第22話「ああ!怪力サキの花の応援団長」(1986年4月10日)
第21話は、おニャン子クラブが銀行の一日店長をしているところへ強盗が襲ってくると言うストーリーで、管理人は当然、華麗にスルー。ただし、サキたちが3年生に進級したと言うやりとりがある。
冒頭、繁華街で、サキとお京が頭の悪そうな人たちにしつこく誘われて立ち往生している。

サキ「お京、これが話に聞いたナンパっちゅうもんじゃろうか」
お京「こんなのナンパなんて気の利いたもんじゃねえよ」
サキ「けんど、うちは男の人に声をかけられたのは初めてぞね」
お京「アホ、志が低いんだよ!」
街頭ロケと言うことで、彼らを囲んでたくさんの人だかりができております。

そこへ二人連れの高校生が現れ、チンピラたちに喧嘩を売る。
それぞれ白銅高校の加瀬コウジ、仲井テツと名乗るや、よほど有名なのか、チンピラたちは急に恐れをなしてへらへら愛想笑いを浮かべて退散する。テツ役の渡辺浩行氏は、「花のあすか組!」で、シルバーゴーストのヤスを演じている。

しかし、今度は二人がチンピラたちに代わってサキたちを口説き始める。
サキ「なんだよ、さっきの奴らと全然かわんねーじゃねえかよ」
お京「どうも東京の男は暇を持て余し、軟弱になっとるようじゃねえ」
コウジ「可愛い、その訛り!」
テツ「決めた、こいつら俺のスケに決めた!」
サキとお京はニッコリ顔を見合わせると、鞄で頭を叩き、蹴りを入れて二人を路上に転がす。

一方、梁山高校の廊下で、上原たちを網で捕まえようとしている変な男がいた。居合わせたサキとお京に取り押さえられる。
「おい、待ってくれよ、俺には兵隊がいるんだよ!」
彼は梁山高校のたった一人の応援団員で、木内平吉。演じているのは「セーラー服反逆同盟」や「スケバン刑事 風間三姉妹の逆襲」にも出ている山本義明さん。
体育館で、サキとお京に事情を話す平吉。
平吉「来週、バスケ部が都大会の地区予選で白銅高と当たるんだ」
お京「なるほど、その試合で応援団がたった一人じゃカッコつかないって訳だ」
平吉「うちの学校の奴らはダメだ。どいつもこいつも自分のことばっかり、成績を上げることしか考えてないんだ」

サキ「うーん、母校のスポーツ部を応援する気もないっちゅう風潮は、感心せんのう」
南野陽子さん、最初の頃と比べて、グッと大人っぽくなった気がする……。
サキは平吉に協力して、団員集めに手を貸すことにする。しかし、クラスメイトに手当たり次第に声をかけても、誰もうんと言ってくれない。

仕方なく、サキ自ら応援団員になって、平吉と二人で応援の練習をすることになる。

サキ「フレー、フレー、梁山!」
練習の途中、平吉が弱音を吐く。
平吉「サキちゃん、一人が二人になったってどうにもなんないよ。白銅高は応援団が立派なんで有名なんだ。これじゃ笑いもんになるのがオチだぜ。気持ちはありがたいけど……」
サキ「泣き言ぬかしたらいかん、他人がどうじゃろうと、人に笑われようと、信じたことは信じたようにやりぬく、それ以外に道はないぞね!」

離れたところから、その様子を退屈そうに見ているお京。
その後、依然として入院している雪乃の見舞いに行き、車椅子に雪乃を乗せて屋上へ出る。
お京「と言う訳で、またしてもサキちゃんは雪乃お嬢様へのお見舞いを忘れてしまったのでありました。もー、サキちゃん我儘なんだからぁ。パーッ!」
と、パーデンネン(さんまがやっていたキャラ)のポーズを取るお京。

