第32話「ふるさと殺人村」(1979年9月8日)
エゴス本部。入ってきたヘッダーとサロメの見たものは、闇の中、のたうちまわるカットマン(戦闘員)たちの姿であった。
ヘッダー「いかがなさいました?」
サタンエゴス「恨みじゃ! 怒りじゃ!」
バトルフィーバーに殺された無数のカットマンの恨みから、ミミズ怪人が誕生する。
このシーンでは、ぬちょぬちょうごめくゴカイの映像がかなりはっきり映し出されるので、そう言うのが苦手な人は要注意です。

パトロールから帰ってきたジャパンに、ケイコが手紙を渡す。
ジャパン「おおっ、よっちゃんからだ」
フランス「誰、
イカ? 恋人?」
ジャパン「バカ、幼馴染みだよ」
フランス「村野義雄、男かぁ」
差出人が男だと分かるや、たちまち興味をなくすフランスたち。
ジャパン「おお、水汲み祭りが行われるのか!」
マリア「水汲み祭りってなぁに?」
ジャパン「10年に1度行なわれるんだ。神人に選ばれた男が、三日三晩、泉の水を汲み続けるんだ」
コサック「ほう、三日三晩ねえ」
ジャパン「10年間の村人の健康と、豊作を祈願するんだ。やり遂げたら村の英雄だよ。僕の父がやり遂げたの覚えてるなぁ。……行って見たいなぁ」
俄かに郷愁に駆られるジャパン、仲間に勧められて一晩だけ帰郷することになる。
ジャパンが村に着くと、村は祭りの準備一色だった。櫓の上にいた若い男が、ジャパンに気付いてすぐ飛んでくる。

ジャパン「おーい、よっちゃん、元気そうだなぁ」
義雄「まさちゃん! よく来たなぁ」
ジャパン「手紙ありがとう」
義雄「10年ぶりの祭りなんでよぉみんなで集まるのも悪くないと思ってよぉ」
ガリガリに痩せているが、義雄を演じているのは今や押しも押されぬ人気俳優となった遠藤憲一さん。

村長や美代と言う幼馴染みもジャパンに親しげに話しかける。
村長「立派な若者になりおって、聞くところによると、バトルフィーバーとかっちゅう凄い商売やっとるそうじゃないか」
義雄「商売じゃないよ。日本を守る為に命懸けの仕事をしとるんだ」
村長「給料も高かんべーな」
ジャパン、自分がバトルフィーバーの一員だと、誰彼構わず吹聴しているらしい。
じゃあ、以前、サロメたちが必死こいてバトルフィーバーの素性を調べていたのはなんだったの?
ジャパン「美代ちゃん、すっかり綺麗になったな」
美代「まぁ、正夫さんに誉められて嬉しい」
義雄「いくら口説いてもダメなんだ」
美代「正夫さんのお嫁さんだったらなってもいい」
ジャパン「はっはっはっ」
義雄「そら、俺はいつも3枚目よ」
遠藤さん、さすがにまだ演技が固い。
だがその夜、

ジャパンが眠っている部屋の隣で、村長たちが額を集めて何やら密談している。
村長「すぐ殺しても、殺されたカットマンの恨みは晴れんわい」
義雄「どうします」
村長「まず神人にして三日三晩水汲みをさせろ。苦しめるだけ苦しめるのだ」
ジャパンは密かにその会話を聞いていて、パッと起き上がる。
と、村長はミミズ怪人、美代はサロメ、義雄たちはカットマンと言う風に、それぞれ正体を現わす。
だが、村人達を人質に取られているのでジャパンは抵抗できない。
翌日、車の無線機で本部に連絡させられる。
コサック「へー、ジャパンが神人に選ばれた?」
ジャパン「三日くらい帰れないかな」
コサック「そうか、じゃあ何かあったら連絡するよ」
ジャパンは隙を見て逃げようとするが、罠に掛かって再び捕まる。しかも、口が利けなくなる毒薬を飲まされてしまう。

で、早速水汲みをさせられるジャパン。何も知らない村人たちが声援を送る。
ジャパン(村の人たちはエゴスの陰謀を知らない。村ぐるみ人質に取られているようなものだ)

