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アニメ「はいからさんが通る」を鑑賞 第3話


 第3話「恋の二日酔」(作画監督・永木たつひろ)
 今回の作画はかなり雑で、丁寧にレビューする意欲が失せる。
 感じとしては、「ルパン3世」の第2シリーズっぽい感じ。
 作画監督の永木たつひろ氏は、「サザエさん」の演出をしていたながきふさひろ氏の実弟だそうだ。

 さて、前回の最後、親の決めた縁談に反発して紅緒は蘭丸と一緒に駆け落ちとしゃれこんだのだが……、

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 ほとんど衝動的なものなので、行く当てもなく夜道をひたすら走る二人。
 紅緒「あら、まだ品川よ。東京って案外広いんだわ」
 蘭丸「それにお腹も空いてきたし」
 紅緒「そう言えばあたしも……ばあやご自慢のつくねで、ご飯5、6杯食べたいわ」
 蘭丸「駆け落ちって、もっとロマンチックな雰囲気だと思ってたんだけど……」

 理想と現実の落差に暗澹とする蘭丸。やがて、人気のない寂しいところへ来る。
 なんとなく不気味な雰囲気の中、果たして巨大な人影が二人の前に現れる。

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 それは、金魚の牛五郎と言う、やくざまがいの車夫であった。
 声は、マスオさんの増岡弘さん。ちなみに南野陽子の実写版では、柳沢慎吾だった。
 (放送は、マスオさんの声を演じるようになる数ヶ月前)

 牛五郎は彼らを駆け落ち者と知ってちょっかいを出してくるが、紅緒は傘を竹刀代わりに振り回し、逆にぶちのめしてしまう。

 牛五郎「たまげたねえ、今までおいらに勝った奴はいなかったのに……いや、参った。親分! おいらを子分にしておくんなせい」
 紅緒「冗談じゃないわ。あのね、あたしたちは駆け落ちの途中でねえ……」
 牛五郎「そこをなんとか! 親分を男の中の男一匹と見込んで……」
 紅緒「なっ、なぬ?」
 牛五郎「いえいえ、女の中の女一匹と見込んで」
 しつこく子分にしてくれと頼む牛五郎に、紅緒「いいでしょう、こうなったらヤケ!」と、快諾し、近くの飲み屋に行って、親分子分の杯を交わすことになる。

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 無論、紅緒はまだ未成年だが、
 「そう、これからは女でも酒くらい飲めなくてはいけないのだ!」と、少しむせながら口にするが、たちまち「おいしい~」とご機嫌になる。

 紅緒と牛五郎はじゃんじゃか飲みまくって、あっという間に酔っ払い、大正時代のコミックソング「パイノパイノパイ」を唄って騒ぐ。
 ただし、今は大正7年で、「パイノパイノパイ」は大正8年に発表されているから、この時点でこの歌を歌うのは変なんだけどね。原作では「黒田節」「チャンチキおけさ」などを歌っている。

 紅緒の行方を捜している花村少佐やばあやの姿を挟んで、延々と歌い続ける紅緒たち。
 ひとり素面の蘭丸、思いもよらぬ展開に溜息をつく。

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 しかもそこへ、仲間に無理に連れられて伊集院少尉が入ってくる。
 少尉「ほんとにしょうのない奴らだなぁ、ここ一軒だぞ」

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 逸早く気付いた蘭丸、泥酔している紅緒に注意する。
 蘭丸「紅緒さん、ちょっと」
 紅緒「あじ、蘭丸? お酒カラッポ」
 蘭丸「ほらほらほら、それどころじゃないでしょう」

 しかし、この紅緒の顔、ひど過ぎないか? ほとんど別人だぞ。

 紅緒の酔眼が焦点を結び、少尉の凛々しい姿になる。同時に、少尉も気付く。
 蘭丸「ああっ、笑い上戸!」
 少尉「ハイカラ、ジャジャ馬!」

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 少尉は紅緒が蘭丸と駆け落ちしたと聞き、
 少尉「するとあなたは、蘭丸君を愛している?」
 紅緒「う、うう、そう、勿論!」
 少尉「ふふふふ、嘘ばっかり」
 と、笑う。

 だが、蘭丸が「僕は本当に紅緒さんが好きだ!」と真剣な眼差しで宣言すると、少尉もハッとする。

 店にいた酔っ払いが蘭丸にちょっかいを出してきて、乱闘騒ぎになる。
 少尉も加わって暴れまくっていたが、騒ぎを聞きつけて警官がやってくる。

 将校「伊集院、ここは俺たちが引き受けた。早く裏口から」
 少尉「そうか、頼む。さ、紅緒さん」
 紅緒「構わないで、あなたのお世話になんかなりません! ほっといて」
 次の瞬間、少尉の手が紅緒の頬を打つ。

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 紅緒「生まれてこの方、お父様にさえぶたれたことがないのに」
 (アムロみたいな台詞だが、原作にはない)
 少尉「ええ、ぶちましたよ」
 紅緒「男が女をぶつなんて、それでも男?」
 少尉「あなたが聞き分けがないからです。こんなことで逮捕されたら、陸軍少佐のお父上の立場はどうなります?」
 紅緒「……」
 少尉は紅緒の手を取って裏口から逃げ出す。

