第26話「包帯男の仮面報告」(1979年7月28日)
二代目ミスアメリカこと汀マリア(萩奈穂美)が主役のエピソードである。彼女の画像を思う存分貼りたいところだが、自制して最低限度にしておく。きりがないからね。
その前に、前回書くのを忘れていたが、25話からOPの映像もダイアンからマリアに切り替えられているのだ。

その中で、プールに飛び込むマリアの(文字通り)バストショットがあって、思わず前屈みになってしまうのだが、

バク転するマリアが、
明らかに男なのが、ちょっぴり残念。まあ、しょうがないけどね。
で、本編。今回はエゴスが本腰を入れてバトルフィーバーの正体、つまり素顔を暴こうとするストーリー。ただ、前回、京介やマリアが一般人の前で堂々と変身してるので、何を今更……と言う感じもする。

バトルフィーバー本部。ケニアが鶏肉を七輪で焼いたり、マリアが太腿剥き出しで雑誌を読んだり、例によって好き勝手に過ごしている面々。
そこへジャパンがやってきて、ある情報をもたらす。
ジャパン「俺たちがかつてエゴスと戦った場所、あるいは破壊したエゴスの秘密基地の跡などをうろつきまわってる奴がいるらしい」
その正体や目的はさっぱり分からないのだが、ジャパンは手分けして調べようと提案する。
マリアは、ひとりでかつてのエゴスのアジトだった廃墟を調査する。敷地内で、石膏で足型を取った痕跡を発見する。それはどうやらケニアのものらしかった。
マリア「まだこの石膏は新しいわ。と言うことは、足跡を取ったばかり……」
と、道路の向こう側から「お姉ちゃーん」と呼ぶ子供の声がする。視線を向けると、パジャマ姿の少年がいて、こちらに手を振っている。マリアがそちらに近付くと、子供はパッと飛び出してくる。

ちょうどその時、猛スピードで走ってくる車があった。
マリア「危ない!」
マリアは車に轢かれそうな子供を身を挺して救う。
ここ、子供は(人形などではなく)本人が演じている。マリアは……女性スタントだろうか? 萩さんっぽくもあるのだが、良く分からない。
子供を抱いてマリアが倒れる際、子供の靴が片方飛んでいるのがリアルだ。

走っていく車を見遣るマリア。その運転席には、顔を包帯で巻いた怪人、そして助手席にはケニアのものらしき石膏の足型があった……。
マリアは子供を病院へ連れて行く。看護婦の話では、入院中のアキラ少年は姉を探してたびたび病院を抜け出していると言う。アキラはかつて溺れそうになった時、姉に助けられたのだが、姉は少年の目の前で沈んで行った。そのショックから立ち直れず、アキラはまだ姉が生きていると信じ込んでいるらしい。

エゴスのアジトでは、さっきの包帯男、すなわちエゴスの包帯怪人が各地で収集したデータを分析し、バトルフィーバー5人の顔から下の姿を描いていた。
ケニアを指して、
怪人「たとえばこの男、
若くしてハゲる」

ここで、鏡に向かってしかめっ面をしているケニアの映像。
ケニア「やだなぁ、若ハゲなんて、近頃抜け毛が多くて!」 若ハゲの予感に怯えるヒーローの苦悩を活写した稀有なシーンである。
その調子で、他の4人のプライベートについても語られると面白いのだが、何故かケニアだけ。
ヘッダーは素直に感心するが、サロメは「ふふっ、手間の掛かる話ね。肝心なのは顔よ」とズケズケ指摘する。
怪人「なにぃ、顔? 顔なんかすぐ分かる。……おおっ、この女だ! そうだ、あの子供を助けた女だ。間違いない、あの女、ミス・アメリカだったんだ!」
ミス・アメリカの仮面の前で包帯怪人はさっき見たマリアのことに思い当たる。
……しかし、だからってなんでミス・アメリカ=マリアになるのか、よく分からない。
そのマリアは、ケイコたちからアキラ少年に失明の虞があると聞かされる。しかもそれが自分が少年を助けた時の衝撃が原因だと知らされ、責任を感じる。マリアはすぐ病院へ行こうとするが、ジャパンに危険だと止められる。
マリア「あたし昔、人を見殺しにしてしまったことがあるの……」
詳しい説明はせず、マリアは本部を出て行く。
包帯怪人やサロメ、戦闘員たちは、病院の回りに張り込み、マリアが来るのを待っていた。
ところが、病室に仕掛けておいた盗聴器から「アキラ君、お姉ちゃんよ」と、マリアの声がする。
怪人「やや、いつの間に? ふわっ」

