八つ墓村では握り飯を食ってる時に喉に詰まらせる。あれも好きだった。

>キヨちゃん

彼女は「三男三女婿一匹」で看護婦さんを演じてた気がしますが、どうなんでしょう?
加藤健一が演じる三男に惚れる役。

Re:夕陽がきれいです。(03/03)  

>下等醜呆さん

コメントありがとうございます。

シナリオと言い、詩的な映像と言い、この初回は完璧に近い出来ですね。古谷さんの髪型だけ気になる(笑)。

Re:横溝正史シリーズ「犬神家の一族」 その2(03/03)  

今回のキャストを見たら、半分ぐらいは既に亡くなられているようですね😅シミジミと時の流れを感じています(なんでやねんな😓)

Re[1]:横溝正史シリーズ「犬神家の一族」 その2(03/03)  

ふて猫様

ま、ここで紹介するのは大体そう言うのが多いですね。

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70~80年代の特撮、80年代のドラマを中心に紹介しています。

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