日本じゃあ二番目だ!「快傑ズバット」セレクション 第21話
- 2014/09/30
- 22:22
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第21話「さらば瞼の母」(1977年6月22日)
着物姿のセレブ風奥様が、車で移動中、突然「夜桜組」と言うチンピラたちに襲われ、拉致されそうになる。
例によって、早川健がギターを鳴らしつつ登場、チンピラたちを一瞬で片付ける。

その途中、皿が飛んでくる。
早川はそれを受け止め、
「そんなところに隠れてないで出てきたらどうだ? おいおい、まだかくれんぼするつもりか? いい加減にしなよ、まさかお前のことを知らないとでも思ってんるじゃないだろうな。ええ、伊魔平さんよ」
早川がかなりしつこく語りかけて、やっと顔を出す今回の用心棒。しかし、なんちゅう名前だ。
伊魔平「俺のことを知ってるのかい?」
早川「ああ知ってるさ、夜桜組の組長・夜叉丸の用心棒、地獄のコック・伊魔平、皿と包丁投げの名人、ただし、その腕前は日本じゃあ二番目だ」
伊魔平「なんだと? じゃあ……」
と言う訳で、恒例の技比べ。
特に面白くないので省略。
伊魔平、弱っちいことと、印象に残らない点にかけては「ズバット」でも一、二を争う逸材である。

その後、改めて奥様の顔を見た早川、顔色を変える。
だが、その奥様、鶴間千代は何も気付かない様子で、丁寧に礼を言って、立ち去る。
それを見送ったあと、早川はその場に突っ立って往時の思い出に耽っていた。そこへ親友の東条が現れる。
東条「一体何があった? いつものお前らしくないぞ」
早川、こみ上げる嬉しさを抑えきれないように笑みを漏らす。
東条「早川、お前、まさか?」
早川「そそ、あの方が俺のおふくろさま! お母さんって訳だ、ははは」
と、意外な言葉を口にする早川。そう、彼女こそ、早川の生き別れの母だったのだ!
……って、まあ、今まで、母親の「は」の字も出てこなかったんだけどね。
東条「早川、お前疲れてるんだよ。あの奥さんは有名な財界の大物・鶴間勇吉社長の奥方だ。それに冴子さんと言うお嬢さんまである」
早川「おおーっ、それじゃ俺の妹じゃないか」

一方、悪の大組織ダッカーの首領Lに、のっけから土下座して謝罪している夜叉丸。
彼らは、鶴間勇吉から30億円もの献金をさせようと画策しているらしい。
夜叉丸「申し訳ありません。あの鶴間、なかなかの頑固者でして……」
ばかでかいブーメランで自分のヘルメットをカンカン叩いて、
L「頭を使え、頭を、娘だ。娘の冴子を攻めるのだ!」

翌日、口笛を吹きながら、スキップでもしそうな勢いで花束を抱えて歩いている早川の姿があった。
車で東条が通り掛かって声をかけると、ちょうど良かったとズカズカと乗り込んでくる。
東条を押しのけ、運転席に座って勝手に運転する。
東条「なぁ、なにやってんだ、警察の車だぞお前」
早川「まぁいいからいいから。そんな堅いこと言わない言わない」
デパートを7つも回って買い求めてきたと言う母親と妹へのプレゼントを誇らしげに見せる早川。

早川は東条と一緒に鶴間家の豪邸を訪ねる。
早川「どうぞ」
と、花束をうやうやしく渡す。
千代「まぁ、助けていただいた私に花束を? それではあべこべですわ」
早川「いえ、いいんです。あ、私は……」
東条「受け取ってやってください。その花束は不肖の息子からのプレゼントです」
千代「息子?」
早川「はい、健です! 22年前に別れたあなたの子供、早川健です!」
胸を張って名乗る健。
千代「まぁ……」
早川「お母さん!」
千代も、感極まって早川に歩み寄ろうとするが、ちょうどその時、

早川の異父妹にあたる冴子が入ってくる。
冴子を演じているのは70年代の特撮ヒロインのひとり、斉藤浩子さん。
その途端、千代は急に態度をよそよそしくさせる。
千代「早川さんと仰いましたか、私の子供はこの冴子ひとりっきりですよ」
早川「お母さん!」