泉で、桶に水を汲むジャパン。
だが、ゴミが浮いていたとサロメに桶をひっくり返されたり、カットマンに水に押し付けられたり、ひどいイジメを受ける。
運んでいる途中も、足を引っ掛けられて転び、また汲みに行かせられるなど、陰湿な仕打ちを受ける。

翌日、よっぽど暇なのだろう、フランスとケニア、トモコとケイコまで吹雪村へやってくる。
水を運ぶジャパンの憔悴した姿を見て驚く。
フランス「どうした、えらくつらそうだな」
ケニア「どうして黙ってんだ」
村長「神人に口を利いてはならん。水汲みは無言の荒行事だ」
喋れないジャパンは、目の開閉で情報を送る「アイ・モールス」なるもので、フランスに「エゴス、人質の救出頼む」とメッセージを伝える。
ジャパンは桶を抱えたまま、焼けた炭の上を裸足で歩かされる。
これはエゴスが考えたオプションだろうが、村人たちも特に不審は抱いていないようだ。
何も知らないケニアたちは、ジャパンが渡り終えると「やったやった」と暢気に歓声を上げていた。
フランスは、エゴスに気取られないように、わざと明るい調子でケニアたちと踊って騒ぐ。

浴衣姿のケイコが可愛い。

それを本部のモニターで見ているヘッダーたち。
「お喜び下さいサタンエゴス様、バトルジャパンの苦しみをよそに、
仲間のアホどもはご覧のとおり!」
三日目、フランスたちは毒酒に酔ったふりをして油断させ、サロメを捕まえて人質のところへ案内させる。
ある洞窟の奥に本物の村長たちが監禁されていた。フランスたちは彼らを助け出そうとするが、逆にサロメに牢獄の中に押し込められてしまう。
サロメ「ふふふふ、この洞窟は、時限装置で爆発するのさ。それから
電波妨害装置も仕掛けてあるから、外との連絡は取れないわよ」
サロメは小気味良さそうに笑って洞窟から出て行く。
ケニア「こうなったら奥の手だ」
と、ブレスレットのスイッチを押すと、どこかの発信機が動き出す。
……あのう、電波妨害装置は?
洞窟の外にある発信機を遠隔操作するにしても、その電波も届かない筈なんだけどね。

それはともかく、本部の残っているマリアがそれをキャッチする。
マリア「コサック、SOSの信号よ」

それを聞いてマリアに駆け寄るコサック、さりげなく肩に手を回す。セクハラである。
マリア「吹雪村」
コサック「ようし、行こう!」
二人は現地へ急行。間一髪で時限爆弾のスイッチを切り、みんなを助け出す。
ジャパンは徹底的にいたぶられてヘロヘロになっていた。
美代「そろそろ限界のようです」
村長「ようし、ではトドメだ」
彼らがジャパンを処刑しようとした時、4人の仲間が参上する。
人質の無事を聞いたジャパン、強化スーツをまとう。
「我が故郷を汚す虫けらども、正義の鉄拳を受けてみろ!」 喋れなかったんじゃないの?
それに、直前まで死にそうだったのが、変身しただけで元気になると言うのも、ややいい加減だ。
で、いつものように戦闘シーン。

今回面白いのは、ジャパンがひとりでロボットに乗り、敵のロボットと戦うことだろう。
だから、他の4人が地上で怪人と戦い、その背後でロボット戦が行なわれると言う、かなり珍しい状況が生まれる。
……じゃあ、いつも5人で操縦しているのはなんなの?
いつもは、他の4人は座ってるだけだったのか。
ジャパンは座席に座ったままペンタフォースに参加して、怪人を倒し、その後、ひとりで必殺技を出して敵ロボットを粉砕する。

ラスト、ジャパンたちが帰ろうとしていると、村人たちが走って追いかけてくる。
美代「ビッグニュースなのー」
ジャパン「なんだい?」
村長「お前が選ばれたんじゃよ」
義雄「神人だよ。なにしろまさちゃんは村の救世主だからな」
村長「立派にやり遂げるんだぞ」
が、ジャパンは桶を見るなり、悲鳴を上げて逃げ出すのだった。チャンチャン。