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「怪奇大作戦」セレクション 第22話「果てしなき暴走」


 第22話「果てしなき暴走」(1969年2月9日)
 この間紹介したセブンの「ひとりぼっちの地球人」と同じく、市川森一氏のシナリオが光るエピソード。

 DVD5(18~21話)は、全体的に低調で、全部スルーしても良いくらいだったが、DVD6(22~最終話)は欠番も含めて名作揃いとなっている。

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 冒頭、赤い1台の車が駐車場を出て、夜の大通りを軽快に走り出す。
 運転しているのは中年男性(近藤宏)だが、助手席にはこんな可愛い女の子が乗っている。

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 しかし、その車は異様に大量の排気ガスを撒き散らしていた。後方を走る数台の車がそのガスを浴び、ふらふらと引き寄せられるようにそのまま未舗装の空き地に出る。……かなり不自然だが、ま、これは撮影上の都合によるものだ。

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 狂ったように走り続ける後続の車は、次々と斜面に激突、炎上する。
 その鮮やかな炎の上にタイトルが記される。

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 その事故(かどうか良く分からないが)の記事を読んでいる的矢所長。
 的矢「また三重衝突事故か……運転者は全員死亡だってさ」
 野村「珍しくもありませんや、こう毎日じゃね」
 牧「東京は半径50キロのところに200万台近くがひしめきあってんだ。それが一遍に暴走したら怖いだろうね」
 野村「よしてくださいよ、人が折角車買おうって決心してるのに」
 さおり「あら、生意気に車なんか買うの?」
 野村「中古車だけどね、安いの見付けたんですよ」

 車を買うのが「生意気」と言う時代なのだった。
 野村は的矢にも勧めるが、「私は要らん」と一蹴される。

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 三沢が、SRIのトータス号でガソリンスタンドに寄る。

 車体に比べて三沢の体が大きいので、妙におかしい。

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 給油中、三沢が電話をかけている隙に、向かい側でヒッチハイクをしていたヒッピー風のカップルに目の前で車を乗り逃げされると言う事件が発生する。ここも、なんか笑ってしまう。

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 本部の無線機から、牧が「地球の終わり」みたいな深刻な顔付きで、二人に呼びかける。
 牧「聞こえるか、聞こえたら返事をしたまえ。その車はSRIの車だ。すぐ降りたまえ! 君たち、逃げても無駄だぞ」

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 ヒッピーたち「ははははっ、気持ちイーッ、ふはははははっ、楽しいなぁ、あーんムードないわねえ、あっ、SRIだって! カッコイーッ、飛ばせ飛ばせー、僕たちこれから心中するんだ。衝突寸前までマイク切らないからテープにとっときなさいよ。高く売れるわよーっ」

 こいつら、ヒッピーと言うよりただのアホである。

 折しも、またあの赤い車が現れ、トータス号と競走しているうちに、大量の排ガスをヒッピーに浴びせる。

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 赤い車と離れて、冒頭と同じ未舗装の空き地へ出たトータス号だが、運転している男の様子がおかしくなる。
 半分眠ったような虚ろな表情で、ひたすらハンドルを握っていたが、最後は瞳が真っ赤に染まり、視界に入った女性を思いっきり轢いてしまう。

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 パトカー、救急車、そしてSRIが事故現場に到着。轢かれた女性は死亡と言う最悪の結末だった。

 後方の立ち木のギザギザのシルエットが実に良い。

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 現場に着いて、へらへらしている男の顔をみた三沢、ぶちぎれて二人を殴る。
 三沢「くのっ、くのっ、甘ったれやがって、貴様ら人の命をなんだと思ってやんでい! 格好ばかりつけやがって、バカヤロー!」

 殴られても、二人はポカンと倒れたまま。

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 果てることなく流れる車のライトを見ながら、牧と三沢。
 ここでかかるブルース調(?)の主題歌が、これまた実に良いのである。

 三沢「殺されたのは女子大生だってね」
 牧「なぁ助さん、交通事故なら50秒に1件、犠牲者は38秒に1人だぜ、今こうして話している間にも、どっかで誰かが車の犠牲になってるんだ。だから……気にするなとは言えんが、彼女は運が悪かったんだ」

 その後、野村は念願のマイカーを購入、助手席に三沢を乗せてご機嫌である。
 野村「どうです乗り心地は、とても1万円の車とは思えないでしょう? ヒーターもあるんですよ」

