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横溝正史シリーズ「犬神家の一族」 その5

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 今回は第四回と第五回(最終回)をまとめて紹介します。ただ、原作は60年以上前の作品とは言っても、本格ミステリーなので、真犯人などについては触れないことにします。

 第四回あたりから、明らかにシナリオが弛んできて、どうでもいい演出を継ぎ足して無理に話を引き伸ばそうとしているのが顕著になる。やはり全四回で十分だったろう。

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 こういう無限に鏡像がならぶ映像のお遊びなど、面白くはあるがストーリー上さほど必要ではない。

 さて、前回から行方不明になっていたスケトモさんだが、

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 結局廃墟の中で死体となって発見される。ここは発見の状況は原作通りだが、その殺され方は原作のそれとは違っている。

 角川映画では、死体そのものが屋敷の屋根に捨てられている。

 ここは、原作の中でもアリバイトリックとして評価すべきところなので、是非映像化の際には取り入れるべきだと思うが、どちらでも活かされていないのが残念だ。最近見た稲垣金田一版では、原作に忠実に描いてあったけれど。

 その後、仮面のスケキヨさんも殺されてしまう。

 この辺も、映画やドラマではその正体(青沼静馬)を犯人に暴露して、「うわっははははっ、犬神家は俺のもんだぁーっ」と叫んでいるところを殺されるのがパターンになってしまっているが、原作の偽スケキヨさんは、実はそんなに悪人ではなく、珠世さんとは叔父と姪の関係になるから結婚できないと悩むような真面目な奴なのだが。

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 と、その死体の血が、雨樋から流れ落ちるショッキングな映像。

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 そして那須名物「湖面に浮かぶ逆さまの足」の登場。

 この映像は、既に「犬神家」のシンボルになってしまった感があるが、ま、やっぱりインパクトはある。原作では裸じゃなかったと思うが……

 そして最終回。

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 また東京のおばちゃん(野村昭子)の愚痴を聞いている金田一。電話を切って「古舘さん二回目の探偵料忘れてるんじゃないのかなぁ」とぼやいていると、

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 ちょうどそこへ古舘弁護士がやってきて、慌てる金田一。

 この後、本物のスケキヨさん(田村亮)が遂に登場し、自分が犯人だと主張するが、金田一は犬神家の人々を集めた席で、真犯人を名指しするのだった。

 ま、それはいいのだが、原作では最後まで頭の高かった犯人が、ドラマでは遺族に対して「殺しちゃってゴメンね」とペコペコ頭を下げるのはかなりみっともなかった。

 とにかく、真犯人の自殺で事件は終幕する。

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 エピローグでは、金田一と署長たちが、鍋を囲んでいるという和やかなシーンが描かれる。

 キヨちゃん「うめえかい金田一さん?」
 金田一「うーん、こんな旨い牛肉初めて喰ったよ」
 キヨちゃん「ええーっ、ふふっ、信州のけっとばしぃ、しらねえのかい?」
 金田一「けっとばし?」
 キヨちゃん「うん、そんなに喰うと馬に蹴っ飛ばされるダニ」

 自分が食べているのが馬肉だと知って少し驚く金田一。
 ここのキヨちゃんも、実にカワイイのであった。

 また、古舘弁護士が三回目、四回目、五回目の探偵料をまとめて支払うシーンがあるが、だったら分割にする必要はあまりなかったのでは? 制作サイドとしては毎回金田一が報酬を貰うシーンが欲しかったのだろうが、アイディア倒れに終わったようだ。

 ここで、金田一はビジネスライクにちゃんと領収書を書くのだが、この辺はもろに角川映画版の影響であろう。原作にはそう言うシーンは一切ないからね。

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 そこへおばちゃんからまた金田一に電話がかかり、相手が金田一の彼女だと思いこんでるキヨちゃんは機嫌が悪い。

 金田一の尻を引っ叩いて、
 キヨちゃん「年上の彼女! もうしつこいんだから!」

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 橘署長「おい、焼いてるのかキヨちゃん?」
 と、冷やかされ、

 キヨちゃん「やだーっ、署長さん、もう!」
 と、署長に思い切り背中を押し付けるキヨちゃんでした。

 とてもラブリーであるが、演じる井上聡子さんは他では「黒猫亭事件」に出てるくらいなのが寂しい。

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 今回は、エンディングクレジットがまだドラマが続いている中で始まる。

 東京へ帰るべく、ひとり那須駅に来た金田一。

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 と、そこで、同じく汽車を待つ珠世さんと出会う。彼女はこれから東京へ行って働くという……。自立を求める女性として描きたかったのかもしれないが、彼女は現在、犬神財閥の実質的な後継者なのだから、このタイミングで東京へ行くのはまずいのでは?

