「セーラー服反逆同盟」 第16話「翼の折れた天使」 後編

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　第16話「翼の折れた天使」の続きです。

　エリカは迎えに来たイサオのジープに乗せられて旅立つ。

　とにかく厄介払い、いや、エリカが恋人とめでたく再会できたことを喜ぶユミたちだったが、そこへ雄太とケイの2軍コンビが走って駆けつける。今回、走ってばっかりである。

　
　二人の話によると、イサオは実は麻薬の密売人なのだった。これは、少し遅れて自動車工場へやってきた二人が、イサオの部下たちの話を盗み聞きして知ったことなのだった。

　エリカは騙されているのではないかと青褪めるユミとルリ……ま、麻薬の密売してるからって女を騙す悪党だとは限らないんだけどね。職業差別はよくない。

　
　と、思ったけど、やっぱりコテコテの悪党だったイサオ。

　彼はエリカと密航するつもりなどさらさらなく、自動車工場へ彼女を連れてきて地面に転がし、体に灯油をぶちまける。彼女を生きたままバーベキューにしようという悪魔のような男だったのだ。

　
　冬場にこの撮影はなかなかきつい。ま、ぬるま湯をかけてるんだと思うが。

　イサオはもともと、因縁をつけられたヤクザと麻薬の密売のことで揉めていて、将来を嘱望されていたボクサーであるイサオの指を切ったとエリカに思わせ、それによってエリカにヤクザを刺させるように仕向けたのだった。

　なんかまわりくどいなぁ。そもそも、指を切り落とされたって、エリカにどうやって信じ込ませたんだろう？

　ここで、イサオが指が5本揃った手をエリカに見せ付けて、ネタばらしするんだけどね。

　そのヤクザをエリカが刺したことで、麻薬密売ルートが自分たちのものになったとうそぶくイサオと手下たち。　

　
　イサオ「まさしく天使だぜ。外国には行けなくても天国へは行けるだろうよ」

　かっこいい捨て台詞を残し、エリカを廃自動車の中に放り込み、灯油の上に蝋燭に火をつけて立ち去るイサオ。つまり、原始的な時限発火装置であるが、あまりに原始的過ぎて途中で消えそうだ。

　もっともこれは、この頼りない蝋燭の火がエリカの命を象徴していると言う、ドラマ上の演出も兼ねてるんだけどね。

　
　しかし、あわやというところで駆けつけたユミたちに救出されるエリカ。

　
　イサオに踏みにじられた思い出のペンダントを拾い上げて、「イサオのやつぅ」と憤るルリ。

　あとは「反逆同盟」のお仕事です。

　しかし、面倒なので端折ります。

　
　ただ、今回は戦闘の際、イサオが火炎放射器をぶっぱなすという派手なシーンが見られる。

　
　もっとも、実際の戦闘にはあまり役に立ちそうにないが……。

　最後はミホが例によって（バンク映像で）バラを投げてイサオの動きを封じ、

　
　ユミの渾身の右ストレートが、

　
　イサオの顔面にめり込んでジ・エンドとなるのだった。

　あと、

　
　相変わらずサディスティックな表情でチェーンを引っ張るおケイちゃん、でした。

　こうして事件は解決したが、男に裏切られたエリカのことを思い、素直に喜べないユミたち……。

　エピローグではエリカが入院している病院へ全員で見舞いに行く。

　
　エリカ「イサオは死んだよ……あたいの心の中でね」

　と、ドラマではお約束の台詞をつぶやくエリカ。だが、

　
　エリカ「でも、そんなに悲しいことじゃないんだ……新しいダチができたからね」

　と、健気な笑顔を向けるのだった。

　悲しいけれど清々しい幕切れである。

　そういえば、橘ゆかりさんは「スケバン刑事」の8話でも男に騙される女子高生モデルを演じてたね。

　と言う訳で、シンプルなストーリーだけど、今までにない設定のシナリオで、なかなか面白い第16話「翼の折れた天使」でした。なんといっても、橘ゆかりさんが魅力的だ。

　2018年3月6日追記

　・1986年の10月に「岐阜高校教師教え子殺人事件」と言う事件が起きているのだが、今回のエピソードはひょっとしてそこから着想を得たのではないかと思う。男が若い女の子を騙し、殺害して、死体を中古車販売店の駐車場でガソリンで焼く……と言うのが良く似ていると思うのである。実際のところは不明だが。