お京、笑顔で雪乃を覗き込むと、意外にも雪乃はくしゅんくしゅん泣いていた。
お京「サキが来ないからってそんなに大袈裟に泣くことはないだろう」
雪乃「いいえ、私にはサキさんの心が痛いほど分かって……」
雪乃は、かつてサキがスポーツ部員が練習しているグラウンドを眺めながら「羨ましいのう。うちはずっと鉄仮面で来たじゃろう。こっちへ来てからは青狼会との戦いに追われて……」と、素朴な憧れを漏らしていたことをお京に話す。
雪乃の話を聞いて、お京も一肌脱ぐ気になる。子分の女子生徒や上原たちを強引に、と言うか、ほぼ力ずくで引っ張って行き、応援部に入れさせる。
これで人数もかなり増え、見栄えも良くなる。
上原たちがほとんどヤケクソになって練習しているが、当のお京は相変わらず見物するだけ。

さりげなくその場を離れようとした瞬間、

目敏くサキがヨーヨーを投げ、ぐるぐる巻きにして連れ戻す。
サキ「逃げたらダメ!」
こうしてお京も加わり、元気に応援の練習に励むみんな。

その後、バスケ部が練習している体育館へ出向き、練習の成果を披露するサキたち。選手達も活気付く。

対戦相手の白銅高校の応援団長たちが偵察に来る。団長の草川を演じるのはかつて恐車七人衆の一人を演じた小沢和義さん。
草川「そこそこにはやるようだな。これならうちのバスケ部と良い試合をするだろう。で、肝心の応援団の方は? 確か、ここの応援団は」
左「は、現在、団員は一名だけであります」
右「梁山高校応援団といえば、2年前までは有数の名門応援団でした。都内でも大団旗を張れたのは、我が白銅を除けば、この梁山の応援団だけです」
草川「大団旗を張ったほどの応援団がたった一人にまで落ちぶれたか。世も末だなぁ……ふふっ」
左の生徒が原島達也さんで、右が山田良隆さん(だと思う)、二人とも「少女コマンドーいづみ」に出てたなぁ。ま、他にもちょこちょこ出てると思うが。
余裕綽々で立ち去ろうとした草川たち。ちょうどそこへ、重量70キロと言う梁山高校大団旗が運ばれてくる。サキがそれを掲げようと言うのだ。
平吉「サキちゃんやめろよ、試合中、ハーフタイムも入れて50分間上げ通すなんて、絶対できっこないよ」
サキ「いいや、うちはやるきに、気合じゃ!」
サキはその場で見事大団旗を掲げて見せる。それを見ていた草川、話が違うじゃないかと凹む。
で、草川が助っ人を頼んだのだが、他ならぬコウジとテツの二人だった。大団旗を持ち上げられるのは白銅高校でも、彼らしかいないらしい。二人は最初は断るものの、梁山高校の大団旗を持つのがサキだと知り、俄然、乗り気になる。
サキ、西脇に呼び出されたのでスケバン刑事としての指令かと思い、バスケの試合が終わるまで待ってくれと嘆願する。しかし、西脇は、「指令じゃありません、しっかり頑張って大団旗を張り通して下さいと、そう言いたくてね」と、意外な言葉を掛ける。

サキが出て行った後、「サキ、精一杯思い出を作っておけ、すぐに修羅の道に踏み込んでいかなくちゃならないお前だ……」と、心の中で語りかける西脇であった。

試合当日、客席にやってきたサキたち。
紋付袴姿のお京がとても可愛い!のだ。
お京「サキ、あいつら……」
サキ「妙なところでおうたもんじゃき」
試合開始のホイッスルと共に、サキ、コウジ、それぞれ巨大な団旗を掲げる。
互いの応援もヒートアップして、試合などそっちのけである。
途中、草川たちがサキにパチンコを飛ばして妨害しようとして、それがきっかけで乱闘になるが、サキが叱り付けて静かにさせると言う一幕があり……、結局、二人とも試合終了まで旗を揚げ続ける。試合は終了間際、梁山高校の逆転勝ちとなる。
試合終了後、コウジはサキより先にぶっ倒れてしまう。サキも、少し遅れて崩れるように倒れる。
ラスト、コウジとテツが梁山高校へ現れるところで「つづく」。珍しくそのままストーリーが次回に続くことになる。