第2話「横浜ロスト・ラブ」(1984年4月24日)
前回、フクロ叩きの洗礼を受けて不良の世界から足を洗った笙子、2週間後には、大衆食堂で真面目に働いていた。ちょくちょく来ているのだろう、哲也が店に顔を出す。

笙子「いらっしゃいませ」
哲也「やあ、ラーメン下さい」
だが、笙子のことをずっとマークしている刑事も、客としてカウンターに座っていた。
並行して、笙子は哲也の指導を受けて、熱心に舞楽の稽古に励んでいた。
何もそんなところで稽古しなくても……。 
なお、このシーンで一瞬だけ、舞楽のマニュアルみたいなものが見える。
動作の手順が暗号のようなものでびっしり書き込まれていて、頭の悪い管理人は見ただけで「うげー」となる。スタッフも、視聴者に「うげー」と思われないよう、極力、本格的な舞楽の話は避けるようにしている。だから、全話を通してこういう本が出てくるのはこのシーンだけである。

二人きりの練習の時間を重ねるうち、哲也と笙子の間に恋が芽生えるのは、これまた自然のことだった。
哲也に婚約者がいることを除けば。 哲也はその婚約者の恭子を自宅に招いて、釈明する。
「僕に少し時間を頂けませんか? 笙子さんがすっかり立ち直って舞楽の世界で独り立ちできるまで見守ってあげたい」
恭子「どうして哲也さんがそこまでしなくちゃいけないの? 哲也さんは私とあの子とどっちが大切なんですか? 私はあなたの婚約者なんですよ!」
哲也「……」
哲也、無言でその場を切り抜ける。だが、その会話を哲也の母・信子が立ち聞きしていた。

笙子、自宅の神社に帰り、バイトで買ったプレゼントを妹たちに渡す。勉強中の弟にも、
笙子「ケンジ、お小遣い上げるよ」
ケ「要らないよ」
笙子「馬鹿ねえ、私が真面目に働いて貰ったお金よ。そうでなきゃおっそろしい弟にお小遣いなんて上げらんないよ」
ケ「姉ちゃん、お客さん来てるぞ」
客間では、両親と信子が待っていた。
信子は単刀直入に、笙子に哲也と会わないで欲しいと申し出る。
信子「哲也はあなたとは別の世界の人間なんです」
信子「あなたと付き合ってると噂になるだけで哲也の人生は台無しになるんです。
笙子さん、あなたは不良少女なんですよ!」

信子の言葉に激しく傷付く笙子。
信子「不良少女なんです、あなたは、恐ろしい不良少女なんですよ。哲也と二度と会わないと約束して下さい」
笙子「約束します、二度と、二度とお会いしません!」
笙子は涙の下から、振り絞るように答えるのだった。
無論、嘘である。この後、600回くらい会う。

その後、店に来た哲也に対し、
笙子「あんたどこまでお人好しなの? いい加減気付いたらどうなのさ。私がほんとに悪竜会の会長やめたと思ってるの?」
と、更生したのは警察の目を誤魔化す為の芝居だと強弁する。
が、哲也は、
「君は僕に迷惑が掛かるのを恐れて言ってるんだろう? だったらそんな必要はないよ。
僕は君を愛してる!」
言い切ったでオイ! さっきの恭子への弁明はなんだったんだ?
面と向かってそんなことを言われて、笙子は思わず瞳をウルウルさせる。
それでも、哲也の胸に飛び込みたい自分の気持ちを必死で殺し、あくまで「警察の目を誤魔化す為だ」と言い張るいじらしい笙子。
ちょうどそこへ晴子や剛たちがやってきて、靖雄が流星会に無謀な戦争を仕掛けようと兵隊を集めていると知らせる。笙子はすぐに晴子たちと一緒に靖雄のところへ向かう。

笙子を追いかけようとする哲也を、剛が止める。
剛、このまま哲也にキスしそうな感じである。

笙子は埠頭に集まっている靖雄たちの下へ。笙子は元会長として、靖雄を説得する。
笙子「50人やそこらで勝てると思ってるの? 私たち、そろそろ退け時だよ、いつまでもこんなバカなことやってないでさ、もっとまっとうに生きる道を探そうよ」
笙子が仲間たちの武器を集めようとした時、パトカーのヘッドライトが彼らを包囲する。
警察「お前たち全員を凶器準備集合罪で逮捕するぅ!」

靖雄たちは全員捕まるが、笙子は一人逃れ、流星会に捕まった仲間を救いに、指定された場所へ行く。
笙子の前に投げ出される、惨めな負け犬4人(剛と晴子は仲間を助けに行って捕まった)。
笙子(使えねーなー)(註・嘘です)

笙子「私をフクロにしたらいいさ、その代わり、その4人は返して貰うよ」
麻里「寝とぼけた言ってんじゃねーよ!」 笙子の頬を平手打ちする麻里。
初期の麻里は、ほんとに狂犬っぽくて素敵よね。

お望みどおり、日本の伝統文化「フクロ叩き」の刑に処される笙子。
伊藤さん、アイドルらしからぬ体当たりの演技を見せている。
朝男「お前のこんな半端な姿を見たくなかったぜ、お前にはよー、とことんツッパって欲しかった」

朝男たちが引き揚げた後、笙子はやり場のない怒りを、ちょうど目の前に転がっていた4人の負け犬にぶつけようとするのだった。
笙子「ふふふふふふ」
剛「ヒーッ!」
晴子「笙子、許してぇ!」
全部嘘だよバカヤロウ。

2週間後、ここで全話通して最高のサービスシーンとなります。
自宅の風呂で体を洗い清めている笙子。
自らの罪を清算する為、警察に自首しようと決心したのだ。
笙子(哲也さん、もう二度とあなたとは会いません。あなたのことは忘れます)

このバックヌードもいい。

極めつけは、このカット。もう少しで乳首が見えそうな危険な鏡の位置。
髪の毛や顔には一切手を付けないと言うのが不自然だけどね(最後に頭から湯を被っているが)。
続く。