第13話「Kのそっくりさん」(1984年4月12日)
テンタクルのボス・Kは、自ら開発した空飛ぶ自転車で自由気ままに空を飛び、好きな景色や花を絵に描くのが唯一の楽しみと言う、悪の組織の親玉らしからぬ抒情的なキャラだった。
その日も、空中散歩を楽しんでいたが、カラスに襲われて地面に落下してしまう。普通だったら死ぬところだが、なにしろKなので、怪我ひとつしていない。彼が落ちたのは、広大な洋館の庭だった。庭にはたくさんの彫刻が飾られ、家の中からノミの音が響いてくる。その音に導かれるように洋館の中に入り、2階の一室を覗いたKは、びっくりする。

ノミをふるっていた男は、Kとそっくりだったからだ。

一方、その頃健は、愛しの真紀とテニスを楽しんでいた。
真紀の打球を空振りして(恐らく手加減しているのだろうが)派手にこける健を見て、

勝「ははははっ、ヘタクソ!」
と、審判席に座る勝が健を嘲る。これはドラマと言え、ちょっと態度が悪過ぎる。健は優しいから、怒ったりはしないが、管理人だったらとりあえずドロップキックをお見舞いする(大人気ない)。

舞台は再び洋館。
Kそっくりの男は井守蛇吉と言い、
蛇吉「偉大な芸術家だ!」
K「偉大な芸術家だと? ふん、どれもこれも愚作ばかりではないか」
蛇吉「愚作だと? くぅー、その通りだ、こんなものはこんなものは……」
蛇吉は、自分の作品を木槌で粉々に壊す。
蛇吉「ワシは、まだ一度も展覧会で入選したことがないんだ。入選して有名になりたい、みんなから偉大な芸術家だと尊敬されたい。それがワシの夢が……それなのに、あれが、あれを邪魔するのだ……来た!」
洋館の近くで子供たちが賑やかにキャッチボールを始める。その笑い興じる声を聞いた蛇吉、たちまち嫌悪の表情を浮かべ、激しくしゃっくりを繰り返す。
Kも、子供たちの笑い声を聞いて、くしゃみを連発する。
蛇吉は、外見のみならず、子供嫌いで子供アレルギーと言う点までKそっくりだった。
蛇吉は、子供たちのせいで制作に没頭できないと嘆く。
K「ワシもお前も、子供たちがいなければどんなに幸せか。二人で手を組んでこの世から子供たちを抹殺しようではないか。展覧会にも入選させてやる」

また何か悪事を考え付いたKは、こうらくえん遊園地で、5人の子供を風船で宙に浮かせ、自分の研究所へ拉致する。空を飛ぶ人影を、ホッピング(懐かしい)で遊んでいた勝たちが見掛け、追跡するが見失ってしまう。

子供失踪の事件を聞いた編集長は、直ちに真紀に取材を命じる。
編集長「君たちも、わが社の発展の為に素晴らしい記事を書いてくれたまえ。いいかなーっ?」
ルミ子たち「いいともーっ!」 そう、当時、既に「笑っていいとも」があったんだよね……。
遊園地では子供たちの母親が、泣きながら刑事に子供を助けてくれるよう訴えている。
人の不幸を張り切って激写している真紀。その肩を健が叩き、事件のことを聞く。
健「テンタクルだ、テンタクルの仕業に違いない!」

テンタクルの研究所に連れて行かれた5人の子供は、鉄人モンスと蛇吉の手で、「ストーンマシーン」によってまず人形のように動けなくされる。
自称芸術家の蛇吉が、子供たちにポーズを取らせた上で、再び装置によって今度は完全な石膏像にされてしまう。

蛇吉「成功だ、素晴らしい、まるで生きているようだ」
モンス「その通り、一見何の変哲もないコンクリートのようだが、Kの発明した通気性のある新しいコンクリートなのだ。だから中の子供たちはちゃんと呼吸してる」
蛇吉「展覧会に出品すれば入選間違いない!」
モンス「その上、子供たちをこの世から抹殺できる」
しかし、これじゃあ入選は無理じゃないかと……。
健は、勝から空を飛ぶ子供たちのことを聞き、勝が見失ったところまで案内して貰う。
近くを捜索していると、研究所のようなところから荷台に白い布で覆われた何かを積んだトラックが、出てくるのを目撃する。
運転席には、蛇吉、そして鉄人モンスの姿があった。
健はボールボーイにトラックを尾行させるが、気付いたモンスによってボールボーイは破壊されてしまう。
Kは、マシンマンの介入を嫌い、出品を取り止めるよう命令するが、どうしても入選したい蛇吉は力尽くでKの自由を奪い、Kの衣装を着てKになりすます。モンスも、そっくりなので気付かない。

蛇吉は予定通り出品し、見事に金賞を受賞する。
その現場に、真紀もいる。
真紀「井守さん、金賞受賞のご感想は?」
蛇吉「私は偉大な芸術家だ、受賞は当然じゃないか」
このイモリと言う姓も、タモリからの連想だったりして。
健はそのニュースをテレビで見て、モンスと一緒にいた男だと気付く。
蛇吉に縛られていたKも、モンスに自分がKだと教え、蛇吉を捕まえ彫刻を取り戻せと命じる。
次のシーンでは早くもモンスが美術館の壁を壊して乱入している。真紀はその場に残ってモンスの姿をカメラにおさめるが、その為にモンスに狙われる。
真紀の悲鳴を聞きつけ、健はマシンマンに変身する。

マシンマンはドルフィンで、別の壁を突き抜けて現れる。
美術館大迷惑。 
マシンマンはモンスに執拗に追われる真紀をマシンバリアで守って、モンスと戦う。
大幹部モンスと本格的に戦うのはこれが初めてであった。
さすがに大幹部だけあって、モンスはマシンマンと互角に渡り合う。
しかし、モンスはKに撤退を命じられ、勝負はつかないまま終わる。
マシンマン、ワープスロットルで子供たちを元に戻し、蛇吉にカタルシスウェーブを浴びせ、良心を目覚めさせる。蛇吉は反省し、更に子供アレルギーも治ってしまう。

その様子をモニターで見て、苛立つK。
「あれではまるでワシが子供たちと仲良くしてるみたいではないか!」
Kの剣幕に、まじでビビるオウム。
葉山家の庭。真紀は、モンスやマシンマンの写真を撮り逃したとがっかりしていた。

真紀「でも、マシンマンって頼もしかったなぁ、どこかの誰かさんと違って!」
悪戯っぽく、健を見る。
健「えっ、そんな……」
ボールボーイ「しょげない、しょげない、僕は感謝してるよ。ちゃんと直してくれたもん」
健の服の中からボールボーイが慰める。
健「バカ、見付かるぞ」
真紀「あっ、今何か隠した! ねえ、見せてー」

健が隠したものを見ようと、健を追い掛け回す真紀と勝。
どうでもいいが、この真紀のスカート、なんか良いよね(知るか)。