強い奴ほど笑顔は優しい「宇宙刑事シャリバン」第17話

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　第17話「新型二階だてバスのふしぎな異次元旅行」（1983年6月24日）
　17話と18話は、伊東温泉への慰安旅行を兼ねた連続エピソード。

　伊東温泉へ向かう2階建てバス、アローライナー。

　
　ガイド「アローライナーは間もなく、四次元トンネルに突入しまぁす」

　そんなとこに突入するな。

　果たして、トンネルの途中で雷光がきらめき、バスがいつの間にか都心の高層ビルの屋上に移動していた。
　バスのみならず、伊東に近付く全てのルートで、同様の怪奇現象が続発する。言うまでもなく、マドーの仕業である。

　すぐに電が調査に乗り出すが、過去に何度も痛い目に遭っているマドーは、あえて電がトンネルを通る際には一切手を出さず素通りさせると言う作戦に出る。

　
　警戒しているのかと、今度は電がバスの運転手、リリィがガイドに化けてもう一度通る。が、今回もマドーに気付かれて、何も起きない。

　
　ならば、次はカップルに変装して伊東へ向かう二人。だんだんコントみたいになってきたな。

　三度目の正直、今度はきっちり怪奇現象が起こり、バスが海中に移動してしまい、乗客がパニックを起こす。電は運転手にそのまま進めと指示し、バスは無事、トンネルの向こう側に出る。

　サイコ「シャリバンが嗅ぎ付けおった」
　ガイラー「人払い作戦はやりにくくなりました」
　サイコ「ドクター・ポルター、例の計画を（視聴者の皆さんに）」


　
　今回の作戦の目的を図入りで説明するポルター。
　「これがレーザーボーリングマシーンで探知致しました、伊東温泉周辺の地層図です。地下500メートルの地層にこのようにウラン鉱脈が眠っております。これだけあれば、我がマドーのエネルギー源は心配ありません。そこで地球ボーリング装置を作り、50キロメートル下の地殻に大穴を開けて、マグマを噴出させ、一挙にウラン鉱脈を地表に押し出します」

　全銀河征服を企む悪の組織の大幹部が、「伊東温泉」とか言っちゃダメ！
　急に話がローカルっぽくなっちゃうでしょ。

　
　ギャバン「マドーは伊東温泉周辺に怪奇現象を起こし、人の足を遠ざけ、あのあたり一体を孤立させようとしている。現地に赴き、マドーの陰謀を暴き出すんだ！」

　ああっ、ギャバンまで……。

　
　電、山を越えて別ルートで伊東へ向かう。
　ワイヤーのような物が見える気がするが、気のせいだ。

　で、ガイラー将軍が電の目を反らすための囮役を買って出る。

　
　具体的には、伊豆シャボテン公園へ行き、観光客を襲うと言うシンプルなもの。
　観光客「きゃああああーーーー！！」

　
　客の反応が思ったより良かったので、「むほっ」と嬉しそうなガイラー将軍。凄く良い人そう。

　電が悲鳴を聞きつけ飛んできて、ガイラー将軍と一戦交える。
　だが、簡単に退却してしまった為、電の疑いを反らすことは出来なかった。

　陽動作戦なら、もっと遠くでやらなきゃね。

　ポルターの指揮で、ボーリングの方は順調に進んでいた。

　
　ポ「タワーアップ！」
　の声で、実際に、ボーリングの機械がぐぐぐと立ち上がって行く。

　
　それを見ているマドーの皆さん、「わあー大きいわねえー」と素で感心しているのが丸分かりの顔を並べる。

　で、色々あって、事件の調査に押しかけた小次郎さんの怪我の功名で、結局電にその場所を知られてしまう。

　
　電、小次郎さんを安全な場所へ逃がした後、息を整えて、

　
　ジャケットを勢いよく脱ぎ捨てて宇宙刑事の制服になって、

　
　走りながら「赤射ぁ！！」と叫ぶ。

　コンバットスーツをまとい、ガイラーたちの頭上を跳び越し、

　
　崖の上に着地する。
　その雄姿を見上げるマドーの皆さん、フレームに収まるよう、一箇所に集まってくれる。

　
　シ「宇宙刑事、シャリバン！」
　ガ（なんで毎回名乗るんだ？）

　ポルター苦心のボーリングマシーンもあっさりシャリバンに破壊されてしまう。

　今回、本物のプルーインパルスや地対地ミサイルの発射映像と、爆破シーンを組み合わせる大胆な演出が見られる。

　
　実際、今回の火薬の量はかなり多く、

　

　
　スタッフの殺意すら伝わってくる迫力となっている。

　
　幻夢界に場面が変わってからも、魔怪獣マグマビーストが、その名の通り体中に炎をまとって攻撃してくるなど、随所に工夫が見られる。

　BGMは、ポプラの歌う「DANGER MELODY」が使われている。

　背骨がびびるほど　君にイカレたよ～♪
　俯く昨日など　そうさ、ねじ伏せて　目の前生きてるこの瞬間の熱さだけ信じよう～♪
　ここまで来たら四の五の言わず　愛だけさ～♪

　など、印象的な歌詞が耳に残る。

　無論、最後はシャリバンがビーストを倒して事件解決。

　
　平穏を取り戻した伊東温泉のホテル川良に、千秋たち三人が小次郎さんに招かれてやってくる。
　小次郎「ようこそホテル川良へ！」
　千秋「本当に招待してくれるの？」
　小次郎「ああ、僕はね、ここじゃちょっとした顔なんだよ」

　表向き、事件を解決したのは小次郎さんと言うことになっているのだろうか？　まぁ、小次郎さんが一役買ったのは間違いない。
　小次郎「なぁ、リリィ君？」
　明「ガールフレンドだろう？　小次郎さんの」
　小次郎「まぁそったらところだなぁ」

　そう言えば、千秋たちとリリィは初対面になるのか。

　小次郎さん、千恵、明は早速プールで楽しく泳ぐ。

　
　千秋「まるで子供みたいね！」

　いいから君たちも早く水着に着替えなさい！

　
　少し遅れて、電も休暇を楽しみにホテルへ来るが、玄関に小峠みたいな怪人物（海坊主）が映り込んでいるのを見て、気を引き締める。マドーの、ウラン獲得作戦はまだ終わっていないのだ。

　千秋たちの水着は来年のお楽しみ！