 うーむ、あまりに昔の作品なので、1万円と言うのが安いのか高いのか、さっぱり分からんぞ。

 で、例によってあの赤い車が彼らを追い越し、盛大に排気ガスを吐き出す。
 野村は「カッコばかりで整備もしてないんだな」と笑うが、その野村、やがてさっきのヒッピー野郎と同じように、けだるそうな、眠そうな表情になる。

 やがて、目の前を行くタンクローリー車に額に脂汗を流しながら突っ込んでいく野村。しかし、寸前で三沢がハンドブレーキを引いたため、大事には至らず。

 彼らから話を聞いた牧は、「例えば昔ナチが使った神経ガスのようなものを嗅いだとしたら?」と推理する。
 三沢は、なんとか赤い車のナンバーを思い出す。ナンバーから、車の持ち主が歌手の眉村ユミだとすぐ判明する。

 事務所からユミの移動ルートを聞いたSRI。実験の為、三沢がひとりで車に乗ってわざとその赤い車の後方を走る。……しかし、三沢ひとりにやらせると言うのは、いかにも危険である。

 で、例によって三沢は途中で錯乱状態になるが、本部で緊急脱出スイッチを押し、三沢の体が戦闘機のコックピットのように、宙に発射される。車はそのまま崖から落ちて爆破。三沢はパラシュートで降下する。
 しかし、この一連の特撮シーンは、次の23話「呪いの壺」の炎上シーンと比べるとかなりお粗末だ。

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 事件の直後、スクラップ置場にあるその車を調べる牧たち。やはり、その車から、Gガス(精神錯乱ガス)が検出される。

 このシーンでは、次々と引き千切られ、押し潰される、無数の用済みになった車の「断末魔」を見せることで、現代社会の負の側面を強調しているように見える。

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 三沢「眉村ユミさんですね。SRIの者ですが……あなたの車を調べさせて頂きたいんですが」
 三沢が、朝日の昇る砂浜で無邪気に遊んでいるユミに話しかける。

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 ユミを演じるのは、「イナズマンF」の「幻影都市デスパー・シティ」の村野ユキ役が余りに鮮烈な久万里由香さん。当時はまだ15歳くらいか? この役も、ほとんど台詞はないのだが、極めて印象的な役である。

 三沢がユミに断ってから車のエンジンルームを見ると、確かにGガスのボトルが仕込まれてあった。
 だが、運転をするマネージャー(近藤宏)も、ユミも、ガスについては全然関与していないようだった。

 マネージャーから整備は駐車場の整備員に任せてあると聞き、三沢たちは駐車場で張り込みを行なう。犯人は、ボトルを取り付けにしごくあっさり現れるが、皮肉にも逃げようとしたところを車に轢かれてしまう。

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 救急車で運ばれる瀕死の男を尋問する三沢たち。
 今気付いたけど、この男、椎谷健治さんが演じてるんだね。
 男「俺じゃねえ、俺じゃねえ……頼まれたんだ……」
 三沢「頼まれた? 誰に?」
 男「車……」

 男はそれだけ言い残して息を引き取る。
 的矢「車? 東京だけでも200万台の車があるんだ」
 三沢「それじゃあ、これから一体何を目標に犯人を捜せばいいんだ?」

 三沢の絶望的な台詞でエンディングと言う、実に後味の悪いラストであるが、そこがまた良い。

 最期の言葉の意味するものは……、男が苦し紛れに責任転嫁しただけなのか、本当にそう思い込んでいたのか、それとも……? 答えは視聴者ひとりひとりが出せば良いのである(何を言うとるんだお前は)。


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コメント

この回も「え!? 終わり!?」って思うほど、あっさりしてました。冒頭、事故を起こす車の運転手、よく見たらヘルメット被ってます。フーテン野郎のタケシは『キカイダー01』の百地頑太役の久里みのるさんです。

Re[1]:「怪奇大作戦」セレクション 第22話「果てしなき暴走」(11/01)  

ウルトラファンレオ様
>冒頭、事故を起こす車の運転手、よく見たらヘルメット被ってます。フーテン野郎のタケシは『キカイダー01』の百地頑太役の久里みのるさんです。

貴重なご指摘ありがとうございます。

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Author:zura1980
70~80年代の特撮、80年代のドラマを中心に紹介しています。

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