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 紅緒(なんだろう、あたし一体、何をしてるんだろう? こうして少尉と手を取り合って……こんな人、あたし何とも思っていないはず……大嫌いな人のはず……それなのにこんなに近くに顔があって……ふわぁ、なんだか夢の中を歩いてるみたい……)

 思い掛けない道行の中、紅緒は初めて少尉に対するときめきのようなものを感じていた。

 だが、次のシーンでは二日酔いの猛烈な頭痛に悩まされている現実の紅緒。

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 花村「こぉの、ばかものがーっ」
 紅緒「うわぁ、頭の芯に響く!」
 花村「なんだ昨夜の醜態は? 伊集院少尉に助けられたから良かったものの、危うく監獄行きだったんだぞ」

 花村少佐が紅緒を怒鳴ると庭から牛五郎が飛んでくる。
 牛五郎「やいやい、親分に何をするんだい」
 花村「なんだこの男は?」
 紅緒「あ、いけない、忘れてた。子分にしたんだっけ」
 花村「子分?」
 紅緒「牛五郎さん、それはあたしの父よ」

 牛五郎「おひかえなすって、あっしは子分の杯を頂戴しました車引きの牛五郎と申します。以後よろしゅうに!」
 相手が親分の父親だと知って、侠客風の挨拶をする牛五郎。
 花村少尉を演じるのは永井一郎さんなので、二人は「サザエさん」の波平とマスオ君でもある訳だ。

 花村「な、なんと、陸軍少尉の娘が、やくざもどきの真似を……」
 紅緒(みっともない、か……)

 ばあやは、折角の縁談もこれでご破算だと嘆く。
 紅緒「いいじゃないの、どうせ最初からお嫁に行く気なんてなかったんだし。これで先方から断ってくるでしょうよ」
 花村「ところが、少尉の気持ちは変わらないと言うのだ。あの少尉、全く物好きと言うか、ゲテモノ食いと言うか、お前のようなジャジャ馬、ほかに貰い手があるでもなし、ありがたいと思いなさい」

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 紅緒「あれだけやったのに、まだ懲りてない!」

 紅緒(あの少尉、おかしいんじゃない? それとも結婚と言うことをひどくいい加減に考えている……とにかくこのままじゃ親の言いなり即結婚、これで良いのかハイカラ人生、命短し恋もせず……)

 原作では(気がおかしい)となってます。

 ha0310
 さて、これ以降、紅緒は学校に行くのに牛五郎の人力車で通うようになる。

 と言ったところで終わりです。

                                       (C)大和和紀・講談社・日本アニメーション


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コメント

桃太郎侍の「江戸っ子娘に春が来た」と言うお話では桃さん(言うまでもなく高橋英樹さん)が長谷直美さん演じる町娘のお春に
「ねぇ、桃太郎先生。私お酒って飲んでみたいの。私もう19なんだからいいでしょ・・・。」
と言われお酒の手ほどきをする場面がありました。
不慣れかつ恐る恐る初めてのお酒を口にしていたお春に対し、紅緒さんは更に年下の17歳で何とも大胆不敵で豪快な飲みっぷり、おまけに「パイのパイのパ~イ」と歌っちゃったりなんかして只者ではないですね。

Re[1]:アニメ「はいからさんが通る」を鑑賞 第3話(08/09)  

笑太郎様
こんな記事にまでコメントありがとうございます。

>桃太郎侍の「江戸っ子娘に春が来た」と言うお話では桃さん(言うまでもなく高橋英樹さん)が長谷直美さん演じる町娘のお春に
>「ねぇ、桃太郎先生。私お酒って飲んでみたいの。私もう19なんだからいいでしょ・・・。」
>と言われお酒の手ほどきをする場面がありました。

色々と見てられてるんですね。自分も「桃太郎侍」は好きですよ。

Re[2]:アニメ「はいからさんが通る」を鑑賞 第3話(08/09)  

>zura1980さん

>こんな記事にまでコメントありがとうございます。

>色々と見てられてるんですね。自分も「桃太郎侍」は好きですよ。

こちらこそご返信ありがとうございます。因みに「桃太郎侍」のそのお話では、お春のダメ兄貴(志賀勝さん)を恫喝する賭場の元締め役で地獄大使の潮健児さんが出演していました!

-----

Re[3]:アニメ「はいからさんが通る」を鑑賞 第3話(08/09)  

笑太郎様
>因みに「桃太郎侍」のそのお話では、お春のダメ兄貴(志賀勝さん)を恫喝する賭場の元締め役で地獄大使の潮健児さんが出演していました!

返信ありがとうございます。
そのエピソードは見たことがないので一度見てみたいですね。

二日よい

はいからさんがとおるおなかなるしききたいんだけどお願いします

二日よい

はいからさんがとおるおなかどうやってなるんですか

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