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「三毛猫ホームズの推理 女子大密室殺人」その2


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 の、続きです。

 夜這い騒動のあった翌日、片山のアパートに三田村が訪れて将棋を指している。

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 三田村「テーブルと椅子が消えた?」
 片山「そうなんですよ。1時間経って控え室に戻ってみたら、がらんどうになってて」
 三田村「寝惚けてんじゃないか、よっちゃん」
 晴美「ほらねー、あたしもそう言ったの。お兄ちゃんたら、その女子学生にボーっとなったまま、まだ夢見心地なんじゃない?」
 三田村「なるほど、ありうることだな」
 二人とも、片山の話をまともに取り合ってくれない。片山は、妹・晴美と二人暮らしなのだ。

 と、三田村が頭を押さえて急に苦しみだす。最近、しばしば激しい頭痛に見舞われるらしいのだ。
 二人は病院でちゃんと調べるよう勧めるが、三田村は頑なに拒絶して、市販薬で誤魔化す。

 晴美を演じるのは千野弘美さん。

 その後、徹夜をした片山が昼寝をしていると野島課長から電話があり、森崎が殺されたと知らされる。

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 片山がその現場、例の控え室に来ると、既に他の刑事たちも来て捜査を行っていた。
 うーむ、どっちも捕まえると言うより捕まえられる方の顔だが。

 森崎は細長いプレハブの一方の壁際に倒れていた。死因は頭蓋骨折。
 凶器も見付からず、おまけに部屋は内側から鍵がかけられていた。いわゆる密室殺人である。

 しかし、ここで使われているトリック(後述)で殺したのなら、現場にその痕跡が残りそうなものだが……?

 そこへ森崎が可愛がっていたホームズがやってきて、死体の側に座る。それを乱暴に追い払う監察医(相馬剛三)に片山は思わず食って掛かる。
 片山「猫だって、主人を弔う権利はありますよ!」

 片山は目と鼻の先の寮へ行き、雪子に事件のことを知らせる。波多野靖子もいて、彼女はあっさり森崎教授と男女の関係にあったことを認める。
 靖子「私は泣かないわ。病気や事故で死んだんなら、何日も泣いて暮らしたかもしれないけど、誰かに殺されたのならまずその犯人に償いをさせてやりたいの。それからゆっくり泣くわ」

 片山が森崎の部屋で考え込んでいると、雪子がホームズを連れて入ってくる。
 雪子は事件解決の手助けになればと、靖子から聞いた情報を教えてくれる。

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 雪子「森崎先生、学生のアルバイト(売春のこと)以外のことを調べていたらしいの。靖子さんにもはっきりしたことは分からないらしいんだけど、どうも、新しい校舎の建設に絡む何からしいのよね」
 片山「絡むって?」
 雪子「この学校で、汚職でも行なわれてるんじゃないかしら?」
 片山「汚職ぅ?」
 ホームズ「なーお」
 雪子「ほら、ホームズだってそうだって言ってるわ」
 片山「よせよバカバカしい」

 ホームズは起き上がってすたすたと本棚のところに行き、特定の本の上でしきりと鳴き声を上げる。
 片山「マタタビでも隠してあるのかな」
 雪子「あの本を出せって言ってんじゃない?」
 半信半疑で片山がその本を取り出して調べると、果たして、

 「これ以上調べまわらぬよう警告する。もし聞かねば」

 と、活字の切貼で作られた脅迫状のような便箋が出てくる。

 森崎は、大学内の汚職事件を調べようとして殺されたのだろうか?
 片山「それにしても……お前ほんとうに猫なのか?」

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 片山の問い掛けに、澄まし顔で見上げるホームズ。可愛い……。

 雪子「ホームズだって、主人の仇を取りたいんだわ」
 片山「だからね、問題はその仇が誰かってことなんだよ」
 雪子「少なくとも森崎先生殺しの犯人と、栗原さん殺しの犯人は別人って言うことになるわね」
 片山「どうして?」
 雪子「だって、内部の事情を知らない人間があんなに手の込んだ密室殺人が出来る訳ないじゃない」
 片山「女子大生殺しの犯人が必ずしも外部の人間とは限らないよ」

 片山の言葉を受けて、
 雪子「今夜、あたしの部屋に身辺警護に来て下さらない?」
 と、大胆なことを言い出す。

 片山「今夜?」
 雪子「あたしねえ、あなたみたいなタイプに感じるたちなの手書きハート

 片山、その後、寮の管理人から話を聞いたりしていたが、ちょうどそこへ三田村が警備員を引き連れて現れる。学長に頼まれて、寮の警備に来たと言う。片山は三田村の健康を気遣うが、三田村は警備員の先頭に立って階段を登って行く。
 そこへ林刑事(勝部演之)がやってきて、
 林「全く三田村さんにも困ったもんだ。いや、課長はね、あまり目立った警戒はしたくないと言う方針なんだ」

