第24話「ご用心!月給1億円さしあげます」(1985年10月11日)
ナレ「マッドギャラン軍団によって一生懸命に働き、勉強する真面目な若者たちがリストアップされた。若者たちが預金している銀行が突き止められた。銀行のオンラインシステムに介入し、若者たちの預金を勝手に移し替えたり、暗証番号を探り出し、キャッシュカードを偽造した」

と言う訳で、若者の口座から勝手に金を引き出していくブリマ(仁禮美佐)さん。悪の組織の幹部が、キャッシュコーナーから出てくる図、と言うのもなかなかお目にかかれないだろう。

そのひとり、優子は、通帳を見て、いつの間にか残高0になっているのを知って驚く。
妹の明子が道で突っ立っている姉に話しかける。
明子「どうしたのお姉ちゃん」
優子「ないの、預金が0になってるの……私使ってない、使ってないのにどうして?」
明子「何にも買えないね、お金がないと」
二人が途方に暮れて歩いていると、ピエロの格好をした男が一枚のビラを渡して去って行く。

何気なくビラを見ると、月給1億円と言う、ふざけたことが書かれてあった。

藁に縋る思いで優子がその会社、「マゼラン商会」に行くと、青年実業家と言ういでたちのマッドギャランが笑顔で待っていた。優子の目の前にドンと札束を積み、
マッド「うちは能力主義だ。働きに応じて賃金を払います。どうです、うちで働いて見ませんか?」
優子は、半信半疑ながら、その会社に勤めることになる。
優子を演じているのは寺戸千恵美さんで、次回作「スピルバン」では、悪玉のシャドーを演じることになる。

さて、ジャスピオン、マッドギャランから隠れて暮らしている南原一家のところへ行った帰り、迷彩服を着た男たちが、ある民家の家財道具を根こそぎ持って行こうとしているのに出くわす。どうやら借金の取立てをしているようだが……。
主婦「それは病人の布団なんです、それだけはやめてください」
1号「布団が欲しけりゃ、金を持ってくるんだな!」
必死で訴える主婦を演じているのは、お馴染み八百原寿子さん。
その中に、あの優子の姿もあり、仲間内では4号と呼ばれていた。
4号「布団だけは返してあげたら?」
1号「馬鹿を言うな」
そこへ明子が現れて、優子にそんなことをやめさせようとするが、優子は仲間たちと一緒にジープやトラックで行ってしまう。
ジャス「マゼラン商会、近頃悪徳商法の噂のある会社だ……」
ジャスピオンは明子から話を聞いて、優子がそんなところで働くようになった経緯を知る。
ジャスピオンは早速マゼラン商会のビルへ行く。無人のビルの中を勝手にドンドン進んでいき、遂には巨大な金庫室に侵入する。……マゼラン商会がマッドギャラン絡みじゃなかったら、ただの犯罪者である。

金庫室の中はからっぽだったが、地下に秘密のドアがあり、その奥にハッキング用のコンピューターや、キャッシュカード偽造の機械が置かれていた。
その様子はマッドギャラン軍団によって逐一モニターされていた。彼らはドアを閉鎖し、キャッシュカードやCDを飛ばしてジャスピオンを襲うが、ジャスピオンはさっさと変身して、機械を全て破壊した後、壁を突き破って脱出する。
ブリマ「逃げられてしまいまひた」
ギョール「もうコンピューターは使えません」
マッド「金の前に跪かない若者はいない。若者たちの心を荒廃させろ、連帯感を欠如させろ、現金でほっぺたを引っ叩き、マゼラン突撃隊を増やすのだ!」 と言う訳で、今度は預金を0にするとか、ややこしい下準備はなしで、いきなり若者に金を見せて誘うと言う露骨な方法が取られる。

