fc2ブログ

記事一覧

探偵・神津恭介の殺人推理11「密室から消えた美女」その4


 解決編です。ネタバレ注意!

 神津の登場にたじろぎつつ男はなおも桑畑を殺そうとするが、田沢警部たちが踏み込んできて、男の体を押さえ、その素顔を明らかにする。

 PDVD_033.jpg
 それは誰あろう、新聞記者の山下誠一であった。

 神津「僕の推理が的外れであることを願っていたんだが……残念だよ」
 神津はわざと山下に、明日桑畑を訪ねるつもりだと話し、その夜のうちに山下が桑畑を殺しに来るものと踏んで、罠を張っていたのだ。

 神津はまず、三崎の密室殺人から解き明かして行く。
 神津「犯人はあの部屋の中からマジックのように見事に消えた。しかし子供のような素直な目で見れば、簡単に答えは出てくる。つまり、2-1は1……犯人が部屋に入った女であることは誰の目にも明らかだ。じゃあどうしてそれが消えたのか。あの時部屋の前にいたのは山下君と香織君だけだ。香織君が管理人を呼びに行っている間、部屋の前に残っていたのは山下君、君一人だ」

 山下は、香織が管理人室へ行ったあと、中から出てきた犯人の女を逃がし、彼女から受け取った鍵で外側から鍵をかけていたのだ。で、管理人の持ってきたスペアキーで部屋に入ったあと、隙を見て、その鍵をテーブルに置いていたのだ。

 最初の福島殺しの時も、山下は実行犯のサポートをする為、意図的に福島のそばに立っていたと神津は推理する。そして、福島の背後に立っていた真犯人が毒物を注射して殺したのだ。

 田沢「注射?」
 神津「福島の解剖所見と遺体の写真を見せていただいてはっきりしました。青酸反応は胃からではなくて、血液から検出されたんですが、解剖医は毒物が微量だった為に、吸収されてしまったんだと誤認したんですね。しかし、それを責めるのは酷と言うものです。何故なら……」

 ここで、事件直後、山下の証言が回想される。その時、山下は福島を助け起こした時、口から青酸独特の匂いがしたと嘘の証言をして、毒物が経口摂取されたのだと警察をミスリードしようとしていたのだ。

 山下「お言葉ですが、普通手に入る青酸化合物は青酸カリウムかナトリウム、いずれも酸と反応して初めて毒性を持つ。つまり口から入って胃酸と反応しない限り……」
 神津「しかし、たとえば、青酸ナトリウムに硫酸を加えるとシアン化水素と言う劇物が出来る。これを水に溶かして注射すれば人は簡単に死ぬ。君は青酸には詳しい筈だよ。以前、一度青酸化合物を使った殺人事件を担当してるんだからね」
 その事件についても、冒頭でさらっと触れられていた。今回はとにかく細かい伏線が張り巡らされていて、感心する。

 福島たちへの最初の脅迫電話は北島のものだったが、二度目以降は山下がかけていたものだった。

 山下「さすが神津先生だ。そうです、この桑畑を殺さない限り、俺の復讐は完結しない」
 神津「いや、正確には、浩子さんと君のだ」

 ここで、神津の口からもうひとりの犯人の名前が告げられる。
 神津は、浩子のディーラーを訪れた際、壁に1年前の東洋新聞の紹介記事が貼られているのを見ていた。その記事を書いたのが、山下だったのだ。

 神津「実は浩子さんには最初から引っ掛かっていた」
 と、今度は、福島の死の直後、浩子が構内で研三と会った時の回想。

 浩子は研三に「倒れた人がいるんです、あの電車の中で」と説明していたが……、

 神津「あの場合、普通だと人が死んだとか殺されたとか、はっきりそんな風に言うのが自然だよね。ところが彼女は福島に注射をして殺した直後だけに、無意識にそう言う言葉を避けたんだな。だから研三君も大した出来事じゃないと思ってしまった」

 この、「知らない筈のことを言った」ではなく「知っている筈のことを言わなかった」ことが、事件解決の手掛かりになるあたり、ミステリーとして水際立った手並みだ。

 また、浩子にはディーラー付属の整備工場から青酸化合物を盗み出す機会もあったと抜かりなく説明する神津。
 山下は部屋の窓を開けて、浩子とのことを話し出す。
 山下「浩子と会ったのは去年、車の展示会を取材した時でした。愛とか恋とか、口に出すと安っぽく陳腐になってしまう。でも、俺たちは愛し合っていた。これ以上ないと言えるほど、お互いが大事だった」

