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「怪奇大作戦」セレクション 第15話「24年目の復讐」


 第15話「24年目の復讐」(1968年12月22日)

 横須賀で、若い日本人女性といちゃついていた米兵が海から出てきた得体の知れない人間に襲われて、海中に引き摺り込まれて殺されると言う事件が多発する。

 SRIの牧は、町田警部と一緒に横須賀へ行き、現地の警察と協力して捜査を開始する。

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 米兵と一緒にいた女性のひとり、吉村千恵子が取調べを受けている。

 神奈川県警の刑事は(何故か)千恵子が犯人ではないかと疑うが、千恵子は大口を開けて笑った後、

 千恵子「バカバカしい、ジョーはあたしの恋人だよ。それにジョーは泳ぎが上手かったんだ。ベトナムに行かなきゃオリンピックに出れたって自慢してたんだから。そのジョーがよ、海に落ちたくらいで死ぬわけないじゃん!」
 町田「死ぬ訳ないからおかしいんだ」
 千恵子「だからさ、黒い人間が出て来たって言ったじゃん」
 刑事「いい加減にしろ、黒い人間黒い人間、海の底から人間が出てきたとでも言うのか! ……素直に吐いたらどうだ、楽になるよ」

 牧はじっと女を見ていたが、調書を手にして「吉村千恵子」と言う名前を意味ありげにつぶやく。

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 (黒い人間、そんなものがいるんだろうか)
 海を眺めながら物思いに耽る牧。このしょぼくれた感じが何とも言えない。

 そこへ町田がやって来て、被害者の一人の体から旧日本軍で使われていた銃弾が摘出されたと意外な事実を伝える。

 牧「水棲人間?」
 町田「いやぁ俺はそんな風に飛躍して考えたくないんだ」

 牧は本部へ電話して、三沢に「水棲人間は可能かどうか実験してみてくれ」と頼む。

 その夜、牧は横須賀の歓楽街にある千恵子の働いている店へ行き、捜査の協力を要請する。

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 しつこく千恵子を口説く牧を、店の男が叩き出そうとして殴り合いになる。

 頭は良くても喧嘩はあまり強くない牧、ボコボコにされる。

 それでも牧は、血塗れの顔で米兵や女の子が楽しく踊っているホールに入り込み、千恵子に懇願する。

 男たちが尚も牧を痛め付けようとすると、千恵子が見兼ねて外へ連れ出す。

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 牧「千恵子さん、頼むよ」
 千恵子は牧の乱れた髪を直して、血を拭いてやるのだった。

 牧は水兵の格好をして、ジープに千恵子を乗せて港へ行く。彼自身が囮になって、「黒い人間」をおびき出そうと言う作戦なのだ。

 牧は缶ビールを片手に、千恵子を抱いて「ハッピーバースディートゥーユー」などと訳の分からないことを叫びながら騒ぎ立てる。

 近所の人から「うるさい静かにしろ」と叱られる(註・られません)。

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 騒ぎ疲れて、ジープで一休みのふたり。

 千恵子「あんなに殴られてまで、どうしてあたしに頼んだの?」
 牧「君が千恵子と言う名前だったからだ。僕の姉さんも千恵子という名前だった。もう死んじゃったけどね」
 千恵子「よっぽど好きだったのね、姉さんが」
 牧「いつも、一緒に遊んでた。君のお父さんも戦死したんだったね」
 千恵子「うん、輸送船が沈没したんだって」
 牧「お父さんは君を知らない、君もお父さんを知らない」

 そこへ、靴音を響かせながら怪しい人影が近付いてくる。

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 ヘッドライトを受けて、たじろぐ怪人。演じているのは天本英世さんだが、はっきり顔が映らないし、台詞もほとんどないので言われなきゃ分からん。

 牧「僕は日本人だ。あなたに会いたくて待ってたんだ。あなたは誰だ。どうしてアメリカ兵ばかり狙う?」

 怪人は、相手が日本人だと知るとさっさと海に戻ろうとする。牧は追いすがるが、腹を殴られてうずくまる。
 牧がその時掴んだ相手の衣服の切れ端をSRI本部で的矢たちに見せると、「海軍の戦闘服ではないか」と言うことだった。

 三沢は、実験室で、水中で特殊な方法で生きているネズミを見せる。
 野村も、沈んだ船の底で3週間生きていた男の実例を挙げる。

 牧「彼は海軍だった。船が沈没して、船底で生き続けているうちに、いつか水中でも呼吸できるようになった。彼がアメリカ兵を狙うのは、つまりまだ戦争を続けている!」

 男が何故水棲人間になったのか、具体的な説明が欠けているのが惜しい。
 海軍の秘密実験とかね。

 牧は再び横須賀へ行き、(とりあえず)猿島へ渡る。

 島の中を歩いていると、千恵子がアメリカ兵と女の子を連れているのに出会う。

 千恵子「牧さん!」
 牧「よお」
 千恵子「今日はガイドなのよ」
 牧「へー、頑張れよ」
 別れ際、千恵子は柿のなった枝をくれる。

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 見張り台のような施設にのぼり、湾内を見渡す牧。

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 千恵子から貰った柿を見ているうちに、幼い頃のことを思い出していた。

 家の前のブランコに、かわるがわる乗って遊んでいるのは牧とその姉・千恵子だ。
 後景の日本家屋はミニチュアで、手前の人物と合成しているようだ。

 ……と思うのだが、良く分からん。
 まあ飛んでくる戦闘機はミニチュアだけど、空の部分だけ合成しているのかしら?

