「セーラー服反逆同盟」 第15話「プッツン気分！初恋しちゃった」 前編

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　第15話「プッツン気分！初恋しちゃった」（1987年1月26日）

　この「プッツン」と言う言葉、この作品では何度か出てくるフレーズで当時流行っていたと思われる。もっとも、このサブタイトルでの使い方は間違ってると思うが。

　冒頭、主題歌の「SHADOW OF LOVE」を、歌っているA-JARIというバンドが自らライブハウスで演奏すると言うシーンから入る。

　

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　イントロの、当時の若者や街の様子をスチールで流す部分があるのだが、ここが妙に懐かしい感じがして好きなのだ。

　
　この方が、ボーカルの本多さん。気持ち良さそうに熱唱してらっしゃる。

　
　バンドのメンバーに混じり、さも演奏しているていで立っている（右端）のが、今回のゲストの高木淳也さん。逆刀（さかとう）と言う変な役名である。

　
　ライブの後、客席に一人居残っていたのは我らがおケイちゃん。嬉しいことに、今回の主役は彼女なのです。

　彼女はその逆刀に御執心の模様。ただ、前回「ロック歌手の浅上博のファン」とか言ってなかったか？　移り気だ。

　
　ステージでギター片手に曲を書いている逆刀と目が合い、思わずはにかみながら目を反らすおケイちゃん。うう、可愛い。

　そこで何故か近江俊郎が現れてケイたちと言葉を交わすという変なシーンがあり、

　
　逆刀の飼っていた猫（車に轢かれて死亡）の名前も「ケイ」だと聞かされ、親近感を覚えるおケイ。

　飼い猫と同じ名前だと言われて、喜んでいいのかどうか迷うところだが。

　
　デモテープまで貰い、有頂天になるケイちゃんであったが、

　
　逆刀はその後、夜の公園で番長グループと大立ち回りを演じ、番長の後藤（岡元次郎……仮面ライダーブラックなどのスーツアクター）の背骨をへし折るなど、凶暴な一面を持っていた。

　
　翌日の黒鳥学園。

　クラスでは、影の総番（笑）と呼ばれて恐れられていた後藤が、何者かに再起不能の重傷を負わされた話でもちきりだった。

　ただ、すっかり恋愛モードに突入のケイは、逆刀に貰ったデモテープに聞き入り、そんな話題には一切興味を示さない。髪型も、いつもと違ってポニーテールになっている。

　だが、九条の導きで入ってきた転校生こそ、

　
　あの逆刀であった。

　しかし、さすがにこの顔で高2は無理があるだろ。学生服が死ぬほど似合ってねえ。

　
　まるでドラマのような運命的な再会に驚くケイ。

　ここでいつものようにＯＰなのだが、既にアバンタイトルで「SHADOW OF LOVE」があり、ＯＰでも同じ曲が流れるのは芸がない。ライブの方では2番の歌詞を歌うほうが良かったかな。

　
　さて、ケイは早速、逆刀に校内を案内してあげる。

　
　最後に屋上に上がってまったりしているふたり。

　ただ、後藤さんは女性にしては背が高く、高木さんは中背なので、二人が並ぶとほぼ一緒の高さになってしまうので、このカップルはあまり絵にならない。

　
　ケイ「これでも昔はかなり鳴らしたスケバンだったんだ」
　逆刀「じゃあこの学校のスケバンとかにも詳しいの？」
　ケイ「まあね」

　世間話をするように、さりげなく探りを入れる逆刀。

　
　その後、二人で廊下を歩いていると、九条に呼び止められ、あれこれイチャモンをつけられる。

　
　二人が反抗的な態度を取ると、九条配下の生徒指導部の生徒たちに囲まれるが、逆刀が右手をあげるだけで突風が起こったように生徒たちは倒れ伏し、さらに九条の心臓を掴むような仕草をすると九条が苦しみだしてぶっ倒れてしまう。

　あたかも、逆刀、超能力が使えるようであった。

　ま、後に、これは逆刀と九条の仕組んだ芝居だったことが分かるのだが。

　ただ、これ以外の場面でも、瞬間移動したり、息吹で相手を吹き飛ばしたり、確かに彼はある種の特殊能力を持っているように描かれている。少なくとも金属バットを素手で折れるほどのパワーがあり、「セーラー服反逆同盟」の敵の中では最強だろう。

　この後、ご丁寧にライブハウスで2回目の演奏が挿入される。今度はしっとりしたバラード「長い夜」を歌い上げるA-JARI。さすがに2回はくどい。

　「長い夜」は彼らのお気に入りの曲だったようで、後に「少女コマンドーいづみ」にゲスト出演した時も、この曲を披露していた。

　
　客席の中で、すっかりとろんしているケイ。初恋のトキメキと切なさになんともいえない表情になっているケイがとてもキュートだ。撮影当時の後藤恭子さんは15才だから、実に自然で説得力のある演技である。

　一方、黒鳥学園の周囲では引き続き番長グループが次々と襲われて壊滅させられていた。

　ミホから情報を仕入れてきたユミは、仲間に、番長グループを襲っている犯人は逆刀ではないかと話す。

　
　それを聞いてショックを受けるケイ。

　逆刀に会い、直接真偽を確かめようとする。

　
　逆刀はピアノで「別れの曲」を弾いてから、

　
　ケイを正面から見詰めて、そのことは誰にも話さないで欲しいと頼む。

　ケイ「はっ、はい……」

　未経験のケイは蚊の鳴くような声で答えるのが精一杯。

　
　さらにそのまま、逆刀はケイのファーストキスをゲットしようと顔を寄せてくる。

　ケイの声「来る、来る、来るわっ」

　貞子でも来るのかと思うが、初心な感じでとても可愛いのである。

　ま、元スケバンには逆立ちしても見えないが。

　
　が、ぎりぎりのところで「いやっ」と逆刀の手を振り払って後ろを向いて、拗ねたような顔になる。

　ケイのキスシーンも見たかったけど、これはこれでいかにもケイらしくて好きな演出だ。

　強引な迫り方を謝った後、逆刀は、「セーラー服反逆同盟について知らないか」と核心に触れる質問を切り出すのだった。

　逆刀の正体とその目的は？　と言ったところで、後編に続く。