「花のあすか組！」第16話 後編

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　第16話「4番ピッチャーあすか」（1988年8月8日）
　の続きです。

　
　はるみ「60連敗すると追放って言うのは、正式なボーイズリーグの決定らしいですわ」
　ミコ「いくら落ちこぼれでも、さすがに燃えてるだろうな」
　私服姿でグラウンドへ向かう三人。

　だが、行ってみると、選手たちはがっくりとうなだれていた。
　大山「あすかはん、万事休すや、ゆんべから新井が行方不明やねん」
　選手「俺たち見捨てられちまった」
　選手「あいつよー、才能がダンチだったもんなぁ」

　あすか「バカヤロー！　才能だとかぐだぐだ言う前に、マジな練習やってみなよ。叫ばないあいつも悪い。でもね、あいつに頼りっぱなしのあんたらも情けないよ！」
　たまりかねてあすかが活を入れる。

　選手に「女に野球のことが分かってたまるか」などと言われ、口論になる。
　売り言葉に買い言葉で、結局、あすか、ユニフォームに袖を通すことになる。

　
　で、あすかにピッタリのユニフォームがちゃんと用意されていると言う、ドラマのように都合のいいことが起きる。
　まぁ、実際ドラマなので、特に問題はない。

　得意の金貨投げの要領でボールを投げると、キャッチーも取れないような剛速球になる。
　それを見て選手たちも納得する。

　だが、ピッチャーはボールを投げさえすれば良いと言うものではないんだけどね。

　とにかく、気合を入れ直して練習を開始する選手たち。
　練習後、監督から礼を言われ、あすかは「負けんのは仕方ない。だけど負けて平気な顔してる奴は嫌いなんだ」と名言を吐く。

　試合前日、あすかは急場仕込みのピッチングでは最後まで持たないとさすがに自信がなさそうだった。はるみは、あすかが打たれる前に新井を探して連れてくると約束する。

　
　一方、わざわざそんなことまで報告に来る全中裏の春日。
　春日「ふざけたことにあすかは、西区のボーイズリーグに参加すると言う情報が。なんらかの手を打たなければ……」
　ひばり（知るかっ）

　ひばりはあすかの好きにさせてやれと素っ気無い返事。

　
　試合当日、先発のマウンドに立つあすか。凛々しい。

　
　初球からストライクで空振りさせる。ただし、この後ろ姿は明らかに別人（男）である。

　いくら軟式でも、経験のない女の子が簡単にストライクを取れるほど野球は甘くないのだ。

　
　観客席には、あすかの母親や、チアガールに扮したミコたちが来て黄色い声援を送る。

　
　最初のバッターを三振に取り、思わず笑みがこぼれるあすか。可愛い……。

　
　ミコ「はるみの奴、間に合うのかな……」
　心配そうなミコ。可愛い……。

　
　そのはるみ、練習グラウンドのマウンドにいる新井を見付ける。
　はるみ「あすかさんがあなたの代わりにマウンドに立ってるわ。あなた何の為にフェニックスに入ったの？　落ちこぼれの間で良い格好する為だけだったの？　自分の意志で勝負する為じゃなかったの」
　新井「うるせーっ！　剣の脅しは本気だ。今試合に出たら、この手で二度とボールが握れなくなるんだ」
　はるみ「ボールは勝負をするために握るんでしょう？　あなたは今、人生の勝負にフォアボールを投げようとしてるのよ」
　うまいことを言って、新井を説得するはるみ。

　その後、あすかは好投するが、剣監督の指示によるラフプレーを連発され、腕を負傷し、2点を先取される。窮地に立たされるが、そこへはるみが新井と一緒に戻ってくる。

　新井「監督、スイマセンでした。みんな、目が覚めたよ。みんなの必死な叫びにね」
　あすか、頷いて、ボールを新井に託す。

　試合再開。バックに前期OPの「Get a Chance！」が流れる。

　
　新井は好投し、以降の失点を許さず、2点差のまま最終7回裏。
　小柄な選手がバットを短く持つのを見て、新井が「チビ、バットは長く持って、思い切り振り回せ」と、アドバイスするなど、チームの結束も強まる。

　そのチビの打球が長打になり、ランナーが還って1点取るが、本塁まで走ったチビはクロスプレーでアウトとなり、結局フェニックスは敗北する。勝ち誇る剣監督。

　だが、選手たちは「追放されたって、名前を変えて登録してやる」「この次はやっつけてやる」と、闘志を燃やすのだった。

　ラスト、選手たちに胴上げされるあすかを映しつつ、爽やかに終了。

　だが、あすかが何故野球を嫌いなのか、説明されないままだったし、武上純希脚本にしてはフックのないストーリーだった。