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 とにかく、姉がブランコに乗っていると、後方から飛来した戦闘機が銃撃して、彼女を無残にも殺してしまう。離れたところから座って見ていた牧は助かる。

 ここはかなりショッキングなシーンだが、効果音なしで、童謡の「赤とんぼ」の曲が流れているのが極めて印象的だ。

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 自分の身代わりになって死んだような姉のことを思い、牧は我知らず、
 「お姉ちゃーん!」
 と、子供のように叫び、涙を堪えるのだった。

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 帰りがけ、要塞跡の奥にチラチラと灯りが見える。もしやと思って入って見ると、案の定、そこが「水棲人間」の住まいだった。

 牧は日記を読み、彼が木村と言う海軍兵士で、いまだにアメリカ軍と戦っていることを知る。
 そこへ木村が戻ってくる。

 牧「戦争は、もう終わったんですよ。23年も前にね。今日本にいるアメリカ兵は駐屯してるんですよ。日本は負けちゃったんです」
 木村「嘘だッ!」

 で、いろいろあって、木村は体に火薬を巻き付け、ボートで停泊しているアメリカ軍艦へ体当たりをする。
 結局彼は爆死するのだが、軍艦に当たって爆発したのか、途中で自ら火をつけたのか、やや分かりにくい。

 ラスト、事件について話し合うSRIメンバー。

 的矢「牧くんの執念の勝利だね」
 牧「執念と言えば、木村2等水兵ですよ。23年間、ただ戦う執念だけで生き続けてきたんですからね」
 野村「馬鹿みたいな話ですね」

 野村の若者らしい、無神経な言葉を三沢がたしなめる。

 三沢「ノム、そんな言い方は止せ、戦争の影響から逃れずにいる人々がまだまだ大勢いるんだ!」
 的矢「ノムは戦争を知らない、だから、よその国の出来事のように思えるんだろうなぁ」

 そう言う三沢も、さおりちゃんに12月8日は何の日だったか知ってるかと聞かれ、「針供養かい」と大ボケをかます。

 町田「おっ、昭和16年12月8日だ」
 的矢「そうか、『帝国陸海軍は本8日未明、西太平洋において米英海軍と戦闘状態に入れり』」
 三沢「ああ、真珠湾攻撃の日か!」
 町田「忘れもせん、俺はその年警視庁警察官を拝命したんだから」

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 牧「待てよ、昭和16年12月8日、まだなんかあったぞ……」
 的矢「はて、なんだったろうな?」
 牧の言葉に一同黙り込む。だが、

 牧「なぁんだ、そうか、ふふ、いやぁ僕の誕生日でした!」

 最後に和やかな笑い声に包まれるSRI本部であった。

 以上、上原さんらしいシナリオであったが、結局、「水棲人間」と千恵子とは何の関係もなかったんだね。てっきり、千恵子のお父さんなのかと思っていたが……。
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コメント

猿島(軍艦島)といえば、「仮面ライダー」の
コブラ男の初回、ゲルショッカー初登場回が有名ですね。

それにしても水棲人間になった原理(?)らしきフォローは
欲しいところでした。

>海軍の秘密実験とかね。
「メタルダー」はオーバーテクノジー過ぎですね・・・

Re[1]:「怪奇大作戦」セレクション 第15話「24年目の復讐」(08/27)  

影の王子さん
>猿島(軍艦島)といえば、「仮面ライダー」の
>コブラ男の初回、ゲルショッカー初登場回が有名ですね。

「スカイライダー」でも使われてましたっけ?
最近、「仮面ライダー」を最初から全部見てるんですが、面白いですね。いずれレビューするつもりですが。

Re:「怪奇大作戦」セレクション 第15話「24年目の復讐」(08/27)  

的矢所長の“ノムは戦争を知らないからそんなことが言える”と言う台詞が印象的ですね😅
今は戦争を知らない世代が殆どですが、放送当時は戦争を知ってる世代が多いのがミソですね😓

Re[1]:「怪奇大作戦」セレクション 第15話「24年目の復讐」(08/27)  

ふて猫様
>的矢所長の“ノムは戦争を知らないからそんなことが言える”と言う台詞が印象的ですね😅
今は戦争を知らない世代が殆どですが、放送当時は戦争を知ってる世代が多いのがミソですね😓

なかなか考えさせられるストーリーでしたね。牧がカッコよすぎです。

改めて視ると救いの無いラストでしたね(@_@)ところ
で“まっくんの執念の勝利だね”は、“巻君の執念の勝利だね”ではないのでしょうか?

Re: タイトルなし

> で“まっくんの執念の勝利だね”は、“巻君の執念の勝利だね”ではないのでしょうか?

多分そうだと思います。あとで直しておきます。

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