「ハサミ男」(2004年)DVD
- 2013/01/22
- 22:11
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だいぶ前にもさらっと触れたけど、改めて紹介したい。
殊能将之の同名小説の映画化。監督は故・池田敏春。
原作はこないだ買ったんだけど、まだ読んでない。読んでから書いた方いいかもしれないが、そうするといつまで経っても紹介できないので構わず取り上げる。

冒頭、ヒロイン麻生久美子が、トヨエツとともに田んぼに呼び出した女子高生を、

のどに研ぎ澄ましたハサミを突き立てて殺す!
ミステリーとしては掟破りの導入部。
そう、麻生久美子はバリバリの連続殺人鬼、世に言う「ハサミ男」だったのだ。トヨエツは影のように彼女に従い、協力している謎の男。
彼女は予備校の事務員をしながら、その立場を利用して清楚で真面目な美少女ばかりをピックアップし、次々と殺していたのだ。動機は……よくわからない。

(映画では)二人目の女子高生も、同様の手口で殺してしまう。

ちなみに麻生さん、自殺マニアで、しょっちゅう色んな方法で自殺を試みては失敗していた。
最初はビニール袋を被って窒息死するというもの。やだなぁ。
彼らは次の獲物を探してとある女子高生の身辺を調査していたが、いざ殺そうとしたとき、彼女は別の人間によって殺害されていた。しかも、「ハサミ男」の仕業のようにのどにハサミを突き立てられて……。
彼らは事件の目撃者として警察に事情聴取される羽目になる。

心理分析官として事件を担当するエリートを阿部寛、彼に協力を申し出される若手熱血デカを樋口浩二が、それぞれ好演。
警察サイドの動きは、主に彼らの行動で表現されている。

そういや、ベテラン刑事役で「セーラー服反逆同盟」にも出ていた清水宏さんが出てたな。
警察とは別に、本家「ハサミ男」たる麻生さんたちも、独自にニセの「ハサミ男」をつきとめようとあれこれと探偵のようなことをする。殺人鬼のプライドが許さないのだ。

麻生さんの自殺講座その2。クレゾール液をがぶ飲み。
しかし、吐いて失敗する。この、麻生さんが嘔吐する姿にコーフンしたあなた、変態です。

夜の街をうろつく麻生さん。
大抵の麻生さんの役とは違い、この作品では他人との接触を嫌い、極めて無愛想で孤独な女性を演じている。これもなかなか魅力的だ。

麻生さんの自殺講座その3。ニコチンを煮詰めてどろどろのチョコレートみたいにしてがぶ飲み。

これもあえなく吐いて失敗する。麻生さんの嘔吐する姿に……(以下略)
その後、警察の捜査も麻生さんたちの捜査も核心に近付いていく……。
ニセ「ハサミ男」は果たして誰なのか……、物語は怒涛の展開を見せるのだが、管理人、何の予備知識もなく見たのだが、二重の意味でまんまと騙された。
ニセ「ハサミ男」の正体と、事件全体の大きなトリックと……。後者はともかく、前者については我ながら迂闊と言うか、馬鹿だなぁと思ったことだ。
さすがにこのメイントリックに関してネタバレするのは人道的に問題なので、クライマックスについては一切書きません。
自分的には全然OKだったが、人によっては釈然としない、納得できないと感じるかもしれない。
演出も手堅く、キャストも他に二木てるみ、小野みゆき、石丸謙二郎、寺田農、斉藤歩など、豪華である。阿部ちゃん、まだ日本映画界を背負って立つというほどエラくない頃で、この頃の阿部ちゃんは輝いてたなぁ。

また、シナリオが変に勧善懲悪に靡かず、殺人鬼の麻生さんが最後に熱血デカに心を開いてハッピーエンドを迎えるのがとても良かった。
管理人は最初レンタルで見て、あまりに面白いので思わずセル版を買ってしまったほどだ。
セル版にはメイキング、未公開映像、舞台挨拶などが収録されているものの、正直、別に見ても見なくてもいいような内容だった。池田監督の語りが結構長いので、監督に思い入れのある人にはマストアイテムかもしれないが。

舞台挨拶の麻生さんとトヨエツ。萌えるわぁ(どっちにも)。
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