若者に大金を見せて誘い、ぎこちなくウィンクをするブリマさん。
しかし、ジャスピオンもつぶやいていたが、マッドギャラン、今回の作戦の要諦はなんだったんだろう? 金儲けは二の次で、若者たちを操って社会的混乱を招くのが狙いだったのか? いくらあこぎな金貸しをしたところで、給料1億も払っていたのでは儲かる筈がないからね。

祭壇のようなところで、マゼラン突撃隊の勤務評定が行なわれる。
ブリマ「1号、あなたはどんな取り立て方をしましたか」
1号「はい、冷蔵庫、テレビの他に、
金の入れ歯を毟り取ってきました!」
マッド「よ、よろしい」←少し引いている
ギョール「報奨金を受け取りなさい」
1号「ありがとうございます。この金は積み立ててください!」
1号、情け容赦なく取立てを行うと共に、報奨金はすべて積み立てると言う模範生で、マッドギャランからも「うむ、感心な奴だ」と誉められる。
一方、4号こと優子は、取り立て方が甘いと言うことで、祭壇と一体化している巨獣モケの前に引き出され、ビームを浴びて気絶する。若者たちは、その光線を浴びると良心をなくすのだ。
マッド「商売の世界はジャングルと同じだ。弱肉強食、強いものが弱いものを食い殺す。商売に心はいらん、道徳もいらん、世の中金だ、金が全てだ。お前たちは心を捨ててケモノになれ、この日本列島をジャングルに変えるのだ。ケモノだ、ケモノだ、ケモノだ!」 若者たち「ケモノだ、ケモノだ、ケモノだ!」
マッドギャランの演説に煽られて、拳を突き上げて連呼する若者たち。
マッド「突撃せよ、突撃だーっ!」
やがて優子も生まれ変わったような顔付きで立ち上がる。
彼らが突撃しに行った後、マッドギャランは「お前の好物のお金だ、うんと食え」と、折角集めた金をどんどんモケの口に投入するのだった。まぁ、彼らにして見れば日本の紙幣なんて、紙屑と同じなんだろう。

突撃隊は、仮借なく取立てを行なう。
男「待って下さいよ、小麦粉を持ってかれたら商売にならないんですよ」
4号「お金をもっといでー!」
ジャスピオンがそんな優子に話しかける。
ジャス「明子ちゃんが待っている。家に帰ってやってくれ」
4号「明子、誰それ?」
ジャスピオンはこっそり彼らの車に発信機を取り付け、尾行する。

だが、途中、閃光に包まれると、オフィス街から一瞬で湖の水際に飛ばされてしまう。
びっくりするジャスピオンを、傭兵やブリマたちが襲ってくる。

この時、ブリマの前掛け(?)がめくれて、下のメッシュの肌着が丸見えになる。残念ながら、しっかり肌色のブラをつけているので、乳首が透けたりはしないのであった(正気か?)。

彼らを撃退して元の道に戻ったジャスピオン、樹海の中で、突撃隊が金品の仕分けをしているのを見付ける。
ジャス「君たちは騙されてるんだ。ここから逃げるんだ」
4号「誰あんた?」
1号「馬鹿言ってらぁ」
ジャス「目を覚ますんだ。ここから逃げるんだ」
だが、若者たちは「ケモノだケモノだ」と言いながら、ジャスピオンに襲い掛かる。
相手が人間では、ジャスピオンも本気で戦えず、洞窟の中に引き摺り込まれてしまう。
マッド「よくやった、筋金入りの隊員になってきたな、お前たち、うん、ケモノになった」 ま、ほんとのケモノは、借金の取立てなんかしないと思いますが……。
その後、ジャスピオンは巨獣モケと戦い、これを撃破する。モケが死ぬと、若者たちも正気に戻る。

いつものことだが、最後は尻尾を巻いて逃げることになるマッドギャラン軍団。
ローアングルで、ブリマさんのパンツが見えるのがちょっと嬉しい(正気か?)。
ラスト、スーパーで真面目に働いている優子の姿を映しつつ、幕。