早川の言葉に、息を呑む冴子。
しかし、こんな妹が突然現れたら、俺だったら即死するだろうな(好きなだけ死んでろ)。
千代「馴れ馴れしく呼ばないで下さいまし、そりゃあ助けて頂いたことは感謝しております。でも、そのような言い掛かりは」
早川「言い掛かり……?」
千代は昨日の礼だと言って、50万の入った封筒を差し出す。早川はショックを受けて立ち尽くす。
東条「奥さん、早川はそんなものが欲しくて人を助けたりするような男ではありません。どうか、少しでも早川の話を聞いてやってください」
見兼ねた良き友・東条が助け舟を出す。
早川は重ねて「お母さん」と訴えるが、あくまで千代は否定し続ける。
早川「もう一度伺います。22年前に別れた早川健、この名前、ほんっとうに覚えはないと仰るんですか?」
千代「これ以上、答える必要はありません。東条さん、この人を連れてって下さい」
早川「そうですか……分かりました。この22年間、瞼に描いていたおふくろとは別人でした」
早川、プレゼントをそこに置いて、屋敷を飛び出す。「俺のおふくろはあんな女じゃない。俺のお母さんはもっと優しい、日本一、いや、世界一優しい人だーっ」と喚きながら。
千代「許して、健」
無論、千代も、本心は息子のことを愛していた。だが、立場上、そう言うしかなかったのだ。
千代が早川を捨てて家出し、鶴間と再婚した経緯については一切語られていないのがちょっと残念だ。
早川、夕陽を浴びながら、ギターを弾いて涙まじりに歌を歌っている。
早川「~親を尋ねて鳴く鳥は……」

そこへみどりさんとオサム君が現れる。
オサム「早川さんが泣いてる」
東条「あれほどの男でもひとりで泣きたい時だってある。そっとしておいてやるんだ」
今回も、早川と絡めない二人。みどりさんなんか台詞すらない虐遇である。かわいそ。
あんなことを言われた早川だが、鶴間家の近くで一晩中見張りをして、夜桜組から彼らをガードしていた。
絶え間なく聞こえる早川のギターを聴きながら、
冴子「お母様、本当のことを言って! お母様、お父様と結婚なさる前に、あの早川さんを生んでいたんでしょう?」
千代「おだまりなさい!」
思わず娘の頬を平手打ちする千代。
冴子「いいえ、もしお母様があの人を生んでいたとしても、あたし何とも思わないわ。でも本当のことを隠してるお母様、あたし、軽蔑します!」

その冴子、可愛いエプロンをつけて、おにぎりを握っている。
女中「まあ、お嬢様、そのようなこと私が致しますのに」
冴子「いいの、あたし、自分で作って持ってってあげたいの」
女中「どなたにでございますか?」
冴子「お・に・い・さ・ま!」
俺様、こんな妹がいたら、死んじゃうだろうな(思う存分死んでろ)。
いそいそと屋敷の外にいる早川におにぎりを持っていく冴子、だが、その瞬間を狙われて夜桜組に連れ去られてしまう。早川は助けに行くが、冴子にペストルを突きつけられ、抵抗をやめる。そして冴子の助命と引き換えに、自らダムの上から飛び降りてしまう。
その後、冴子の父・勇吉は身代金として30億円を支払う。だが、夜叉丸は約束を破り、

冴子の顔に小さな花を挿し、それを遠くからライフルで狙い落とそうとする。
右耳と左耳の花を撃ち、最後に額を撃ち抜こうとするが、そこへズバットがズバッカーでやってくる。
後は、悪人たちを退治して事件解決。

冴子「お兄様」
早川「お人違いでしょう。お母様によろしく」
早川が去った直後、千代と東条がやってくる。

千代「冴子、健は、あなたのお兄様はどこ?」
冴子「お母様、その一言、もっと早く言って下されば……」
東条「早川は恐らく二度とあなた方の前には姿を現わさんでしょう。俺のおふくろは、いつでも瞼の奥に……これが早川からの伝言です。奴はあなたを恨んではいません」
ラスト、「健~! 許して~」「お兄様~!」と夕陽に向かって叫ぶ千代と冴子の姿を映しつつ、幕。
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