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 あれこれ話していると、三田村が警備員に支えられて降りてくる。
 片山「大丈夫? だから無理しちゃダメだって……」
 三田村「大丈夫、心配するな……」
 しかし、三田村は意識を失って倒れる。
 片山「きゅきゅきゅ、救急車!」

 病院で、片山は身寄りのない三田村の家族同様と言うことで容態を聞く。
 医者「脳腫瘍の疑いがありますね。患者さんには過労から来る偏頭痛だと言っておきました」

 医者の口ぶりでは、思わしくないらしい。
 暗然となる片山。

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 その晩、片山は約束どおり雪子の部屋を訪れる。

 窓際に座って外を見ていたホームズがしきりと鳴く。
 片山「どうしたんだ、ホームズ? うん、何にもないじゃないか。……ううーん、そうか、どうしてこんな簡単なことに気付かなかったんだろう。いや、僕はねあの控え室からテーブルと椅子が蒸発しちまったことがずーっと気になっていたんだよ。昨日の晩、僕と君は大中先生を引っ張りこむのに夢中だったろう? 犯人はどうしても控え室からテーブルと椅子を運び出す必要があった……それには控え室に張り込んでいる僕が邪魔だった」

 雪子は大中も犯人の一味で、片山の注意をひきつけるためにわざとあんなこと(夜這い)をしたのでないかと疑うが、片山は軽々しく断定は出来ないと明言を避ける。

 片山はすぐもう一度控え室へ行こうとするが、

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 雪子「ねえ刑事さん、もう一度、戻ってきてくれる?」
 片山「……」
 雪子「熱いコーヒーもベッドも待ってるわ」

 この二人、会ってから、まだ二日しか経ってないんだけどね。

 片山「僕をからかってるのかい」
 雪子「人を好きになったら、からかってる暇なんてないわ」

 更に上目遣いで、「キスしてもいい?」と聞く。

 片山「いや、僕、したことないから」
 ホームズ「にゃーお!」
 雪子「ホームズだってどうぞって言ってるわ」

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 初々しい大人のキス。

 どうでもいいが、ほんとにこいつ女性恐怖症なのか?

 片山はふらふらと部屋を出て行く。ホームズも後を追って走り出す。

 片山がホームズを抱いて控え室で考えている頃、やる気マンマンの雪子は、ネグリジェに着替えてベッドに入って片山の帰りを待っていた。

 と、そこへいきなり暴漢が入ってきて、雪子を押し倒し、目隠しをして口にハンカチを押し込む。
 雪子を縛り上げ、電気を消した上で、
 「お前は美しい。その薄いネグリジェを通してその美しい体が見える。しかしお前は知らない。自分がどんなに罪深い存在か。美しい女は生まれながらにして娼婦なのだ。私の手にはナイフがある……良く切れる。苦しいのはあっという間だ。暴れるな。じっとしていろ。すぐに終わる」

 不気味な低音で語りかける暴漢、いや、殺人鬼。声を不自然なほど加工してあるので誰が喋っているのか、視聴者には分からない。

 そこへ「遅くなってゴメン、なんだ、暗いなぁ……」と、片山が暢気な様子で戻ってくる。
 殺人鬼が突き出した手に、ホームズが爪を立てる。殺人鬼は慌てて逃げ出す。

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 廊下で呻き声が聞こえ、片山が飛び出すと、踊り場で林刑事が倒れていた。殺人鬼に刺されたらしい。
 林「片山、犯人、あ……、みた……みた……」
 片山「犯人をなんですか?」
 林「みた……」
 片山「林さん、林さん!」

 林は敢え無く息を引き取る。
 警備に戻っていた三田村も駆けつける。

 警視庁で、野島課長たちが林の死を悼んでる。
 元同僚の三田村も協力を申し出るが、野島は「弔い合戦は我々だけでやる。余計な手出しはやめてくれ」と強い口調で突っぱねる。

 野島「君はとうの昔に警察の人間じゃなくなってるんだ。逸脱した行為があればたとえ君と言えども見逃す気はないからね」
 三田村「……分かった。成功を祈るよ、林君の為に」

 三田村が出て行った後、別の刑事が来て、例の便箋が学長が使っていたものだったこと、新校舎建設に絡む汚職があったことなどを報告する。野島は、森崎はその為に殺されたのだと断定し、学長や、手先として働いていたタンクトップ富田を尋問する。

 このくだり、かなり時間を割いて描いてあるのだが、メインの殺人事件とは無関係な上、ぜんっぜん面白くないのでカットする。原作にはこのエピソードもあるんだろうか? 2時間ドラマにする為の水増し要素のようにも思える。

 汚職があったのは確かだが、無論、森崎殺しとは無関係なのだ。
 果たして真相は? と言ったところでつづく。


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