第8話「必殺!怪獣仕掛人」(1974年5月31日)
冒頭から、東京近郊に怪獣ベキラが現れ、特に理由もなく暴れ回っている。早速MACが出動する。

しかし、ここのビル破壊のシーンは素晴らしい。さすが円谷プロと言った感じである。

ゲンは先輩の青島隊員と一緒にマッキーに乗って戦っていたが、ふと、路上に人影を見掛け、青島が止めるのを振り切って、勝手にパラシュートで脱出し、その人を避難させようとする。
ポリバケツを被ってうろうろしていたのは、意外にも大村(藤木悠)だった。
ゲン「何故こんなところにいるんですか」
大村「これだよ、パチンコだよ、今日はまたバカに玉が出てな。夢中になってやってて、気がついたらこれだろう」

怪獣がすぐ近くで暴れていると言うのに、大村はなかなか逃げようとしない。
大村「(玉を)拾ったらすぐ行くよ」
ゲンは(何で俺、こんな奴らの為に命懸けで戦ってるんだろう)と疑問に思う(註・思いません)。
青島は怪獣の弱点が目だと思って執拗に攻撃していたが、結局撃墜される。地上からゲンが銃で怪獣の背中を攻撃すると怪獣はたちまち煙を吐いて逃げてしまう。本当の弱点は背中だったらしい。

その後、いつものように楽しい楽しいお説教タイム。今回はまず同僚達から怒られる。
「オオトリ、お前の行動は明らかに命令違反だ。オオトリは日頃スタンドプレーばかり狙いすぎるからな。チームワークを乱す奴と一緒に戦えんぜ」などと、口々に責められる。

女性隊員たちもゲンに険しい視線を送る。まるで探偵が事件の謎を解いたときのよう目付きである。
ゲン「しかし怪獣の弱点を見付けることが出来ました」
隊員「怪我の功名でな。しかし怪獣だってバカじゃない。一度見つけられてしまった弱点をそう何回も俺たちの前に晒すかな」
……しかし、怪獣がさっきの戦いで「チッ、弱点を知られてしまった」などと考えるだろうか?
ゲンも謝ろうとせず、青島と殴り合いでもしそうな雰囲気になるが、そこへダンが来て一喝。
ダン「やめろ! 1週間ばかり勤務を離れろ。冷静に自分の行動を反省するんだ」

命令に不服のゲン、ダンに食い下がる。
ゲン「怪獣の弱点を知ってるのは僕だけです」
ダン「ゲン、自分がいなければMACは何も出来ないと言うお前の考えが他の隊員の神経に障っているのがわからんのか」
ゲン「実際問題、あの怪獣を倒せるのは僕だけです」
ダン「友情やチームワークのことも考えろ」
ゲン「馴れ合いの友情やチームワークに何の価値が……」
ダン「バッキャロー!」 ダン、面倒になったので怒鳴る。

その後、ダンは体育館にゲンを連れて行き、「俺の背中を攻撃してみろ」と言い出す。
ゲンはジャンプしてダンの後ろを取ろうとするが、ダンの杖で払い落とされる。
ゲン「くそう……怪獣は杖持ってないのに……」
ダン「秩父の山奥に白雲庵と言う寺があって、十貫と言う坊さんがいる。1週間の謹慎、確かに言い渡したぞ」
ダンは謎めいた言葉を残し去って行く。

ゲンがバイクでその寺へ行くと、花咲かじいさんみたいな老人が通り掛かる。
ゲン「MACのモロボシ隊長に聞いてきたんですが、こちらに十貫と言う坊さんがいらっしゃいますでしょうか」
老人「ダンの奴、また厄介事を持ち込んできたな……十貫は留守」
老人はゲンを置いてさっさと歩き出す。

しかし、老人のゆくてに男の子がいて、「十貫坊」と話し掛ける。ゲンは怪獣の倒し方を教えて下さいと土下座して頼む。老人はあくまで自分は十貫ではないと言い張り、男の子と一緒にずんずん歩いて行く。
しつこく土下座をするゲンを、遂には踏み台にして通り過ぎる老人。

二人の後ろ姿を見るゲンの目は、歴史に残る凶悪事件を引き起こしそうなほど危険な光を宿していた。
CM後、

ほんとに凶悪事件を連想させるような映像になるので、一瞬ドキッとする。
ただし、これは、剣の達人に弟子が隙を見付けて斬りかかると言うアレである。

ゲンが木の棒を振り下ろすと、老人はよけもせず、まともに肩に受けてしまう。
男の子「あっ、何すんだよー」
老人「ほっとけほっとけ、その若者はここ(頭)が少しおかしいのじゃから」 度重なる屈辱に、ゲンは林の中で空手の稽古をして鬱憤を晴らす。
「あ゛あ゛ーっ!」 真夏竜氏の渾身の演技であるが、これじゃテレビの前の子供が泣き出しそう。

老人はひょいひょい山道を歩いて行き、大きな川の前に来ると、子供を抱いたまま、平たい岩肌を蹴って、向こう岸までジャンプしてみせる。その動きに、怪獣を倒す秘訣を見たゲン、早速自ら老人と同じことをしようと特訓開始。
実際にジャンプして川に落ちるのはスタントだが、真夏氏もずぶ濡れになって熱演されている。
ここでやっと老人が自分が十貫だと認め(ま、今更別人だと言ったらゲンに殺されるのでそう言うしかないのだが)、「何事にも雑念を捨て、肩から力を抜いてやってみなされ」と助言する。
ゲンの特訓は夜を徹して行われ、遂にゲンは向こう岸に飛び移ることに成功する。
十貫「出来たなぁ」
ゲン「はい、ありがとうございました」
十貫から怪獣出現のことを聞いたゲン、すぐに東京へ。
ベキラに対し、再びMACが出動する。

早速撃墜されるマッキー。見ていて安定感があるよね。

地上からマックロディーで攻撃するMAC。
隊員「隊長、邪魔です」 青島は、ダンの命令を無視して怪獣の背後に回り込もうとするが、途中で倒れてしまう。ちょうどそこへゲンが来て、バイクで突っ込んで青島を助ける。

ゲンはレオに変身して戦う。ここで、初めてだと思うが、赤いエネルギー弾のようなビームを使う。
しかし、これで怪獣が死んだら今までの特訓が無意味になるので、

最後は山の斜面を蹴って、空を舞い、怪獣の背中に蹴りを入れる。
レオが巻き込まれるほどの派手な爆発が起き、怪獣は倒される。

戦いの後、
ダン「二人とも命令違反だ。青島は5日間勤務に就くことを禁じる」
ゲン「隊長!」
ダン「謹慎の期間はまだ5日間残ってるな。スポーツセンターの方から矢の催促だ。早く返してくれってな。大村さん、忙しくてパチンコに行く暇がなくて悲鳴を上げてるらしい」
ダン、珍しくおどけた表情を見せる。
ダン「青島は足の怪我を治して来い、ゆっくり温泉でもつかってな」
青島「ありがとうございます」
ゲン「さあ、行きましょう」
確執も解け、仲良く肩を並べて出て行くゲンと青島を見て、ダンも笑顔になるのだった。
タイトルと内容が合ってなかったような……。