「スケバン刑事2 少女鉄仮面伝説」セレクション 第17話

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　第17話「迷走！暗殺カー！影の総統を消せ」（1986年3月6日）
　サキの元を訪れた西脇が、私立開明高校3年生の中山オサムと言う男子生徒の写真を見せる。
　西脇によれば、彼はＩＱ240以上の天才で、1年前まで青狼会の幹部だったらしい。今回の指令は、その中山に接触して青狼会に関する情報を聞き出せと言う穏便そうなもの。ただし、

　西脇「開明は男子校だっ」
　と言う訳で、普通に転入生として潜り込むことができない。

　では、サキたちの男装姿が見られるのかと思わず腰を浮かしかけるが、サキとお京の男装プレイは次回のお楽しみである。

　
　よって、今回は、パン屋のおばさんに化けて入り込むと言う方法が採られる。

　パンを求めてゾンビのように群がる男子生徒たちにぶちぎれて、
　お京「てめーらー！　ひとりずつ順番に言えよ」

　男子「カレーパンとアンパン早くしてよ、おばさーん」
　お京（胸倉を掴んで）「おばさんだとぉ、てめー、ぶっ飛ばすぞコノヤロー！」
　男子「ご、ごめんなさい、お姉さん」
　お京「最初からそう言えばいいんだよ」

　しかし、生徒たちも相手がピチピチの若い女の子だと分かりきってるのに、そこには一切関心を示さず、ひたすら餓鬼のようにパンを欲しがる姿には違和感を拭えない。

　ついでに言えば、ここではサキが中山の姿をチラッと見掛けるだけなので、わざわざこんなことまでして高校に潜入する必要は全くナシ！　そもそも、お京が付いて来る必要もない。

　
　夜、サキは中山が借りている倉庫の中に入り込み、なにやら大きな図形が描いてあるのを発見し、首を傾げる。国際空港ビルの見取り図らしいのだが……。

　そこへ中山が戻ってきて、いろいろあって、

　
　サキ「梁山高校2年B組麻宮サキ、またの名をスケバン刑事」
　中山「デカぁ？　君が？」
　中山、サキが刑事だと知って妙にウケる。

　サキは中山に青狼会、と言うより「影の総統」について訊ねるが、
　中山「総統のプライベートなことについて知ったら、殺される！　その良い例が俺の妹さ。妹は青狼会の準幹部だった……」

　ここで、回想シーンになる。
　中山の妹が「総統、この書類のことなんですが」と言いながら総統の部屋に入り、デスクに近付くと、

　
　総統は今まさに、プライベートタイムの真っ最中であった。

　総統、母親に見付かった時のように狼狽して「寄るな！」と中山妹を睨み付ける。

　総統「貴様、見たな！」
　怒りのあまり、総統は土下座して謝る中山妹を蹴飛ばす。

　冗談はともかく、中山妹が知ってしまった秘密とは、総統が心臓にペースメーカーを埋め込んでいると言う事実だった。
　中山「たったそれだけで、妹は殺された！」

　また、総統は年に一度ペースメーカーの調整の為、アメリカに行くのだと中山はサキに教える。

　
　サキとお京が、入院中の雪乃のところにいる。
　雪乃「ペースメーカーを？」
　お京「あたいもサキから聞いたときはぶったまげたよ。機械で心臓動かしてるくせに、あんな悪いことばっかやってんだもんなぁ」
　サキ「ひどい男じゃ」
　雪乃「ええ、ほんとにタコでございますわ」
　お京「お前なぁ、そう言うのはタコって言わないの。タコってのはなぁ、高校生の癖に石切場からダイナマイト盗むような奴のことを言うんだよ！」
　テレビを見ていたお京の言葉に、サキが反応する。

　サキ「ダイナマイト？」
　お京「1週間前にダイナマイト盗んだ奴がいてさ、そいつが高校生だって分かったんだってさ」
　サキはすぐに中山のことが頭に浮かび、急に部屋を出て行く。お京もバナナを口に放り込んで追いかける。

　中山は既に空港スタッフに化けて、空港内に潜り込んでいた。
　中山の狙いは、無論、妹の仇である「影の総統」だ。

　
　そんこととは露知らず、VIPルームで談笑している総統と幹部たち。
　総統はこの後、アメリカへ飛ぶ予定なのだ。

　しかし、幹部たちのこの和やかな笑顔、どう見てもお人好しばっかりである。

　
　サキはバイクの尻にお京を乗っけて、空港へ急ぐ。
　あの図面などから、中山の計画を推測していたサキは、ダクトにダイナマイトを付けたラジコンカーを入れている中山を発見、起動スイッチを押すのを阻止しようとタックルする。

　お京はダクトに顔を突っ込んでラジコンに手を伸ばすが、ちょうどその時、サキと取っ組み合いながら中山がリモコンのスイッチを入れたため、あと一歩のところで走り出してしまう。

　
　お京、得意のビー玉を飛ばして止めようとするが、
　中山「やめろ、タイヤの回転が止まれば、そこで爆発するぞ！　回転が止まるか、カウンターの数字がゼロになれば、爆発するようになってるんだ！」

　中山の差し出したリモコンには、4桁の数字が猛烈なスピードで減っていくのが見えた。
　しかし、なんで中山はお京のビー玉のことを知っていたのだろう？

　中山は、ラジコンはVIPルームの真上で爆発するから、青狼会以外の犠牲者は出ないと言うが、サキは中山に当身を食らわせて、ラジコンを止めるべく走り出す。
　もっとも、それは「オルゴールの謎を解くまでは総統を死なせるわけにはいかない」と言う理由であったが……。

　サキとお京は、見取り図とリモコンを持って空港内を走り回る。

　
　そんなこととは露知らず、依然、雑談に花を咲かせている総統と幹部の皆さん。
　一見暢気そうだが、総統の繰り出すアメリカンジョークに延々と愛想笑いをしているところだったら怖い。

　
　ラジコンは、途中で出っ張りに引っ掛かって唸っていたが、やがてまた走り出す。

　その後、たまたまダクトの整備が行なわれていた為、ラジコンは下に落ちる。

　しかも、その場にたまたま子供がいて、ラジコンを拾って走り出す。
　「自動車だ自動車だーっ」と単純な台詞を繰り返しながら構内を走っていたが、サキたちの目の前でこける。
　こけてからも「痛いよー痛いよー」と、同じ台詞をひたすら繰り返す子役を演じているのは、野坂研氏。

　数ヵ月後の「セーラー服反逆同盟」では、仙道敦子さんのスカートの中に入ると言ううらやましいことをしていたお子様である。

　
　サキはラジコンを抱えて空港の駐車場へ行き、ヨーヨーを使ってなんとかダイナマイトをラジコンから切り離す。

　そんな騒ぎがあったとは知らず、総統は幹部たちを引き連れてVIPルームから出て行くのだった。
　総統は渡米し、しばらく物語から姿を消す。

　
　総統を乗せた飛行機を見上げるふたりに、中山がやってきて反省の弁を述べる。
　妹の復讐はもういいのか？

　さっきの子供がサキの落としたペンダントを届けに来る。
　お京「坊やえらいねー、これ上げるよ」

　中山のラジコンを勝手に人に上げるお京の笑顔が眩しい。