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「ケータイ刑事 銭形泪」セレクション 第17話


 第17話「高村刑事、絶体絶命!~正しい日本語殺人事件」(2004年4月25日)

 万葉大学附属言語研究所にやってきた泪と高村。

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 高村「こんな歴史ある立派な大学のプロフェッサーが、ほんとに犯人なのぉ?」
 泪「完璧の璧を、壁(かべ)と間違えて展示会に出した書道家、情けは人のためならずを、情けをかけるのは人のためにならないと言う意味で使っていた人気作家、そして生放送でいばら県を、いばら県と読んでしまったアナウンサー、3人とも毒殺される5時間前にここの教授と会ってるんです。教授が連続殺人犯に間違いないです」

 二人は、早速その教授に面会を求める。
 泪「あなたが言語学者の言霊教授ですね」
 言霊「教授ではない、名誉教授だ。日本語は正しく使って頂きたい」
 泪「す、すいません」

 助手の出したお茶を飲もうとして、
 高村「おおっ、かぐわしきグリーンティーの香り」
 言霊「君、日本人なら緑茶といいたまえ」
 高村「あはっ、ソーリーソーリー、僕、ロス市警帰りなんですよ、つい……」

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 その言葉に、教授の目が怪しく光る。
 言霊教授を演じるのは、性格俳優の藤木孝さん。この人好きやわ~。

 言霊「で、御用件と言うのは」
 泪(3枚の写真を並べ)「3件の殺害事件の被害者です。殺したのはあなたですね」
 高村「銭形君、そんなにストレートに聞いたって白状する訳ない……」
 言霊「そうです!」
 泪「いいんですか、そんなに簡単に認めちゃって」
 言霊「私の目的は完全犯罪じゃないからね。……老い先短い身だ。私は犯罪を犯すことで、日本語の乱れきったこの世の中に警鐘を鳴らしたかったのだよ」

 高村「今回あれだ、記録に残るスピード解決だ、ねえ銭形君……殺人容疑で逮捕します」
 その場で手錠をかけようとする高村。その時、

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 言霊「あっ、あそこに未確認飛行物体が!」
 と、窓の外を指差して叫ぶ。

 二人が斜め後ろを見ている隙に、堂々と高村の茶碗に毒を入れる教授。

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 しかもこんな馬鹿でかい瓶で、茶碗の縁に当たってカチッと音がしている。

 さすがにこれに全く気付かないと言うのは不自然過ぎる。

 泪「なにもないですよ」
 言霊「見間違えたようだ。あ、ああ、刑事さん、最後にこれだけ飲ませて下さい。刑事さんたちもお召し上がり下さい……珠玉の玉露です」

 シュギョクのギョクロって、妙に耳に残るフレーズだ。

 泪と高村は素直にお茶を飲む。

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 それを見届けると、突然高笑いする教授。
 言霊「ふふふ、ははははっ、私にはね、間違った日本語を使う人間より、もっと許せない人間がいる。高村刑事、それは君のようにやたらと外国語を使いたがる輩だ。日本人なら日本語を使いたまえーっ!」

 高村「今はグローバルな時代ですよ」
 言霊「ああ、なんて耳障りな。まぁいい、君にも死んでもらうことにしたからね」
 さっきの瓶を見せて、「3人を殺した秘伝の毒薬・刻命丸だ。摂取した5時間後に確実に死に至る。君に残された人生は、あとたった5時間」

 高村「嘘でしょーっ! 困るよ、ちょっと待って、エステの年間パスポート買っちゃったしさ……」
 泪「解毒剤はないんですか」
 言霊「私との賭けに勝ったら解毒剤を渡そう。これから4時間、高村刑事を私の監視下に置き、外国語を使わずにいられたら、命を助けてやろう」

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 高村「外国語と僕は一心同体だ。自然に出ちゃう」
 泪「楽勝ですよ、高村さん、午後6時までの4時間、口を利かなければいいんです」
 高村「ああ、そうかぁ、そそそ、その手があった」
 口にチャックの仕草をする二人。