 二人の幸せな様子。

 PDVD_036.jpg
 だが、半年前、浩子は桑畑、福島、三崎、城山に拉致され、レイプされてしまう。
 そんなことは知らない山下は、浩子から突然別れ話を切り出され、戸惑う。

 そして2週間後、金曜の夜、久しぶりに浩子から電話がかかる。それは、人を殺したと言うショッキングな内容だった。山下は熱川のホテルへ行き、浩子に城山の死体を見せられる。そこで初めて、浩子から全てを聞かされたのだ。

 山下「浩子はあのケダモノたちに犯され、写真を撮られ、それをタネに脅され、また辱められ……この半年間、電話1本で呼び出されて、あいつらにしたい放題、いいようにされて、なぶられ続けていたんです……」

 PDVD_038.jpg
 浩子「何度も死のうと思ったの。でも、このままじゃ、死ねない。死んでも死に切れない……城山から熱川のホテルに呼び出されとき、殺そうって決めたの」
 山下「君だけを殺人犯にさせはしないよ。俺たちは一緒だ、ずっと……」

 山下は、スーツケースを調達して、城山の死体を詰め、非常階段から外へ運び出して芦ノ湖へ遺棄したのだ。

 その後、電車内で福島を、三崎を部屋で殺したのは前述のとおり。

 PDVD_039.jpg
 無論、あの女は浩子だったのだ。

 山下「だかな、桑畑、三崎も城山も福島も殺されて当然だった。お前もだーっ! お前らがしたことは、お前らがしたことは……」

 と、香織が、その浩子の姿が見えないことに気付いて問い質す。
 山下はここへ来る前に、浩子と会っていた。

 PDVD_041.jpg
 浩子「こんな風にあなたを巻き込んじゃって……ほんとにごめんなさい。あなたはもう忘れて。何もかも忘れて、全部私のやったことだもの……あなただけは幸せになって」
 浩子は、しっかりと恋人を抱き締めながら、隠し持っていた毒薬を口に含む。

 浩子はあっという間に絶命してしまう。その体を抱いて泣き叫ぶ山下。
 (註・浩子(小牧彩里)の画像が連続してしまいましたが、単に管理人の好みだからです)

 PDVD_040.jpg
 山下「先生、人を殺すと言うのは確かに犯罪です。しかし、僕たちの愛を守る為には他にどんな方法があったと言うんですか!」

 そして山下は、いきなりベランダから飛び降りて自殺する。
 突然のことに、言葉もなく立ち尽くす神津たち。

 PDVD_042.jpg
 悲しみと怒りに燃える香織は、桑畑を睨み付けて、思いっきりビンタするのだった。気分爽快だね。

 ラスト、海辺でシリーズ最後の痴話喧嘩をする信子と研三。
 その後ろから連れ立って歩く神津と香織。

 PDVD_043.jpg
 香織「先生、山下さんが怪しいってどうして分かったんですか?」
 神津「あの密室殺人の時、香織さんは戻ってくるまでの間を5分だって言ったね。山下は3分だって言った。時間が短ければ短いだけ、疑われずに済むからね」
 香織「先生の仰る人間の言葉や行動には必ず意味がある、て言うことですね」←棒読み
 神津「うん」←聞いてない
 香織「あたし、新聞記者になって良かった。先生に出会えてほんとに良かった」
 無言で頷く神津。
 意外にも、香織のこの台詞が、シリーズ最後の台詞となってしまった。

 しかし、設楽りさ子さん、綺麗な脚してるよね!

 と言う訳で、長々と紹介してきた「探偵・神津恭介の殺人推理」もこれにて終わりです。
 機会があれば、村上弘明版の紹介もして見たいと思ってます。


関連記事
スポンサーサイト



コメント

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

zura1980

Author:zura1980
70~80年代の特撮、80年代のドラマを中心に紹介しています。

最近のコメント

カテゴリー

カレンダー

12 | 2023/01 | 02
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

月別アーカイブ

ブロとも申請フォーム

FC2カウンター