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映画「湯殿山麓呪い村」



 1984年の「湯殿山麓呪い村」(監督・池田敏春)は、往年の横溝映画を髣髴とさせる土俗と呪われた血縁関係を背景にしたミステリーである。

 一応、昔テレビで見たことはあるのだが、強制即身仏のトラウマシーンや「お兄ちゃん」と言う台詞しか頭に残ってなくて、前からもう一度見たいと思っていたのだ。DVDも最近出たけど、買うほとでもないなぁと思っていたら、去年ファミリー劇場で放送されたのでやっと見ることが出来た。

 ストーリーは、主人公の永島敏行が、とある即身仏の発掘作業に執念を燃やし、その資金援助を得るために金持ちの娘(永島暎子)と不倫したりするうちに、その金持ちの当主が、浴室で奇怪な死体となって発見されるというもの……。


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 野心過多の永島敏行。奥の人は横溝シリーズ「不死蝶」で岩崎加根子と共演してたね。

 一応彼が主人公で、探偵役もこなすのだが、なんと言うか感情移入しにくいあくの強いキャラクターなのが、金田一シリーズに慣れ親しんでいるものとしてはちょっと戸惑う。と言うか、この映画、感情移入しにくいキャラクターばっかりである。

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 その妻子持ちの永島と爛れた関係にある面倒臭い女、永島暎子。鬱陶しいほど熱演です。

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 その妹(だったかな?)役を、まだほっぺも赤い仙道敦子さんが演じているのである。撮影時は14、5才くらいかな。

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 家族一同、永島たちが屋敷に泊まった夜、準密室状態の浴室で当主の織本順吉が死体となって発見される。脳天におしゃれなナイフが刺さってます。

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 さらにこんなミイラの手みたいなものが添えてあったり、殺人の前後に奇怪な人物が彷徨したり、いかにも横溝テイスト濃厚の筋立て。まあ、そもそも原作が横溝ミステリー(に代表される探偵小説)へのオマージュとして書かれてるんだと思うが……。

 ちなみにこの最初の殺人のトリックと意外な犯人は、乱歩の某作品へのオマージュもこめられているのだろうか。

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 競馬好きの刑事として登場するのが三谷昇。角川の「犬神」「獄門島」にも出てたね。

 このキャラがちょっとユニークで活躍が期待されたが、目立つのは最初だけで、あとはほとんど役に立たない。ぽてちん。

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 その後も順調に、過去の罪業の報いとして色んなオヤジが死んでいくが、それと並行し、永島は遂にその問題の即身仏を発掘するのだった。

 キてるビジュアルだなぁ。

 つまり、これはいわゆる即身仏じゃなくて、観光アイテムとして無理矢理若い僧侶を殺してミイラにしてしまったという、とんでもない代物だった。

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 で、モノクロ(?)で当時の再現映像も流れるのだが、特に僧侶を無理矢理あなぼこに落として、上から石を投げて殺すシーンのトラウマ指数は極めて高い。子供の頃の管理人の脳裏に強烈に刻まれることとなる。

 ま、改めて見るとそうでもないけどね。

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 終盤、当主の妻の岩崎加根子がヤケクソ気味になって、自分が犯人だよ~んと告白し、永島とともに焼死しようとするのだった。

 しかし、その後、意外な真相が明らかになるのだった……。

 こちらも色んな意味で強烈である。是非実際に見てひっくり返って欲しい。


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 折角なのでもう一枚仙道さんの可愛いところを貼っておく。

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 これも管理人の記憶に残る「お兄ちゃん……」のシーン。この後、とんでもないことになります。

 正直、伝奇ミステリーとしてはまとまりがなくて、ストーリーも心楽しいものではないので万人にはすすめられない。特に終盤の不幸のドミノ倒しは、見ててつらいものがある。金田一のような魅力的な探偵がいれば、だいぶ違ってくるんだけどね。

 それでも浴室の殺人トリックなんかは(実際は無理でも)ちょっと感心してしまった。


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コメント

待ってました!でも「湯殿山麓」ってレンタル不能なんですよね。

我々の敦子ちゃんが好きならば楽しめる、てところしょうか?確かにこのほっぺはつっつきたくなりますが。

まあ、それにしてもこの時期か少し前?の「白蛇抄」でロリ可愛さという方向ではピークに達してるし、しかもセクハラされまくるということで記念碑的作品になっちゃってますからなあ。

あれは金払って買いました。とはいえ、中学生女優にああいうセクハラをすることに対する憤りの気持ちもありますが。じゃあ買うな、と言わないで下さい。

Re[1]:映画「湯殿山麓呪い村」(03/05)  

うーん、しかし「湯殿」の仙道さんは画像を貼るのがはばかられるような色んな意味で過激なことをやっておられるので、純情な仙道ファンは見ないほうがいいかもしれませんね……。

衝(笑?)撃のラストは一見の価値アリです。

Re:映画「湯殿山麓呪い村」(03/05)  

昔ビデオで見ました。
仙道敦子演ずる淡路能理子、かわいくて、しかし恐ろしかったですね。もちろんこの年でこれだけの演技をする仙道敦子自身にも畏怖を感じました。
ただ、どうしても気になったのは、時代のつじつまが合わないことです。
東北新幹線に乗ったり、壁に松田聖子のポスターが貼ってあるから、時代設定は上映当時(1984年)なのでしょう。
それなのに、その時代の女子中学生の実の父親が太平洋戦争の復員兵だとは、高齢すぎませんか?
原作の小説の時代に合わせたほうがよかったと思いますね。

Re[1]:映画「湯殿山麓呪い村」(03/05)  

京二郎様
コメントありがとうございます。

>ただ、どうしても気になったのは、時代のつじつまが合わないことです。
>東北新幹線に乗ったり、壁に松田聖子のポスターが貼ってあるから、時代設定は上映当時(1984年)なのでしょう。
>それなのに、その時代の女子中学生の実の父親が太平洋戦争の復員兵だとは、高齢すぎませんか?
>原作の小説の時代に合わせたほうがよかったと思いますね。

鋭いご指摘ですね。迂闊にも全然気付きませんでした。
このレビューは実にお粗末ですが、「セーラー服反逆同盟」のHPの中にもっと詳しく書いたレビューがあるので、良かったら覗いてみて下さい。

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70~80年代の特撮、80年代のドラマを中心に紹介しています。

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