 折も折、警視庁から事件発生の緊急連絡が泪のケータイに入る。
 外国人タレント事務所で、事務所の社長が殺されたと言う事件だった。

 泪がひとりで現場へ行こうとするが、
 言霊「ダメだ。ここに残り口を利かないつもりらしいがそうは行かない。ここに残るのは君だ。出来ないと言うのなら賭けは不成立」

 教授は泪を別室に閉じ込め、高村と一緒に外国人タレント事務所へ向かう。

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 鑑識の柴田が現場にやってきた言霊教授について高村に尋ねる。高村が適当に誤魔化していると、柴田は教授を、泪の祖父、つまり銭形警視総監だと勘違いする。
 柴田「お会いできて光栄であります。鑑識柴田、若輩者ではございますが、全身全霊、事件解決に尽力致します!」
 言霊「君の日本語は実に美しい、頑張ってくれたまえ」

 さて、被害者は昨夜11時ごろに撲殺されたものと思われる。
 凶器に使われた掛け時計が被害者の前にあったが、その針は何故か10時を差していた。

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 死体の第一発見者の三人は、全員外タレであった。
 言霊「得意の外国語で事情聴取したらどうだね?」

 弱った高村は、早速泪に助けを求める。泪は、ケータイのテレビ電話で被害者の周囲を見て、たちまち謎を解く。つまり、掛け時計の針が、ケータイ刑事シリーズではお馴染みのダイイングメッセージだと言うのだ。

 泪は高村に三人の名前をゼスチャーで教えて貰い、その中に犯人がいると断定する。

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 泪「犯人はジニーさんです。被害者は時計の針を10時に動かすことで犯人の名前を教えようとしたんです。被害者の左手の指を見てください。3本に立てられた指が、ちょうど9時のところにあります。その場所を9時ではなく3時だと言おうとしたんです」
 高村「どういうこと?」

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 泪「つまり、時計をひっくり返して読めと言うことです。ひっくり返せば、10時ではなく、2時、2時の反対はジニー」
 高村「なるほど」

 なるほど、じゃねえよ。

 頭を殴られて死にそうな人間が、そんなややこしいダイイングメッセージを残せる訳ねえだろ。
 そもそも、第一発見者の中に犯人がいると泪が考えるのも根拠がない。

 もっとも、名指しされたジニーはすぐに自分がやったと認めるので特に問題は無かったが。

 何とか外国語を使わずに切り抜けた高村、研究所に戻ってくると、6時になるまでひたすら待つ。
 教授は渋々解毒剤を取りに行ったが、いつまで経っても戻ってこない。

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 気になって二人が建物の中を探すと、教授は首を吊って死んでいた。
 その足元に、ワープロで打たれた遺書のような物が落ちていた。

 高村「自分の命を絶ってまで、この僕を殺そうなんて……」

 だが、泪は、その遺書に誤字があることに気付き、それが偽造で、教授が何者かに殺されたのだと推理する。建物には、さっきお茶を出してくれた助手しかおらず、犯人はあっさり泪にお仕置きされる。助手は、以前から言霊に論文を盗用されていて、殺意を抱いていたらしい。

 殺人事件は片付いたが、解毒剤を見付けないと7時に高村が死ぬ。
 泪は、教授の部屋の金庫の中にある筈だと、その暗証番号を見付け出そうとする。

 誕生日など元に数字を打ち込むが、金庫は開かない。
 やがて、毒が回ってきて、高村が倒れる。

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 泪「高村さん、高村さん死んじゃダメ! まだ会ったばっかりじゃない、一杯一杯、一緒に働くんだから、一緒に事件解決するんだから! 死んじゃイヤーッ!」
 高村の体を抱いて、涙まじりに叫ぶ泪。この芽以ちゃんの演技は、アイドル女優の域を超えた熱演だ。

 もっとも、相棒になってまだ4回目の事件なのに、ここまで取り乱すと言うのは、やや嘘臭い。

 だが、7時直前になって、泪は教授の名前を見ていて、暗証番号に気付く。急いで金庫を開け、解毒剤を高村に飲ませ、高村は間一髪で助かる。

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 帰り道、暗証番号について説明する泪。
 高村「暗証番号の語呂合わせ?」
 泪「はい、言霊は5とタマ、つまり0、夏は7とツーだから7と2、で、残った悟朗が56と」
 高村「7とツーか、なんだ、自分だって外国語喋ってたじゃないか」
 泪「まぁ、人間誰しも自分には甘いもんですよ……」


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