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アニメ「はいからさんが通る」を鑑賞 第6話


 第6話「かりそめのウエディングマーチ」(作画監督・田中英二/水村十司)
 今回は、タマプロが原動画を担当と言うことで、アニメのクオリティが高い。

 しかし、相変わらず原作の消化スピードはスローで、今回も10ページ分しか進まないのだ。

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 前回の最後、派手なピンクのもんぺ姿で伯爵家から迎えに来た如月の前に現れた紅緒。
 父親の花村少佐は、静かに立ち上がり「来なさい紅緒、話がある」と障子を開いて廊下へ出る。
 紅緒「なんずら、父ちゃん!」

 ほいほいと紅緒が出て行った後、ばあやに「あなたもさぞやご苦労を」と労わりの言葉をかける如月。無論、紅緒がすぐに追い出される為にわざとそんな珍妙な格好をしているとは気付かない。

 この後、牛五郎が人力車を引いて花村家の前にやってきて、玄関先に停まっている伯爵家の車を見付け、運転手(肝付兼太)と口論すると言う原作にはないシーンを挟み、

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 花村少佐は紅緒を書斎に連れて行き、神妙な面持ちで黙りこくっている。
 やがて、床の間の衣装箱を紅緒の前に置き、「これは亡くなったお母さんにくれぐれもと頼まれたものだ」と、蓋を取ってたとう紙を開き、白い喪服を出して見せる。
 花村「白い喪服は二夫に見(まみ)えずという女の証なのだよ」
 紅緒「でも、何故それを私に見せるのですか?」
 花村「母さんは着ないで済んだが、お前も軍人の妻になるからには、もし忍君に万が一のことがあったならば、この白い喪服を使いなさい」
 紅緒「二夫に見えず……この私が?」
 花村「何か異存でもあるのかな?」
 紅緒「だ、だって」
 花村「くぉーらっ! 忍君に不幸があったあと、お前は別の男へ再婚すると言うのか?」
 紅緒「お父様、結婚もしないうちから未亡人になった時の覚悟を聞かせろと仰るの?」
 花村「……まあ良い、これからはお前も伊集院家の人間、ここへもそうたびたび帰ってくると言うわけにも行くまい」
 紅緒はすぐ追い出される予定なのに、父親はまるでこれから紅緒が嫁入りするような口ぶりであった。

 花村「紅緒、体に気をつけるんだよ」
 紅緒「お父様ったら!」
 今生の別れのような言葉に、紅緒の方が戸惑う。

 と、庭に蘭丸が立っていて、涙で顔を濡らしながら「やっぱりお嫁に行っちゃうの? やだよ、そんなのやだよーっ」と駄々っ子のように訴える。

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 紅緒「バカねえ、この私がそう易々とお嫁に行ってたまるもんですかぁ。すぐに帰ってくるわよ」
 蘭丸「ほんと?」
 紅緒「うんうん、すぐに追い出されること、請け合いなのだー」

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 紅緒の言葉に愁眉を開く蘭丸。この豊かな表情の変化、さすがタマプロ(と言うか水村氏)である。静止画では分かりにくいけど。

 牛五郎の闖入を挟み、
 蘭丸「帰ってきたら、僕のお嫁さんになってくれるぅ?」

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 紅緒「えーっ、なんですって、蘭丸?」
 突然の申し出に、驚く紅緒。この顔、好きやわぁ。

 蘭丸「それまでに紅緒さんの大好きなつくねとさぁ、お芋の煮っころがしの練習しておくからさぁ」

 そばで聞いていた牛五郎「言うことがあべこべだよ、全くもう」と呆れる。

 蘭丸「ねえ、お嫁さんになってくれる?」
 紅緒「それは……、はっきりとは言えないわ」
 正直に答える紅緒。

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 そこへばあやがそろそろ出発の時間だと知らせに来たので、紅緒はホッとしたような顔になる。

 紅緒は如月と一緒に玄関から門へ歩いて行く。玄関の前に立ってそれを見送っていた花村少佐、紅緒が振り返ったのを見てそそくさと家の中へ戻る。
 紅緒(お父様、そんなに悲しい顔なさらないで……すぅぐに追い出されて来ますって!)

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 紅緒は、ばあや、蘭丸、牛五郎に見送られて車中の人となる。
 紅緒(フン、伯爵だかなんだか知らないけど、しっちゃかめっちゃにしてやっからね!)

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 と、車の後から、牛五郎が人力車を引いて追いかけてくる。
 如月「まあ、何かしら」
 紅緒「あれは、わらひの子分ずら」
 如月「子分!?」
 紅緒「文句、あるずら?」

 如月(いかに生まれつきの許婚と言えど、あまりにもおいたわしい若様が……)
 紅緒(このうるさ型にショックを与え、まずは1ポイントリード、ぐしししっ)

 車は伯爵家の敷地内に入る。門のところで、伯爵家から帰る途中の環がそれを見かけ、さらに牛五郎がやってきて、伯爵家の犬(天丸・地丸)に行く手を阻まれ、環に助けを求めるのだが、原作には一切ない水増しのシーンである。牛五郎と環、アニメでは既にすっかり顔馴染みだが、原作だと単行本の1巻では、顔を合わせることすらしていないのだ。

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 紅緒「伊集院家って随分遠いずらね」
 如月「いいえ、もうお屋敷に入っていますよ」
 紅緒「だって、ここは森の中ずら」
 如月「いいえ、ここはもう御領地でございます。お屋敷はほら、あそこに」
 如月の指差す方を見ると、森の向こうに巨大な洋館が……。

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 紅緒「わーーーっ! お城! まさか、こんな金持ちとは知らなかったのだわ」

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 屋敷にやっと到着。紅緒をたくさんのメイドが出迎える。

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 紅緒「は? はーっ」
 如月「べ、紅緒様!」
 思わず頭を下げてしまう紅緒、メイドたちから笑われる。

 如月からしばらく客間で待つよう言われる紅緒。
 豪華な調度品を見て、「豪華絢爛、百花繚乱、なんて凄い家ー」と感心する。

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 紅緒がソファに座ってくつろいでいると、ちょうど今暇を貰って出て行くと言う下働きの女(青木和代)が紅緒のことを自分の後釜だと勘違いすると言う一幕がある。

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 紅緒、自分が下女に見えると知って、かえって喜ぶ。この下女のシーンは原作にはない。

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 暇なので、勝手に屋敷内を歩き回っていると、ガシャガシャと不気味な足音が近付いてくる。
 と、紅緒の前にいつの間にか鎧兜の武者が立っていた。

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 ただの人形だと思い、腹を殴ると「痛いっ」と声が聞こえる。
 紅緒「あら、このメイドインジャパン、声まで出るの? よーし、試しにくすぐってやれい!」
 この紅緒の動きも、実に生き生きとしている。

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 鎧武者「無礼者、手討ちに致す!」
 紅緒「きゃーっ、中に入ってたの?」

 鎧武者が槍を振り回して、紅緒に迫ってくる、と言うところでつづく。

 ここでは一切説明されないが、中に入っているのは伊集院伯爵その人で、「ハイジ」のおじいさんで有名な、宮内幸平氏が演じている。言うまでもないが、蘭丸の杉山佳寿子氏がハイジを、環の吉田理保子氏がクララを演じていたのだ。
                                      (C)大和和紀・講談社・日本アニメーション


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70~80年代の特撮、80年代のドラマを中心に紹介しています。

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