 と言う訳で、後半はだいぶ駆け足になったが、紹介を終わる。

 正直、横溝正史シリーズの中では凡庸な出来であるし、終盤のぐだぐだした感じはマイナス点をつけざるを得ない。キヨちゃんの存在が救いである。

 次回は「本陣殺人事件」です。


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コメント

待ってた人なぞ誰一人いない、「横溝正史の勝手アレンジシリーズ・鬼火」最後になります。

お銀をモデルに120号大作(絵のことはよく知りませんが)に取り組んでいた万造。そこへ、地元の警部(竹雨宗匠)が訪ねてきて、お銀に同行を求めます。
ここははっきり言ってどうでもいいんですが、一応、お銀が何かの汚職の鍵を握っていたという設定です。

で、そこへ何となく(←おい!)代助も来て、証拠品は既にアトリエから盗み出して検察にでも渡したと言ってきます。

万造、代助、お銀の三人は、警部が運転するジープに乗せられて県警まで護送されます。が、途中で万造が暴れだし、ジープは崖から落下、大破し出火。
警部と代助はかろうじて抜け出しますが、万造とお銀は出られなくなり、そのまま焼死。万造の最後の言葉はもちろん「代ちゃん、あばね!」

残された代助は、万造のアトリエで筆を取り、120号を完成させますが、それで力を使い果たしたかのように、ひっそりと息を引き取ります・・・。


舞台は現代に戻り、竹雨宗匠は、真吉と清子の息子-カケルという名前あり-やそのカケルのいとこたちが、生涯嫌いあって生きないように説き、その後終幕(花火が上がる)となります。

と、いうわけで、アレンジ「鬼火」はこんな感じです。
いつもながら不出来かもしれませんね。

Re:横溝正史シリーズ「犬神家の一族」 その5(03/20)  

ミスって、同じコメントが二回投稿になってしまいました。
ごめんなさい・・・。

Re[1]:横溝正史シリーズ「犬神家の一族」 その5(03/20)  

妄想大好き人間様
長文コメントご苦労様です。

ドラマやアニメは無理でしょうが、漫画なら可能かもしれませんね。一時期、金田一の漫画がやたら描かれていましたが。

重複コメントはこちらで削除しておきますね。

映画「犬神家の一族」(76)  

1976年の映画がTV放送されたので、録画してみました。
真犯人を既に知っている点を差し引いても、映画としては単調な気がしました。
しかし、人間の「業」というか「闇」を感じさせるところは秀逸です。
珠世さん役の島田陽子さんは綺麗でした。「高嶺の花」という感じがありますね。

Re:映画「犬神家の一族」(76)(03/20)  

影の王子様
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

>1976年の映画がTV放送されたので、録画してみました。
>真犯人を既に知っている点を差し引いても、映画としては単調な気がしました。
>しかし、人間の「業」というか「闇」を感じさせるところは秀逸です。
>珠世さん役の島田陽子さんは綺麗でした。「高嶺の花」という感じがありますね。

個人的にはオールタイムベストの1本ですね。今まで軽く20回は見てるでしょう。原作ファン、ミステリーファンとしては不満も多々ありますが。

Re:横溝正史シリーズ「犬神家の一族」 その5(03/20)  

スケキヨが逆さ吊りで殺されるシーンが有りましたが、一頃私の周りでは“スケキヨ潜り”なるものが流行った事がありましたね😅
(そんなん知らんがな!)キヨの世話焼き振りが癒やされますね。
信州は、馬肉が良く食べられているようですね😅

Re[1]:横溝正史シリーズ「犬神家の一族」 その5(03/20)  

ふて猫様

自分のところでは特に流行ってなかったですけどね。

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Author:zura1980
70~80年代の特撮、80年代のドラマを中心に紹介しています。

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