マリアは看護婦に変装して堂々とサロメたちの前を通過して行ったのだ。
マリアは目の見えない少年に自分の顔を触らせ、励ます。
作戦を変え、病院に直接入り込もうとするエゴスだが、そこへ変身した4人が現れ、戦いとなる。
しかし、結局アキラ少年を包帯怪人に連れ去られてしまう。
包帯怪人はアキラ少年を言葉巧みに誘導し、マリアの顔の感触を元に石膏でマリアの顔を再現させる。
そのマリアそっくり(註1)の塑像を見て、サロメは何度か見掛けたことのあるマリアの顔をすぐ連想する。
サロメ「やっぱり、そうだったのね……」
マリアは一睡もせず、アキラ少年を探し回っていた。
池の畔に来たマリア、少年の自分を呼ぶ声に誘われるがまま、ふらふらと水の中を進んで行く。

それを見掛けたジャパンが慌てて引き戻す。
ジャパン「どうしたんだ?」
マリア「人を見殺しにしてしまったって言ったでしょ! 私はその子を見殺しにして逃げたのよ。その子は私のことをお姉ちゃんて呼び、私達はとても仲が良かったの……私が殺したのよ! 見捨てたの!」
溺れる少年と、それを見ながら逃げ去ってしまう幼いマリアの映像が回想される。
ジャパン「忘れるんだ!」
マリア「いいえ! あの声は、私を呼ぶあの声は決して忘れられない……アキラ君もあの声で私を呼んでるのよ!」
ひとり走り出すマリア。ジャパンたち4人がマリアを探している様子を、エゴスにしっかり見られてしまう。これで事実上、彼らの正体がエゴスに知られてしまったことになる。
……ま、普通のヒーロー番組では、悪の組織はヒーローの素顔をだいたい知っているので(註2)、面が割れても実は大したことはないんだけどね。
サロメは、マリアの石膏像に爆弾を仕掛けて彼らの足元に転がす。たちまち爆発が起き、巻き込まれる4人。
エゴス本部では、グラスに青い飲み物(青汁ではない)をついで、バトルフィーバー4人の抹殺を祝賀する。
サタンエゴス「天晴れじゃ。バトルフィーバーさえいなければ、世界は征服したも同然。して、残りの一人は?」
ヘッダー「十分にいたぶって、あの世に送ってやります」

マリアは包帯怪人のアジトに辿り着き、ふらふら出てきたアキラ少年を見付ける。
水に落ちた少年を見て、今度はためらいなく飛び込むマリア。
無論、それは罠で、高所からマシンガンがマリアを狙う……。

しかし、ジャパンの「待て!」と言う声が飛び、素直に待つ戦闘員の皆さん。
見れば、ジャパンたちが素顔で立っていた。
ケニア「バトルケニアのデーターに、ひとつ足りないものがあった。俺の鼻は鋭いんだよ。仕掛けて置いた火薬がぷーんと匂ったのさ」
コサック「俺たちの顔、とっくり見たか?」
フランス「色男が揃って、びっくりしたろう?」
ジャパン「もうひとつの顔を見せてやろう、フィーバー!」
ひとりひとりポーズを取り、強化スーツ姿になる。
後は、戦闘シーンをこなして終了。
アキラ少年の目も見えるようになる。
少年は、マリアの顔を見て「お姉ちゃんじゃない」とほざく空気の読めない子供だったが。
註1……ほんとはあまり似てない。 註2……「仮面ライダーV3」では、住所まで知られており、デストロンから年賀状が届いた。